(第23話)髪の毛の伸びた人を見ると、なにやら自分の好き勝手に切りたくなる趣味が私にはあるらしい。昔は我が子だけでなく友人のお子さんの髪もカットした。主人などは「俺の頭は商品なんだから失敗したら会社に行けなくなる」と言うので、ビールを飲ませておだてながらやらせて貰ったりした。最近のもっぱらのお客(当然無料)は愛犬である。長毛種犬のロビンが暑そうにしているので久々に腕がなる。寝込んだところをおしりの方からチョキチョキ始めたら「何するんだよ~」と言いたげに振り返って落ち着かない様子。1時間ほどかけて、お腹も首もスッキリとカットしたとは言え、時々急に動いたり歯をむき出して「やめろよ~」と脅すから、虎刈りと言えばそれに近いかも。男の子だからモミアゲを格好よくしてあげようと真横にスパッと切りたいのにジットしていないから左右が不揃いになった。直せば直すほど短くなっちゃって・・ロビンが動いたから悪いんだからね~。
(第22話)古い話であるが夫が30代半ばのある日、勤務先から電話をしてきた。
「今朝、俺にどんな靴を出した?」と言うのである。「えっ?どういう意味?」と尋ねると、「お昼に寿司屋に行って畳に上がったんだよ。寿司を食べ終わって戻ったら、俺の靴が片方しかないんだ。良く探したら、片方だけ残っている靴があったんだけど、それは紐のない靴で、俺の履いているのは紐が付いている靴なんだよ。だけどヨクヨクみたら二つとも俺の靴なんだよな~」と。まさか、片方は紐靴で、もう片方は紐なし靴を履いて行ったなんて・・・急いで我が家の玄関を見ると玄関にもその片割れ同士が残っているのであった。左右の違う靴姿を想像しただけで笑いが止まらないのであるが、夜帰宅した主人は「今日は一日中笑い者にされたよ。誰かが靴の事を喋ったらしくて、会社の女の子達が次々俺の机の下の靴を覗きに来てはプーッなんて噴出して戻っていくんだから・・。往きの電車では平気で座っていられたけれど、自分で気付いてしまったら返り電車では足をよじって片方の靴を隠して座ってたんだ~」ですって。冷静になれば、タクシーで帰るか新しい靴を買ってしまえば良かったのに、多分靴屋さんに行くのも恥かしかったのでしょうね。当家の歴史に残る大事件の一つでした。
「今朝、俺にどんな靴を出した?」と言うのである。「えっ?どういう意味?」と尋ねると、「お昼に寿司屋に行って畳に上がったんだよ。寿司を食べ終わって戻ったら、俺の靴が片方しかないんだ。良く探したら、片方だけ残っている靴があったんだけど、それは紐のない靴で、俺の履いているのは紐が付いている靴なんだよ。だけどヨクヨクみたら二つとも俺の靴なんだよな~」と。まさか、片方は紐靴で、もう片方は紐なし靴を履いて行ったなんて・・・急いで我が家の玄関を見ると玄関にもその片割れ同士が残っているのであった。左右の違う靴姿を想像しただけで笑いが止まらないのであるが、夜帰宅した主人は「今日は一日中笑い者にされたよ。誰かが靴の事を喋ったらしくて、会社の女の子達が次々俺の机の下の靴を覗きに来てはプーッなんて噴出して戻っていくんだから・・。往きの電車では平気で座っていられたけれど、自分で気付いてしまったら返り電車では足をよじって片方の靴を隠して座ってたんだ~」ですって。冷静になれば、タクシーで帰るか新しい靴を買ってしまえば良かったのに、多分靴屋さんに行くのも恥かしかったのでしょうね。当家の歴史に残る大事件の一つでした。