ぶつぶつ地蔵

地蔵 呟く ひーの言葉を。ぶつぶつと…。

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私の三連休 10月9日

2011-10-12 13:02:31 | 呟き
三連休二日目。
ある意味、この日が一番ハードだった気がする。

この日の予定は、こける前から決まっていたフェルメール展であります。
場所は京都市立美術館。
この美術館へは、むかしむか~し、小さい頃に母と姉と一緒にミレーの「種をまく人」を見に来た事があり「種」を「豆」と間違えて読んで恥ずかしい思いをした事があります(笑)
そんな思いで深い美術館。もちろんその後もいろいろ見に来てはいますけれどね。

フェルメールはオランダの画家。「光の魔術師」と言われ、日本でも有名な画家さんです。生涯作品数が30点ほどでしたでしょうか、数が少ない事でも有名ですね。
大学の時の絵画の先生が非常にフェルメールを崇拝しており、「僕は彼の光にあこがれて、オランダに作品を見に行ったんだ」とおっしゃってました。その時にフェルメールの存在を知ったんですね。(美術史を専攻している割に、画家をあんまり知らない無知な生徒でした。)

その後、大阪市立美術館でのフェルメール展に行った記憶があります。
あれも長蛇の列に並び見たんですが・・・

今回も例に漏れず(笑)
10時ごろに会場に着くと、すでに館外・館内待ちを合わせて80分待ちでございました(爆)
ま、急いでいる訳ではありませんので、友達としゃべくりながら待ったわけです。

フェルメールの絵を細部まで見られるのは、一番最初の館内入場待ちに設置されているパネルです(笑)
ここでしっかり見ておくのも手ですね(爆)

500円のガイドを借りてさっそく中へ。
道上さんと竹内アナウンサーの案内でそれぞれの作品をじっくりみる。
しかしすごい人だな^^;特に入口付近の作品には人が群がっている。

友達は一点づつ近くで見る派。多少並んでものんびり待てる人です。
オイラは気になったのだけ近くで見る派。近寄ったり離れたり並んだり・・・せっかちなので館内をうろうろ致します。
友達と一緒に見るのもあれば別々だったり。

フェルメールの作品は3点。
こちらがメインの展覧会ですので、この三点のみは並んで最前列でじっくり拝見いたしました。
フェルメールって感じの作品でしたね~(どんな説明や^^;)
手紙を読む青衣の女は思ったより光が弱い。とゆーか、人物にスポットが当たってないんですね。手紙が一番のハイライトでしたから。
後の二点は人物にスポットが当たってますね。読んでいるのと書いているのとの違いなんでしょうけれど。
作品とは全然関係がないんですが、手紙を書く女(黄色い衣装の女性の絵)の作品説明にアーミン毛皮とゆーのがあり、アーミンってなんぞや?と友達と言ってたんです。議論の結果、王様の肖像画なんかでマントの縁取りをしている毛皮と同じだろうって事になったんですが。。。
今調べてみたら、おこじょの事なんですね。納得です。

フェルメールの作品は3点のみでしたが、この時代を彩った作品が一緒に展示されています。
フェルメールの時代の作品の特徴を知るのにとても参考になります。
光の使い方といった技法から、その時代の絵画の特徴など。

神話や聖書と言った題材を描くのではなく、生活をそのままに描いているというのが印象的。それまでの作品は、生活を描く場合でも、しきたりに沿った描き方をするのが主流だったと思います。生活をデフォルメせず、密着した形で描き出しているんですね。
絵の構成にはそういった制限がなくなっていますが、絵の中に書き込まれているモノにはいろいろ意味があるようで、しゃれこうべには死の絶対性とか再生とか・・そのモノ毎に込められたメッセージがあります。私はガイドを聞いてなるほど~って思いながら見たんですが、知らないとただの部屋の飾りの一部としてスルーしちゃうので、もったいないですね。
肖像画もいわゆる特権階級といった風ではない。これはきっと時代背景が映しこまれているからでしょう。スペインからの独立とともに貴族社会が崩壊。それに伴い、富裕層が称号を買い取る。こうして昔ながら貴族ではなく、商人上がりの貴族が増えた事なんかも絵画から解ります。
貴族の称号を買い取ることが成金趣味だとかそーゆー事ではなく、そーゆー時代を写し取ってるってことです。
展示内容は時代の変化とともに芽生えた、読み書きのコミュニケーションへと焦点が移ります。
そうした庶民の生活の中での、手紙と言うものの役割がクローズアップされ、手紙の書き方のHow to本が流行った事などに触れます。ラブレターの書き方まで例題で教えてくれる本なんて面白いですねぇ。
そしてそんな世の中の流行りを生活から切り取って描かれた絵。
それが最後の展示室のフェルメールの3点の作品へと繋がる構成でした。

フェルメールのネームバリューだけを見に来た人や、フェルメールだけを見たい人には最後までフェルメールの作品がないのでつまんないかもしれませんね。
しかも、最後の展示室は入場制限をしててるにも関わらず、フェルちゃんの作品まではかなりの渋滞ですし。
正倉院展の目玉御物の展示方式を採用すればいいのにね。(正倉院展では、近くでゆっくり止まらずに見る列と後ろからざっくり見る列とに分けているので、渋滞でも横入りで見る人がなく、しかも立ち止まらずに見るので、ゆっくりですが順序良く御物を見ることができるのでアール。)

個人的には、フェルメールとその時代背景、フェルメールと影響しあった画家の作品を見比べることができてとっても楽しかったです。

ちなみに友達とオイラとが気に入った作品は、レンブラントとかかわりのあった画家ヤン・リーフェンスのおじいちゃんの絵(机に向かう簿記係)。このじーちゃんの髭や頭髪にあたる柔らかな光の感じがものっそご良いのです。
あと、エドワード・コリエルのだまし絵。風俗画の中で唯一の作品です。こーゆー洒落っ気のある生活を昔の人はしていたのか。。。と微笑ましくなります。


こーしてフェルメール展を堪能し、外に出る。
で、何となくそのまま同館で開催中のワシントンナショナルギャラリー展も見ちゃいました。


こちらはさっきまでの作品と違って、印象派の作品群。
フェルメール展では知らない画家さんばっかりでしたが、こっちは知ってる画家さんがぐぐっと増えます(笑)

勝村さんのガイドでレッツゴー!なのだ。

入るなり衝撃だったのが、一番最初の作品。「ウナギをとる人々」
タイトルからして、ドジョウすくいのような泥臭いヌメヌメした絵を想像したんですが、、、なんとなんと、コローの作品の特徴の木漏れ日満載の爽やかな絵じゃありませんか(笑)鰻とってる人は、ほとんど風景に紛れ込んでますからね。やられました(笑)

他にも、マネ、モネ、ルノアール、ポール・セザンヌにトゥール・ロートレック。スーラにゴーギャンと続けば、大トリはゴッホしかありませんよねって感じ(爆)

奇しくも、印象派も光を描く画家たちではありませんか。
今までのサロンの常識を打ち破り、新たな手法を確立した人たち。
パレットで混ぜた色は透明感を失い、暗く沈んでいく。色の三原色の原理ですね。
光の三原色の原理を求めた彼らは、それまでのパレットで合成した色を筆跡を残さず塗るという原則を捨て、カンバス上で色を作り出し、肌色は肌色という概念を捨て、光と影に含まれる色の要素で描き出そうとした訳です。
光の魔術師とその時代の作品と、印象派とは似て異なる。。。みたいな。(いや、似てないんだけど)

京都美術館の学芸員の好みなのか、ラストの部屋でドカン!な展示がお好きなようで。
ワシントンギャラリー展もラストの展示物が、日本初公開のゴッホの肖像画でした。
最晩年の肖像画なんですってね。
肖像画より興味をひいたのが白いバラ。捩れたピュアグリーンの背景が個人的には不安なんですが、説明には病気からの復調に意欲的な生き生きとした作品なんだそうです。
もともとは赤いバラと緑の背景の対比を描いていたそうですが、赤は剥落して花弁の影にその元の色を残すのみ。この絵に赤が入るとどんなのだったのかしら?と想像できません。
ゴッホの絵は、先入観からかどうしても不安定に見えてしまいますね。

こちらも最後の展示室は入場制限こそしてませんが満員。
やはり正倉院展方式で見せればいいのになぁと、長い待ち時間に思うオイラなのでありました。(っつか、後ろから来て前に割り込むのはマナー違反でしょうよ。と思うんですが、いかがか?)

ちなみにこちらでは、ルノアールのバレエの少女のえが良かったな。
白いチュチュに交じる腕を、黒いブレスレットで浮だたせているのか印象的でした。


二つも展覧会を見るとさすがに脳みそも足もふらふらです。
お昼も食べてないし、お茶でもしますか・・・ってなってたんだけど。
気づけば平安神宮に詣でて、その足でお庭もまわっちゃったよ(爆)


自分ひとりだったら、600円だして入っていないだろう庭園。
桜をたくさん植えているので、春に来るのがベストだと思う。(ただし、人もアホほど増えると思われるが。)
花は萩の花くらいしか咲いてませんでしたが、人が少なくって外のお祭り騒ぎの喧騒も聞こえず、のんびりできました。


お庭にかかるこの橋は、泰平閣。通称、橋殿と呼ばれる建築物です。京都御所から御下賜したものなんだって。

京都在住の恩師曰く、「平安神宮は明治に作られた一種のパビリオンだ」と。
パビリオンでもなんでもかまわないんですが、お庭の中身は、秀吉時代につくられた三条大橋の橋脚だとか、御所からの賜り物だとか、新しくつくったというよりもらいものが多いようです。
日本最古のチン電も庭の片隅でひっそりとたたずんでおり、600円と高めの入園料ですが、のんびりするのには最適だなと思いました。


そんなこんなで気づけばもう4時半を回っています。
さすがに友達も足が棒のようだと。。。
帰路に着く前にお茶にしようと、喫茶店へ。

オイラはミントチョコレートカフェ。

友達はガトーショコラとカフェオレ。


一日を振り返り、しばしの休憩。
次は伏見のお稲荷さんに行きたいんだって。
さすがにお稲荷さんの階段は、足がもう少し回復してからじゃないと無理だなぁ。

そんな話をしながら、まつひろ商店のがまぐちをGETした友達。

ホクホクとした気分で帰宅した三連休の中日でございました。






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