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租税調整機能の常識を知らない政権

2010年06月24日 23時30分21秒 | Weblog
【租税調整機能の常識を知らない政権】オリーブの声

租税調整機能とは、好況時には、税負担を増やし、国民の可処分所得を減少させる一方、財政支出を減らせば、消費と投資を抑えることになり、逆に、不況時に減税を実施したり財政支出をすれば、国民の可処分所得が増大し、経済を刺激することになることを云う。

また、所得税に累進税率を導入していると、これと同じことが、自動的に実施されることになる。
景気が良ければ、国民の所得が上昇するので、各自の所得も上昇し、累進税率では、高いランクの税率が適用される。したがって、国民全体の可処分所得は、減少する。
逆に景気が落ち込んでいると、国民全体で捉えると、適用される税率の平均は、低いところにとどまるはずなので、国民に残る可処分所得は、割合として大きくなる。
このような機能を租税の自動景気調整機能と云う。

菅首相は副総理・経済財政相の頃からデフレを宣言している。
デフレ下では、需給ギャップが拡大するため、経済的には不況と云うことになる。
経済の常識では、不況の時には、その縮小した需要を政府投資で持ち上げる財政出動や税負担の軽減が行われる。

しかし菅政権の執行部である玄葉政調会長は、先に早ければ12年度に消費税増税もとテレビ番組で云った。
消費税増税が可処分所得を減少させることは、国民万人が知るところであり、菅政権に於ける政調会長の弁には極めて違和感がある。

枝野幹事長は、消費税は議論だとトーンダウンしたが、少し菅執行部内で日本経済に関するオーソライズをされた方がいいのではないか。
菅首相は、消費税を上げても使い方を間違え無ければ経済成長させられると説明、されているが、租税調整機能の常識から大きく逸脱している。

先のテレビ番組では、高橋洋一氏に乗数効果に関し、ケチョンケチョンに云われたが、そもそも乗数効果は引数が仮定でしかなく、当りはずれがある。
消費性向も現時点では、子供手当てが統計学的に結果として複数年度乗数では、実は、乗数効果が高かったと出るかもしれない。

対し、租税調整機能については、不況時に税負担を国民に強いると、全体として可処分所得の低下を招き、デフレが色濃くなる。

したがって菅執行部は、この点に於いて、なぜ消費税増税をすると景気が良くなるのか、国民に説明する責任がある。
おそらく酷い無知か、あるいは、すごい新経済理論かのどちらかになるだろう。
小紙の見解は、現時点に於ける日本経済の経済指標は、各数値ともに上昇基調になっており、その根拠の多くはアジア向け輸出が拡大していることにある。

輸出が拡大すれば、為替を除けば、収入が増えるから、同時に国内の在庫投資(在庫も経済)や機械投資も増えて行く。
つまり経済は少しずつだが、ゆるやかに回復して来ており、やがて、その経済の回復は国内にも波及して来るから、租税調整機能としては累進税率を設定し、そこで取得した税を財政支出するのが正しい。

小紙はそのように述べており、累進税率にしたらずっとその税率で(金持ち叩きしろ)と云っているわけではない。
税調では、累進税率だけでは財政が賄えないと指摘するが、それは、現在日本経済が世界金融危機のショックから回復基調にあるからであり、同時に昨日も述べたが、日本国の総合的な信用は高く、びくともしないから、冷静沈着な国家財政運営を心がけ、原理原則に忠実な租税政策を行うべきであると主張している。

ここで累進税率を導入することは、現在かなりいびつになっている所得階層に細かく対応することとなり、租税調整機能としては正しいものと考えている。
結果、現在、回復基調にある日本経済からは、高い所得を得ている層は先に累進税率により、国の税収は増加する。

この増加した累進税率税収と回復基調になった税収が見えるのは13年度期末分(14年度税収)からであり、そこで財政を一旦精査されれば良い。
経済が回復基調にあるときは、租税調整機能は、不況時の政策を行うべきであり、その結果、リターンが三年後にどう出るか見極めてから、新たな租税の議論をすれば良い。
したがってここは、租税調整機能の原理原則に則り、累進税率を導入することを進言する。
そして導入後三年をひとつのスパンと見て税収を精査し、その数値を踏まえ議論すれば良い。

赤信号皆で渡れば怖くないと云って渡ってトラックに敷かれたら皆命を失う。

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