ボナさんの北海道の釣り三昧II(休養中)

投げ釣り主体に北海道の沿岸に出かけます。夏にはフナや鯉釣りも。

微々たる減少遅々たる変化

2011-12-31 07:36:14 | 釣り
抗凝固薬ワーファリンを急に使い始めると発生することがある過凝固症候群を予防するのは凝固のメカニズムがちょっと異なるヘパリン。これをワーファリンと併用します。ワーファリンは経口投与されますが、ヘパリンは経口投与が出来ず静脈内に投与されます。厳密には、ヘパリンそれ自体には抗凝固作用はないのですが、生理的凝固阻止因子であるアンチトロンビンによるセリンプロテアーゼの不活化を促進します。結果として血が止まらなくなります。

幸い、ポートを造ってありますので、このポートを使って長時間の点滴で持続投与となります。最初の3日間は、ヘパリン1万5千単位が50mlに薄められて24時間にわたって1時間2mlの割合で体内に入りました。十分に行き渡って効果が出て来ましたので、ワーファリンを増やし、ヘパリンを減らすことが出来るようになってきました、と言っても微々たる減少で遅々たる変化です。

身体には、血が止まらなくなる毒薬のような強い薬2種類が入っておりますので、ひげを剃るのも恐る恐るです。ヘパリンが千単位減らされ1万4千単位が500mlの生理食塩水に溶かされて点滴しています。前よりやさしく効くようにヘパリンは10倍に薄められました。

いまのんでいる薬は、毎回看護師さんにちゃんと服用しているかチェックされます。赤色の薬はワーファリンですが、右の0.5mg錠と長い1.0mg錠の2倍力価が違う薬が同じ色なのはヒヤリハットものです。今日は大晦日ですので、ヘパリンの交換の際、ポートの抜針を経験させて貰ってからシャワーを浴びようと思っています、きれいな身体で新年を迎える為に。

頭も軽くなって

2011-12-30 09:11:45 | 釣り
年末の大病院は、閑散としております。60名の病棟も10人位しか入院しておりません。売店も午後になると閉めますので、買い物にぶらつく私には、うかうかできません。抗凝固薬ヘパリンの持続点滴中ということで様子をみていたポートの抜糸も、昨日やっと終わりました。

10日近くも洗髪しておりませんでしたので、許可を貰ってカットと洗髪をしてきました。院内対抗の野球大会で選手の少ない時に、急遽選手になって貰った食堂や牛乳屋さんの話で床屋のおやじさんと盛り上がっておりました。

院内対抗の釣り大会には、マイクロバスで島牧まで行って貰った喫茶店のお兄さんもリタイヤしたそうです。カットと洗髪ですっきりした、軽くなったと喜んでいる私に。床屋であんたはバカ話しかできないの、頭の中も軽くなったんじゃないの、ときつい一発が入りました。

退院の予定は立っていませんけれど、1月4日までの薬が処方され一抹の寂しさを味わっている時、東京の大学に行っている孫が顔をだしてくれ元気が戻りました。娘一家が帰った後、小樽から職場の事務長が来訪、たっぷりと小樽の話で盛り上がりました。職場復帰の気力も出てきました。慎重に、丁寧に主治医は急性期の脳梗塞に準じた治療をすすめております。スタッフにも改めて感謝です。


平常心

2011-12-29 10:27:40 | 釣り
入院して新しい事象にぶつかるたびにひどい時には180を超えていた血圧。カミさんは、あなたには平常心が必要ね!と揶揄します。ストレス解消に出かけていた釣りに出かけられなくなったのもあるのでしょう。

それが、考えてもどうにもならないものだと段々あきらめに似た心境になってきたのでしょうか、この数日132-80(27日)、136-85(28日)、130-61(29日)と血圧の上昇も落ち着きました。

最近、抗凝固薬のワーファリンを投与開始後初期に、一過性の過凝固状態で微小血栓が皮膚や脂肪組織に生じ壊死になることがあるという報告がなされてきました。凝固因子に関連するタンパク(プロテインCやS)などに異常のある先天性素因や後天性の抗体なども指摘されています。

私のように、最近起こったかくれ梗塞がみつかって、次いで一過性脳虚血発作が起こったという繰り返した血栓性素因の場合には、十分にこの過凝固による皮膚壊死を考えておかねばなりません。微小血栓は有痛性の紅斑、点状出血、水疱、壊死、黒色変化とたどります。この皮膚症状が現れないようにと祈りながら、平常心を装って抗凝固薬ヘパリンの持続点滴を受けております。

食べられるものがまた、少なくなった

2011-12-28 07:38:56 | 釣り
循環器内科での心エコーは、T教授が病室まで見えて心配するようなものはないということで一安心しました。私は、この大学病院に日本で初めて循環器内科ができた時のメンバーの一人ですので顔を見に来てくれたのだと思います、ありがたいことです。
27日より、血の固まり(血栓)が出来るのを予防する抗凝固薬ワーファリンをのみ始めました。この薬は効きすぎると血が止まらなくなりますし、効かないと血栓ができやすくなります。個人差がありますが丁度良い加減の値が国際的に決まってきます。

血液は凝固因子がないと固まりません。肝臓の中でビタミンKは、酵素Aによって還元型ビタミンKとなって凝固因子の合成を助けます。還元型は酵素Bによって元のビタミンKに戻って再利用されます。ワーファリンは、この酵素二つの作用を阻害して凝固因子の合成に必要な還元型と元のビタミンKをともに減らすので凝固因子ができにくくなり血が固まらなくなります。釣りではよくカジカのとげなどで刺されていましたので、今後は針に注意が肝心です。

納豆やある種の青汁、クロレラはビタミンKが多量に含まれます。腸内で納豆はビタミンKを産生します。ビタミンKが多量にあると血液は凝固に向かいます。したがって、ワーファリンが効かなくなります。緑黄野菜はやはりビタミンKを多かれ少なかれ含んでおります。摂りすぎるとワーファリンが効かない方向に向かい血液が凝固しやすくなります。バランスを考えて摂らなけりゃと思っています。

100g中のビタミンKの含有量(単位はマイクログラム)はさまざまですが、多量摂取しなければ問題はないでしょう。含有量の多いものには注意!になります。ひき割り納豆(930)、パセリ(850)、モロヘイヤ(640)、味付けのり(650)、乾燥ワカメ(660)。生わかめ(140)、にら(180)、レタス(110)、ほうれん草(270)、大根(270)などですが、ほどほど食べられるものと止めるものとに分けておきましょう。カミさんは、納豆嫌いで良かったね~、と慰めて呉れています。鉄分を含む野菜が食べられなくなった。いま使用中の抗がん剤の5-FUにも影響を与えますので、化学療法が続行できるかどうか。

かくれ脳梗塞

2011-12-27 13:26:21 | 釣り
今朝のテレビでやっていましたが、血栓などが飛んで症状を出さないので気づかれない、小さな脳梗塞になっているのをかくれ脳梗塞といいます。じつは、MRIで、大腸がんの術後かもしれないこの1ケ月前あたりに起こしたらしい小さい梗塞が左後頭葉にみつかりました。

今回の左足とは関係がないのですが、左足のぶらぶらは一過性の脳虚血発作とは違うようで心臓からの血栓などが飛んだのかもしれないとの脳外科の見立てでした。脳梗塞もあったし、塞栓の可能性もある。釣り人にも頻度の多い大ごとの脳梗塞にならないように脳梗塞予防の治療を始めようということになりました。

脳梗塞予防に使われる抗凝固薬のワーファリンは、よくご存じと思いますが、急に始めると過凝固という逆の血液凝固作用を示すことがあります。血液学のプロの慎重に治療しよう、という一声で今は、ワーファリンを経口で内服しながらヘパリンをゆっくりと持続点滴開始しております。

ワーファリンの丁度いい血中濃度を維持するための努力に時間がゆっくり流れています。治療は先に進めて、今後のリスクを探る為に心臓のエコー検査を待っています。外科の術後、内科、神経内科、脳外科に次いで循環器内科の受診です。血液検査のコントロールなどのために病院で年越しになるかもです。勤務先には事情を話して初出勤を遅らせました。

左足から靴が脱げおちた

2011-12-26 11:29:34 | 釣り
24日昼食後、スタバーにコーヒーを飲みに行き帰りに階段を昇ろうとすると、後ろを踏み潰して履いている左足の靴がするりと脱げ落ちた。左足が若干尖足気味でぶらんとしている。脚を組んで座っていたので、しびれたのかと思い、平地にもどりエレベーターで帰室。平地を歩くのにも左の靴は挙げづらい。

しばらく、ベットに寝ていた後、腰かけて再度立ち上がると、やはり同じ状態なので、これはおかしい!化学療法による末梢神経障害なら両方の脚に来る筈。血圧は高くない、135-58、看護師から当直の医師に診察を依頼し、診察を仰ぐと運動障害の可能性もある、ということで主治医と相談、MRIをとることになった。幸いなことに、朝に抜針されているのでMRI検査が出来る。

車椅子でMRI室に向かい、20分以上かかりますから、じっとしていてください。生まれて初めてMRIを受ける。また幸いに、ガタガタ、ガラガラと異様な音に驚いてシャックリがどこかにいっちゃった。新しい脳梗塞も脳出血もなし。神経障害で片側に起こることもある。意識障害はなかったようだけど、一過性脳虚血発作が考えられるということで点滴となりました。

Xマスイブなのに主治医もみえた。神経内科の医師の診察も受けて、3人の医師に感謝した。尖足予防のために硬めの枕を足元に立てて貰って目を覚ましているあいだじゅう左足をマッサージしたり動かして夜が明けた。脚を引きずることもなくなり、両足が揃ってバタッバタと出来るようになった。今日は、脳神経外科の診察を受け、脳梗塞の危険があったということで点滴続行
となる。意気消沈で吐き気もあって、食欲も出ない。釣りが出来るまでどの位のハードルがあるのだろう。
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しゃっくり、からあげ、呑気

2011-12-25 09:34:50 | 釣り
江別の人からのお話にあったように、私はFOLFOXと称される化学療法中です。葉酸製剤と一緒に使われますが催吐作用の強いプラチナ誘導体を点滴静注する前に制吐薬とステロイドホルモンのデカドロンが使われました。その後、抗がん剤の血中濃度を上げるため5-FUを5分間で一定量投与されてから低用量の持続点滴に入りました。そのご46時間の継続でした。

横隔膜のけいれんにより声帯がふさがり「ヒック」となり、英語ではhiccupなので「ひゃっくり」と呼ぶのかな、と思って辞典を引くと「しやっくり」が正しいという。化学療法が始まって48時間後くらいから、からあげのような空気が上がってくる、呑気症の胸に空気がつかえるような症状がはじまりました。ガスが出たりげっぷが出ると楽になっていたのですが、そのうちに寝ているベットの上で跳ね上がる「しゃっくり」が始まりました。

それでも、食欲はあり、昼食も夕食も「しやっくり」のある間も完食しました。4時間ほど続いたところで看護師さんから主治医に連絡して貰い、制吐と抗めまいに鎮静ならびに腸の蠕動運動を改善する作用をもつプリンペランの静注がなされて止まりましたが夜中に再開しました。

プラチナ製剤には投与直後30分から始まる急性嘔吐作用と1週間位遷延する遅延性嘔吐作用がありますので、その一種の作用かなとも思っていたんですが、私の場合、デカドロンを静注後経口につないで3日間投与されるやり方でしたので、デカドロンでも出てくるという説明でした。いま6時間ごとにプリンペラン1錠を経口投与しておさまっております。今後化学療法が10回は続きますので江別の人の推薦された漢方にも挑戦しようと思っています。柿のヘタを煎じると効くというガンセンターの情報もあり、カミさんに柿のヘタを洗って干しておいて、とお願いしています。24日の午後から左脚の調子が悪くなりました、いま点滴治療中です。毎日何か起こりますね。
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Xmasの装い

2011-12-24 09:25:42 | 釣り
23日病院の1階フロアーのXマスツリーの前で記念撮影です。抗がん剤で免疫能が低下し出していますので、風邪などの感染症を予防する為にマスクは欠かせません。スタバーでコーヒーをひとのみするとマスクを付ける周到さで臨んでいます。年末を控えた3連休ですので見舞客がいろんな感染症を運んでくるやもしれませんから。

病衣にはポケットがないので、ヨットパーカを羽織って首から吊るした注入ポンプを右のポケットに仕舞い込みます。注入ポンプを入れるポシェットが欲しいものです。右腕には貴重品の引き出しのカギを巻いています。売店で、指つきと普通の毛糸製の手袋を買ってきました。値札が付いたままです。抗がん剤の治療が進んでいくと高頻度に手指足先に痛みやしびれが出現します。金属製のものを掴んだり、寒気によって増強しますので、手袋、帽子、マスク、マフラーなどが必要になります。

ひと一番、手指の皮膚が弱いので警戒して防御の装いをしています。末梢神経障害のほかに院内でも日光に当たるとその部分が黒くなる色素沈着が起こります。23日午後より抜針の練習をしました。写真の5百円大のものがポーターです。深さは2cmほどあり、これに翼状に広げられた針が刺さっています。これを指でつまんでパチンと右の写真のように閉じると針が抜けてきます。抜針のあとの皮膚を1-2分消毒綿で圧迫して絆創膏を貼って終了です。抜針の前に、ヘパリン入りの生理食塩水を注入しておく場合があります。この場合は病院に行った方がいいでしょうね。シャックリが止まらなくなっています、どうなったかは続く。
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風船が縮まっている

2011-12-23 07:50:46 | 釣り
21日にポートを作製し、早速抗がん剤の低用量の持続点滴が始まりました。抗がん剤の5-FUは、体内に入るとすぐに代謝され効果が減弱しますので色んな工夫がなされてきました。血中濃度を保つことができると、制がん作用が高く望め、低用量なので副作用も低く望めるというものです。

見苦しい写真ですが、私自身もどのようになっているのか、知りたくてカミさんに携帯で撮ってもらったものです。46時間持続点滴される薬液は、哺乳瓶のような形をした携帯用デイスポーザブルの注入ポンプです。私の場合は全量で230mlになるように生理食塩水で調整されています。

これにチューブが付いており、胸の前にある空気を通さないフイルターからテープで抑えている部分を経て微量の薬液が、1時間に5mlの割合で、左前胸部の少し色のついた透明なテープの下にあるポートに吸い込まれていきます。加圧式医薬品注入ポンプ(バクスターインフーザー:Baxter LV5)を、大写しにします。薬液が身体に入っていくと風船状の容器が縮まっていきます(合成ゴムでできています)ので「ちゃんと風船が縮まっている」と点検にみえた看護師さんが安心してくれます。マジックで点検時間が記されています。

中心静脈までの管付で小型ポンプをかかえて、外来での調整がすむと自宅に帰り風船が縮まるのを待ちます。終わると、ポートから針を自分で抜いて(抜き方の練習会も催されます、一般に家族が補助します)、ゴルフでも釣りでも出かけることが出来るといわれましたが、そうできること願っています。12クールですから、あと11回とカウントダウンしております。都合3日間かかるのですが、無事1日目は過ぎました。

まな板の鯉

2011-12-22 10:19:41 | 釣り
レントゲンの透視室の板の上で30分前後だったろうか、まさにまな板の上にのった鯉のような状態で、動かれずにじっと我慢でポートと言われるリザーバーを入れてきました。

なまじカテーテルのことを知っていますので、いま、カテ先はどこに行ったかとか、肺は大丈夫なようだとか、余計な心配をしているうちに、どうとでもなれとはちょっと違う無我の状態になり、落ち着いてきました。

入れて呉れた医師はエコーをとっている時に名乗ってくれた同門の内科の後輩で、世間話をするゆとりまで、出てきたところで「皮下にポートを埋め込みました」で無事終了しました。

写真のようなカードを貰い部屋まで歩いて帰ってきました。CTもMRIも問題なく施行できるということです。満員のエレベータに乗る時には、左胸をかばっても押されて、恐怖を感じました。今日は、早速このポートを使って化学療法がはじまります。


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