慌て者

(第60話）自治会の総会資料作成に目まぐるしい一ヶ月が続いた。この一年間、ペアを組んだ自治会書記の相棒が“毎晩午前様”の独身男性（マンションの一人住まい）である為に仕方なく一人で二人分の仕事を消化させてきたのであった。毎月の自治会ニュースなどに支障はないが、さすがに500世帯の総会資料や住宅配置図、次年度用名簿作成など山積した仕事に追われて朝から晩までパソコンにしがみ付いていた。お蔭で、視力が落ちるし、肩は凝る、食事を取る間さえ無くて粗食続き。途中、ハプニングだらけでアチコチに電話しては助け舟を貰い、期限に追われてストレスだらけ・・休日もへちまもない。
先日、総会資料の用紙が途中で足りなくなった。会計さんに「直ぐに買って来るから会計年度の閉めをもう一日待って！」と言って、慌てて車の鍵をさがして出かける用意をした。ところが、鍵が無い・・鍵置き場は勿論、ハンドバッグ、上着のポケット・・あ～あ、どうしたのだろう・・。「又、主人のせいかもしれない」と彼を疑った。そう思いつつ更にアチコチ探しながら玄関を開けたら・・車が無い！　それからやっと気がついたのだ。
「今日のゴルフはプライベイトだから主人は車で行ったのだった」と言う事を。車が無いのだから鍵が有る筈が無い。
・・・あ～あ、仕方なく、強風の中を乗り慣れない自転車のペダルを踏んだものの、自転車は実に重くて中々進まない。どうやらタイヤの空気が抜けていたらしいのだ。帰宅したら汗ビッショリ。
クタクタに疲れながら一年間支え合ってきたメンバーの心のぬくもりがジワリと伝わってくる。大変だったけれど爽やかな春になった。苦労はすべし。

有り難迷惑

（第59話）ようやく春らしくなってきた。休日に珍しく旦那が車の洗車をしている。猫達も私も風邪気味だったので、暫く生垣の外側の道路掃除をサボっていた。洗車のついでに夫がしたのであろうか、落ち葉などが門前の排水溝の鉄格子に沢山ひっかかっている。「ありがとう」と言おうと思った寸前、やっや～・・・どうやらホースでゴミを全部排水溝まで流しこんだらしい。日頃から「私が排水溝のお掃除をしているので、ゴミをここに捨てないでね」と言っているのに・・又無視をしてやっているのだ。も～う、全く！！　
おまけにブツブツ言いながら、うっかり主人の洗車後にホースの蛇口をひねったりすると大変な事になる。犬のお茶碗に水を汲もうとするだけで、強力ジェット噴射の跳ね返りで顔中ビショビショにされるのである。あ～あ、居ても迷惑、居なくても迷惑・・・なんでもやりっ放し・・天真爛漫が可愛いいのは幼児期までなのに。

花（鼻）ざかり

(第58話）

庭の梅の花が満開で綺麗だが、室内では鼻風邪が蔓延して苦戦している。
１０日ほど前にサムちゃんが酷いクシャミを始めた。猫のクシャミなど初めて見た。その内、鼻水をたらして鼻の頭が赤くなっている。クシャミをする度に周囲に飛沫する。食欲も落ち始めた。この頃から、仲良しのナッチャンもクシャミを始め・・進行状況が全く一緒だ。あれれれ・・・困ったぞ～ウィルス感染かな？全員に移ったら大変だ！母猫のミーちゃんも含めて３匹の猫への投薬と介護が続いた。
手厚い介護でサムは回復してきたが、ナッチャンは食欲がないだけでなく鼻水をズーズー吸い込んで鼻がつまって苦しそうだ。
それでも峠を越えたらしくサムは正常に近付いて、ナッチャンも昨日から少しづつ食欲が出てきた。「良かった！」と喜びたいところだが、親分の私まで鼻風邪をひいてお医者さんに行く羽目になった。
鳥インフルエンザは人間への感染例が無いというが、猫インフルエンザが人間に感染した世界初の人が私かも・・？　まてよ～食欲だけはいつもある私だから・・その辺りがダウンしない原因かもしれないな～と独り言。