奥多摩消防署のサイトが更新されています。前回のその4はこちらから。
山岳事故等の詳細(平成20年6月分まで)
平成20年4月2日(水)川苔山付近で道に迷う
百尋の滝経由で川苔山に登ろうとしたものの、疲労してしまったために山頂をあきらめ、ウスバ乗越方面へ突っ込んでしまったために道迷いという事例です。
手元の地図によりますと、ウスバ乗越周辺は崩落が激しいため、2004年12月から通行止めとなっています。そのあたりの情報を知らなかったのでしょうね。ブログやネットでいくらでも細かく調べられ、パソコンの前にいながらにして登った気になれる現在、あえて情報を遮断するのも山の楽しみだと思うのですが、オフィシャルな情報源で通行止めとかぐらいはチェックしておくべきですね。
平成20年6月15日(日)沢登り7人のパーティのうち一人が鷹ノ巣谷で転落受傷
通報が入ったのが19時37分と遅く、夜間の作業を強いられた事例です。それでもセルフレスキューで何とか登山道まではい上がったのは、良かったと思います。そうでなければ、現場ビバークものですね。
山岳事故等の詳細 (平成20年6月末以降の分)
平成20年6月28日(土)海沢探勝路で50歳代男性突然倒れる。
登山中に心肺停止してしまった事故です。現場は携帯電話の圏外であったために、通報までに30分ほど掛かっています。
病院外で心肺停止になった場合、救命率は4%ぐらいです。これは救急車が通報後すぐに飛んでくる街中の話であり、救助隊の到着に甚だしく時間が掛かる山の中では、絶望的な数字になることは間違いありません。私自身、山の中で心肺停止になって助かった例なんて、ほとんど聞いたことがないですね。
平成20年7月15日(火)留浦ノボリ尾根西側で調査中の40歳代女性70m滑落。
ヘリコプターによる吊り上げに成功したものの、ダウンウォッシュによって木が倒れてきたという危ない現場の話です。植林のスギやヒノキは、根が弱いですからねえ・・・・・・
私も今年、ヘリコプターのダウンウォッシュの影響で落ちてきた石が、右腕にチップした経験がありました。気をつけないと葬式ものです。
平成20年7月23日(水)雲取山、濃霧の中での救助
これも心肺停止してしまった事例です。やはり、どの山域でも病死が多いのでしょうか。
悪天候のため、ヘリコプターがなかなか飛べない中でのレスキューが詳細に書かれていますが、細かく読んでいくと実に大変なレスキューだということがわかります。
ガスが深いために現場へ接近できず、ヘリコプター側から現場へ何度も「移動してくれ」と連絡がいくわけですが、それに合わせて山頂の避難小屋→奥多摩小屋横にある雲取ヘリポート→七ツ石と移動するたびにガスに巻かれてピックアップに失敗しています。担架で搬送するにしても、かなりの距離ですね。
おまけに、現場到着時点での観察ではCPAです。てことはCPRをしないといけないわけですが、担架搬送しながらでは無理なはずです。「収容先で亡くなりました」と書いてありますが、現場でも当然、ダメだと思いながらやっていたのでしょうね。
平成20年8月2日(土)日原逆川沢登りで転倒受傷
奥多摩で人気の沢登りコースにおける事故です。最終的にはヘリコプターでピックアップしていますが、ホイスト可能地点までの搬送が大変そうです。私がやっているレスキューの場合、ほとんどが森林限界より上なので、こういう苦労はあまり無いですね。
平成20年9月13日(土)棒ノ嶺山頂付近で女性が熱中症
棒ノ嶺山頂へヘリコプターから降下し、現場まで下ってから今度はバスケット担架に病人を載せて登るという、体力使いそうなレスキューです。
奥多摩消防署や青梅警察署のレスキューをこうやってウェブで見ていますといつも思いますが、日本で一番ロープ使ってレスキューやっている組織かもしれません。ロープ使ってバリバリやるレスキューをしてみたいのなら、奥多摩消防署あたりを目指すといいかもしれません。私が知る限り、長野県警山岳救助隊も富山県警山岳警備隊も、ここまでロープ使わないような気がします。
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山岳事故等の詳細(平成20年6月分まで)
平成20年4月2日(水)川苔山付近で道に迷う
百尋の滝経由で川苔山に登ろうとしたものの、疲労してしまったために山頂をあきらめ、ウスバ乗越方面へ突っ込んでしまったために道迷いという事例です。
手元の地図によりますと、ウスバ乗越周辺は崩落が激しいため、2004年12月から通行止めとなっています。そのあたりの情報を知らなかったのでしょうね。ブログやネットでいくらでも細かく調べられ、パソコンの前にいながらにして登った気になれる現在、あえて情報を遮断するのも山の楽しみだと思うのですが、オフィシャルな情報源で通行止めとかぐらいはチェックしておくべきですね。
平成20年6月15日(日)沢登り7人のパーティのうち一人が鷹ノ巣谷で転落受傷
通報が入ったのが19時37分と遅く、夜間の作業を強いられた事例です。それでもセルフレスキューで何とか登山道まではい上がったのは、良かったと思います。そうでなければ、現場ビバークものですね。
山岳事故等の詳細 (平成20年6月末以降の分)
平成20年6月28日(土)海沢探勝路で50歳代男性突然倒れる。
登山中に心肺停止してしまった事故です。現場は携帯電話の圏外であったために、通報までに30分ほど掛かっています。
病院外で心肺停止になった場合、救命率は4%ぐらいです。これは救急車が通報後すぐに飛んでくる街中の話であり、救助隊の到着に甚だしく時間が掛かる山の中では、絶望的な数字になることは間違いありません。私自身、山の中で心肺停止になって助かった例なんて、ほとんど聞いたことがないですね。
平成20年7月15日(火)留浦ノボリ尾根西側で調査中の40歳代女性70m滑落。
ヘリコプターによる吊り上げに成功したものの、ダウンウォッシュによって木が倒れてきたという危ない現場の話です。植林のスギやヒノキは、根が弱いですからねえ・・・・・・
私も今年、ヘリコプターのダウンウォッシュの影響で落ちてきた石が、右腕にチップした経験がありました。気をつけないと葬式ものです。
平成20年7月23日(水)雲取山、濃霧の中での救助
これも心肺停止してしまった事例です。やはり、どの山域でも病死が多いのでしょうか。
悪天候のため、ヘリコプターがなかなか飛べない中でのレスキューが詳細に書かれていますが、細かく読んでいくと実に大変なレスキューだということがわかります。
ガスが深いために現場へ接近できず、ヘリコプター側から現場へ何度も「移動してくれ」と連絡がいくわけですが、それに合わせて山頂の避難小屋→奥多摩小屋横にある雲取ヘリポート→七ツ石と移動するたびにガスに巻かれてピックアップに失敗しています。担架で搬送するにしても、かなりの距離ですね。
おまけに、現場到着時点での観察ではCPAです。てことはCPRをしないといけないわけですが、担架搬送しながらでは無理なはずです。「収容先で亡くなりました」と書いてありますが、現場でも当然、ダメだと思いながらやっていたのでしょうね。
平成20年8月2日(土)日原逆川沢登りで転倒受傷
奥多摩で人気の沢登りコースにおける事故です。最終的にはヘリコプターでピックアップしていますが、ホイスト可能地点までの搬送が大変そうです。私がやっているレスキューの場合、ほとんどが森林限界より上なので、こういう苦労はあまり無いですね。
平成20年9月13日(土)棒ノ嶺山頂付近で女性が熱中症
棒ノ嶺山頂へヘリコプターから降下し、現場まで下ってから今度はバスケット担架に病人を載せて登るという、体力使いそうなレスキューです。
奥多摩消防署や青梅警察署のレスキューをこうやってウェブで見ていますといつも思いますが、日本で一番ロープ使ってレスキューやっている組織かもしれません。ロープ使ってバリバリやるレスキューをしてみたいのなら、奥多摩消防署あたりを目指すといいかもしれません。私が知る限り、長野県警山岳救助隊も富山県警山岳警備隊も、ここまでロープ使わないような気がします。
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奥多摩消防山岳救助隊のページ最近更新がない。
出動がないのかなと思っていたら
新しいページが出ていたんですね。
最初のページは膨大な量で生記述のままで緊迫感があった。rev.0(これは今は読めません)
その後整理書き直しでrev.1 (rev.0の抜粋)
その後の分はrev.2
そしてrev.3に移ったとは予測してなかった。
今後もよろしく。私も近所です。
あのページだけでもブログにして欲しいなあ、と、思っています。
http://kmp.rgr.jp/images/20071104_9.jpg
これ以上の詳細が無いので、可能性自体はいくらでも考えられます。看板がイタズラされたという可能性も充分ありえますね。
他の可能性としては・・・
○通行止めだけど何とかなると思いこんで特攻
○画像に矢印がついているので、そのまま行ってみた
○足元ばかり見て歩いているので、看板に気づかなかった
などなど・・・・
「そんなのありえねー」というネタも入ってますが、長年の経験から言いますと充分ありえますね。すごい人は凄いですから・・・