紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

「墓石巡り」 (4) 一族郎党

2009年06月17日 19時17分40秒 | 墓石を訪ねて
前々から、この地域(集落)にはある姓=家紋が多い、という事は分かっていました。
たとえばこの地区の「広瀬」には「木瓜の中に二木」、「長縄」には「日の丸二つ扇」紋が比較的多いというように、特異な紋に関しては経験的に知識がありました。

しかし、ポピュラーな紋、例えば「丸に違い鷹の羽」紋は、この美濃地方で集中的に多く存在する集落あるいは墓地があるとは知りませんでした(汗)

先日の墓石巡りで、その「丸に鷹の羽」=浅野を発見?しました。
岐阜市のやや南部の墓地を訪れると、なんと墓石には「浅野家」・・・・・・すべて家紋は「丸に鷹の羽」。この比較的大きな墓地の四割くらいがそうで、「永田」姓の「丸に揚羽蝶」も多くありました。

周りは20年くらい前に区画整理された広域住宅街で、古い家はなく、この墓石の「浅野」さんは方々に転居されたのでしょう。
墓地のみが昔を彷彿させているようです。

  
古い墓石に彫られた「丸に見本・鷹の羽」紋
一般的な鷹の羽紋より、線が1本づつ多く、線の向きも変っています。似たような紋は、以前描いたような気もします?

  「鷹の羽」紋
  
  
「見本・逆さ上り藤」=「後藤」
花の数も多く、初めて見ました。

  
「佐伯鶴」の変形紋か???
この紋は細かくて、彫るのが大変で、投げ出したのかしら???
いえいえ、このような紋もありかも知れない!


もう一つの墓地。
100基あまりの墓地ですが、ここは「辻」姓が80パーセント強。
家紋はすべて、形の違いがありますが「丸に十一の字」
  
古い墓石の「丸に十一の字」紋

このような墓地から、古の浅野一族、永田一族、辻一族の集落が存在したことが窺えるのではないでしょうか。
時間が出来たら、江戸末期の集落の名主・郷士も調べてみたいと思います。