御託専科

時評、書評、そしてちょっとだけビジネス

ガルブレイス「The Economics of Innocent Fraud」

2005-05-25 07:28:12 | 書評
ガルブレイスには罪はないが、この本自体がちょっとFraud気味。たまたま日本語訳だけでなく英文書も検索したらペンギンで安く出ていたのでそれを買った。A6ぐらいで50ページあまりの薄っぺらい本だった。和訳買ってたらちょっと腹が立ったかもしれない。

それはともかく、痛快かつ深刻、ただ、期待・予想通りの内容だった。
・実は楽しく楽できれいな仕事をしている人ほど高給をもらっているということ(the specious world of work)
・GDPという計測方法をターゲットにすること自体の不健全さ(The economics of Accommondation)
・金融政策が実は何の効果もないのに崇め奉られているということ。
・株主に仕える経営者というフィクションの下で株主は安心し経営者が蓄財に励んでいること
・偽りの(そして高給の)預言者たち
などなど。僕自身かなり前から思っていたことだが、こういう人にはっきり言ってもらうと自分の感覚・思考が間違いではないことが確認でき、安心しまた勇気が出る。