ハルトくんは、コーヒー派。
私は、紅茶派。
しかしインスタントではコーヒーの方が楽なので、私もコーヒーを淹れることが多い。
苦いのは苦手だし、猫舌でもあるので、濃い目に淹れたコーヒーに冷たい牛乳を入れてね。
さて、最近ハルトくんが言う。
「ねえちや、コーヒー淹れてよ」
自分で飲む時には、自分で淹れていたはずのハルトくんの要求に、私は単に甘えたいのかと思った。
しかし、違うようだ。
「俺が淹れると、何かマズイんだよね」
それは、「人に淹れて貰った方が嬉しくておいしく感じる」という意味のことだと思った。
しかし、違うようだ。
「ちやに淹れてもらった方が、おいしいの」
そこまで持ち上げなくても、インスタントコーヒーくらい淹れてあげますってば。
ゴキゲンを取らなければ淹れて貰えないと思っているのか?と少々不憫に思った。(鬼嫁だし?)
しかし、これまた違うようだ。
それは、先日ハルトくんがコーヒーを淹れてくれてわかった。
マズイ。 Σ( ̄□ ̄;|||
使ったインスタントコーヒーも、クリープも、コーヒーシュガーも、マグカップさえも、私が作る時と同じものだ。
なのに何で?
私が特別、何かしているわけではナイ。
自慢だが(え?)、私にインスタントコーヒーの淹れ方を教えたのはハルトくんだ。
実家にいた頃はコーヒーを飲む習慣は私にはなかったし、誰かにコーヒーを淹れるなんてこともしていなかったからだ。
結婚前、ハルトくんの家に遊びに行った時に、ハルトくんがコーヒーを淹れてくれたのがきっかけだ。
以来、私のコーヒーの淹れ方は、その時ハルトくんに教わった分量そのままだ。
なのに何で?
ついさっき、やはりハルトくんに頼まれてコーヒーを淹れた。
特に何も考えず、いつものようにいつもの分量で。
「うん、おいしい♪ ありがと~(^-^)」
「そりゃよかった(^-^)」
平和な一般家庭におけるミステリーは、このまま迷宮入りが決定した。