豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

第2の「ヤマタン」が登場          か?

2010年11月25日 | 遭難と救助について考える
ちょっと古いニュースなんですが・・・・・・




山岳遭難 探知力100倍 半径1.5キロ内で信号確認
中日新聞  2010年11月4日




遭難者の位置がわかる装置といえば富山県警が貸してくれるヤマタンが有名です。が、あれは捜索可能な範囲が非常に狭いもんで、アレなわけですね。ぶっちゃけ、遺体探しにしか使えないのではないでしょうか。

引用
富山県が一九八八年に開発したペンダント形機器「山岳遭難者探索システム(通称ヤマタン)」は使用できる周波数帯の制限で、発信電波が極めて微弱で、半径数十メートルの狭い範囲にしか届かない。
引用おわり


ヤマタンがなんでこれほど無力なのかと言えば、推測ですけど、微弱無線局の規定を利用したからなのでしょう。

微弱無線局とは、一定レベル以下の非常に弱い電波なら無線局の免許が不要になるという制度で、代表的なのはFMトランスミッターでしょうか。MP3プレーヤーにつないで、車のFMラジオで聞くというアレです。

もうちょっと説明しますと、80MHzあたりはFM放送に使用していますから、素人が勝手に発信したら思い切り違反です。が、うんと弱い電波ならお咎めナシなわけですね。これを利用して、ミニFMなんてのを開局している人もいますよ。



で、今回、この極端に狭い捜索可能範囲をどうやって広げたのかと言いますと、



引用
微弱な電波でも一〇ミリワットの強さがあれば数キロ先まで探知可能だが、この強さの電波を発信するには一五〇メガヘルツの周波数帯を使用しなくてはならない。この周波数帯は市街の無線通信などに使われ、混信を防ぐために山での活用はできなかった。
山中でこの周波数帯を捜索に活用することを提案し続けてきた岡田教授らは、二〇〇八年の電波法改正で、他の無線への影響が少ない山中なら使用できるようになったのを機に、登山者電波位置探索システムの開発に本格的に乗り出していた。

引用おわり


そんな電波法改正があったんですか。

150MHzあたりを使うようですが、このあたりの周波数は消防無線にも使われていますね。うっかり混信したら、タダでは済まない周波数帯です。




一〇ミリワットと言いますと、特定小電力トランシーバーの出力と同じですから、うんと遠くまでは飛びませんけど、充分実用にはなりそうですね。


2 コメント

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Unknown (ONS)
2010-11-27 09:38:56
実地テストのニュースをみましたが、かなりの精度が期待できそうですね。
うまいこと民間と組んで、安く作れないかなぁ

スマートホンの時代ですから 雪崩ビーコンだってもっと進化できるはずですし
あ アイホンのアプリでできないかな…(笑)
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Unknown (bongo-pete)
2010-11-27 15:24:53
ONS様

単純に発信するだけなら特定小電力トランシーバーよりも安くできるかもしれないですね。それこそ1万円切ると思います。
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