猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

孤独なふりした世界で

2019-07-25 22:33:35 | 日記
2018年のアメリカ映画「孤独なふりした世界で」。

原因は不明だが人類が死に絶えた地球に1人残ったデル(ピーター・ディンクレイジ)
は、誰もいなくなった町で死体を埋め、空き家を片付けながら、小さな自分だけの楽
園を築いて生活していた。元々1人でいることが好きだったデルだが、そこへもう1人
の生存者で風変わりな少女グレース(エル・ファニング)が現れ、自分の他にも生存者
がいることに大喜びする。そしてデルが暮らす図書館の跡地に居座り、穏やかな生活
を望んでいたデルの心は度々かき乱されたが、時の経過と共にグレースの振る舞いに
慣れていった。

ちょっと変わった終末もの。人類が死に絶えた地球に1人残ったデル。彼は毎日家々
を訪ねては死体を埋め、空き家を片付け、必要な物を持ち去って、作業が終わると家
の前に×印を書いていた。そんな静かな日々がデルは好きだった。そんなある日グレ
ースという少女が現れ、喜んで話しかけられる。デルは図書館の跡地に暮らしていた
が、グレースはいつの間にかそこへ居ついてしまう。グレースはデルに「孤独じゃな
いの?」と聞くが、デルが「この町に1600人の人がいた時の方が孤独だった」と答
える。これは彼が小人症だからだろう。
物語はゆっくりと、静かに進んでいく。少し退屈なくらいだ。デルとグレースの奇妙
な同居生活が淡々と描かれる。1人穏やかに生活していくことに満足していたデルが、
グレースの出現によって生活のペースを乱されるようになる。初めはそれを快く思っ
ていなかったデルだが、死体の片付けなどをグレースが手伝い、一緒に行動するよう
になると次第に慣れていく。だが後半はガラリと変わり、おぞましい現実が姿を現す
のだ。
デル役のピーター・ディンクレイジとグレース役のエル・ファニングの演技がとても
いい。この映画はピーター・ディンクレイジが小人症だから成功したと言ってもいい
だろう。彼のキャラクターが、人類が死に絶えた世界にたった1人生き残ってしまっ
たという孤独なようでいて孤独ではない雰囲気をよく表現していると思う。人類が滅
亡した理由は明かされないままだ。多分それでいいのだろう。とにかくデル以外滅亡
したというところから物語は始まっているのだ。
変わったSF映画だが、楽しめた。




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