ぶつぶつ地蔵

地蔵 呟く ひーの言葉を。ぶつぶつと…。

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山口安次郎師

2008-11-20 21:06:53 | 好き・応援
先日、表紙のおさるさんに惹かれて買った雑誌。
京都の老舗や匠が載っている本なんですが。

そこに載っていた、能装束。
秋の錦を写し取ったかのような、紅白段替えの西陣織。
定家を演じる時に着る装束らしいんですがね、すんごーく綺麗だったわけです。
うなるくらい。



昨日、夜にテレビのチャンネルとぐるぐる回しておりました。
フランスにある、各国・各年代の衣装に関する美術館(名前は聞いていない)の学芸員さんのお話のところに行き当たった。
渋い色味だが、とても細やかな草花をあしらった段替えの着物が展示されていた。


んを?


と思った。


途中からだったけれど番組の続きを見たらば、オイラが買った雑誌に載っていた、能装束を作った方の作品だった。


山口安次郎さん。
齢、104歳。
現役の西陣織職人。


番組は5年前のもので、99歳の時の安次郎さんだった。
3つ年上のお兄様の伊太郎さんもまだご存命だった。


伊太郎さんは織り職人ではなく、織物のプロデューサー。
ぐうの音も出ない織り方を考え出されていて、ホンマに脱帽。
この時は、正倉院の琵琶袋の文様を描いた帯をプロデュースされていて、金箔・プラチナ箔を編みこんだ帯を作られていた。


番組の中で、お二人が声をそろえておっしゃっていたこと。
「95までは体力の衰えは感じなかった。95からやな。がたんときた」

すごすぎー!!!
そこまでのめり込める情熱にも吃驚だったし、追求する姿勢に感動。



京都には神様がいる。
技術を伝承し、それを昇華させる神様たち。


伝承された技術を引き継ぐ織り人の神様
その伝承をより高みに押し上げる神様


お二人は一緒に仕事をなさらないそうだ。
なぜなら、二人で1つのものを作るより、二人で二つのものを作ったほうがええ。から。


雑誌によるとそれから数年後、お二人で源氏物語にちなんだ織物をライフワークで作られたらしい。
紅白段替えの能装束は、伊太郎さんの遺作でもある。



生涯現役。
かっこいいなぁ。