今年の夏山シーズンでは、一度だけ鑓温泉方面をパトロールしています。で、1年ぶりに鑓温泉を訪れたわけですけど、即座に気づいたのがこの看板の存在です。
小屋を出て数秒の地点に、「登山道、白馬唐松」とご丁寧に書かれた看板が立てられています。
「こんなの、去年あったっけ?」と小屋の人に尋ねてみると、やはり最近設置したものであるとのこと。で、設置した理由を聞いて、すんごく驚きました。
「○○○○のツアーのガイドが、お客さんを25人ぐらい引き連れたまま、鑓温泉の源泉の方へ登っていってしまって草むらに突っ込むまで止まらなかったの(笑)」
以下の画像を見るとわかりますが、確かにこの分岐では正規の登山道よりも源泉への道の方が幅広くなっており、下ばかり見ていれば源泉の方へ行きたくなるかもしれません。
この程度の道迷いを防ぐのに、読図なんか必要無いです。ほんのちょっと視線を水平から上へにふるだけでいいのです。もちろん上ばかり見ていてもダメであり、常に視線を動かすことが重要です。
例えばですけど、私はよくパトロール中に登山者とすれ違います。商売の関係上、うんと手前から登山者を見つけ、なるべく早めに広い場所で待機しつつ、登山者がバテバテになってないかとか、どんな装備を持っているのかとか、観察しています。しかし、多くの人が、うんと手前で待機している私の存在に気づかないですね。
本当にもう、目の前に来てからようやくこっちの存在に気づき、「うひゃあ!!」と奇声をあげる人が少なくありません。
それだけ足元ばっかり見て歩いていたら、どんなにペンキマークをベタベタ塗っても、かっちょいい看板を設置しまくっても、意味無いですわ。
で、こんな内容のことをヤマケイの7月号に書いて、さらに11月号でも実例を挙げてちょろっと書いたもんで、まあ探して読んでみてください。
それにしても、ガイドという肩書きの人でも、道迷いをやらかしてしまうケースは、わりとあるようです。私がガイドしていた時のことですけど、南アルプスでハデに道に迷い、3時間遅れで山小屋に到着したガイドさんがいまして、当然、その人は仕事を干されたわけですね。で、その代役として急遽仕事をもらったなんてことがありました。
他にも槍ヶ岳の槍沢コースを登っていて、ペンキマークに引っ張られて天狗原に突っ込んでしまったガイドとか、聞いたことがあります。未確認情報ですが、さる大物登山家がお客さんと一緒に道を間違えて明後日の方へ行ってしまったなんてこともミミにしています。怖いですね。
小屋を出て数秒の地点に、「登山道、白馬唐松」とご丁寧に書かれた看板が立てられています。
「こんなの、去年あったっけ?」と小屋の人に尋ねてみると、やはり最近設置したものであるとのこと。で、設置した理由を聞いて、すんごく驚きました。
「○○○○のツアーのガイドが、お客さんを25人ぐらい引き連れたまま、鑓温泉の源泉の方へ登っていってしまって草むらに突っ込むまで止まらなかったの(笑)」
以下の画像を見るとわかりますが、確かにこの分岐では正規の登山道よりも源泉への道の方が幅広くなっており、下ばかり見ていれば源泉の方へ行きたくなるかもしれません。
この程度の道迷いを防ぐのに、読図なんか必要無いです。ほんのちょっと視線を水平から上へにふるだけでいいのです。もちろん上ばかり見ていてもダメであり、常に視線を動かすことが重要です。
例えばですけど、私はよくパトロール中に登山者とすれ違います。商売の関係上、うんと手前から登山者を見つけ、なるべく早めに広い場所で待機しつつ、登山者がバテバテになってないかとか、どんな装備を持っているのかとか、観察しています。しかし、多くの人が、うんと手前で待機している私の存在に気づかないですね。
本当にもう、目の前に来てからようやくこっちの存在に気づき、「うひゃあ!!」と奇声をあげる人が少なくありません。
それだけ足元ばっかり見て歩いていたら、どんなにペンキマークをベタベタ塗っても、かっちょいい看板を設置しまくっても、意味無いですわ。
で、こんな内容のことをヤマケイの7月号に書いて、さらに11月号でも実例を挙げてちょろっと書いたもんで、まあ探して読んでみてください。
それにしても、ガイドという肩書きの人でも、道迷いをやらかしてしまうケースは、わりとあるようです。私がガイドしていた時のことですけど、南アルプスでハデに道に迷い、3時間遅れで山小屋に到着したガイドさんがいまして、当然、その人は仕事を干されたわけですね。で、その代役として急遽仕事をもらったなんてことがありました。
他にも槍ヶ岳の槍沢コースを登っていて、ペンキマークに引っ張られて天狗原に突っ込んでしまったガイドとか、聞いたことがあります。未確認情報ですが、さる大物登山家がお客さんと一緒に道を間違えて明後日の方へ行ってしまったなんてこともミミにしています。怖いですね。
今年9月最初の3連休最終日、早朝の北ア笠ヶ岳山頂から下界を見ていました。
このときは最高に天気が良かったんです。
山荘から早朝下山らしき20~30人を引き連れたパーティーが出発したのを見ていたのですが、
どういうわけか、テン場の中に入り込んだところで抜戸岳方面へ続く登山道を外れ、テン場下の水場へ向かっているんですね。
「あんな方に登山道あったけ?」なんて上から見てたら、案の定、しばらくして戻ってきましたが。。。
水場に入り込んで20分ほどで登山道へ復帰していましたが、ガイドとしてはどうなんでしょうね。
さて下ばかり見てる件ですが、確かに山頂とか休憩ポイントで下を見ていると、ルートを間違って引き返してくる人ってかなり多いような気がします。
山の歩き方って、1分に1回遠くを見て、後はずっと足元を見るのが基本と自分に言い聞かせてるんですが、「遠くを見る=ルートの大まかな方向、傾斜、状態を把握」ってことができない人って本当に多いですよね。。。
技術の進歩で用具はどんどん軽くなりますが、歩く人間の技術は却って劣化しているような気がします。
そりゃまた貴重なシーンを目撃されましたね。
地元の案内人だと、そういうのはまず無いと思いますが、あちこちでガイドしてるような人だとあるかもしれませんね。
たぬたぬ様
白馬のガイドあたりですと、大雪渓では4歩に1回上を見るなんて聞いたことがありますよ。私もそのぐらいの頻度で上とか後ろとか見てる感じですかね。
薮こぎごっこでもしようと思って行ったのに、長いこと登っていない内に林道ができてしまっていて、仕方がないので三角点探しなどして帰りました。
その夜、いっしょに酒を飲みながら、林道を地図にかき込んでおくことにしたのですが、全然ダメでした。
山の本も出しておられるのですが、普段どんな山登りをしておられるのだろう。
大物登山家の方は、ちょっとでもやらかすと尾ひれがついた噂話が北アルプスを駆け巡ります。大変な商売だと思います。私はなるべく小物でいたいと思います。
元アミューズ社員様
私は原則として初見で案内したことはないのですが、かなり間隔が空いてしまって記憶が微かな山を案内することになり、やはり同様にビビりながらこっそり登山口をチェックしたことがあります。
一般登山者ならほんのちょっと迷うぐらい何でもありませんが、ガイドの場合は一歩でも間違うと致命的ですよね。