犬猫奮戦記

困っているのに笑っちゃう!









  

乾パン

2006-09-25 | 犬猫奮戦記
(第73話)
近ごろ地震が多いので気になっていた防災袋の中身を点検した。
案の定、水もご飯も乾パンも全部期限切れだ。使わなかった事は幸いであるのに、“買っては捨てる”勿体無さにケチ精神が芽を出した。
かといって・・乾パンなんて、あんな美味しくもないものを災害時に食べられるのだろうか・・と思いつつ、捨てる前に一個だけ食べてみた。
ややや~思っていたほどまずくないぞ~。いやいや、どちらかと言うと微妙に甘みも風味もなくはない。最近は美味しく作られているらしい。
犬のロビンにあげたら「いらない」という。猫達にも小さくして手渡したが誰も「いらない」という。
「何を贅沢な事を言っているの! アンタ達はそれじゃ助からないからね!」とブツブツ言いながら結構美味しい乾パンを次々口の中に放り込みながら考えた。

・・ここは東京湾の水が押し寄せてきたら水浸しになる。ロビンは犬のくせに犬かきもできないで、むかし、海辺の砂浜を喜んで走り回った後に、海水をガブリと飲んで「ペッペッ・・」と塩味にビックリした世間知らずだ。ナッチャンは大袈裟だから「助けてくれ~」を連発するであろうし、「だっこしてくれ~」と言われても猫を5匹も抱えては逃げられないし・・どうなるの・・。

それより、よ~く考えてみたら、私も金槌だったのだ。
金槌にしがみ付いたら助かる者まで助からないのよね~。
 もう、しらない!


俺はマイペース

2006-09-22 | 犬猫奮戦記

(第72話)

頭脳派猫のナッちゃんに告ぐNo.2のサムちゃんは度胸が良くて力持ち、ハンサムで頭も良い上に人懐こくて人気者だ。猫達は庭に出る時は4mほどの綱につないで門の外の様子が見えるようになっている。時折高いところに登るので首吊りにならない様に強く引っ張ればパチンと外れる首輪をつけてあった。ある日、力持ちのサムはそれを発見してしまった。以来グッと力をいれては勝手に外出して悩ませてくれた。仕方なく首輪を二重にして強度を増したが又やられた。どうやら前向きに引っ張ると喉が痛くなるらしく、綱引きをする様に後ろ向きに引っ張って後頭部の下(後ろ襟の辺り)に力がかかるように頑張っている姿をみて驚いた。仕方がない・・外れる首輪は中止した。しばらくして今度は首輪につないだ綱を食いちぎってお出かけした。呆れて綱を太い物に変更した。ついに諦めたらしく最近は網戸破りに専念して綱切りはやめたかに見えたのだが・・・一週間ほど前に、庭に出たまま長時間大人しいので覗いてみて驚いた。サムは居たことはいたのだが・・・太い綱を頑張って食いちぎってお出かけしていたらしく、切れた綱のそばで遊んでいた。もちろん、彼の首には5cmほどの切れ端がぶら下がっているのだから何をしていたのかバレバレだ。マイペースの悪戯ぶりが可笑しくて可愛くて憎めない。

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室内でもオモチャのチュウちゃんとひとしきり遊んで最後には噛み付いてボロボロにする。眠くなれば好きなところで勝手に好きな格好で・・・。叱られてもケロリと忘れる明るい性格は好運をも招くらしい。

このサムは2歳の時に4ヶ月も行方不明になった。毎日必死で探しながら諦かけていた頃に新聞の折込に“飼い主さがし”をして下さった方がいたのだった。聞けば、サムを育てる決心をして獣医さんに連れて行った処、先生が「この猫は物凄く可愛がって育てられているので飼い主が探していますよ」と言ってくださったそうな。親切な方々の連携プレーが奇跡の再会を果したのであった。あの感激と感謝は永久に忘れる事はありえない。正に「生きていて良かった」と思える日であった。人生、悪いことばかりじゃないですね。頑張らなくちゃ~!

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隠れストレス

2006-09-17 | 犬猫奮戦記
(第71話)
いつの間にか秋風が吹いていた。ブログを見ているらしい友人達から「ストレスがないの?」「楽しそうで羨ましい」「幸せがこぼれそう」等と言われてポカ~ンとした。
とんでもない、悲しみや苦しみは言わないだけでいっぱいある。
だからこそ無心な動物の愛らしさをお裾分けして、笑える事で元気になれる人がいたら嬉しいと思うだけの事。

早起きの猫達に振り回されながら、毎朝6時に起床して下痢や嘔吐がない日はホッとする。猫のトイレ掃除から始まって、オシッコや嘔吐で汚された敷物の洗濯は山の様。療養食・治療食・老猫食・薬と・・どこかで間違えたら事件が起こる。人間の様に指示に従ってくれるなら苦労はないが・・。出勤前の夫の食事作りと重なって、戦場のような毎朝が日課である。

何しろ6匹という事は食事用の缶詰やドライフード、猫砂の買い込みだけでも重労働。元気なら益しであり、いつも誰かが獣医さん通いをしているので時間の束縛は大きい。夜も12時前に寝られたら“御の字”であり、うっかり2階(人間の寝室)で寝ている子を見逃すと、必ず夜中に起こされて寝不足でフラフラな朝がくる。

特に猫好きでもなく、命を守る為に日夜苦労と努力をしてきた私達に、10日ほど前の早朝には、門前に育ててきたらしい猫をダンボール箱に入れて捨てた人がいた。
他人の優しさを利用するとは・・ただでさえ苦悩の日々である私に更なる課題を抱えさせて・・これ以上どうすることもできずに一日悩んだ末に警察に届けたが・・救えなかった苦しみに毎日うなされて苦しんだ。
優しい者、正直者はいつも馬鹿をみなければならないのであろうか。最近、変な人に出会う事が多くなって怒りを治めるのに時間がかかる。

「禍福(かふく)はあざなえる縄の如し」と言うが、幸せと不幸は交互に来ないと幸せの味は解りにくいのであろう。幸せも毎日続いたら退屈であろうし、時折、不幸がある事で、何事もない日の幸せは大きいのだと思う。
私にとっての幸せは、夜から朝まで続けて寝られる事であり、嘔吐や下痢で汚されていない日はラッキーなのである。老境に入りながら足も腰も痛くないのは犬猫の重労働で鍛えられた神様のプレゼントかもしれない。

気まぐれな猫達は最近食事時間になっても寝ている子がいて、とんでもない時間に来て「ご飯をちょうだ~い!」叫ぶのである。こちらも忙しくて誰が食べたか忘れてしまい「2度食い」されたり、うっかりすると勝手に戸棚を開けて自給自足をやっている子もいる。当然、食べすぎはデブちゃんになり、インチキをすると持病が悪化するのは人間の世界と同じであるから可笑しくなる。

嫌な事も沢山あるが、良い人も可愛い動物も沢山いる。世界中に戦争や地震の犠牲者も多く、介護に疲れきった家族もいる。元気な日本人が贅沢をし過ぎてはいけないと思う。大きな事はできないが、弱いものをいたわりながら、堅実に控え目に生きたいと思っている。

傷付いてションボリしている時、猫達が来てザラザラの痛い舌でベロベロとなめてくれる。だが・・あの舌は今朝庭でトカゲを咥えていたのだと思うとゾッとして顔を洗わずにはいられない。
「この子達を見取るまでは元気でいなくては」と思うと病気にはなれない。
支えてきたつもりが彼らに支えられている幸せがここにある。
心の悩みに比べたら、肉体の疲れなど軽い方である。人生には努力で及ばない事も沢山ある。

という訳で私にも悩みはいっぱいあって、時々ショボクレながら忍耐と努力で前向きに頑張っているだけ。ストレス解消には漫才や落語が私のお勧めで~す。
次回は又楽しくゆきましょう!