豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

5~6月の高山帯

2010年05月31日 | 遭難と救助について考える
小屋番やっていた当時、5~6月って一番山を歩いていたような気がします。仕事で槍岳山荘から大天井ヒュッテや南岳小屋へ移動することが多く、また休暇で山遊びができるのもこの頃でした。夏過ぎてからだと休暇使って東京に戻ることが多く、また何かと多忙なもんで、休み自体が取れなかったですね。




八ヶ岳連峰・赤岳で男性滑落死…冬装備なし
読売新聞  2010年5月29日18時52分




冬装備なし、って書いてありますけど、要するにピッケルとアイゼンのセットが無かったってことでしょう。


北アルプス南部の場合、5月末~6月になれば稜線の登山道からは雪がほとんど消えてしまいます。99%夏の登山道歩きなんです。が、沢筋の上部などに雪がちょっとだけ残っていて、コレが実にいやらしいんですね。

雪が残っているのは大抵、急斜面のトラバースです。で、「アイゼン装着するのがメンドクセー」と、ピッケルだけで突破を図ったりすると、途中でビビりまくったりします。


と、ここまでエントリー書いたところで、別の遭難事故が報道されています。


山岳遭難:千葉県浦安市の男性と連絡取れず 北アルプス
毎日新聞  2010年5月31日 10時46分 更新:5月31日 13時57分


行方不明になっている方は家族に携帯メールで「ピラミッドピークを過ぎたが、やばそうなので下山する」と送っているようですが、前述したような雪渓のトラバースでビビっているのかもしれません。