西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

風流相生獅子-19

2014-10-20 | 長唄考

以下も「石橋」をそのまま使っている。
”石橋物”(獅子物)定番の歌詞で、石橋の有様をのべ、
菩薩が現われるから、立ち去るでないぞ、と戒める内容だ。

傾城の生霊なのだから、菩薩影向は関係ないと
思うのだが、いったん引っ込んだ奥州が、
牡丹の被り物を頭につけ、両手に大巾利巾の手獅子を持って登場する。
つまりはここで獅子の精に変身するわけだから、
定番の歌詞が来ないとまずいのだ。
それに菊之丞お得意の、石橋の所作を見せなければいけないし。


『牡丹に戯れ 獅子の曲
 げに 石橋の有様は
 笙歌の花降り 簫笛琴箜篌
 夕日の雲に 聞こえゆべき
 目前の奇特 あらたなり

 暫く待たせ給えや
 影向の時節も
 今幾程に よも過ぎじ』

 〓 〓 〓

 
 photo by 和尚
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