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みずけん戦記

せめてもう少しだけ、走らせてくれ。

棚倉に大正琴が響いた日「山崎バニラの大正琴&活弁ワールドin棚倉」

2008-04-01 00:06:13 | 映画、演劇等々
 さて、「山崎バニラの大正琴&活弁ワールドin棚倉」を観た。

 今回は、単純にバニラさんの活弁による映画鑑賞会だけでなく、地元の琴城流という大正琴教室などやっている団体による大正琴コンサート、さらに後述するプチ大正琴レッスンがミックスされた、つまりバニラさんが架け橋となって大正琴を広めようという感じのイベントでもあった。

 でまずはその大正琴演奏から始まり、バニラさん登場。バシッと口上を決めつつ、一本目がのらくろ…の休日だったか、正式タイトルを失念してしまったが(^^;それを上映。
 のらくろは彼女の十八番の一つでもあり(俺が勝手に決めた)、戦前の作品ながらダイナミックな活劇を見事に表現したフィルムに合わせ、バニラさんもルパン三世のテーマなど弾きつつノリノリで活弁していた。

 その後、バニラさんと司会とのトークショー。徹子の部屋だったりNHKの諸々の番組に出ている故、福島の人達にも山崎バニラは知られた存在ではあるんだろうが、改めてバニラさんの名前の由来、ジャイ子の声をやっている事等自己紹介がてら色々と話していた。

 再び大正琴の演奏を交えつつ、今度はピアノ弾き語りによる「チャップリンの冒険」の上映。
 この作品はバニラさんの活弁で何回か観たが、心なしか今回が一番受けが良かったような気が…特にオバチャンの笑い声がドリフ大爆笑並みに?大きかったかなと。意外と上の年齢層の人にバニラさんの活弁は受けるんだろうか…まあ面白いことだけは確かである。


 な感じで、棚倉でも活弁は大成功を収めたんじゃないかというのが感想。
 その一方で、ごく個人的な意見なんだがバニラさんにはそろそろ新機軸を打ち出して頂きたいと思っているのも事実。

 これまでアニメ系、三大喜劇王のメジャー作品を活弁してきて、成る程これらは活弁を「紹介」するのには適した題材だというのは分かる。
 その上で、まあ俺が観た無声映画なんてのは数少ないが、それでも時代劇、コメディ、或いは洋画も奇想天外なものからシリアスなドラマまで、無声映画というのは様々な魅力のある世界ということは垣間見させてもらったつもりだ。

 そろそろ、山崎バニラさんと活弁もかなり知名度を得てきた頃だと勝手に踏んでいるので、俺のようなそこそこ昔からのファン、それ程無声映画を観ていない方々をアッと言わせるような、今までに無い「山崎バニラ」そして活弁というのをちょっと期待しちゃうかなと…


 さて、次回は今回書いた活弁公演の後のちょっとした失敗談なんつうものを書くつもり。

バニラな週末、日曜日は楽器フェア

2007-11-13 22:21:17 | 映画、演劇等々
 (11月16日追記:バニラさんの活弁風景upしました。画面が真っ暗なのは大人の事情!?)

 気がつけばもう9日前のお話である。11月4日。

 毎年開催されている楽器フェア、俺は2年だか3年前に行ったきりだったが、今年久しぶりに行ってきた。

 やっぱりお目当ては、今日「踊る!さんま御殿」にも登場した山崎バニラさん。

 楽器フェアの会場であるパシフィコ横浜に、この日も相棒シャウラにまたがって到着。しかしここは俺の知る限りでは駐輪場の類がないんだよね…ではどこに停めたのかというとそれはまあ言わぬが花の吉野山ってね。


 ところで、山崎バニラさんと楽器フェアの関係は?というと、彼女は大正琴という楽器をメインで使っているのだが、ピアノの弾き語り活弁もたしなむ。で自宅にてカシオの電子ピアノを(宣伝のために大きくしときましたぜ、バニラさん(^^)使っているという縁で、カシオのブースにてそのピアノのデモンストレーションがてら会場にて活弁をやるということだったようだ。

 演目は、前日清泉でもやった「キートンの文化生活一週間」と「チャップリンの移民」。違いはピアノがカシオの(←クドいか?)電子ピアノ「Privia」であることと、観客との距離の近さ、そして周りのブースで行われているデモンストレーションの音・・・
 俺や何人かのバニラ日記等で彼女の出演を知っている人、要するファンを除いてはバニラさんの口演を通りすがりに聞くような人ばっかりだし、はっきり言って完全アウェイな環境。

 それでも、気づけば映画が終わった時にはかなりの人だかりが出来ていて、俺もなんだか嬉しかった。これはバニラさんの芸がそれだけ人を引きつけるものだったということだろう。

 さて活弁自体に何もナシというのもなんなので、ひとつ今回の活弁を観て(聴いて)思ったこと。

 「チャップリンの移民」の後半で、アメリカに来たはいいが無一文になっちゃったチャップリンが、あるレストランに入って強面のウェイターすったもんだを繰り広げるシーンがある。
 で、バニラさんの活弁だとそのウェイターが始終タメ口というか例えば「何だ?」みたいな感じの語り口だったのだが、個人的には丁寧語(「何でしょうか?」というように)を怖い口調で言う方がかえって怖い人の印象が強くなりそうな気がしたかな。英語にも「Would you...」のような丁寧な表現もある訳だしね。
 もっとも元の映画がサイレントなので、実際あの店員がどんな言葉遣いだったのかは知る由もないよ。この辺は弁士の裁量に関わるところなんであくまで思ったことである。

 何だかんだ言いつつ、二回目の口演終了後は例によってブース裏で挨拶し、ちゃっかり写真を一緒に撮ってもらった俺。
 二回目を一緒に観て、隣でその様子を観てた某友人によると、いまだかつて見たことがないくらい鼻の下が伸びていたらしいが…(鼻の下を伸ばすという表現も久しぶりに聞いた気がするが)まあ無理のないことよ。これからのバニラさんの益々の活躍を期待しつつさんま御殿は録画したのでいずれ観よっと…<番組撮りだめしすぎ


 次回、ちょっと間が空くかも知れんが先週末も幕張メッセに行ってきたのでその記事を書くぜ。

バニラな週末、土曜日は清泉女子大

2007-11-11 23:43:15 | 映画、演劇等々
 11月3日、そう先週の土曜日の話。

 活弁士の山崎バニラさんが、その母校である清泉女子大学に凱旋、活弁の口演をされるということで行ってきた。我が生涯初の女子大にな。

 ちょうどここんとこ南紀やら北海道やらで自転車に乗れていなかったので、渡りに船とばかりアパートから自転車にて五反田直行。
 とはいえ、流石に女子大にレーパンはまずいだろうということで、下着としてはけるタイプのを装着して外見普通の格好で五反田にて友人と合流。
 オヤジ二人で五反田から歩いていくと、ちょっと小高い丘の上といったところに突如として森が現れ、そこが清泉女子大ということらしい。

 とりあえず、昼に整理券を配布するということでそれをもらい、友人とふもとのバーで飲み食いした後(この辺がオヤジなんだよなあ…)、開場時間に再び清泉に赴きいよいよ開演。

 今回の演目は三つ、「心の力」・「キートンの文化生活一週間」そして「チャップリンの移民」。

 一本目の「心の力」は、1931年の日本の文部省製作アニメ。絵は全て千代紙、要するに紙細工により作られているというもの。それでいてぎこちなさというのはそれ程無い。時代とはいえ、よくこんなことができると中々関心させられた。これで色が付いてるとなお美しかったんだろうね。
 で、それでいて内容は怪物が出てきたり、その怪物の腕を刀でぶった斬ったりと割と遠慮は無い感じ(笑)当時の文部省にはタブーは無かったらしいな。まあ全体的にはバニラさんの大正琴+活弁もはまっていて楽しかった。

 二本目「文化生活一週間」は、三大喜劇王の一人バスター・キートンが繰り広げる新婚生活というかドタバタ劇である。
 俺は以前一度見た事があるのだが、もう一回観ると改めてキートンのアクションの凄さが分かる。でもそれは面白いし、何となくワクワクするという感じさえ受ける。それだけ彼は天才だったんだろうね。
 で、後の質問コーナーでバニラさんが言ってたのは、キートンが玄関マット(ではないんだけど、元々は…マ詳しくは割愛)に「WELCOME」と書くシーンで、以前の口演では光GENJIのパラダイス銀河なんつう曲を弾いて(こういう意外性が彼女の弾き語り活弁の楽しさでもある)いたのだが、昨今色々あって前日か前々日に急遽曲を変えたりしたらしい。出来上がりを観るのは楽だけど、その裏では色々練られているという訳だ。

 その後、観客からの質問コーナーなんつうものがあり、色々質疑応答丁々発止が繰り広げられた。
 個人的に気になってたのが、なぜ彼女がここ清泉に入ることに決めたのかという事だったのだが、何でも進路選択の時丁度入れそうな大学がここで、でスペイン語学科にしたのは、大学で初めてスペイン語を習う人の方が多いだろう、すなわち同じスタート地点で勝負ができるからと考えての事だったとか。まあでもそれまで経験のないスペイン語にそこで挑戦するってのは中々のチャレンジ精神だよね。

 さて、長くなったが最後まで書くぜ。三本目は「チャップリンの移民」。チャップリンについては説明の必要は無いだろう。
 (恐らく)ヨーロッパのどこかの国から、「自由」を求めて船でアメリカへ渡航する貧しい人々。チャップリンはその人々に混じって面白おかしくも色々なことを投げかけてくるのである。
 自由の女神が視界に入り、いよいよアメリカにたどり着いた一行だが、彼らはロープで行く手を遮られ、厳しく事務的な手続きによってようやっと上陸することができる。そして、「自由の国」アメリカでチャップリンを待っていたのはまたも貧困だったと…
 でも、そういう重苦しいテーマでもチャップリンは批判の心と共に、人間への愛情、未来への希望をコメディを通じてうちらに与えてくれるのだ。
 で、バニラさんのピアノ+活弁がそういうチャップリンの世界を茶目っ気とスペイン語を交えて(スペイン語学科卒は伊達じゃない)活弁してくれた。


 今回も、活弁もトークもたっぷり楽しませてもらえて、行って良かったと思えたね。バニラさんはかなり忙しい中台本から曲から全部用意したとのことで、ハードだったとは思うけど、やはり生で演っていくことで広がっていく芸なのでまた近いうちに口演やって頂きたいというのが素直な気持ちである。

 と言いつつ、実は次の日も活弁があったのだがそれは流石に次回だ。嗚呼また長くなっちまった。

文化でバニラな週末、の予定

2007-11-01 22:42:50 | 映画、演劇等々
 …書くことはイパーイあるのだが全然書ききれておらん。

 そんな状況ながら、今度の土日もまたそれぞれイベントに出かけてしまうのである。

 前にも書いたがもう一度書いておくと、土曜は山崎バニラさんの母校、清泉女子大にて活弁の口演が行われるのでそれを観に行ってくる。開演は14時半だが昼から整理券を配っているらしいのでそれまでには行くつもり。問題はどんなイデタチで出向くかだな…生涯初の女子大訪問にレーパンはちょっとまづいかしら…

 で、日曜はパシフィコ横浜にて開催される2007楽器フェアに行く。
 こちらも当日山崎バニラさんが登場するらしいので。まあフェア自体も趣味に若干偏りはあるが興味あるしで楽しみである。

 以上、折角書いたので興味ある人は行ってみてはイカガ。ってなところで、明日こそは南紀白浜~北海道の記事を書いて行こうという心意気のもと、写真を一枚はっつけとく。どこの写真かは次回(の予定)。

エヴァじゃなくてヱヴァ

2007-09-15 23:55:41 | 映画、演劇等々
 ようやっと週末だ…

 とりあえず、先週の土曜に「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」を観に行った話をチロっと書いておく。

 映画を観に行く前にイタリア料理のお店に寄ったらパスタが出るのがやたら遅かったりというのがあり(何しろ注文してから40分以上かかった…)多少最初を見逃したというハプニングはあったが、ほぼ満員の観客の中にそそくさと遅れて入りつつ鑑賞。


 念のためヱヴァってのがどういう話か説明すると、近未来の日本の首都「第三新東京市(「第二」じゃなくていきなり「第三」なのだ)」に「使徒」と呼ばれる巨大な敵が出現、それを倒すために主人公碇シンジがいきなり本部に呼ばれ、「エヴァンゲリオン」という巨大ロボ…もとい「人造人間」に乗って戦うというお話。

 本作は10年以上前に作られたTVアニメのリメイク、と言いたいところだが話が進んでいくにつれて段々話がずれていくという、単純に二匹目のドジョウという訳ではないらしく今後の展開も気になるところではある。

 で、個人的な感想としては、今回の「序」については改めて、この話がただ単にエヴァが敵をやっつけてメデタシメデタシということではなく、主人公の葛藤を通じて「人は何故生きるのか、何のために生きるのか」という普遍的なテーマを突き詰める物語でもあると感じた。

 どちらかというとマニア向けという第一印象を持たれがちな本作ではあるが、実はあまりロボットアニメに馴染みがない人でも、そういう人間ドラマ的な要素も本作には随所に盛り込まれているので意外に観られるんじゃないかとも思ったな。

 後は、TV版と比べて機械関係の描写が緻密になり、夜の繁華街などの街並みのシーンが(多分)追加されていたり、印象的な風景のシーンも追加されていてある程度閉塞感は少なくなっているかなと。

 面白かったのは、こういうアニメの中での商品とか店舗とかって、どこか1文字くらい変えてあって微妙にパチモンだったりするじゃない(笑)。ところがヱヴァでは「ローソン」とか「キリン」と契約してるらしくって、同店舗とかビールが本物の名前で出てるんだよ。こういうのって、観させられてる舞台がチャチくならないという意味で意外と重要だと思う。架空の話なんだけど、架空だからこそリアリズムの追求が面白いってこともあるしね。
 しかし、前述のキリンってのは本編では缶ビール(ラガーだな)がでるのだが、実は本作でこの缶ビールを飲むのは主人公の後見人?でありエヴァの指揮を行う主要人物・葛城ミサトという女性ただ一人である(少なくとも人間では)。つまりミサトのためにキリンは協力したようなもんかなと(笑)彼女が缶ビールをプハァっと飲むシーンはTV版でも印象的だったしな…


 とりあえずこんな感じで、あんまりチロっとでも無くなった気もするがこんなところで。ヱヴァはあと三本ほど劇場版が上映される予定なんでまた観にいくべ。

横浜バニラ・エピソード2

2007-07-14 00:57:27 | 映画、演劇等々
 下に更新するつもりだったが謎の?空白の一日を置いてしまったので上に更新。

 まずはこないだの日曜のバニラさんの活弁付上映会の内容を。

 まずは俺が初めて聴いた時、これは子供が歌ってるんだと信じて疑わなかった某伝説のマンボにのってバニラさん登場。まあ今回歌の方は寸止めだったけど(笑)

 一本目は「居酒屋の一夜」という、戦前(1936年)の和製アニメーション。5月の活弁fantasyの時の「三公と蛸」と同じキャラデザというか?絵柄だった。今作もキャラがいい動きをしていて、相変わらず昔のジャパニメ侮りがたしといいたい感じであった。しかしアメリカではこの頃トーキー(=音付)アニメが作られてたということで、まだまだぎじゅちゅ的には一歩後を行ってたらしいんだけど。まあでも音なしのお陰でバニラさんの楽しい活弁が聴けるのでヨシ。

 二本目はまあこの人を知らない人はいないだろう、チャールズ・チャップリンの「チャップリンの冒険」
 今年バニラさんが「徹子の部屋」に初登場した際にこの映画のサワリを活弁していたが、今回は全編を。チャップリンはトーキー時代にも活躍したので、テレビ等ではどちらかというとそちらの方が放映されがち(多分)だが、この初期の作品もとても楽しく見ごたえ十分。そしてバニラさんのアイデアも光り、作品中にチャップリン・トリビアが飛び出したり、昔の映画なんで早送りでチャッチャカと坂道を登っていくあたりは「流石チャップリン、紅葉坂をあっという間に登って行きます」ってな感じでね。

 チャップリン上映後、幕間ではないが映画評論家の村山匡一郎さんという先生とバニラさんとのトーク。
 俺個人としては映画評論家という人にはあまり馴染みが無かったが、村山先生は中々含蓄のある方で、成る程とうなるような「バニラ論」を展開されてたのは見事だった。詳細はあえて割愛しちゃうけど。

 で最後にバスター・キートンの作品「キートンの文化生活一週間」。バスター・キートンはチャップリンと並ぶ三大喜劇王の一人(もう一人はロイド)。「ストーン・フェイス」、要するに無表情で色々面白いことをやってのけるのだが、その面白いことというのがスタントマンも真っ青のすげえアクションだったりする。二台のバイクにつかまって走ったり、高所からの落下など朝飯前。でもそんなアクションが「こええー」ではなく「面白っ」になるのは喜劇王の成せる技なのか。
 バニラさんの活弁も、無表情のキートンのイメージを損なわないロボット的?な声でセリフを演じたり、こないだバニラさんが登場した「題名のない音楽会」でフィーチャーされてたドヴォルザークの曲をキーボードで弾きながら活弁したりと、映画の面白さを引き出しつつ、バニラマニアも満足の?楽しい一時であった。


 さてエピソードはこれからだ。

 上映終了後、バニラさんとちゃっかり写真を撮ってもらったりした後に、友人がタバコが吸いたいというので喫煙所に向かった。

 すると灰皿の前には先客が。…よく観たら先ほどの村山先生じゃん。何となく親近感を覚え、色々とお話させてもらった。
 トークでのバニラ論について自分なりの意見を語ったり、その他現場である青少年センターの話など取りとめもなく談笑。
 とにかく村山先生は気さくな方で、本も何冊も出し、大学の先生もされているような権威でありながら全く気取った所が無い。貴重な一時を過ごさせて頂き、そのまま分かれて俺と友人は関内で軽く飲み食いして別れたのであった。

 だがエピソードはこれで終わらなかった。

 次ぐ日、実はちょくちょくコメントを書いているバニラさんのブログに、上映会の記事がアップされたので、喫煙所でのことについてちょろっと書き込んでみた。
 この日曜日には俺達が行った昼の公演の後、夕方にももう一回公演があり、村山先生も再登場されていたのだが。

 なんでも夕方の部のトークショーで、喫煙所で出会った男二人のことが話題に上ったんだとか…
 これには正直驚いた。まさか自分らがバニラさんのトークショーのネタになるとは…そんな訳でバニラ日記の方で略したAAを添付した次第(若干著作権的にアレなのは大目に見て(^^;)。

レ・ミゼラブルという「僥倖」

2007-06-10 22:38:09 | 映画、演劇等々
 突然だが話は3月末ごろにさかのぼる。

 レ・ミゼラブルというミュージカル、去年も行ったのだが今年も観に行こうという話がさらにその以前から友人達との間で盛り上がっていた。
 だが、多くの人々が知っているであろうこのミュージカル、他のそれら同様そうそう簡単にチケットが手に入るものではない。
 なもんで色んな手を尽くし、先行予約でA席を2枚を取ったのに続き、CNプレイガイドという所で本発売日直前に抽選予約をやっているというのでわざわざ会員登録し、そしてうまいことS席2枚をゲット。

 もっともそれだけでは「僥倖」という程ではない。それは届いたチケットを確認したときに分かった。
 席の列はA列。これ即ちミュージカルの時の最前列なんである。
 流石にこれを見た時は末高トムよろしくおったまげた。まあそのせいで?多少席の割り振りのすったもんだも発生したがとりあえず前半後半で入れ替わるという作戦を決行。


 そして昨日、帝国劇場にてレ・ミゼラブルを鑑賞した。

 ストーリー自体は一度観ているので大体把握していたのだが、そのせいもあってかとにかくあっという間の3時間であった。改めてこのミュージカルがいかに凝縮されたものなのかを知ることができたな。
 俺としては、前半部でジャン・バルジャンが自らの罪を悔い改めながらも、どこかに影として付きまとうその昔の罪と闘い続ける様が印象深い。そしてある意味、その罪が具現化された存在というのがバルジャンの生涯の宿敵・ジャベールなんであるが、今回のジャベール役は鹿賀丈史さんが努めていた。彼は実はこのミュージカル開始当初のキャストで、今年レミゼ20周年ということで特別出演だったのだが、彼のジャベールがまたかっこよかった。今後彼のジャベールが観られる機会があるかどうかは分からないのでそういう意味でも幸いであった。

 今回、前述の座席交換作戦により俺は後半をA列即ち最前列で観たのだが、これはとてつもなく稀有な体験だったのは言うまでもない。演者一人一人の細かい表情はオペラグラスなどなくてもつぶさに見てとれ(何しろ再接近時で数メートル程度だったので)、また舞台下・オケピのオーケストラの演奏もすぐそこだったので大迫力である。

 別所哲也演じるジャン・バルジャンはジャベール共々そのたたずまい自体(姿勢、表情等)威厳に満ちつつも人間の苦悩を見事に表現していたし、菊地美香演じるバルジャンの娘コゼットは清楚かつ可憐、その恋の相手・マリウス役の藤岡正樹も若さに満ち、恋と使命感の狭間で悩む青年を演じており、こりゃ女性はほっとかないよなぁ~と指をくわえてみてた(?)。

 去年に引き続き、レミゼを観るきっかけでもある坂本真綾は叶わぬ恋に焦がれるもう一人のヒロイン・エポニーヌ役で登場。というか少なくとも俺はレミゼで「ヒロイン」といえばエポニーヌなんだろうと思っていて、往時の本田美奈子さんが演じたこともあるくらい最も演技力、歌唱力が要求される役の一つなんである。それを彼女は見事に演じ切り、俺はファンでは無いが坂本エポニーヌには訳も無く心惹かれてしまう。それだけ素晴らしい声なんだよ。しかも今回間近で観られたし。何か物凄く色白で綺麗な人。

 他にもレミゼというドラマを彩るキャストは数あれど、今回最後に取り上げたいのはある意味本作品の最重要人物!?テナルディエ夫妻だ。
 ほとんどのキャストがひたすらシリアスなのを尻目に、彼らは舞台である19世紀のパリを道化の如く、強かに生き延びる。彼らの登場シーンは何かもう面白くってしょうがなくてね。
 ただ、テナルディエ達も究極的にはバルジャン達同様、自らの強い信念に基づいて生きるという意味で、とても重要なキャラクターなんだと今回気づかされた。結局ストーリーの最後まで苦悩し続ける民衆達、そして実は、現代においてなお様々な苦悩を抱えて生き続ける我々にとっても、彼らの前向きな生き方は一つの救いなのかも知れない。まあ俺はなぐさめ上手ではありたいけど(笑)


 ちょっと今回は本作品を観てない人にはなんのこっちゃな話だったかも知れない。ただ、やはりレ・ミゼラブルは多少の苦労はあるが観る価値は十二分にあるし、是非一度観に行って頂きたいというのが俺の正直な気持ちだ。

 そして、この素晴らしいミュージカルと出会うきっかけを作ってくれた坂本真綾さんと、友人しうまい君、ワイエヌ君に感謝の意を込めて。

あのくたらさんみゃくさんぼだい

2007-05-26 11:33:30 | 映画、演劇等々
 …何の話かというと、夕べファミリー劇場というCSチャンネルで、レインボーマンという昔の特撮ものを放映してたんだよ。
 いつものように録画した番組の消化作業をやっていたところこの番組が気になったので見たんだが…すごいなこのお話は。

 一応お話としては、「インドの山奥で修行」した主人公ことレインボーマンが、秘密結社「死ね死ね団」と対決する、という…つうか「死ね死ね団」の元がレインボーマンだってのも初めて知ったんだが、その手先とのバトルシーンで延々「死ね、死ね、死ね」っていう歌(と言えるのか?)がBGMとして流れるんだよ(笑)これは強烈だぜ…

 まあ色んな理由でレインボーマンを観ている場合じゃないんだけどね。ちなみにタイトルの言葉はレインボーマンが変身の時に唱えるんだけど、これはサンスクリット語だかで「悟り」という意味らしい。レインボーマンになるためには悟りを開かないとイカン訳だね。しかし主人公はなぜインドに修行に行ったんだろう…

日曜日:活弁Fantasy

2007-05-20 23:39:38 | 映画、演劇等々
 今日もまた、朝っぱらからヴァタヴァタと自転車のタイヤ交換などしつつ、アパート経由で東京方面に向った俺。
 本日の目的地は、最近四谷から移転した文化放送のビル内にあるメディアホール。ここで行われたのがそう、山崎バニラさんの活弁イベント「活弁Fantasy」だったのである。

 活弁に因んで、ほっかほっか亭の「カツ弁」ならぬ「カツめし」を食べてイザ行かん浜松町。

 JR浜松町駅のど真ん前に出来た立派な文化放送社屋の12階にメディアプラスホールというのがあり、そこが今回の会場であった。
 そこでたまたま前の方の席に座ることが出来、映画を観るには首が痛いがバニラさんが間近で見られる場所でスタンバイ。

 バニラさん最初の登場は、意表をついて?客席後ろから番傘を差して出てくるという中々かっちょよくスタート。
 まずは「三公と蛸」という1933年のアニメ。そんな頃に和製アニメがあったんかいという事実もさることながら、動きのクオリティがかなり高くて驚かされた。内容は敢えて例えるなら「パイレーツ・オブ・カリビアン」の2作目って感じ?宝箱(千両箱)を巡って南の島で大騒ぎし、最後は割と丸く収まるというお話だった。

 その後、ゲストである坂本頼光氏(もちろん彼も活弁士)が登場し、まずは「自作活弁アニメ」の上映。
 つうか、彼は自分でアニメを作って自分で活弁するという話は前から聞いていたのだが、一体どんな作品を…?と思ったら、これがサザザさんというどっからどうみてもオリジナル作品で(笑)、これは正直かなりヤられた。要するにマ○オさんとか、○ナゴさんの声真似とかをするんだがとにかく笑いのツボをついとるんだ。で内容はちょっとダーク気味という…
 で、坂本氏はその後もう一本今度は「鞍馬天狗」の活弁。こちらは正統派な活弁で、尚且つ坂本氏の実力も窺い知ることができた。何でも彼は中学の頃から活弁士を志していたとのことで、かなりの数の映画を観ているんだろう。硬軟使い分けかつどっちも実力十分という、バニラさんを食いかねないゲストであった。


 その後休憩を挟み、司会の藤川奈々さんとバニラさんのトークを経て最後の作品、「子宝騒動」の上映。
 内容はまたかなりのハチャメチャ具合なんであるが、それでもバニラさんのキーボード(普段は大正琴を使うけどキーボードを使うこともある)を弾きながらのセリフ回しにより、ホノボノと観ることができた。最後の子豚を追いかけるシーンではバニラさんの歌(オリジナル)も出て、文字通りバニラエッセンス大盛り?の活弁であった。


 バニラさんの無声映画の活弁は俺も初鑑賞だったが、他の人のも含め全くの初めてだった友人も随分楽しんでたようだし、本当に来て良かったと思えるいい公演(口演)だった。
 蛇足になるが、今回実は浜松町の花屋に一週間前に予約を入れて花束を渡すという柄にも無いことをやってみた。しかもマリーゴールドという花をリクエストしたりしてね。この花は最初「可憐」という花言葉だとネットで見かけて入れてもらったんだが、もうちょっと調べるとこれが良くも悪くもかなりの花言葉があるらしい…まあバニラさんのイメージには合う花だと思うが。


 さて、山崎バニラさんの口演だが実は7月にも開催される。「山崎バニラの愉快な活弁ワールド in Yokohama」ってなタイトルで二日間の開催。興味ある方は是非観に行って頂きたいなと。

チケット戦記・平成十九年春の陣

2007-03-28 23:13:38 | 映画、演劇等々
 この春は色々と行くよ。
 まず、前回チラッと書いた山崎バニラさんの活弁口演が、5月20日(日)に行われるということで、頑張って先行予約。これはバニラさんご自身がブログで大丈夫と書いてただけあってバシッと当選。
 ここ最近バニラさんの記事を書いてなかったので念のため説明しておくと、彼女はドラえもんのジャイ子役の声優(今公開中の映画でも違う役の声をやってるらしいよ)をやってたり、NHK他の番組に顔を出したりと多彩な活躍をしているが、実は(?)彼女の本職は活弁士。昔の音無しだった映画に説明や台詞などを入れて分かりやすく、楽しく演出するという仕事なんである。しかもバニラさんは大正琴という楽器を弾きながら活弁するというオリジナルのスタイル。
 上記の活弁イベントでその無声映画の活弁をやるのだが、実は俺もバニラさんを知ってから映画の活弁は聴いたこと(機会)が無かったのでかなーり楽しみ。興味或る方は今からでもチケット間に合うようですぜ。

 これより先になるのだが、GW初っ端4月29日(日)には、フィギュアスケート JAPANOPENを観に行く。これもチケット自体は今回は楽に入手できた。高いけどね。こないだの世界選は発売初日の朝寝過ごして涙を飲んだ(初日の昼には全ての席種が完売だった)ので、安藤美姫選手や浅田真央選手らの滑りが生で観られるまたとない機会、これも楽しみである。そういやキム・ヨナ選手も出場するらしい。

 とここまでのチケットはそれほどでもなかったのだが、一番激戦だったのはミュージカル・レ・ミゼラブル
 去年行ってとても良かったので今年もメンバー増員の上4人で行くか~という話になったまでは良かったが、今月初めの東宝による先行抽選は見事に外れ。お次はこないだ24日、朝からぴあ等で先行予約分開始とのことでしうまい君と二人で電話勝負を仕掛けたが、狙い目のS席が取れず、俺がA席を2枚(うちらの狙った日は一人2枚までしか取れないルール)取れたのみに終わってしまったのだ。

 席がAになったのはいいとしても、あとの2枚をどうするのか?そこでネットを色々調べた結果、CNプレイガイドで会員限定先行抽選予約をやっていることが判明。
 で、その事実に気づいたのが25日夜22時過ぎだったのだが、抽選申し込みの期限がこの日の23時59分。やっべぇ~とばかり焦って、ケータイ会員というやつに申し込み。
 ここで、ケータイ会員は月額料金がかかるので、auの承認パスワードを最後に入力する必要があったのだが…実は小生そのパスワードを忘れていたというお間抜け極まりない事実に気づく。

 あてずっぽうで2回入力して見事失敗し、3回目。入力画面には「3回失敗するとその日いっぱいは再入力できませんという表示が…このことがどういう事態を引き起こすかはお分かり頂けるだろうか…
 色々考え、昔のケータイにヒントが無いかと探したら、メモ帳にそれらしき数字が。それを入力したら見事正解(←ってアフォ杉だな我ながら…)、抽選完了し本日目出度くS席2枚当選と相成った訳である。
 今回買った日程は、友人2人がファンである坂本真綾さんに加え元某レンジャー(戦隊モノのね)の菊地美香さんも登場し、尚且つスペシャルキャストとして鹿賀丈史さんも登場とのことで是非行きたい日だったのでまずは良かった。後は当日ヨケイな予定が入らないことを祈るのみだ…これは他のイベントにも言えることだが。


 以上、例に漏れずベクトルの向きがいい感じにあっちゃこっちゃ向いている感じのチケット達だが実は或る共通点が…今回水色の文字で示したように美女目当てという野郎の悲しい?性がそこにあったのだ。ケータイの人は文字色わかんないと思うので推して知るべしだ。