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四国へ(3)

2011-10-03 | 旅(国内)
直島はとても魅力のある島である。
というのも、わずか3000人ほどの人口にもかかわらず世界中から注目を集めるのは単なるアートの島というだけでなく、三菱マテリアル製錬所を中心とした産業廃棄に関する問題やリサイクルの問題を、多くの人に広く公開し町全体で循環系社会を構築し風評被害防止策を含めて参考にするべき点が多いことや、農業に向かない土地柄から、歴史的には漁業や水軍(海賊)などを収入源とし、現在では観光業で成功している数少ない地方自治であるからではないだろうか。

今回は、わずか1日の滞在のため観光(おもにアートについて)で楽しむことが精一杯だったが、ぜひ次回は点在する島を含めて幅広く楽しんでみたいと思った。

***

足裏から響くエンジン音とともに、フェリーは穏やかな瀬戸内海に浮かぶ島の合間を進み、あっという間に直島(宮浦港)に到着した。



まずは、カフェやお土産屋さんを併設する「海の駅なおしま」へ。
観光協会もあるので、ここで島の地図やバスの時刻表などを頂き、荷物をコインロッカーに預ける。

目の前には芝生が広がり、草間彌生の作品が多くの人に囲まれてそこに存在していた。



…このドットは一度見たら忘れられない。
幼き頃、統合失調症で苦労しその身を守る表現として現れたものだといわれているが、どこで見ても彼女の作品だとひと目で分かる特徴になっている。
これがたまたまだと思うが、慶應通信の9月号の表紙にも使われていた。

島のバスはワンコイン100円。
時刻表をみつつうまく使えばとても便利だ。
若い人たちはレンタサイクルで島を自由に行き来しているようだったが、それにしてもこの暑さではちょっと辛そう。

荷物も軽くなり、バスに乗ってまずはツツジ荘まで行き、無料送迎バスでベネッセアートサイトへ向かう。
ここ一体には安藤忠雄設計による、美術館やホテル・カフェなどがある。
今回私が行く事にしたのはベネッセハウスミュージアム。
ホテルに併設されたこの美術館は宿泊者以外も見学することができる。
(残念ながらホテル内は立ち入り不可)
バスを降りて上り坂を歩いていく…振り向くとそこには瀬戸内海が広がっていた。
ミュージアムのフロントでチケットを購入(1000円)、作品一覧とともに、屋外展示の地図も頂いた。

館内はとても静かで人も少なくゆっくりと鑑賞することができる。
撮影不可ということで…ぜひ行って楽しんでいただきたい。
前衛的な作品がほとんどで、中にいた学芸員?(おじいちゃん)にたくさん話を聞く事ができた。



中でも感激したの「タイム・エクスポーズド」杉本博司の作品。
(館外なので写真を撮ってしまった)
世界の水平線をモノクロ写真で撮影したもの。
良く見ると…テラスの先に見える実際の水平線とも同じ位置に展示されている。

杉本博司のこだわり…それは2日後に強烈な作品とともに知る事になる。

途中、若い女性と出会った。
まだ大学生の彼女はこれからの就職活動を控え、精一杯旅を楽しんでいるようにみえた。
小さな島にもたくさん行ってみるんだと立派なカメラを携えて…とても羨ましい限り。

巨大な大理石が2つ…安田侃の「天秘」だ。
コンクリートの壁に囲まれた空間に白い気持ちの良さそうな石。

重いガラス戸を開けて、日の当っていない方の石を選び寝転んでみた。
そこには青空が広がっていた。



なんてひんやりして気持ち良いのだろう…。
いろんな事が頭の中を過ぎっていく。
しばらく空を眺めていると、頭の中には何もなくなっていた。

一つ一つの作品をみていると、そこには多くの意味が含まれている。
コンテンポラリーアートの面白さだ。

「これは何を表現しているのかなぁ~」と考えているだけでも楽しい。
そして、分からない時は学芸員の人に声を掛けてみる。
とても親切に教えていただける。
自分の感じていることと大きく違うこともあれば、同じ感覚で制作されてるときもある。

何よりも、自分の思考を表現できる人って本当に素晴らしい。




良く見れば、屋外にも多く作品があることが分かる。
全部をみることは難しいが、少し歩いて散策しながら鑑賞してみることにした。


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