2013年5月から刊行されて、現在までに15巻(9月15日に16巻目が出ます)とガイドブックが発行されて、2021年7月時点の累計発行部数は350万部を突破しています。それまでもかなり売れていたようですが、2020年6月にアニメが始まってから爆発的に売れるようになりました。
本の構成
・一巻あたり6作のお話と、プロローグやエピローグやサブストーリーやおまけ情報など(巻によって異なります)が掲載されています。
・一つのお話は原稿用紙30枚以内の長さです。
お話におけるルール
・何か悩みや望みを持った主人公が、それまでなかった場所に「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」を発見します(あるいは、店主の紅子が現れます)。
・主人公は、紅子が望んでいたお宝(例えば、昭和四十年の十円玉)と、望みをかなえる不思議な駄菓子とを交換できます。
・それぞれのお話には、ハッピーエンドの物と、アンハッピーエンドの物があり、ハッピーエンドの場合はお宝の硬貨は金色の小さな招き猫に代わり(銭天堂の勝ち)、アンハッピーエンドの場合は真っ黒な不幸虫に代わります(銭天堂の負け)。
作品の魅力
・店主の紅子のキャラクター(白髪で真っ赤な口紅を塗った和服姿の巨大なおばさん。しゃべり方が独特で、特に語尾に「ござんす」を多用する)
・さまざまな魅力的で不思議な駄菓子。
・各お話の主人公の、どんな願いでもかなえてしまう。
・必ずトラブルが起こって、ハラハラドキドキできる。
・ハッピーエンドになるか、アンハッピーエンドになるかが、最後までわからない。
・アンハッピーエンドのお話の主人公は嫌な奴なので、読者はどちらにしても満足が得られる。
・起承転結がはっきりしていて、物語がダイナミックに展開される(分析図を参照)。
・文章が読みやすい(文章がうまいということではありません)。
・文章が短くて(40字以内)、読みやすい。
・漢字にはすべてルビがふってあるので読みやすい。
・短いお話のひとつひとつが完結している。
・一冊で6つのお話を楽しめる(一話あたり150円ぐらいなので、コスパのいい物語消費ツールなのです。そういった意味では、ライトノベル的なのかもしれません)。
・お話がパターン化しているので、分かりやすい。
・挿絵がマンガみたいで、状況が分かりやすい。
・お宝が、古い硬貨なのが面白い。