予想外の日ざしに顔でも洗おうと谷戸の細流におりていくと、水面にツヅレサセコオロギの幼虫が浮いていた。
なんでこんなとこに浮いてんだ?
しばし考え気がついた。
このまわりを飛んでいる小さなハチ、もしかしてコオロギを狩って運ぶ途中で落としたんじゃなかろうか?
手近な石の上にコオロギをそっと乗せるとすぐに見つけてやってきた。
しばらくいろいろと探っていたが、異常がないと思ったらしい。
触角の付け根をくわえると、あっさりと引きずっていってしまった。
コオロギバチ。
あんまり意識して見たこともなかったが、本当にコオロギを運んでいく姿は初めてだった。