西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

風流相生獅子-7

2014-09-25 | 長唄考
石橋ー3

寂昭法師が橋のそばで休んでいると、先ほどの樵夫が
薪を背負い、斧をかたげてやって来る。
法師は樵夫に話しかけ、二人の問答となる。

法師 『いかにそれなる 山人
    是は石橋にて候か』

樵夫 『さん候 
   これは石橋にて候よ
   向かいは文殊の浄土にて
   清涼山とぞ申すなり
   よくよく御拝み候え』

法師『我が身の上を仏慮に任せ
   橋を渡らばやと 思い候』

樵夫 『暫く候
   其のかみなり 名を得給いし高僧
   貴僧と聞こえし人も
   此処にて月日を送り給い
   難行苦行 捨身の行にてこそ
   橋をも渡り給いしが
   獅子は小虫を喰まんとても 
   まず 勢いをなすとこそ聞け
   我が法力のあればとて
   たやすく思い渡らんこと
   あら 危ふしの御事や』

法師 『謂れを聞けば 有り難や
   尚尚この橋の謂れ
   詳しく御物語り候えや』

樵夫 『語って聞かせ申すべし』


 〓 〓 〓

 
 photo by 和尚
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