紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

抜き紋・補足

2004年12月21日 22時44分02秒 | 
前に「抜き紋」とその方法を紹介しましたが、本文の仕上げの所で「水際を取って・・・」と記しましたが、その水際について少々補足します。

生地を水洗して乾きますとどうしてもその濡れていた所の色が他の場所と変わってくる事がままあります。普通ですと湯のし釜の蒸気で伸ばし棕櫚刷毛で擦れば、ほとんどその水際は取れて回りの生地の風合いと変わらなくなります。
しかし、糊気の強い生地や染色の甘く色が寄ってしまう生地もあり、その場合は水際を取るのにてこずります。色が寄った水際は取りづらく、何でこんな染め方をしたのか!って文句を言いながら霧吹きでぼかし、焼き鏝で乾かし、それを繰り返して水際を取っていきます。
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