西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

妻夫獅子-3

2014-11-02 | 長唄考
(10月30日の続きです)


次は「相生獅子」にはなかった部分だ。
もとの「石橋」にはあったのか、あるいは新規に補作したのかは不明。


『みじか夜に
 ゆめはあやなし その移香を
 にくて手折か 主なき花を
 なんのさらさら さらさらに
 さらに恋はくせもの
 
 つゆしののめの 草葉になびく青柳の
 いとしほらしく
 ふたつの獅子の身を撫でて
 頭をうなたれ 耳を伏せ
 花にやどかる 浮世のあらし
 あなたへさそい こなたへよりつ
 園の胡蝶にたはぶれ遊ぶ
 おのが友よぶ 獅子のこま』 

(意訳)
 夏の夜の夢ははかないもの。移り香は残ってもあの人はいない。
 何て恋は得体が知れないの。

 夜露を含んでゆれる夜明けの柳がかわいらしい。
 つがいの獅子は牡丹の花に伏し、つらい恋を忍び、
 胡蝶はひらひらと無邪気に遊ぶ。
 
 〓 〓 〓

 
 photo by 和尚
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