豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

京都のボーイスカウトのパーティが遭難

2013年12月17日 | 山岳遭難
登りが予想外に険しかったために、復路を別コースにしようと企む人は、北アルプスでもよく見かけます。が正直な話、何の予備知識も無いのに予定外のコースを選んだところで、そうそううまく行くものではありません。


悪路・雪で登山時間3倍に 皆子山13人一時遭難、装備も不十分
京都新聞  2013年12月16日 15時00分


引用
大津北署などによると、一行は午前8時半ごろ入山。歩くのが困難で、雪も降り始め、昼食をとる地点まで予定の3倍の時間がかかった。一行は途中下山を決め、往路を戻るのは厳しいと判断。
引用おわり

往路で大変な目に遭うと、他にマシなルートがないものかと誰しも考えるものです。が、他のコースの状況を知らないのに、そっちのほうが楽だと思い込んで特攻するのは愚の骨頂です。


引用
いったん、京都側に下りようとしたが道が険しく午後4時ごろに引き返し、川沿いを下って迷った。隊長は「冬対策も万全でなく、山をなめていた」と話したという。
引用おわり


なんですかね。思うのですが、例えどんなに険しくても、登りで通った道をじっくり下山するのが、結果的には早いと思うのです。中途半端に諦めて右往左往しているうちに、本格的に迷ってしまった、って感じですな。


引用
同団の若林浩文団委員長(66)=京都市東山区=は「ハイキングだったので、甘い気持ちで登ったのかもしれない。反省し、今後の活動に生かしたい」と唇をかんだ。
引用おわり



安全登山に必要なのは、気持ちではありません。謙虚な気持ちがいくらあろうとも、判断力が無ければ無意味です。もちろん、危機意識を持つことは重要なのですが、「オレって慎重だから大丈夫」「オレって謙虚だから大丈夫」みたいなのはヤバいです。それ、何の根拠も無いってば。

このリーダーの場合は、下見山行をするぐらい慎重な人なんですよ。それでも、こんなことをやらかしてしまうわけです。