西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

妻夫獅子-8

2014-11-23 | 長唄考

そして”獅子物”お定まりの終盤、”獅子団乱旋”(ししとらでん・舞楽の曲名)
で喜びの舞(狂い)を舞う。これがなければ獅子物にならないのだ。

『獅子団乱旋の 舞楽のみきん
 獅子団乱旋の 舞楽のみきん
 牡丹の花房 におい満ち満ち
 大巾利巾の 獅子頭
 打てや囃せや 牡丹芳 牡丹芳
 黄金の蕊 顕われて
 花に戯れ 枝に臥し転び
 実にも上なき 獅子王の勢い
 靡かぬ草木も なき時なれや
 万歳千秋と舞い納め
 万歳千秋と舞い納め
 獅子の座にこそ 直りけれ』

(意訳)
 獅子、団乱旋(いずれも舞楽の曲名)の舞楽が始まる。
 牡丹の芳しい薫りがあたりに満ちあふれ、獅子は頭を振って、やれ打て、やれ囃せと舞い狂う。
 牡丹の花は呼応して次々と花びらを開き、黄金色の蕊を現す。
 花に戯れ、枝に臥して転がるように舞う獅子王の勢いの前に、なびかぬものはない。
 万歳楽、千秋楽(雅楽の曲名)と、泰平の世を祝し舞い納めた獅子は、文珠の蓮華座に戻っていった。


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