紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

「街角の紋」(12)古美術・・・・・

2007年11月29日 22時22分50秒 | 街角の家紋
以前に鉄扇に貼る紋の注文を受けた、主に刀剣を扱う古美術商を訪ねました。
市の郊外の団地に位置して閑静な所に居を構えてみえますが、世界を股にかける古美術商です。

その方の経歴は別として、骨董を扱う人には特別な事ではないでしょうけど、刀剣・甲冑などの古美術には「紋」がつきものです。それも古の彫金師の細かな技、目を見張りました。

 刀の鍔

 「丸に隅立四つ目」紋

 「丸に九曜」紋

 「丸に桔梗」紋

皆直径10ミリ前後の大きさです。


姫御の懐剣の柄につけられた金具?
直径12,3㍉の中に「五三の桐」紋が彫られています。


刀鍔。この古美術商の家紋でもある「隅立四つ目」紋


奥さんが出してくれた大正時代の女色紋付。この時代は紋の大きさは7~8分・27ミリ~31ミリくらいあります(私が仕事を始めた頃の昔、紋消しした事もあり懐かしかった)
「丸に二の角字」紋

圧巻は ↓ 何だと思います?
玄関の壁に掛けられてました。



ガラス工芸家・エミール・ガレ?の造った本物の『お盆』です。
ヨーロッパの有名な城を木で埋めこんで描いたものです。取っ手はふくろうの彫り物です。
この形が「隅切角」紋と同じなのです。19世紀末の欧州で日本と同じ紋様を取り入れてあるのに感動しました。

古美術・骨董を間近かに見る機会が無い私にとって、珍しい物ばかりで時を忘れて見学させていただきました。