(第244話)
2年前から新聞の文字が見え難くなった。
近くの眼科医から「白内障の初期」と言われ、4ヶ月毎に経過観察が続いていたが、自宅には20歳の老猫が2匹いる。入院手術はこの子達を見送ってからでないと無理。
昨年春、21歳を目前にして最後の猫とも別れる日がやってきた。
介護疲れが消えて自由の身になる筈の予想は大きく外れ、心に大きな穴が空いて体調を崩した。親友と新緑の高尾山でリフレッシュしていた時に彼女が「白内障の手術をしたのに、焦点を近くに選んだら遠くが見難くなちゃって・・」と嘆く言葉に驚いた。
「エッ~? そんなのは嫌だ! 遠方も近場も両方スッキリ見たい!」と切望する私。
何か方法がないのだろうか・・色々調べ始めた・・。
白内障の手術は比較的歴史が浅く、レーザーを使用して多焦点レンズを日本で初めて行ったのが2012年。この先生の著書が1月に出版されたばかりで私が入手した8月には第4版。アチコチの書店でベストセラーにもなっていた。
「人生が変わる白内障手術」 山崎健一朗著
私の願望、疑問や不安がすべて網羅されている内容に大きな光を感じて迷わず決断した。
数箇所の質問を直接先生から解答頂きたく、厚かましくも初診時に院長面会を希望し、納得した上で手術の予約を即決。
全国から訪れる患者が多いらしく、11月末に初診した私の手術予約は2月末だった。
いよいよ手術の日取りも手順も具体的になりながら、さて、我が家の床暖房がお気に入りで1月中旬からお泊りをし始めた猫ちゃんをどうしましょう・・。
手術予定の眼科病院は埼玉県の大宮市にあるので自宅から2時間以上かかるし、入院施設はないので必要に応じて近くのホテルに泊まる事に決めたのです。