豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

私がお世話になった山の大先輩が日経に寄稿してました

2017年12月08日 | 白馬岳など北アルプス北部ネタ
富士山の件で地裁の判決が出ましたけど、それについては週末を使って書く予定です、たぶん。



で、日経にこんな記事が出ていたので紹介させていただきます。


山に恋して人助け
創立100周年迎えた日本初の山岳ガイド組合受け継ぐ 狩野正明

日本経済新聞  2017/12/7


まあ、読んでみてください。ちょっと昔の山について知ってる(マニアックな)人なら知ってるかもしれませんが、「鹿島のおばば」の孫にあたる人です。「黒部の山賊」とも絡んでいたらしいです。

私が槍にいた頃、この方がパトロールの隊長としてはるばる白馬方面からやってきて、いろいろお話をして「オレもパトロールやりてぇ!」と思ったのが、この道に入ったきっかけです。で、入隊した最初のシーズン、私はあちこちパトロールに出かけるたびに遭難事故と遭遇してしまい、隊長から「(事故を引き寄せる)アブナい新人がやってきたぞ」と、さんざんからかわれたものです。

一緒にパトロールで歩いたこともありますが、既にいいお年だったので歩くスピードは普通です。が、岩場が連続する場所でもそのまんまのスピードでスイスイ行ってしまうので、気がつくと引き離されてしまい、あわてて追いかけることになってしまいます。なんかね、スピード感が無いのにスピードが出てるんですよ。

この方についてはもっと書きたいのですが、一般向けには書けないネタばっかりなので省略させていただきます。が、この方から教えられた言葉を紹介しましょう。


「登山者を見てみろ、おもしれーど」


北アルプスに登ってくる登山者の行動に興味をもったのは、これがきっかけだったのかもしれません。遭難事故を考える上で実際に遭難した人の手記や救助に出動した隊員の話はもちろん重要ですが、この一言で一般登山者の行動を丹念に観察することの大切さに気づきました。


大病を患って身体の自由が少しきかない状態ですが、それでも山に登り続けています。数年前には奥多摩の山を登りたいというのでご一緒させていただき、御岳山の宿坊で楽しい夜を過ごしたものです。


引用
岳人(がくじん)は自由人。自由だから、何でもできる。そして山では、自分のことが大事になる。百瀬は、こんな言葉を残している。「山を想へば人恋し 人を想へば山恋し」
引用おわり


最近は忘れられている感がありますけど、山って語りながら登るものなんですよね。久々にこのオッサン、いや大先輩のロマンチックな語りを読んで思い出しました。久々に中公文庫の山の本を引っ張りだして乱読したくなりますわ。

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2 コメント

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山の本と人生 (みいさん)
2017-12-20 20:12:47
スポーツ苦手で本好きだった私が山登りを始めたのも、「中公文庫の山の本」がきっかけです。

その後就職氷河期にぶち当たった時も、いわゆるブルーカラー層の著者が多い戦後登山ブーム期の著作から「頑張ればなんとかなる。」という希望を与えてもらいました。
当時はホントに就職にたいして、「月一回山登りに行けたらいい。」くらいしか考えてませんでした。

親やその他期待してくれた人に対しては「自分のことが大事」を優先しすぎたような後悔もあります。
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Unknown (bongo-pete)
2017-12-25 00:38:58
みいさん様

私も中公文庫の山の本は、おそらく9割方持っていると思います。時々読み返しますけど、面白いです
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