猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ファニーゲーム

2015-02-16 02:44:34 | 日記
1997年のオーストリア映画「ファニーゲーム」。
ある夏の午後、バカンスを過ごしに湖のほとりの別荘へ向かうショーバー一家。主人のゲオルグ
(ウルリッヒ・ミューエ)、妻のアナ(スザンネ・ロタール)、息子のショルシ(ステファン・クラプ
チンスキー)と愛犬のロルフィー。別荘に着き、台所で食事の支度をするアナの元に、見知らぬ
青年が訪れる。ペーターと名乗るその青年(フランク・ギーリング)は、卵を分けてくれないかと
申し出る。アナは快諾するが、ペーターは2度も卵を割ったり、アナの携帯電話を水の中に落とし
たり、さり気なくアナを苛つかせる。そこへもう1人の青年パウル(アルノ・フリッシュ)が現れ、
さらにアナを挑発する。ゲオルグが仲裁に入るが、パウルは逆にゴルフクラブでゲオルグの膝を
打ち砕き、一家に言う。「明日の朝9時までに君たちが生きていられるか、賭けをしないか?」と。

ミヒャエル・ハネケ監督の作品だが、非常に理不尽で後味が悪い映画である。ある日突然幸せな
一家に訪れる恐怖、悲劇。何故この家族がこんな目に遭わなければならないのか。理由なき暴力
の恐ろしさが描かれているこの映画、1度観たらもう2度目はいいなあ、という気持ちになる。
とにかく俳優たちの演技が凄いので、怖さも倍増である。普通のホラー映画とは違う怖さ。
人間の悪意とはこうも理不尽で卑怯で恐ろしいものなのか。
バカンスでやってきた別荘に、見知らぬ青年が卵を分けてもらいに来るところから、何とも言え
ないザワザワとした不気味さを感じ始める。もらった卵を割ったり、携帯電話を流しに落としたり、
過失に見せかけて、明らかに故意にやっている。故意とは思っていないものの、アナはイライラ
し始める。その時点で既に犯人たちの罠にはめられているのだ。果たしてこの罠から逃れる道は
あったのだろうか。犯人たちが来たことで、もう絶対に逃れられないと決まっていたのか。それを
考えると、この家族の不運さがかわいそうでならない。
本当に怖い映画だった。
関係ないが私はドイツ語の響きが好きなので、ゲオルグやペーターといった名前を聞くと、いい
なあ、と思ってしまう。



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