(第238話)
大切に育んできたナッチャンの脚は大腿部の骨が裂け、両足共に骨盤からポッキリ折れた大事故となり3箇所の大手術が行われました。
手術そのものは成功しましたが、僅か3kgの小さな身体に痛みが襲い、食欲の無いままに病院の檻の中でうずくまっている姿が脳裏から離れる事はなく、夜になると一人で号泣するばかりの私でした。
幸いな事に心配していた内臓破裂は避けられて、痛々しい姿のナッチャンではあっても目力がある事が救いでした。
4日間も全く食べ物を口にせず、日毎に痩せてゆくナッチャンを、このまま病院で死なせたくないとの思いから先生にお願いしました。
「手術は成功しても内蔵の悪いナッチャンですから助からないかもしれません。ダメなら最後は家で過ごさせてやりたいのです」と。
仮に自宅に戻れても骨折以外に神経もダメージを受けている為に排泄が出来ずに毎日病院で先生がお腹を押して排尿させていたのでした。
先生は提案して下さいました。
「それでは、こうしましょう。夜から朝まで自宅に帰って朝になったら又連れてきて下さい」と。昼間は排泄と点滴を病院ですることにし、夜は私と過ごせる事になりました。ブラリと垂れ下がったままの脚のナッチャンを5日目に連れて帰りました。
自宅では、重湯に魚のすり身を混ぜてスポイトでナッチャンにセッセと飲ませました。少しでも体力をつける事と病院でのストレスを避けて兄弟猫達と安心した生活をさせたいと思たのでした。抱いて我が家のトイレに連れて行くと反射神経が働いたのか自力でオシッコがでました。そして翌日は小さなウンチもでたのです。 バンザ~イ!!
排泄さえできれば自宅で点滴(皮下補液)はできるのでナッチャンのストレスは大きく改善されるのです。
神経の回復兆しが見えた事から毎日指や脚のマッサージをしました。
筋力が落ちきらない様に、パンツにつり紐をつけて毎日歩く真似事からリハビリをさせました。
好奇心の強いナッチャンは食事時間には這い出してくるし、庭にも出たがりました。
彼の興味に合わせながらリハビリはドンドン進みました。
夫の49日には八王子の菩提寺まで行かなくてはなりません。ナッチャンを置いて家を留守にはしたくないのですが、驚いた事に手術から3週間目にナッチャンは4つ脚で立ち上がって少し歩きました。その後、日毎に進歩が見られて一人でソファーに乗っていたり階段を一歩ずつ上がりはじめました。もちろん食欲も少しずつしっかりしてきました。手術から4週間目が夫の49日でしたがナッチャンは他の子達とお留守番ができました。
事故以来、重症のナッチャンが助かる事を願って、連日夫の仏壇に「お父さん、ナッチャンを助けて!」と頼み込んでいました。時には「助け方が足りないよ!もっとしっかり助けてよ~!」と。
お向かいの奥様は「うふふ、それじゃ御主人をおどしてるわよ」と言いながら「でも、これは絶対に御主人が助けてるわね。こんな凄い事が興るなんて・・」とも。
手術をして下さった獣医さんも、横浜の獣医さんも「これは奇跡、信じられない」とナッチャンの回復ぶりを大変喜んで下さいました。
不死鳥のようなナッチャンの運の強さと共に、獣医さん、神様、そして仏壇の中にいるらしき夫にも感謝しながら、今は普通に歩いたりジャンプ(40cmぐらい)している幸せとナッチャンの大切さを噛み締めています。
あの子はなんと不思議な子なのでしょう。腎不全で3年も生きている猫なんて珍しいそうで双方の獣医さんから「他の猫ちゃんの治療の励みにしています」といわれました。
ナッチャンと益々がんばります。
つづく
大切に育んできたナッチャンの脚は大腿部の骨が裂け、両足共に骨盤からポッキリ折れた大事故となり3箇所の大手術が行われました。
手術そのものは成功しましたが、僅か3kgの小さな身体に痛みが襲い、食欲の無いままに病院の檻の中でうずくまっている姿が脳裏から離れる事はなく、夜になると一人で号泣するばかりの私でした。
幸いな事に心配していた内臓破裂は避けられて、痛々しい姿のナッチャンではあっても目力がある事が救いでした。
4日間も全く食べ物を口にせず、日毎に痩せてゆくナッチャンを、このまま病院で死なせたくないとの思いから先生にお願いしました。
「手術は成功しても内蔵の悪いナッチャンですから助からないかもしれません。ダメなら最後は家で過ごさせてやりたいのです」と。
仮に自宅に戻れても骨折以外に神経もダメージを受けている為に排泄が出来ずに毎日病院で先生がお腹を押して排尿させていたのでした。
先生は提案して下さいました。
「それでは、こうしましょう。夜から朝まで自宅に帰って朝になったら又連れてきて下さい」と。昼間は排泄と点滴を病院ですることにし、夜は私と過ごせる事になりました。ブラリと垂れ下がったままの脚のナッチャンを5日目に連れて帰りました。
自宅では、重湯に魚のすり身を混ぜてスポイトでナッチャンにセッセと飲ませました。少しでも体力をつける事と病院でのストレスを避けて兄弟猫達と安心した生活をさせたいと思たのでした。抱いて我が家のトイレに連れて行くと反射神経が働いたのか自力でオシッコがでました。そして翌日は小さなウンチもでたのです。 バンザ~イ!!
排泄さえできれば自宅で点滴(皮下補液)はできるのでナッチャンのストレスは大きく改善されるのです。
神経の回復兆しが見えた事から毎日指や脚のマッサージをしました。
筋力が落ちきらない様に、パンツにつり紐をつけて毎日歩く真似事からリハビリをさせました。
好奇心の強いナッチャンは食事時間には這い出してくるし、庭にも出たがりました。
彼の興味に合わせながらリハビリはドンドン進みました。
夫の49日には八王子の菩提寺まで行かなくてはなりません。ナッチャンを置いて家を留守にはしたくないのですが、驚いた事に手術から3週間目にナッチャンは4つ脚で立ち上がって少し歩きました。その後、日毎に進歩が見られて一人でソファーに乗っていたり階段を一歩ずつ上がりはじめました。もちろん食欲も少しずつしっかりしてきました。手術から4週間目が夫の49日でしたがナッチャンは他の子達とお留守番ができました。
事故以来、重症のナッチャンが助かる事を願って、連日夫の仏壇に「お父さん、ナッチャンを助けて!」と頼み込んでいました。時には「助け方が足りないよ!もっとしっかり助けてよ~!」と。
お向かいの奥様は「うふふ、それじゃ御主人をおどしてるわよ」と言いながら「でも、これは絶対に御主人が助けてるわね。こんな凄い事が興るなんて・・」とも。
手術をして下さった獣医さんも、横浜の獣医さんも「これは奇跡、信じられない」とナッチャンの回復ぶりを大変喜んで下さいました。
不死鳥のようなナッチャンの運の強さと共に、獣医さん、神様、そして仏壇の中にいるらしき夫にも感謝しながら、今は普通に歩いたりジャンプ(40cmぐらい)している幸せとナッチャンの大切さを噛み締めています。
あの子はなんと不思議な子なのでしょう。腎不全で3年も生きている猫なんて珍しいそうで双方の獣医さんから「他の猫ちゃんの治療の励みにしています」といわれました。
ナッチャンと益々がんばります。
つづく