この作品は、労働組合のことを取り上げた児童文学の代表作の一つです。
1971年初版なので、70年安保の挫折感がどのように出てくるのかと思ったのですが、時代設定が1966、67年ごろで、執筆されたのも1960年代末と思われますので、まだ社会主義リアリズムは破綻していなくて、組合運動の未来に作者は希望を持って書いています。
主人公に作者の意見を代弁される部分があってかなりテーマ主義なにおいがするのですが、主人公を組合側でなく管理者側の娘にしたことが、一方的な組合賛美にならなくてすむことに成功しています。
営林署や労働組合への取材もかなりきちんとされていますし、登場人物や風景もしっかりと書き込まれています。
私の読んだ本は1980年8月で10刷なので、少なくとも1970年代にはかなり読まれたのだと思います。
1971年初版なので、70年安保の挫折感がどのように出てくるのかと思ったのですが、時代設定が1966、67年ごろで、執筆されたのも1960年代末と思われますので、まだ社会主義リアリズムは破綻していなくて、組合運動の未来に作者は希望を持って書いています。
主人公に作者の意見を代弁される部分があってかなりテーマ主義なにおいがするのですが、主人公を組合側でなく管理者側の娘にしたことが、一方的な組合賛美にならなくてすむことに成功しています。
営林署や労働組合への取材もかなりきちんとされていますし、登場人物や風景もしっかりと書き込まれています。
私の読んだ本は1980年8月で10刷なので、少なくとも1970年代にはかなり読まれたのだと思います。
海辺のマーチ (ジュニア・ライブラリー) | |
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