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膵臓癌治療ワクチンGV1001 

2006-12-26 | 膵臓癌
GV1001は、免疫システムを活性化し、癌細胞を認識して殺傷するペプチドワクチンである。GV1001は、テロメラーゼ酵素を標的とする。テロメラーゼは正常細胞にはほとんど存在しないが、ほとんどの癌細胞に過剰発現している。テロメラーゼ活性は、癌細胞の特徴である不死のプロセスのキーファクターであることから、理論上はすべての癌に有効とされるワクチンである。(略)
GV1001ワクチンは第1、2相試験で膵臓癌48人の患者(うち38人が評価可能)において3つの投与量60 nmol、300 nmol、1000 nmolで投与された。中~高容量で投与された患者群では75%の患者で免疫反応が見られた。最高投与量で最大の効果があったわけではなかったため、中~高容量が最適と思われる。免疫反応は3、4週間後にすぐに現れ、その後継続した。ゲムシタビン化学療法の患者では約5ヶ月であるのに対し、中~高容量を受けた患者の生存期間中央値は、8.6ヶ月であった。免疫応答者と免疫応答なしの患者の生存期間中央値の差は4.3ヶ月であった。
2000年からGV1001は肺癌(NSCLC)、悪性メラノーマ、膵臓癌において7つの臨床試験で、120人の患者がGV1001を投与されている。顕著な臨床効果を示し、全例で副作用は小さい。Pharmexia
テロメラーゼ関連参考:岡山大テロメライシン日経記事


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