みずけん戦記

せめてもう少しだけ、走らせてくれ。

2010仙台ものがたり第三章「松島やああウミネコや葡萄酒や」

2010-05-23 23:40:28 | 自転車
 さて、仙台のど真ん中、国分通り近くのホテル定禅寺で爽やかな朝を迎えた俺様、まずは近くのカフェで朝食を摂り、続いて部屋から相棒シャウラを出した。
 しかし、このホテルも長いことやってるんだろうが、この廊下を自転車が通るというのは初めてかも知れんなあ…と思いながら、廊下を通り、先にエレベーターでシャウラを下ろした。

 その後フロントで鍵を預け、ヘルメットを被りサングラスをかけ、いよいよ仙台サイクリングへ出発。


 この日(4月30日)は、もう一泊するためとりあえず仙台近郊を巡ってみようということで、言わずと知れた日本三景の一つである松島に行ってみることにした。

 地図等で調べた感じでは、仙台中心部から松島まではおおよそ20kmチョイ。荷物もほとんど宿に置いてあるしまあ楽勝だろっとたかをくくってひた走る。

 仙台という所は地方都市ながら、個人的にはかなり都会だと思う。
 仙台から国道45号を通り、多賀城市、塩釜市と抜けて走ったが、まあそんなに高層ビルの類こそ建っていないものの、切れ目なく市街地が続いていた。
 しかし、流石に塩釜市街地を過ぎるとにわかに緑が多くなり、いよいよ松島が近くなってきたという実感が沸いてくる。

 一旦国道の脇道を逸れ、潮干狩りが出来る浅瀬に面した道で一休み。すると、一人でバイクツーリングに来たらしい若い男がまた休憩を取っていた。
 ちょっと話しかけてみると、その人は東京の方から、自走(バイクの場合はこう言うのか?)でやってきたらしい。後ろに銀色のマット等いかにもな物を積んでいたので、恐らく野宿というかテントかなんかで泊まりながら来たんだろう。俺は自転車でそれをやる脚力も時間も無かったな…しかし俺が言うのもなんだがなかなか好青年な感じの男であった。

 その男と別れ、また道を進むと程なくして周りが賑々しくなってきた。

 松島という場所は、海に面したエリア一体が観光地となっていて(京都の嵐山に近いものがあるかな?)、道を挟んだ海側が観光船の船着場、陸側が商店街となっている。
 自転車を降り、折角来たので、海に浮かぶ島々を見るべえと出航寸前の観光船に飛び乗った。


 観光船は、何十席の前面ガラス窓に囲まれた座席が用意されている他、船の後ろにデッキがあり、潮風を肌で感じたりウミネコに餌をやったりできるようになっている。
 しからば俺も潮風を肌で感じるか…とデッキに出ると、あろうことかデッキの周りは大量のウミネコがニャーニャー鳴きながら飛来。
 要するに、デッキの周りを飛んでいれば餌にありつけるという事実が既に日課となっているんであろう、本当に人間の目の前を堂々と飛んでいてさながら船のオプション状態である。
 無論、餌の某有名えびせんを投げると、空中でキャッチする奴、弧を描いて着水するのを待ち、自らも着水しゲトする奴と各々得意な取り方で器用に食事をしていた。

 俺は、そういう擦れた連中に餌をやる気にはなれなかったので、島を撮りながらひたすら至近距離でウミネコを撮影。
 ところがタダで写真撮影されたのが気に入らなかったのか!?一羽が突然俺に襲い掛かり、右手の小指をつつきやがったぁ…
 その時はたまたま動画で撮影していたのだが、後で再生してみると超ドアップのウミネコの姿、そしてカメラの激しいブレが俺の狼狽ぶりを克明に記録していて笑った

 で肝心の島なのだが、ちっさい島々が点々と在る様は確かに面白かったが、案外写真にすると地味なもんである…
 ただ、人が住んでいてそれなりの大きさである寒風沢島は、周りに民家がなくプライベートビーチっぽい外観の砂浜があったりして、ちょっと行ってみたいなあ…と憧れの目で見たりしていた。

 50分程度の、(ウミネコのクチバシを)文字通り肌で感じるクルージングが終わり、俺は周りをぶらつき、爽やか観光地プライスの昼飯を食べ、シーズン終了ギリギリだった牡蠣も無事に食べ、仙台に帰ることとした。


 しかし・・・
 帰り道、せいぜい40km程度しか走っていないというのになんかやたらと疲れた…ヘロヘロになりながら、ご飯一杯分のキャロリーを摂れるというゼリー飲料をチュパチュパやりながら、やっとの思いで宿に帰還。

 外に駐輪場の類がないため、再び部屋に自転車を入れ、一息つく間もなく外出。
 明日のツーリングのため、不要な荷物は全て送ろうと、またダイソーに行ってチャック付のバッグを買い、汚れ物から靴に至るまで(行きは普通の靴を履いて、自転車用の靴は手で持ってきてた。当然送るのは普通の靴)手当たり次第にブチ込み、フロントにて宅配便の発送手続きを済ませた。

 不要な荷物は全て送った結果、当然?普通のTシャツなどはなくなり、上はサイクルジャージ、下は長裾のレーパンにハーフパンツという、どこからどう見ても自転車乗りの格好となった俺様、しかし一向に気兼ねすることなく、クリート付の靴をカチャカチャ言わせながら再びブゥションに行った

 イヤ前日ワインとパンが美味かったのがどうしても忘れられず…一遍ちゃんとしたコースを食ってみたいと思い、開店直後のブゥションに平然と入りコースを頂いたのさ。

 一応、店員には「ホラサッカーの有名チームのユニフォームのレプリカを着たりするじゃないですか、あれと同じノリですよ」と説明したので、パッツパツのケース・デパーニュのサイクルジャージ姿は当然アリという判定が下されたハズだが?


 そんな訳で、またしてもちゃんとワインを2杯飲むという自転車をナメ切った?俺は、次の日また遠乗りをやる訳なんだが…次回でちゃんと〆られるかどうかは未知数である。