羽幌に遅着して遅いという不平が聞こえたか、帰りのバスは山道をびゅんびゅんと飛ばす。後部座席の飛び上るほど弾んだ中では眠ることもできずに、エリモ用の針の種類とサイズの話題になった。大きいサイズ派と小さい派に分かれた。アイナメさんや鹿島さんはチヌの8号が主流だが、袖の長さがいまいちなのが気に入らなかった。O支部長やFK谷さんはアジ針やフカセ針の大きなのを使っており、使ってみたが、これまた大きすぎる感じでぴったりこない。
食いが良くない時に、トチさんから丸セイゴの16から14号に変えるんだ、ということを聞いて驚いたことがあったが、全道大会の常連であるH口さんも小振りのチヌの6号で釣っている、大きなカジカでも切られたことはない、十分だよという。
釣りに関する科学の本は、古典「釣魚大全」の著者ウオルトンが述壊しような孤高、哲学が感じられない。開高健の長期間酒田でスズキに振られ、蒙古に滞在してボーズを食らって、「鮮烈で息のつまりそうな生体反応を失ってしまった」とまで書いている悩みが感じられない。今度あたらしく発行された本を釣童さんから借りたが、学者の知識の網羅であり、研究の結果の発表である。釣童さんもすぐに読破したようだが、私も一気に読んでしまった。針とハリスに関しては求める解答は得られなかった。
小さい針を使う方のハリスのサイズを聞いて納得した。フロロの7号などで小さい針の結束は悪い、ボナさんの失敗したように接着剤では切れてしまう。5号のハリスで十分だよ、使ってみな、と大きい派からも小さい針派からもいわれた。以前から仕入れていた「ホンテロン5号」でしばらく結んでみようと思っている。