猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ラースと、その彼女

2015-02-20 03:24:36 | 日記
2007年のアメリカ映画「ラースと、その彼女」。
アメリカの田舎町に住む26歳のラース(ライアン・ゴズリング)は、心優しく町の皆に好かれて
いる青年だが、とてもシャイで特に女性と話すのが大の苦手。兄のガスとその妻カリンが住む
家の裏にある、ガレージを改装した部屋に1人で住んでおり、限られた人間関係しか築けない
でいた。ある日ラースは、ガスとカリンに、インターネットを通じて知り合った女性がいるので
紹介すると伝える。ラースのことを気遣っていたガスとカリンは最初喜ぶが、車椅子に乗った、
元宣教師でブラジルとデンマークのハーフである女性ビアンカを紹介されて驚く。何故なら
ビアンカは、アダルトサイトで販売されているリアルドールだったのだ。

シュールだが悲しく、心に染みる物語だった。孤独な青年ラースは、兄夫婦ともあまり接触
しようとせず、兄の妻が朝食や夕食に招待しようとしてもなかなか来ない。人見知りのラースを
いつも心配していた兄夫婦だが、ラースがやっとできた恋人を連れてきたと思ったら、それは
人形だった。驚く兄夫婦に、ラースは恋人ビアンカの生い立ちや性格などを真面目に話す。
頭がおかしくなったのかと、医者に相談に行く兄夫婦だが、医者は「受け入れてあげなさい」
と言う。夫婦は町の人たちにこのことを話し、ラースとビアンカを受け入れてくれるよう頼む。
こんなこと本当にあるのかなあ、と思う。リアルドールを恋人にし、話しかけ、一緒に食事を
とり、一緒に車で外出する青年を、町中の人が受け入れてあげるなんて。普通なら頭が変に
なったと言って気持ち悪がるだろう。なんて寛容な町の人々だろう。教会でも、皆普通にビア
ンカに話しかけてあげているのだ。
だが、孤独だったラースが、同じ会社に勤めている女性に好意を持ったことで、ラースとビア
ンカの関係に変化が生じていく。
悲しい終わり方だが、ラースが社会の中で人間的に成長していくには、必要だったのだろう。
ラースは大人になったのだ。ラストシーンも良かった。



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