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みずほ証券大量発注ミス 東証の責任

2005-12-09 11:22:24 | 時評・論評
みずほ証券の大量発注ミスが市場の騒ぎとなっている。
これについては東証の市場運営に疑問がある。
①発行済株式数の40倍の発注を受け付けてしまうシステムとなっているのはなぜか。
②「同証券はご発注に気づいて注文の取り消しを東証に要請したが、東証のシステムに認識されず、間に合わなかった」と9日の日経にあるが、これはどういうことなのか。東証のシステムの欠陥なのか、それともあわてていてうまく操作ができなかったということなのか。前者ならどうしてそうだったのか。
③事態についての釈明をみずほのみに負わせているのはなぜか?非がないと思っているのか?
などなど。ま、誰もが思っていることだろう。

何度もいうが株式会社なんだからその商売上の問題発生にはちゃんと釈明すべきだ。対応の遅さと不透明さが独占ゆえの弊害なら、PTSを待つ前に東証自体をさっさと分割すべきだ。

直後の追記)
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東証の天野富夫常務は9日未明、みずほ証券がジェイコム株で誤った売り注文を大量に出した問題で記者会見した。この中で同常務は、極端に多い売り注文数から誤発注を疑った東証が、注文取り消しを3回にわたって要請したにもかかわらず、実行されなかったと指摘。「東証の手続きに誤りはない」と強調し、みずほ証側の失態との見方を示した。 
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Yahooにこんな記事が出ていた。取り消し要請がホントなら東証に責任はないか、非常に軽いわなあ。

(また追記)
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みずほ証券は八日午前、ジェイコム株を「一円で六十一万株」売る注文を出した後、誤りに気付き、一円での売り注文を取り消そうとした。しかし、ジェイコム株は、この時点で初値である六十七万二千円プラスマイナス十万円の値幅制限内でしか取引できないため、みずほの出した取り消し注文は無効とされたという。

 東証は、値幅制限下限の五十七万二千円で取り消し注文を出していれば実際に取り消されていたはずだと説明している。
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少し見えてきた。3回にわたり取り消しを要請し、3回トライしたのだが、取り消しの入力方法を間違えていたということだろう。しかし、もともと1円の指値売りが通って、そのあと初値がついたから572000円に指値が「変わった」というのもぴんと来ないだろうなあ。そう言うルールがあるとはわかっていても、そんなの実地に体験する機会はほとんどなかったろうし、ましてやパニクってるときだから無理もないかもしれない。東証の人は教えてあげなかったんだろうか?
そもそも発注を特定するのに価格と数量を入れないと特定できないというシステムになっているのは使い勝手が悪い。個人のネットトレードだったら発注リストの画面で当該トレードをクリックすることで取り消し手続きができるが、その類(発注番号でもいい)の方法をとることはできないのだろうか?
操作性に難があるシステムならそれは問題だし、それを前提とするなら操作は相当慎重でないといけないね。
もうひとつ派生して思うのは、もし取り消しに関して上記のやり取りがあったとすれば、買を入れる、という判断は東証の示唆かもしれない。「うーん、とりけせませんか。。じゃあ同額の買いを入れてください」なんてね。想像するとなんとおっそろしく緊迫したやり取りであることよ。。。 東証が自己勘定での売りと買いを薦めるとは何事だ、という声もあるかもね。ま、それはその通りだが緊急事態で致し方なしとしてあげてよいとは思う。
それより、こんな取引が(少なくとも1度は)チェックなしではいるなら、空売り規制って事前チェックはできないってことなんだろうか?Uptickルールも含んでってことだけど、要は検査のときにわかるというだけなのか?不思議だ。

12/12追記
案の定、と威張るつもりもないが、やはり東証のシステムに問題があったようだ。やっぱり、指値が1円から572000円に変わったことを認識しなければ取り消せないということはないよね、Dosのコマンドラインの時代じゃあるまいし。それに、そういうふるい形であったとしても、指値や発注番号、数量などを全部にゅうりょくしていっちしなければならないといったような使い勝手の悪い取り消し入力方法はほとんどありえないよね。そんなんじゃあこれまでにもミスは続出しているはずだし。
東証のシステムがどのように問題だったのかは詳しくはこれからわかるだろう。それにしても今回の東証の対応は問題だよね。「調査中」っていってりゃまだいいけど「自分に非はない」といったんじゃあ話にならないよね。