アントニー・ジマー

2005年のフランス映画「アントニー・ジマー」。
警察からもマフィアからも追われる天才的な金融犯罪者アントニー・ジマー。整形手術を受けた
ため、現在の彼の姿を知る者はいない。そんな中、捜査当局はジマーが恋人キアラ（ソフィー・
マルソー）に会いにくるという情報を得る。すると、キアラの元にジマーから、捜査をかく乱する
ため適当な男を見つけて行動を共にするようメッセージが届く。キアラは列車の中で、フランソワ
（イヴァン・アタル）という男に目をつける。

アメリカ映画「ツーリスト」のオリジナルである。ストーリーは大体同じだが、フランス映画とアメリカ
映画ではこうも雰囲気が違うものかと思った。もちろん私はオリジナルのフランス映画の方が好き
である。アメリカ映画は同じサスペンスにしてもどこか明るい。私はフランス映画の暗さが好きだ。
ソフィー・マルソーは相変わらずかわいく、美しい。アンジェリーナ・ジョリーよりミステリアス。
イヴァン・アタルもジョニー・デップとは全くタイプが違うものの、彼は彼で良かった。
キアラはジマーに背格好が似たフランソワを選んだだけなのだが、キアラの美しさの虜になって
しまい、キアラに拒否されても追いかけてくるフランソワ。この男と女の駆け引きの描写の巧みさは
さすがフランス映画だな、と思う。
先に「ツーリスト」を観ていて幸いだった。「アントニー・ジマー」を観た後に「ツーリスト」では、がっ
かりしただろう。



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