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(第142話)
今年もあと2日、最終回はロビンのお話になる。
ロビンが家族に加わった事で犬の散歩は2匹になった。偶然に二匹ともに戌年生まれで12歳の
年齢差がある。ベアはモタモタ、若いロビンはグイグイ引っ張るので両手の綱に挟まれて私の身体は
引きちぎれそう・・肩こりが始まった。
近隣犬にモテモテのベアちゃんが若いオス犬と毎日散歩しているとあっては、顔見知りの雄犬達は
黙ってはいない。
ベアにはクーンクーンと鼻をならしながら、隣にいるロビンをワンワンワンワンと脅すという雄犬達の
行動が始まったが露骨過ぎて可笑しかった。ロビンにはとんだ災難だ。
休日は私がベアを、主人がロビンを連れて散歩をする事になったのだが一緒に出発しても、ベアは
道草をくってモタモタしている。ロビンは先に歩いて行きながら絶えず振り返ってベアを気遣い、
曲がり角にくるとベアが来るまでどうしても角を曲がろうとしない優しさがあった。
繊細なロビンは食も細く偏食気味だから、何でも食べるベアとは全く違う。
ロビンに目新しいものを食べさせるには、先ずベアに与えて美味しそうに食べている姿を見せる事で
ロビンも真似して食べるのであった。個々の性格の違いは人間並だと感じた。
いよいよ2年後には猫たちが5匹も我が家の家族になる羽目になった。
幼犬時代に猫に齧られて事のあるベアは大の猫嫌いで、ストレスから体毛が短くなって可愛そうだった。
ロビンはその優しさから猫達にも好かれ、ナッチャンが真っ先にロビンと仲良しになった。
門に繫いであるロビンの傍に近付いて「ねえ、僕をペロペロして~」とおねだりすると、ロビンは
ナッチャンの毛づくろいをする様に身体を甘噛みする。そのうちサムも「僕もやって~」と参加。
晴天の日は3匹が門に繫がれたまま仲良く並んでいる姿を見た通行人から「犬と猫があんなに仲が
良いなんて・・」と度々言われるようになった。
ある時、お隣の奥さんから「ねえ、ロビンちゃんがナッチャン達をかばっているのを知ってる?」
といわれた。「え~?何の事???」言われた通りにそっと観察してみると・・・
近所の子供達が猫達に触ろうと近付く度にロビンがサッと前に立ちふさがって、「触らないで、
いじめないで」と相手に向かって軽く吠えたり、後ろを振り返って猫達が恐がっていないかを確認
する仕草は明らかにかばっているのであった。
こんな光景はしばらく続いていたものの、動物に触れたがる子供達の為にも、猫がいじめられると
思っているロビンの為にも好ましいとは思えなくなってロビンを説得する事にした。
子供達が来る度にロビンには「大丈夫よ。お友達もみんな仲良しね。ナッチャンも、サムちゃんも
可愛いって!」と。
そして、子供達にも「猫は恐がるから優しく頭を撫でてあげてね。ロビンちゃんが心配するからロビン
の頭も撫でてあげてね」と説明し、猫を抱きたがる子供達のお手伝いもした。
傍で見ていたロビンも少しずつ子供達が猫をいじめない事を理解した様だった。
説明するば理解もし素直で優しい行動は、犬でも猫でも人間の子でもみんな同じだと感じている。
時には動物に教えられる事さえもある。
人間だからといって驕らず威張らずに動物達と仲良く過して下さる人が増える事を願いながら、
今年の幕を閉めたいと思う。
一年間、ブログへの訪問やコメントを有難うございました。
新しい年が皆様に幸多き年と成ります様にとお祈り致します。