犬猫奮戦記

困っているのに笑っちゃう!









  

ぐうたら生活

2007-05-25 | 犬猫奮戦記
(第107話)
お医者さんから足裏を地に着けて歩く許可が出たからと言っても歩けば未だ痛い。
杖を使って4日が過ぎ、そろそろ大丈夫の様な気がして久しぶりにロビンの散歩にそっと外に出てみた。
    
私の動きが尋常でない事を悟っているかのように、ロビンが尻尾を下げてトボトボ
歩き続けるのがいじらしい。
ゆっくり、のんびり歩いたのに・・格好などつけて杖を持たなかったのが大失敗。
翌日もその翌日も痛みが戻って寝込む事になった。

   どこからか歌の歌詞が聞こえてきそうだ
      ・・人生は・・♪・・~三歩あるいて二歩下がる~♪

焦ってはダメらしい。
上半身は元気だといっても、何やら気力が着いて来ない。
ここ数日は暑くて夏物を着たい季節だというのに、室内には入院前からの冬物が並んだまま散乱している。

ほんの小さな手術だと思っていたのに、全治2~3ヶ月とは大変な事らしい。
仕方が無い、もう暫く「ぐうたら生活」が続きそうだ。
12歳の猫達と14歳の犬、高齢化の我が家での昼寝仲間なんだから、私にも尻尾も生えてきそうだ。
たった一ヶ月なのに・・なんだか長いな~・・忍耐力不足かな~。
ロビンが「ママの散歩に付き合って疲れたよ~」と言いたげに居眠りをしていた。

療養生活.その3

2007-05-18 | 犬猫奮戦記
(第106話)
昨日の診察で、足の裏を地面に着けて歩いて良いとの許可が出てばんざ~い!
嬉しくて、届いたばかりの介護靴(写真)を履いて恐る恐る歩いてみた。
未だ、腫れも痛みも完治した訳ではなく、包帯もしているのだが、マジックテープで自由に開閉できるこの靴は友人に教えて頂いて注文したお気に入りだ。
3週間も寝込んでいた為に、多少はめまいがなくもないが慣れるであろう。
     

退院直後、庭木の緑に感激したが、雑草の伸びの速さにも驚いた。休日に主人に「梅ノ木の下の雑草を抜いて貰えたら嬉しいけれど」と控えめに頼んでおいた。
2日ほどして、主人の頑張り具合を見て涙が出そうだった・・。
だって、だって・・3~4年前に姉の家から貰ってきて、ようやく一面がビッシリと生え揃ったハナニラ(今年名前が判明したばかり)の群生を、根こそぎ全部引き抜いたらしく跡形もなく消えていて・・・。
今年、あんなに綺麗に咲いていたのが見えないのでしょうか・・・。う~ん・・もう。

家の横手に回って、奇妙な物を発見した。
コレ、何だかわかるでしょうか? 美味しそうに見えませんか?
     

解答はクリックすると判ります。
そうなんです。牡丹の花でした。
毎年、両手を広げる程に大きくて淡い綺麗なピンクの花をつけていました。
入院数日前、もう一息というところで開花寸前のまま入院し、3週間後に気が付いたらこの姿。
3個咲いたので、これが3つありますが、この先どうなるのでしょう。
これは種にでもなるのかしら?それとも、この木の負担になるのであれば、早く切り捨ててあげたいですね。
どなたかご存知の方は教えてください。

日毎に元気を増す私は、ロボットのルンバ君のお手伝いを頼りに、久々に汚いお部屋のお掃除をしたのでした。

家事など全くしなかった主人が、手術の傷跡や腫れた足を見て驚いたのか「まだ、無理はしない方が良い」などと言いながら、セッセと早めに帰宅しては犬の散歩や台所仕事に協力する姿は前代未聞。大きな進歩として大歓迎。
三日坊主のお方が三週間続いているのだから感謝しなくては・・。

療養生活.その2

2007-05-16 | 犬猫奮戦記
(第105話)
退院時に、看護婦さんから「家事なんてしたらダメよ。“痛い痛い”と大袈裟に言ってご主人にやって貰ってね。無理すると酷くなるわよ」と言われながら、私に演技は難しい。
少しでも身体が動けそうであれば、つい洗濯機を回したり、お味噌汁だけでも作ろうとする・・結果、立ち歩いては後から本当の痛みがきて「イタタタタ・・」という事になる。
セッカチ人間にとってはゆったり過すのも難しいものだ。

ロビンの散歩は、入院前から親しい方に頼んであった。
初日、ロビンは嬉しそうに出発したものの間もなく帰宅。
「あのね~、私じゃダメなのかしら?オシッコをしただけでサッサと帰ろうとするんです」と。翌日も、その次も「沢山歩くけれど、ウンチは全然しそうもなくて・・」と寂しそう。
夜遅く主人が連れ歩けばするらしい。
ロビンを気遣う彼女の方が可愛そうに見える。
どんなに大事にされようとも、犬だって家族以外の人間との外出には緊張があるのであろう。
そして5日目、彼女が嬉しそうに「今日はお土産がありますよ。ロビンちゃん、やっとウンチをしてくれました。」とニコニコ帰宅。
ロビンも日毎に彼女が来るのを待っているような様子だ。
めでたし、めでたし。

そして、母の日。子供達から花束が届いて心が和らいだ。
主人ですか?母の日には楽しそうにルンルンとゴルフに出発。
父の日と間違えているのではないのかな? 
我が家では、一年間に父の日が多すぎると思うけど・・。
まあ、いいか、犬猫たちの安らかな寝顔が何よりのプレゼントである事にしよう!

療養生活.その1

2007-05-15 | 犬猫奮戦記
(第104話)
退院して一週間が過ぎた。小さな事件は毎日起きる。
退院前日には病室の片付けをしながら冷蔵庫の中をセッセと空にする努力をしていたら夕方になって主人が「ヨーグルトが溜まっちゃたので持ってきた」と2個持参。
確かに宅配ヨーグルトをストップさせる事を忘れたのは私のミスだ。
しかし、入院以来一度も食べ物など持って来ない上に美味しそうなお見舞い品があれば食べて帰る人が最後になって・・・「馬鹿メ」と思いつつ「ありがとう」と我慢した。

日頃から家事など手伝わない夫だから、退院後動けない私はどうなるのかと不安だったが、退院した日の夕食は作ってくれた。
ただし、味噌汁には普段の4倍ぐらいの大きなお豆腐とスライスしたジャガイモが入っていた。こんな組み合わせを私が作った事があると言うのか・・・我慢我慢。
後片付けもガチャガチャと瀬戸物の音が酷くて「八つ当たり」でもしているかの雰囲気である。やはり、お気に入りの急須を壊してしまっている。
「仕方ないわよ」と軽く言い流しながら・・
「いい加減にしてくれ~!やっと探し当てたお気に入りの急須なのに・・・」が私の本心だ。

ナッチャンとロビンの頭を撫でようとすると、この二匹だけは目を閉じてピクピクさせる。さては叩かれたな~・・可愛そうに。この症状は3日程で治ったけど。

二階での寝起きは負担になるので私は一階に折りたたみのベッドを広げて生活する事にした。犬も猫も安心したようにベタリと私に張り付いて脱走の気配はみじんもない。それどころか私は寝場所を取られしまい「くの字」に寝ればそのまんま。
仕方なく、そっと二階に引っ越して、振り返ったら全員がゾロゾロと付いて来ているではないか。
主人も「お前達は影武者か、俺が毎日世話をしてやったのに」と羨ましそうだ。
犬猫を侮るなかれ、彼らは人間より鋭い感性で人の内面を見抜いているのだから。

かかとがやっと床に突ける程度で毎日氷で足を冷やしながら腫れと痛みをかばう日々が続いてはいたが心は晴れている。時間が過ぎれば治るんだから・・。

だが、「弱いものがジッと我慢するような介護ではまずいのではないか・・」と頭も口も相変わらず元気なのである。

入院休暇

2007-05-08 | 犬猫奮戦記
(第103話)
予てから調子の悪かった左足の外反母趾をこの連休中に手術する事になっていた。担当医から「たいした手術ではない」と聞かされていたのだが、予想に反して9針程度の切開・縫合3箇所(状況によって異なるらしい)の痛み、腫れ、傷跡と広範囲の青アザ・・を見て、初めて事の大きさを知った。
何しろ、脚の甲で扇状になっている5本の骨の要の部分近くで親指の骨を切断して形を整える為に二本の金属を入れて支えているのだから痛くない筈は無い。
全治2~3ヶ月の決断が出来たのは己の無知からであった。
ただし、年間300例もの外科手術に慣れた実力のある先生であるとの評判に信頼を強め、安心して「まな板の鯉」になれた事は幸せだった。
看護婦さん他スタッフの行き届いた配慮はこの院長の姿勢であろう。
お食事の美味しさも毎日の楽しみだったが、栄養士さんとの雑談から「食事も治療の一端だから美味しくて安全なものを・・」との院長の指示だという事を知った。
入院施設の使用料も安価で申し分ない事を入院患者が異口同音に感激していたとは素晴らしい事だった。
どこの病院かって? 新浦安整形外科という病院です。

痛みが緩和されるに連れて、家に残した犬猫達のストレスが気になってきた。
やはり本年初の脱走や網戸壊しが始まったらしい。犯人は勿論サムとナツ。

松葉杖に頼りきって一週間後、左足をビニール袋で被いながらシャワーの許可がでた。嬉しくて慎重に左足をかばいながらシャワー室で久しぶりに勢いよくシャワーをかけた途端に・・・あ~れ~・・右足にいつも片方だけ履いているスリッパを脱ぐのを忘れていた。当然ビッショビショである。
どうやって部屋まで帰ろうか・・・折角きれいになった素足で廊下を歩きたくないし、びしょ濡れのスリッパで歩けば、濡れた廊下で誰かが転倒でもしたら大変だ。
看護婦さんは20分後に迎えに来る事になっているので当分は来ない。
仕方なく、ポツンと椅子に座って誰かが廊下を通るのを待つことにした。
こんな時には誰も通らない・・・。しばらくして、担当外の看護婦さんが通過したのに変だと思ったらしく戻ってきて「何してるの?」と。
事情を話してたらクスクス、ゲラゲラ。
そして、私の部屋から、もう片方のスリッパを持ってきてくれた。
ただし、患者の情報は他の看護婦さんにもしっかり伝っわったらしく度々ゲラゲラ笑われた。日毎の僅かながらの回復と共に松葉杖も一本だけに頼る練習に入った。
洗髪室に行っては帰りに松葉杖を忘れ、トイレにも忘れて来くる。
「そうだ!無い!」と気付いて部屋から飛び出した時には誰かがドアの外に届けて下さっている。
9日目に松葉杖から普通の杖を使う練習に入った。痛み止めを飲み続けているからあまり痛くないのである事も忘れて杖をやっぱり忘れたりする。
「あれ!無い!」と気付いて部屋を飛び出すと、又看護婦さんが「届いてますよ」と杖を持ってきてくださる。
「元気なのは結構だけれど、調子にのると後で痛むから気をつけてね」と言われ、度々忘れるので、ついでに「認知症にもきをつけてね」と、笑われてしまった。

10日ぶりにようやく退院。帰宅途中の街路樹が僅か10日とは思えない程新緑を濃くして迎えている様で嬉しくなった。
家に着いた途端にマップちゃんの異様な長鳴き、続いて愛ちゃんもサムも・・・。みんな待ちくたびれて興奮しているらしい。
いつもと違って鳴いているのにピタリと張り付かないのは、主人への警戒心が癖になってしまったのだろうか。

主人も言う事を聞かない猫に振り回されたらしく、テーブルの上には新聞紙を丸めて作った猫叩きの筒が置いてあった。ロビンが散歩にさそっても直ぐに行こうとしないからと「さっさと行かないと行ってやらないぞ!」などと言って脅したりしていたが・・あれではヤクザだ。
「縦社会の部下じゃあるまいし、権力で命令しようなんて動物には通じない。心から信頼しなければ言う事なんて聞かないのよ。」と言いたいところをグッと我慢。

主人も慣れない生活で大変だったとは思いながらも、「タオルを持ってきて~」と頼めばトイレ用のタオルなんか持ってきて・・それで顔なんか拭けますか・・。
小豆のアンコが大好きな私だから「柏餅を買ってきて」と頼んだら、白アンのピンクの柏餅なんか買ってきたりして・・・無ければ買わなければよいものを、好きでもないお団子を3個も食べさせられたりして・・。
彼のピントがズレていても「ありがとう」と、ジッと我慢の病人でした。

昨日、未だ靴の履けない私の為に介護用の靴を探しにアチコチに車椅子で連れて行ってくださった友人の思いやりに感謝したり、反省したり、元気の重さをしみじみと感じながら貴重な経験をした日々でした。
今日は猫達も又元のベタベタ甘ったれに戻って一安心。
又、楽しいお話がお伝えできる事を願っています。