豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

登山届が無ければ、どうにもならない

2014年06月01日 | 遭難と救助について考える
山梨県丹波山村周辺ではGW中に3人もの登山者が行方不明になり、ひとりは奇跡的に生還したものの、他の2人は未だ行方がわからないようです。

丹波山で2男性遭難1ヵ月 足取り不明、捜索難航
上野原署 情報提供呼び掛け

山梨日日新聞  2014年05月31日(土)


引用
上野原署などは村内の登山道や尾根を広範囲にわって捜索。登山者に情報提供を求めているが、2人の足取りに関する有力な手掛かりは得られておらず、どの山に向かったのかも不明なままだ。
引用おわり


「どの山に向かったのかも不明なまま」ということは、登山計画書等が提出されていなくて、家族や友人も行き先を詳しく知らないのかな?と思い、ちょろっと調べてみたところ、以下のページが出てきました。



多摩川源流域で連休中行方不明だった3人、ひとり8日ぶり生還

上記のリンクはヤマレコの日記なのですが、

引用
4/28と5/2それぞれ別に入山した他の二人は丹波山バス停で降りたことしかわかっていなくて、何処に登ったかもわかりません。まだ行方知れずです。
上野原警察署の若い衆が連休丸つぶしで捜索して、8日には県内他部署からも応援呼んで30人で探していますが、警察も登山道以外を歩ける人はそんなに多くないので、もう打つ手なしです。三人とも登山計画書を残していないので探す場所が絞れなくて困ります、とのことでした。

引用おわり


なるほどねえ・・・。

ちなみに生還した人のニュースはこちらです。

山岳遭難:雲取山で不明64歳画家 8日ぶり救助
毎日新聞  2014年05月12日 12時57分(最終更新 05月12日 13時32分)

ぜんぜん違う方向へ行っちゃってますなあ。






丹波山村ということは奥秩父の雲取や飛竜に入山したのでしょうけど、雲取周辺はコースがたくさんありますので少ない人員で探すのは相当困難でしょう。おまけに樹林帯ですから、ヘリコプターによる捜索も限界があります。

登山計画書というといろいろ書くことがあって面倒くさいというイメージがあるかもしれませんが、最低限コースについて書いた簡単なメモさえ残っていれば、充分な手がかりになります。

以前、登山計画書等は低山だと必要無い、みたいな文章をネットのどこかで見つけましたけど、そんなことはありません。どこでも必要です。山の難易度は関係ありません。低山だって、行方不明になったら探すのは大変なことです。


もっとも、登山届の前にすることがあります。それは家族や友人に山行について知らせておき、万が一の時には救助要請してもらうように手はずを整えておくことです。登山届を出すのがメンドクセーというのであれば、せめてこれぐらいはやっておいてほしいものです。でないと、どうにもなりません。



1 コメント

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Unknown (お父さんです)
2014-06-14 17:32:55
 やまきふ共済会と言うのを見つけましたが
1 登山計画書を作成して届けるか家族等に預ける。
2 やまきふ共済会に登山計画書作成の連絡をする。
この二つをすると道迷いや病気による遭難等捜索費用500万まで負担してくれるそうです。
 登山計画の作成を推奨のためにこうした制度を採用したそうですが、本来はこういうことが無くても届けるべきですよね。
 自分も病気で遭難死していた可能性が高いので職場・家族等への連絡と保険加入は絶対必要だと断言します。
 自分だけは大丈夫なんて思っていませんでしたが、自分が急病で倒れた時はまさかと思いましたよ本当!
 死んで連絡が取れなくなっても、どの山に行ったか判れば探すことが出来て発見してもらえるかも知れませんし、見つからない時でも捜索費用は保険でカバーされるので残された人達に掛ける負担は少なく出来ます。
 遺体が見つかれば生命保険や遺族年金の手続きが出来て残された家族の生活も少しは楽になるだろうし気持ちの整理もつけやすいでしょうから。
 今は違う保険に加入していますが、単独登山専門で遭難時の捜索費用は全額自己負担だからこれも追加しようか考えています。
尤も加入しても1・2をきちんとしなければ加入する意味はありませんが…
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