徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

細かいことかもしれませんが…

 引用記事を書いた記者さんが(意図的に?)書き忘れたか見落としている部分がありますので、記しておきます。

本報告書の調査は、株式会社日本航空インターナショナル所属JA8083他7件の航空事故に関し、航空・鉄道事故調査委員会設置法及び国際民間航空条約第13附属書に従い、航空・鉄道事故調査委員会により、航空事故の原因を究明し、事故の防止に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない

 航空・鉄道事故調査委員会
 委員長 佐藤淳造



乱気流でコーヒー浴び男児大やけど、日航対応に問題 (読売新聞) - goo ニュース
 昨年9月、乱気流に巻き込まれた鹿児島発伊丹行きの日本航空機で、乗客の男児が機内サービスのホットコーヒーを浴びて大やけどを負った。
 この事故について、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は30日、調査報告書を公表、乗員がけがの程度を軽く見て救急車を手配しないなど日航側の対応に問題があったと指摘した。

 パイロットについても、「気象レーダーを適切に使用していれば乱気流を避けられた」と批判。トラブル続きの日航に対し、厳しい言葉が並ぶ異例の内容となった。

 事故があったのは昨年9月23日。日航2408便(MD90型機、乗客174人)が離陸から約30分後の午後3時5分ごろ、高知県沖で雲の中を飛行中に、乱気流に巻き込まれた。

 当時は客室乗務員が機体後方で機内サービスの飲み物を配っており、激しい揺れでカートに載せていたポットが転倒。ポットのふたが外れ、母親に抱かれて座っていた男児(1歳10か月)が大量のホットコーヒーを浴びた。男児は腹から右足にかけて赤く腫れ、尻などの皮がむけた。

 客室乗務員は傷に保冷剤を当てる応急処置はしたが、「一刻を争うほどではない」と判断。機長も、「皮がめくれているとの連絡は受けたが、大事には至っていない」として、無線で地上職員にクリーニング券を用意するよう指示したが、救急車の手配は行わず、緊急着陸しなかった。

 着陸後に引き継いだ地上職員も空港近くの病院を紹介しただけで、男児は空港近くの病院で一般の患者扱いで受診していた。男児は翌日に改めて専門医の診察を受けたところ、全治1か月の重傷と診断された。

 男児の母親は事故調に対し、「客室乗務員に救急車の手配を依頼したら、『ちゃんとやっています』と言われた」と証言。しかし、「降りてからすぐ病院に連れて行きたいと言うと、子供の状況も確認せずに『タクシーで行ってください』と言われた」という。

 事故調は、乗客がやけどを負った際の対応マニュアルが客室乗務員の間で周知徹底されていないと指摘。「幼児がやけどをしたことを考えれば、軽傷だったとしても、後になって予見していない症状が現れる恐れがある」として、日航側の対応は不適切とした。

 一方、乱気流に巻き込まれたのは、副操縦士がコックピットの気象レーダーを十分に確認せず、進行方向にあった発達中の強い積乱雲を未然に発見できなかったためと指摘。同じ飛行ルートを、事故の前後30分間に計20機が飛行していたが、いずれも直前で積乱雲に気づき、回り道をして避けていたことを明らかにした。

 日本航空の話「やけど事故を重く受け止めて再発防止措置を講じてきたが、事故調の指摘を受け、今後さらに内容を検証し、必要な対策を講じたい」

2005年 9月30日 (金) 14:35


上の記事で該当するであろう部分が事故調査報告書の「3.事実を認定した理由」でどのように書かれているのか、対比してみます。

(記事)
高知県沖で雲の中を飛行中に、乱気流に巻き込まれた。
(事故調査報告書)
~略~
同機は、積乱雲に遭遇したものと推定される。
~略~
この間、同機は、活発な乱気流の中を飛行し、揺さぶられ機体が激しく動揺したものと推定される。
~略~
降下中の気圧高度約21,000ftで積乱雲に遭遇し機体が大きく動揺したものと推定される。

(記事)
パイロットについても、「気象レーダーを適切に使用していれば乱気流を避けられた」と批判
(事故調査報告書)
~略~
機上気象レーダーで前方のエコーの状況を捕捉していなかったものと考えられる。
~略~
雲のエコー分布の全体を短時間に探知できなかったものと推定される。
これらのことから、運航乗務員は、降下中機上気象レーダーの運用を適切に行い得なかったため、未然に積乱雲を回避できなかったものと推定される。
いずれにしても、2.11.1及び2.11.2に記述したように、飛行中において悪天域を事前に的確に把握し、タービュランスを回避するためには、同レーダーを積極的に活用し、適切に操作することが極めて重要である。

※何度も事故調査報告書を読み返しましたが、何処にも「乱気流を避けられた」との記述はありませんし、パイロットに対する批判も見当たりません。

(記事)
事故調は、乗客がやけどを負った際の対応マニュアルが客室乗務員の間で周知徹底されていないと指摘
(事故調査報告書)
~略~
このようなことから、同社は、すべてのCAに対し、負傷者が発生した場合の負傷状況を的確に判断させるために、CAへの配布用CAMに記述された火傷に関する項目の周知徹底を図る必要がある。
また、同機に搭載されていた搭載用のCAMについては、配布用改訂版の配布後の平成16年8月1日付けで発行したにもかかわらず火傷に関する項目が附加されていなかったことから、最新版へ更新されたCAMを搭載する必要がある。

※周知徹底を図る必要がある、と述べていますが、周知徹底されていないとの指摘は見当たりません。

最後に「3.事実を認定した理由」を読むにあたって重要となる用語について記しておきます。
事故調査報告書には“解析の結果を表す用語は、次のとおりとする。”と明記されています。

1.断定できる場合・・・「認められる」
2.断定できないが、ほぼ間違いない場合・・・「推定される」
3.可能性が高い場合・・・「考えられる」
4.可能性がある場合・・・「可能性が考えられる」

ちなみに、当該報告書の「3.事実を認定した理由」および「4.原因」において、“認められる”の表現は一箇所もありません。
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Airbus A321 与圧トラブル

 2系統とも「ほぼ同時に」あるいは「相次いで」トラブルが発生し、INOP となるのは珍しいですね。

7月23日には、JAL1439 便(羽田~徳島)の Airbus A300-600R (JA8559) で与圧系統のトラブルが発生し、そのときは同様に Oxygen Mask を Deploy し 緊急降下を行なって徳島空港に緊急着陸しています。
JAL1439 便の場合、離陸時点において2系統ある与圧システムのうちの1系統は Down していたのですが MEL は満たしているとのことで飛んだうえでのトラブルでした。

が、今回の場合、報道を見る限りでは大分出発時点では異常がみられなかった与圧システムが、1系統だけではなく2系統ともにトラブルに陥ったようです。

JAL1439/23JUL 同様に急減圧ではなくて、Cabin Altitude が徐々に高くなったため、 Oxygen Mask を Deploy し、FL370 から 10000feet まで降下して Emergency を宣言したようです。共同通信のみが“緊急降下”というフレーズを使っていますが、他のニュース・ソースをみると、それが Cabin 急減圧のときに行なわれるかなり大きな降下率で降りたかどうかは不明です。が、当該便の Cockpit Crew の対応は適切であったと考えられます。

2系統ともに不具合となったことから「重大インシデント」として事故調がのりだすようです。

A321 は A320 の胴体をストレッチしたタイプで、全日空では1998年から7機導入されました。全日空の A321 のデータはこちらで紹介されています。
A320 が166席なのに対し、A321 は195席とストレッチされた胴体を活かし、29席の座席が増えています。
(A321 導入当初は8席のスーパーシートが設定されていましたが、2000年に廃止、今はモノクラスとして運航されています)

また、全日空の A320 と A321 とでは搭載されているエンジンが異なります。A320 には CFM インターナショナル(米ジェネラル・エレクトリック社と仏スネクマ社の共同)の CFM56 というエンジンを搭載していますが、A321 は IAE: International Aero Engin 社(国際共同で設立:日本のメーカーも開発・生産に参加している)の最初のエンジンである V2500 を搭載しています。

与圧システムは、エンジンから取り込まれた圧縮空気を機内に供給する仕組みとなっていますので、このエンジンの違いが起因していたりして....。下種な推測はやめましょう。

事故調にはしっかりと原因調査を行なってもらいたいものです。


機内気圧低下で緊急着陸 全日空、けが人なし (共同通信) - goo ニュース
 29日午後6時50分ごろ、伊勢湾上空約1万1000メートルを飛行中の大分発羽田行き全日空198便エアバスA321(乗客乗員172人)で、機内の気圧を保つ装置(与圧装置)の異常を示す表示が出て、実際に気圧が低下した。機長は客室内に酸素マスクを出し、高度約2500メートルまで緊急降下させた。

その後、同機は徐々に高度を下げ、午後7時33分に羽田空港に緊急着陸した。全日空によると、けが人はいなかった。1人が胸の痛みを訴え病院で診察を受けたが、異常はなく帰宅した。

同機は午後6時すぎに大分空港を出発後、2系統ある与圧装置の両方で異常を示す表示が出たため、管制機関に緊急着陸を要請した。酸素マスクが自動的に出るような急激な減圧はなく、耳の痛みなどを訴える乗客はいなかったという。

2005年 9月29日 (木) 22:10
機内の気圧低下、全日空機が羽田に緊急着陸 (読売新聞) - goo ニュース
 29日午後7時ごろ、伊勢湾上空を飛行中だった大分発羽田行き全日空198便(エアバス321型機、乗客166人)が、高度約1万メートルで機内の気圧が低下していることを示す計器表示が出た。
 機長は管制官に対して緊急事態を宣言し、手動で客室内の酸素マスクを作動させて約2500メートルまで降下、同7時30分すぎに羽田空港に着陸した。

 2つある空調装置がほぼ同時に壊れ、機内の気圧が保てなくなったらしい。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は事故につながりかねない「重大インシデント」に該当するとして、調査に乗り出した。

 旅行で同便に乗っていた横浜市の大学生、池田綾子さん(22)は、「酸素マスクがいきなり降りてきて怖かったが、着陸した時はホッとした」と話していた。

2005年 9月29日 (木) 23:23
大分発の全日空機が羽田に緊急着陸 客室内の減圧表示 (朝日新聞) - goo ニュース
 29日午後6時50分ごろ、伊勢湾上空を飛行していた大分発羽田行きの全日空198便(エアバスA321型、乗客乗員計172人)で、客室内の空調システムの故障を示す計器表示が出た。その後、客室内の気圧低下を示す表示が出たため、同便は同7時半すぎに緊急事態を宣言し、管制上の優先権を得て羽田空港に着陸した。到着後、乗客1人が「胸が痛い」などと訴えて診察を受けたが異常はなかった。

 国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は同日、航空事故に準じる航空重大インシデントに該当するとして、調査官を派遣して調査することを決めた。

 全日空によると、同便には2系統の空調システムがあり、相次いで故障表示が出た。その後すぐに客室内の減圧表示があったという。当時、上空約1万メートルを飛行中だったため、機長が乗客用の酸素マスクを落下させ、安全高度の約3000メートルまで降下した上で緊急事態を宣言したという。

 全日空は、空調システムの故障で客室内に送り込む空気が足りなくなり、気圧が下がった可能性が高いとみて機体の調査を進めている。

2005年 9月29日 (木) 23:41
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RVSM: Reduced Vertical Separation Minimum

 これまで何度か登場している RVSM: Reduced Vertical Separation Minimum (和訳すると「短縮垂直間隔」となります)について簡単に説明します。

先ず、RVSM は IFR (計器飛行方式)が対象となります。その上で、FL: Flight Level 290以上においても 1000 feet の垂直間隔(高度差)を適用する方式です。

非 RVSM 空域においては、FL290 以上における IFR の垂直間隔は 2000 feet ですから、RVSM はその 2000 feet の垂直間隔を 1000 feet に短縮した方式である訳です。

表にすると以下のようになります
*** 非 RVSM 空域 ***
西行き東行き
FL410
VFR(FL400)
FL390
VFR(FL380)
FL370
VFR(FL360)
FL350
VFR(FL340)
FL330
VFR(FL320)
FL310
VFR(FL300)
FL290


*** RVSM 空域 ***
西行き東行き
FL410
FL400
FL390
FL380
FL370
FL360
FL350
FL340
FL330
FL320
FL310
FL300
FL290


この表からも解るように、非 RVSM 空域には割り当てのあった FL290 以上における VFR (有視界飛行)用の高度設定が、RVSM になると設けられていません。
つまり、RVSM 空域では FL290 以上での VFR は認められないのです。
これは、ICAO: International Civil Aviation Organization (国際民間航空機関) Annex 2 (国際民間航空条約第2付随書)にも以下のように記されています。
 Authorization for VFR flights to operate above FL290 shall not be granted in areas where a vertical separation minimum of 300m (1000ft) is applied above FL290.

もう一点、RVSM が導入されると FL290 以上において、“西行き”と“東行き”の高度の割り当てがこれまで(非 RVSM であった頃)とは劇的に変わります。

FL310, FL350, FL390 と言えば、West bound (西行き)の Traffic に assign されていた高度ですが、RVSM 導入以降は East bound (東行き)の Traffic に assign されることになります。

これは、ずっと非 RVSM に慣れ親しんできた航空路管制の管制官の方々やパイロットの方々には、最初のうちは違和感をおぼえることでしょう。

さて、RVSM 空域を飛行するためには、機体が RVSM 適合機である必要があります。垂直間隔が短くなっているので、機体側の高度計測および高度維持により正確さが求められるからです。

Boeing747-400_Cockpit_at_cruise
具体的には、独立した2系統の高度測定装置、自動高度維持装置および高度監視警報装置を装備し、登録国もしくは運航者の国の承認を受けなければなりません。

そして飛行計画、いわゆる Flight Plan の所定の項に“ RVSM 適合機”であることを示す「W」の文字を記入します。

RVSM 適合機が RVSM 空域を飛行するにあたっても、幾つかの制限事項があります。例えば、assign された高度から 150 feet を超えて逸脱してはいけません。
また、次のような場合、パイロットは管制機関に速やかに通報する必要があります。
 (1)機器の故障により航空機が RVSM に適合しなくなった場合
 (2)高度測定装置の redundancy (冗長性)を失った場合
 (3)高度維持装置の性能に影響を与える気流の擾乱(要は激しい乱気流)に遭遇した場合

このような通報を受けた管制機関は、当該機に対して RVSM の適用を一時中断し、2000feet 以上の垂直間隔を設定することがあります。

我が国では、これまで東京 FIR、那覇 FIR の洋上管制区域で RVSM を適用・運用していました(洋上管制区においては、FL410 を超える高度は非 RVSM として運用されている)。

明日、9月30日からは東京 FIR、那覇 FIR、そしてお隣韓国の INCHEON FIR で RVSM が実施されることになります。
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岩本さん、労災認定!

 1996年5月29日、日本航空のチーフパーサーの岩本章子さんが勤務途中の香港 STAY 中、クモ膜下出血で倒れました。
岩本さんは、香港で開頭手術も含め2度の手術を受けた後、帰国後更に3度の手術を受けました。幸いにも一命をとりとめましたが、後遺症に苦しんでおられるのは引用記事の通りです。

岩本さんの疾病は、予定された乗務パターン(=会社の業務上指示)での勤務途中(会社による拘束下)に発生しており、岩本さんの当時の勤務内容から考えても、業務上災害であることは当然と考えられます。

しかし会社(日本航空)は、岩本さんのご主人に対し「発症したのが就寝中であったので公傷に当たらない」と説明、客室乗務員組合に対しても「会社としては、現時点では業務上災害とは考えていない。本人から労災申請がなされれば、労基署が判断する。その手続きをして欲しい」と、あくまで業務上災害と認めず、第三者機関に判断をまかせる姿勢を貫きました。
それどころか、支援する社員からの声を無視して翌97年8月4日、「休職発令」を行ないました。つまり、“休職(病気)を命ずる”との辞令が下ったわけです。

発症して丸2年が経過した1998年5月28日、岩本さんは成田労働基準監督署に「労災申請」をしました。

労基署交渉を3回行い、同僚・弁護士・医師から6通の意見書が提出されました。労基署も16人を超える同僚や、岩本さんのご主人から事情を聞いた上で、1999年3月31日に以下のような判断を下しました。

『岩本さんの発症前1~2週間をみると特に過重はなく業務上とは認められない』

この判断は、時差を伴う長時間勤務・深夜早朝の不規則勤務という航空機乗務員という持殊性や、疲労の蓄積を考慮したものとは言えません。

その認定基準の「発症前1週間から10日の調査」のみで下された成田労働基準監督署長の判断を追認する形で、2000年3月27日、千葉労働者災害補償保険審査官は『審査請求棄却』の決定を出したのでした。

ここでも、現場の多くの仲間の声は無視されたのです。

成田労基署や千葉労基局の再審査棄却を受け、日本航空は労災申請中の岩本さんに休職期間満了を理由に2000年8月3日「退職発令」を行ないました。
 『就業規則に則り、8月3日をもって、退職とする』
「退職発令」に至った日本航空側の理由は、
 -客室乗務員として通常復帰が不可能だから
 -障害者雇用問題と岩本さんの問題は別問題
です。と同時に、日本航空は
 -もし、労災が認定された場合にはその時点に考える
とも組合に伝えたそうです。(当時の日本航空の社長は兼子氏、客室本部長は益子氏)

これらの経緯を経て、2000年12月1日、岩本さんは千葉地裁に引用記事にある提訴をしたのでした。

今回の判決内容は、ほとんど岩本さんの主張が認められたものとなっています。

 -1995年12月から翌年3月まで、岩本さんの負荷は特に高かったこと。
 -疲労が回復しないまま仕事を続けていて、その疲労の蓄積によってくも膜下出血を発症した
 -会社労務による組合脱退工作に起因するストレスがあったこと
 -就業規則どおり勤務しているから問題はないとは言えないこと
 ※太字は小生が強調しました

などが認められています。

裁判の途中で労災認定基準の改定があったものの、今回の判決は、単に労働時間だけでなく、航空機乗務員の労働の質にまで踏み込んだ判決となっています。

この画期的な判決に対し、控訴がなされることなく、日本航空は「解雇を無効」とすることを期待しています。

つらい中を頑張りぬいた岩本さんを称えたいと思います。



元日航乗務員の労災を認定 千葉地裁判決 (朝日新聞) - goo ニュース
 乗務先の香港でくも膜下出血で倒れ、右半身不随と失語症などの後遺症が残った日本航空の元客室乗務員、岩本章子さん(58)=横浜市港南区=が、成田労働基準監督署長を相手に労災認定を求めた訴訟の判決が27日、千葉地裁であった。山口博裁判長は「業務による過重な精神的、身体的負荷が脳動脈瘤(りゅう)を増悪させた」と述べて労災を認定し、「休業補償給付などを支給しない」とする同署長の処分を取り消す判決を言い渡した。

 原告側弁護団によると、航空会社の客室乗務員の脳疾患をめぐる労災認定は初めて。

 判決によると、岩本さんは96年5月、乗務先の香港のホテルでくも膜下出血で倒れた休業補償給付などを請求したが、成田労基署は99年3月、「業務に起因することの明らかな疾病とは認められない」とした。再審査請求も労働保険審査会が棄却した。

 山口裁判長は「就業規則を満たしているからといって、直ちに業務の負荷が高くないということにはつながらず、その業務内容から個別に判断されるべきだ」との判断基準を示した。

 成田労働基準監督署は「判決内容を検討し、今後の対応を決めたい」としている。

2005年 9月28日 (水) 03:03
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PW4090 潤滑油漏れ

 全日空の Boeing777-381 (ANA243/28SEP HNDFUK)が、No.1 エンジンから潤滑油漏れを起こし羽田に戻ったようです。

潤滑油、いわゆるエンジン・オイルはジェットエンジンにとって生命線の一つであり、それが失われた状態でエンジンを回し続けることは、エンジンの破損につながります。
当該便の PIC: Pilot In Command (機長)がとった No.1 Engine Shutdown は至極当然の処置であり、1 Engine Operation となったので、Land Nearest Suitable Airport である羽田に戻ったのも適切な対応です。「日頃から訓練している当然のことをしたまでだよ」とおっしゃることかと思いますが、流石プロフェッショナルです。
“緊急着陸”とありますから、Declare Emergency だったと思われますが、羽田が着陸機で混雑する時間帯でもあり、輻輳した空域を航空管制のハンドリングを受けて戻る訳ですから、自機の安全運航を考え、管制の優先権を得たことも良い判断だったと思います。
※これが、仮に四発機の Boeing747-481D (テクノジャンボ)だったなら、羽田に戻るにしても、Emergency は宣言しなかったと思われます。

さて当該機のエンジンは、米国 Pratt & Whitney 社の PW4090 というエンジンです。潤滑油漏れの原因が何であったか未だ解かりませんから何とも言えませんが、全日空さんでは同じタイプのエンジンを搭載した Boeing777-281ER を国際線(太平洋越えの米州線や東南アジア線、中国線)にも使っていますので、原因には少々神経質になるかもしれません。もし、Oil Leak の原因がエンジンの構造や金属疲労による crack だったとすると穏やかではありません。太平洋のど真ん中で Shutdown せざるを得ないようものなら、2~3時間エンジン一発で飛行しなければならない事態も想定される訳ですから....。(勿論、それでも太平洋線に就航している -281ER は ETOPS207 を取得していますから問題は無いのですがね。あまり気持ちの良いものではありません。)

急速に秋が深まり、Cockpit Crew の皆さんは Winter Operation の review をしなければなりませんね。つい先日まで、ブレーキ Temp に気を付けていたのが、もうそろそろ、Engine Oil Temp に気を付けなければならない季節となりました。



全日空B777機がエンジントラブル、羽田に緊急着陸 (読売新聞) - goo ニュース
 28日午前10時30分ごろ、羽田発福岡行き全日空243便(ボーイング777―300型機、乗客369人)が離陸直後、二つあるエンジンのうち左主翼の第1エンジンの潤滑油が失われたことを示す警告が、操縦席で示された。
 同便はただちに第1エンジンを止めて引き返し、同11時ごろ、羽田空港に緊急着陸した。乗客にケガはなかった。

 全日空でトラブルの原因を調べている。

2005年 9月28日 (水) 12:04
全日空機が羽田に緊急着陸 エンジンオイル漏れで (朝日新聞) - goo ニュース
 28日午前10時半ごろ、羽田空港を離陸した福岡行き全日空243便(ボーイング777―300型、乗客乗員計380人)で、左主翼の第1エンジンのエンジンオイル量が低下しているとの計器表示が出た。同便は左右にエンジンが一つずつあり、機長は第1エンジンを停止した上で、同59分に羽田空港に緊急着陸した。

 エンジンオイルがエンジン外部に漏れだしており、全日空が原因を調べている。乗客にけがはなく、別の航空機で目的地に向かった。

2005年 9月28日 (水) 13:28
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またお前か!

 学習効果がないと言うか、真剣に対策を考えていないのか、なぜに一ヶ月ちょっとしか経っていない間に同様のミスを繰り返すのでしょうか。

ヒューマン・エラー対策について抜本的な解決がなされていないことは確かなようです。

航空機の運航は、決められた procedure を繰り返す routine work 的に思えますが、実際は、便ごとにお天気や Traffic をはじめ、当該便を取巻く状況が異なりますので、case study の繰り返しといえます。単純な routine work ではないからこそ、厳しく訓練されたパイロット2名以上で運航し、航空管制の支援も受けている訳です。
今回の場合も、先月新潟で発生した事例同様、パイロットが二人とも失念し、さらに航空管制サイドもミスに気付かぬまま事が進んでしまったようです。CRM: Crew Resource Management、異なる立場からの Cross Check 体制が全く機能していません。

人間は必ずミスをします。それは避けようがありません。が、そのミスがどこかで食い止められるように Cockpit Crew が PF, PNF と役割を分担し Cross Check する訳ですし、Checklist を導入してミスを事前に防ぐようにしています。

“国交省が全国の空港監査へ”と言っていますが、監査したところで再発防止につながるのでしょうか。甚だ疑問です。
このようなことが起こると、責任者(所謂お偉いさん)が出てきて、高圧的に現場を叱責したり、通達を出したりするのが慣例ですが、それでは根本解決になりますまい。やはり、現場主導で再発防止策を議論すべきです。

双方共に“再発防止のため、国交省と日航は手順を書いたチェックリストなどを導入したが、今回の管制官も機長も、リストを正しく記入していなかった”では、何の為のチェックリストだったのか、そもそもチェックリストの導入が Workload が高く、双方共に慌しい phase において適切な防止策だったのかを再検討する必要があるでしょう。チェックリストはヒューマンエラーを防止する one of them でしかないのですから、他の方法だっていくらでもある筈です。

読売新聞の記事に興味深い件があります。

“日航は26日、深井祥治・運航本部長が会見。ミスについて、「あってはならないことだった」と謝罪した。同じミスが相次いだ原因については、「夜間のフライトなので、気が緩んでしまったようだ。人間のやることなのでミスはゼロにできない」と述べた。”

『人間のやることなのでミスはゼロにできない』は一見無責任なように見えますが、実は本質を理解している真摯な発言だとも言えます。そこまで解っているのだから、どのようなアクションをとるかが、OPZの長として資質を問われることになるでしょう。

また、『夜間のフライトなので、気が緩んでしまったようだ』も表現が表現だけに“気が緩む”では済まされないだろう、と批判を浴びそうですが、要は「乗務パターンを見直さねばならない」との認識から発せられた言葉であれば、評価することができます。
疲労は蓄積されます。当該便は何日パターンの何日目、何レグ目だったのか、よくよく review することです。乗務スケジュール作成、定時出発と営業側から押し付けられる Time Pressure、ひいては Cockpit Crew のマンニングの問題にまで遡って考えることです。

新潟の一件は日本航空ジャパンが運航する MD90、今回は日本航空ジャパンが運航する MD81、経営統合で旧JASの MD の運航乗員部に歪が生じてなければ良いのですが....。

それにしても、あまりにもお粗末なミスであることは否めません。



飛行計画未承認でまた離陸 国交省が全国の空港監査へ (共同通信) - goo ニュース
 宮崎空港で23日に管制官(59)が宮崎発福岡行き日航3636便MD81(乗客乗員45人)に対し、飛行計画(フライトプラン)の承認を伝え忘れたまま、規定に反して離陸を許可し、機長(39)も気付かずに離陸していたことが26日、分かった。

新潟空港でも8月16日、日航機が離陸する際に同様のミスが起き、チェックリストの改正など再発防止策を講じたばかり。国土交通省は全国の空港や管制機関の監査実施を決め、日航にも口頭で注意した。

記者会見した北村隆志管制保安部長は「管制官の基本的な動作の一つであり、大変申し訳ない」と謝罪した。

2005年 9月26日 (月) 21:09
JAL機がまた無許可離陸、宮崎空港で23日に (読売新聞) - goo ニュース
 日本航空の宮崎発福岡行き3636便(MD81型機、乗客39人)が今月23日、管制官からフライトプラン(飛行計画)の最終許可を得ないまま、宮崎空港を離陸していたことがわかった。
 同空港の管制官も最終許可を出していなかったことに気づかなかった。離陸直後に別の管制官の指摘で機長が気づいたが、同便はそのまま飛行を続け、福岡空港に着陸した。

 フライトプランは目的地までの航路、高度などを定めた計画書で、航空法に基づき、出発前に管制官から許可を得なければならない。先月16日にも新潟空港で、日航操縦士と管制官のミスで、まったく同じトラブルが起きたばかり。

 日航では先月のトラブルを受け、再発防止策としてチェックリストを一部部署に配布。3636便もリストを載せていたが、チェックをしていなかったという。日航は事実関係の調査のため、同便の機長(39)と副操縦士(42)を当面の間、乗務停止とした。

 また、国土交通省も管制官に対し、最終許可を出し忘れないよう、チェックリストを用意していたが、担当だった男性管制官(59)はリストを使っていなかった。

 日航は26日、深井祥治・運航本部長が会見。ミスについて、「あってはならないことだった」と謝罪した。同じミスが相次いだ原因については、「夜間のフライトなので、気が緩んでしまったようだ。人間のやることなのでミスはゼロにできない」と述べた。

2005年 9月26日 (月) 20:30
JAL機、飛行計画の承認なく離陸 機長、管制官も失念 (朝日新聞) - goo ニュース
 宮崎空港で23日、福岡行きの日本航空3636便(MD81型、乗客乗員計45人)が、管制官から飛行計画の承認を受けずに離陸していたことが26日、分かった。計画は経路や高度を便ごとにまとめたもので、機長と管制官の双方が、離陸前に計画承認を確認することになっているが、いずれも忘れていた。8月16日にも新潟空港で日航機を巡って同様のトラブルが起きており、国土交通省と日航は26日、幹部が相次いで謝罪会見を開き、再発防止の徹底を強調した。

 国交省と日航によると、3636便の機長は23日午後7時40分ごろ、出発準備を終えたため、宮崎空港の飛行場管制官に飛行計画の承認を要求。事前に日航が提出していた飛行計画を福岡航空交通管制部が承認していたが、管制官はそれを確認しながら機長には伝えなかった。機長も承認を受けていないことに気づかないまま管制官に離陸を要求し、同53分に離陸した。

 機長は上昇中の同54分ごろ、別のレーダー管制官とのやりとりの中で計画の承認を受けていないことに気づき、この管制官から識別番号を与えられて飛行を継続した。計画の承認を受けて1便ごとの識別番号が与えられないと、管制官のレーダーに便名や高度などが表示されなくなり、緊急時に管制官の指示や対応が遅れる原因になりかねない。離陸から識別番号を与えられるまでの1分余りの間、同便はこの状態だった。

 同便は同8時34分に福岡空港に到着。機長は同社幹部に一連の経緯を報告したが、飛行場管制官は日航から連絡を受けた24日午後まで、計画の承認を伝えなかったことに気づかなかった。レーダー管制官も、飛行場管制官のミスに気づかないまま識別番号を与えていた。国交省は「正常な手順ではないが、結果として識別番号を与えたためにレーダーにも正常に表示されており、安全上の問題はなかった」としている。

 先月16日に起きた新潟空港のトラブルと同様、管制官も機長も「失念していた」などと話しているという。その後、再発防止のため、国交省と日航は手順を書いたチェックリストなどを導入したが、今回の管制官も機長も、リストを正しく記入していなかった。

 国交省は宮崎空港事務所を厳重注意するとともに、管制官の職場に対する監査を強化するという。日航も機長と副操縦士を乗務停止にして調査を進めている。

2005年 9月26日 (月) 23:38
飛行計画の承認の未受領による運航について
2005年9月23日のJL3636便(宮崎発福岡行)におきまして、宮崎空港出発時、管制より、事前に提出してある飛行計画の承認を未受領のまま、管制機関から地上走行及び離陸許可を得て離陸した事象が発生いたしました。

日ごろより、管制機関との承認の授受については確認に万全を期すよう努めておりますが、この度の事象が発生したことを、ご搭乗のお客さま、ならびに広く社会の皆さまに対して心より深くお詫び申し上げます。

今後このような事態を発生させないよう、再発防止に努めて参ります。

2005年9月26日
株式会社日本航空
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台風19号 LONGWANG (ロンワン)発生

 昨日台風17号(アジア名:SAOLA サオラー)が掠めて行ったばかりなのに、本日、台風19号(アジア名:LONGWANG (ロンワン):命名-中国〔“龍の王”の意味〕)が発生しました。

平成17年 台風第19号に関する情報
 平成17年9月26日10時25分 気象庁予報部発表

(見出し)
 台風第19号が発生しました。

(本文)
 26日9時、マリアナ諸島の
北緯19度35分、東経143度30分において、
熱帯低気圧が台風第19号になりました。
台風はゆっくりした速さで西へ進んでいます。
中心の気圧は1000ヘクトパスカル
中心付近の最大風速は18メートルで
中心から半径300キロ以内では
風速15メートル以上の強い風が吹いています。
風速 25m/s 以上の暴風域はなく、風速 15m/s 以上の強風域があるだけです。
今後、急速に発達することはなさそうです。

台風の年間発生数の平年値は26.7個ですので、急に秋らしくなったものの未だ油断は出来ません。
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飛行場利用料金の仕組み

 引用記事はちょっと旬を逸してしまいましたが、来る10月1日より飛行場利用料金が改訂になりますので、国土交通大臣が設置および管理している空港の飛行場利用料金(つまり着陸料や停留料、保安料など)の算出方法を簡単にご紹介します。

※どの空港が国土交通大臣が設置管理に相当するかは、
 国土交通省航空局の全国空港配置図
 東京航空局の管内空港のプロフィール
 大阪航空局の管轄飛行場 各管轄空港
などのページが参考になります。

例えば、東京国際(羽田)、大阪国際(伊丹)、新千歳、福岡、沖縄那覇などは国土交通大臣が設置管理者となっている空港です。

ちなみに、成田空港の設置管理者は成田国際空港(株)、中部国際空港セントレアのそれは中部国際空港株式会社、関西国際空港のそれは関西国際空港(株)ですので、ここで紹介する料金とは異なります。

1.着陸料(ターボジェット機の場合)

着陸料は(a)重量比例部分と(b)騒音比例部分の合計となります。

 (a)重量比例部分の算出
航空機重量(トン)1トンあたりの料金
25以下¥1000
26~100¥1400
101~200¥1550
201以上¥1650
※重量は最大離陸重量を適用する

 (b)騒音比例部分の算出
 ¥3400 × (騒音値-83)EPNdB
 ここで騒音値とは、ICAO: International Civil Aviation Organization の Annex 16 (国際民間航空条約第16付随書)に定めるところにより測定された離陸測定点と進入測定点における航空機の騒音値(当該騒音値のない航空機にあっては、当該航空機について、その製造国の政府機関の公表しているこれに準ずる騒音値)を相加平均して得られた値を用います。
 算出式からも解るように、83 EPNdB を超える場合、1 EPNdB あたり¥3400が加算されます。

全日空さんのフリート・ギャラリーからのデータと、FAA: Federal Aviation Administration (米国連邦航空局)が公表している EPNdb を基に試算してみましょう。

*** Boeing747-400D ***
 最大離陸重量:272トン---> 1650 × 272 =¥448800
 EPNdB (参考):97 EPNdB (CF6-80C2B1F) ---> 3400 × 14 =¥47600
 合計:¥496400

*** Boeing777-300 ***
 最大離陸重量:234トン---> 1650 × 234 =¥386100
 EPNdB (参考):94 EPNdB (PW4090) ---> 3400 × 11 =¥37400
 合計:¥423500

*** Boeing767-300 ***
 最大離陸重量:131トン---> 1550 × 131 =¥203050
 EPNdB (参考):92 EPNdB (CF6-80C2B2) ---> 3400 × 9 =¥30600
 合計:¥233650

*** Airbus A320 ***
 最大離陸重量:67トン---> 1400 × 67 =¥93800
 EPNdB (参考):93 EPNdB (CFM56-5A1) ---> 3400 × 10 =¥34000
 合計:¥127800

となります。重量比例部分が大きいですね。

2.停留料
 停留24時間ごとに航空機の重量を各級に区分して、順次に各料金率を適用して得た金額の合計額となります。6時間未満の停留は無料です。

 (a)23トン以下の航空機
省略

 (b)24トン以上の航空機
航空機重量(トン)1トンあたりの料金
25以下¥90
26~100¥80
101以上¥70


3.保安料
 (1)他人の需要に応じ、旅客の運送を行なう航空機(ジェット機に限る)
 離陸1回につき出発空港から運送された有償旅客数あたり¥100(消費税を含む)
 (2)以下の場合は免除されます
 -外交の航空機および公用の航空機
 -緊急着陸直後の離陸
 -行政当局に命令された着陸直後の離陸
 -東京国際空港(羽田)から離陸する国際線

一例として、569席の Boeing747-400D が満席で離陸した場合には¥56900となります。

4.大阪国際空港(伊丹)の特別料金
 (1)他人の需要に応じ、旅客の運送を行なう航空機(ジェット機に限る)
 離陸および着陸1回につき運送された有償旅客数あたり¥300(消費税を含む)
 (2)以下の場合は免除されます
 -外交の航空機および公用の航空機
 -緊急着陸直後の離陸
 -行政当局に命令された着陸直後の離陸

一例として、524席の Boeing777-300 が満席で着陸し、折り返し満席で離陸した場合は、524 × 300 × 2 =¥314400となります。

5.消費税
 5%

6.支払い
 使用料は1ヶ月毎に納入告知書に示された支払期限までに支払わなければならない。ただし、空港事務所長の指示を受けた者は、次の方法により現金で支払わなければならない。
 (1)着陸料は、着陸直後
 (2)停留料は、停留を終わったとき

Boeing747-400D が一回着陸すると、航空会社は約50万円の着陸料を支払う必用がある訳ですね。


成田使用料65億円値下げへ 空港会社とIATA協議 (共同通信) - goo ニュース
 成田国際空港会社と国際航空運送協会(IATA)は16日、成田空港への着陸料など航空会社が空港に支払う「空港使用料」を年約65億円、約11%引き下げることで合意した。国土交通相に届け出た上で、10月から2008年度末まで新料金を適用する。

同社は昨年の民営化以来の経営努力で生じた利益を利用者に還元するとともに、「世界一高い」とされる着陸料値下げをアピールし空港の企業価値上昇を狙う。黒野匡彦社長は「IATAとの友好関係を維持しつつ合意に達したことは大変意義がある」と強調。空港使用料の大幅値下げは世界的にも珍しいという。

成田空港に乗り入れする航空会社の団体「成田国際空港航空会社運営協議会」は「成田が競争力を確保すべく、さらにコストを削減できるよう空港会社と緊密に協力したい」と将来のさらなる値下げを望むコメントを発表した。

2005年 9月16日 (金) 18:57
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またまた便乗記事?

 米国はLAXで jetBlue 292 便 A320 が Nose Gear が真横を向いてしまったまま見事な着陸をやってのけ、その着陸時の映像がテレビでも放映され(残念ながら野暮用で忙しくしていたため放映を観てはいません)世間の注目が集まり Landing Gear にやや敏感になっていることに便乗したやっつけ報道ですね。

日航機、Landing Gear、ギア格納出来ず、ATBと一通り素材がそろったら、何が何でも記事にしなければならないのでしょう。特に某社さんは。
まあ、捏造ではない訳ですし、事実関係に間違いは無いのですが、相変わらずペンの力にもの言わせ、細かな表現で読者の心理を誘導しようとしていますね。

こちらも、重箱の隅をつついてあげましょう。
-“離陸直後”
通常運航では、離陸滑走を開始して加速、V1 (離陸決心速度)~ VR (機首引き起こし速度)~ V2 (安全離陸速度)を経て Airborne (離陸)。昇降計が上昇を示し機体が上昇していることが確認できたら、PNF: Pilot Not Flying は "Positive" または "Positive Climb" と呼称し、それを受けて PF: Pilot Flying は "Gear Up" と呼称、PNF に脚格納をオーダーするのが普通ですから、脚格納は“離陸直後”に行なわれるのが当たり前のこと。
殊に伊丹空港は Nise Abatement (騒音軽減)が厳しいので、安全が確認されれば速やかに脚を格納して空気抵抗を減らし(=空気抵抗が減ればその分エンジンのパワーを高度をとるために使える)、安全を阻害しない範囲で出来るだけ早めに高度を稼ぎ、離陸出力から上昇出力へエンジンのパワーを絞り、地上への騒音軽減に配慮するのは、伊丹空港を利用するパイロットなら常識中の常識です。

-“右の主脚が格納されていないという表示が出た”
-“車輪が格納されると消える計器表示が、点灯したままになった”
この文章を補足すると、"Gear Up" をオーダーされた PNF が Gear Lever を Up の位置に動かすと、油圧で、機体の脚格納扉が開き、Landing Gear が機体内部に格納され、脚にロックがかかると同時に格納の際開いた機体の扉が閉まります。この状態になって、Gear Lever の上部に位置する3つの Landing Gear Indicator
 |NOSE|
|LEFT|RIGHT|
の緑の表示が消灯すれば、Landing Gear が Up and Locked になったことを示すので、PNF は時機ををみて、Gear Lever を Up から 中立の OFF の Position に移動させます。

Boeing767_Landing_Gear_Lever

今回は、本来消灯するべき Right のライトが点いたままであったということのようです。
PNF はギア操作を行なえば、この "Gear Up and Locked" の確認は無意識のうちに実施することが日々の運航や訓練ですりこまれていますから、すぐに異常に気付いたことでしょう。万が一、他のオーダーで忙しく失念することがあったとしても、After Takeoff Checklist には Landing Gear ... Up and Locked または Landing Gear ... OFF の項目が必ず含まれていますから、チェックリストにより万一の失念を防ぐ施策がなされています。

-“約20分後に”
この20分間に何が起こったのかの取材がなされていませんね。こういうところに、“無事着陸した”とか“けが人はなかった”とか“日本航空が原因を調査している”などと相まって、本質的な中身が無く単なる便乗で読者の興味を引くだろうとか世論を誘導できるだろう、といったことが如実に表れていると思います。
20分間の間に何が行なわれたかが重要なポイントではないでしょうか。
単に伊丹に戻っただけならば、いくら関西アプローチが輻輳していたとしても20分はかかりますまい。
伊丹か関空で Low Pass して地上から Gear の状態を調べてもらったのかどうか、重要なポイントだと思いますが。特に Indicator が消えなかったのは、Body Gear の Right side ですから、仮に脚に本当のトラブルがあったとすれば、片脚着陸となる可能性もあった訳です。
その件については、“実際に車輪が格納されなかったのか、計器類の故障かは分かっていない。日本航空が原因を調査している”と自社で取材することもせず、中途半端に投げ出してしまっています。
上辺だけでとにかく書きなぐったお粗末な記事と言わざるを得ません。

-“B767―300G型機”
300G?不勉強だったらすみません。初めて聞く型式です。
私が知っている Boeing767 の型式(および First Delivery and Service Airline )は、
 -200 (1982/08/19 United Airline),
 -200ER (1984/03/26 El Al)
 -300 (1986/09/25 Japan Airline)
 -300ER (1988/02/19 American Airline)
 -300F (1995/10/12 United Parcel Service)
 -400ER (2000/07/20 Continental Airlines)
だけなのですが....。



日航機、大阪に引き返す 車輪格納確認できず (朝日新聞) - goo ニュース
 24日午前9時5分ごろ、大阪(伊丹)空港を離陸直後の福岡行き日本航空2051便(B767―300G型機、乗客・乗員144人)で、機体右側の車輪が格納されると消える計器表示が、点灯したままになった。同便は引き返し、約20分後に同空港に無事着陸した。けが人はなかった。乗客は他社便で目的地に向かう予定。実際に車輪が格納されなかったのか、計器類の故障かは分かっていない。日本航空が原因を調査している。

2005年 9月24日 (土) 11:48
大阪発日航機引き返す、「主脚が格納されない」と表示 (読売新聞) - goo ニュース
 24日午前9時5分ごろ、大阪発福岡行き日本航空2051便(ボーイング767―300G型機、乗員・乗客144人)が大阪空港を離陸した直後、右の主脚が格納されていないという表示が出たため、同空港に引き返した。けが人はなく、機体に損傷もなかった。
 同社は、誤表示か実際に主脚が出たままだったか調べている。同機は欠航となり、乗客は他社便などに振り替えられた。

2005年 9月24日 (土) 12:04
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日本の空もRVSMへ

 恒例の Jeppesen Airway Manual Revision Letter 、所謂“差替え”が届きました。

TOKYO FIR: Flight Information Regions, INCHEON FIR, Naha FIR で RVSM: Reduced Vertical Separation Minimum が実施されることから、Enroute Chart が改定されました。

FE_56_close_up

いよいよ、日本の空でも RVSM が本格導入です。


※FIR: Flight Information Regions (飛行情報区)
ICAO: International Civil Aviation Organization (国際民間航空機関)が指定される領空と公海上空を含んだ空域。各国は当該空域を飛行する航空機に対して、安全で効率良い航行を確保するために、責任を持って、航空交通管制業務・飛行援助業務・航務業務を行わなければならない。FIR は円滑な航空交通を考慮して設定されているため、必ずしもその管轄国の領空主権と一致する訳ではない。そのこともあり、FIR の名称には国名を付けず、業務を担当する管制センター・飛行情報センターの名を付ける。
日本が管轄しているのは、東京 FIR と 那覇 FIR である。
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Good Job!! JetBlue Flight292 Cockpit Crew

 当該便の Cockpit Crew はよくぞ離陸直後に Nose Gear の異変に気が付いたものだと敬服します。Gear Up した際に引っかかる異音がしたのか、あるいは、Gear Up しても UP and LOCKED を示す Landing Gear Indicator が消灯しなかったのか....。見事な着陸をやってのけたとともに、その Situation Awareness も立派だと思います。

しかし、よくも真横を向いた Nose Gear で Landing しましたねぇ。PF: Pilot Flying の技量も大したものです。そもそも Nose Gear は地上滑走時のステアリング(走行の方向を変える:自動車の前輪と同じ)が主目的であり、Body Gear (or Main Gear) に比べて耐加重性は微々たるものです。そのため、Hard Landing をしたりすれば、前脚がポキッと折れてしまう場合もあります。

今回も、タイヤが真横を向いて接地しても回転することが出来ませんから、ちょっと乱暴に前輪を接地させようものなら、回転しない車輪が抵抗となり、前脚を折って胴体に損傷を与えた可能性もあった訳です。

きっと操縦経験が豊富な PF だったのでしょう、大した腕前です。

それにしても“緊急着陸する騒ぎ”とは、もうちょっと上手い表現がありそうなものですが....。

from_REUTERS_Photo1

from_AP_Photo

from_REUTERS_Photo2

緊急着陸、前輪から火花 ロスで米機、けが人なし (産経新聞) - goo ニュース
 【ロサンゼルス=岡田敏一】米格安航空会社、ジェットブルー・エアウェイズのエアバスA320型旅客機(乗客・乗員計百四十五人)が二十一日午後(日本時間二十二日朝)、カリフォルニア州バーバンクのボブホープ空港からニューヨークのケネディ国際空港に向かう途中、前輪の異常に気づき、約三時間、上空を旋回した後、ロサンゼルス国際空港に緊急着陸する騒ぎがあった。

 エアバスは離陸直後、前輪のタイヤが機体に収納されず、横方向に直角に曲がったままの状態になったため、緊急着陸を決定。まずバーバンクの南約五十六キロにあるロングビーチ空港を目指したが、滑走路の長さなどの問題から約三時間、同空港の上空を旋回した後に着陸をあきらめ、ロサンゼルスへ着陸した。着陸時、前輪から火花が出るなどした、AP=が、乗員・乗客にけがはなかった。

2005年 9月22日 (木) 15:19
JetBlue flight faces emergency landing in L.A. (REUTERS) - YAHOO! NEWS
LOS ANGELES (Reuters) - A JetBlue flight with crippled front landing gear and 145 passengers on board was circling over the California coast on Wednesday burning fuel before making a planned emergency landing Los Angeles International Airport, officials said.

"Shortly after the plane took off, the pilot discovered that he may have a landing gear problem," said Federal Aviation Administration spokesman Donn Walker.

Flight 292 took off from Burbank airport in Los Angeles at 3:17 p.m. (6:17 p.m. EDT/2217 GMT) and was bound for New York's John F. Kennedy International Airport.

The Airbus A320 jet was scheduled to land on the southernmost of the Los Angeles airport's four landing strips, a spokeswoman for the airport said.

Television images showed the jet circling with the front landing gear turned at a 90-degree angle from its normal position.

The jet flew past the tower at Long Beach airport, south of Los Angeles, where officials confirmed the problem with the landing gear.

Although early reports indicated that the jet had dumped fuel, officials later said that the pilot was circling away from other flights to burn off fuel before attempting a landing.

Emergency crews, including fire trucks and rescue helicopters, stood by to await the landing.

JetBlue Airways Corp. could not be immediately reached for comment.

JetBlue, which began flying out of the Burbank airport in May, equips its planes with DirecTV screens built into the seats in front of each passenger, leaving open the possibility that travelers were able to follow their own predicament via updates airing on news channels.

The fast-growing airline operates 81 Airbus A320 jets and has projected that it will fly a fleet of 202 of the jets by 2012, according to its Web site.

Wed Sep 21, 8:56 PM ET


その一方で、何が何でも航空会社を叩かないと気が済まないマスコミ某社もあるようで....。安全を優先させたATBまで記事にして、何とか世論形成したいのでしょうか。航空会社側も某社の新聞・雑誌を搭載しなければ良いのに。燃料費高騰のおり、新聞紙一枚でも軽くして飛ばした方が燃費効率や地球環境のためによろしい。

那覇行き日航機、関空に引き返す 不具合示す計器表示 (朝日新聞) - goo ニュース
 22日午前11時半ごろ、関西空港を離陸した直後の日本航空2573便(那覇行き、ボーイング767―300型機)で、補助翼か方向舵(だ)のいずれかの不具合を示す表示が操縦室の計器に点灯した。このため、同機は関西空港に引き返し、同45分、着陸した。乗員乗客273人にけがはなかった。

2005年 9月22日 (木) 14:10
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ぐずついたお天気の秋分の日

 台風17号(アジア名:SAOLA (サオラー):命名-ベトナム〔意味-最近見つかった動物の名前〕)が本州に接近しそうです。

秋雨前線の影響もあって、どんよりとしたお天気の秋分の日となりました。

ここ数日は台風17号の動きにも注意が必要なようです。携帯メールには盛んに「平成17年 台風17号に関する情報」が届いています。

ICAO Area I の悪天予想図(有効期限:日本時間23日午後9時)を見ると、東太平洋(ハワイの東方)にも台風がありますね。

ICAO_AREA_I_SIG_WX_1200Z_22SEP05



連休中に暴風域も 台風17号北上で関東 (共同通信) - goo ニュース
 強い台風17号は23日、小笠原諸島・父島の西の海上を進んだ。24日にかけ、北寄りから東寄りに進路を変えて本州に近づき、最も北寄りのコースを取った場合は同日から25日未明に関東地方が暴風域に入る可能性もあり、気象庁は注意を呼び掛けている。連休中、関東地方は台風と秋雨前線の影響でぐずついた天気になりそうだ。

気象庁によると、台風17号は23日午前7時現在、父島の西約160キロの海上を時速約20キロで西北西に進行。中心気圧は955ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は40メートルで中心から半径130キロ以内は風速25メートル以上の暴風域、北東側440キロと南西側280キロ以内は風速15メートルの強風域となっている。

24日午前6時には八丈島の南西約300キロに、25日午前3時には千葉県銚子市の南東約260キロに達する見込み。

2005年 9月23日 (金) 09:00
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台風18号 DAMREY (ダムレイ)発生

 台風17号の発生から半日と経たずして、台風18号が発生しました。

先の投稿でも述べたように、これで台風のアジア名は一巡して、台風18号はアジア名通番1となりました(アジア名:DAMREY (ダムレイ):命名-カンボジア〔意味-象〕)。
 平成17年9月21日10時10分 気象庁予報部発表

(見出し)
 台風第18号が発生しました。

(本文)
 21日9時、フィリピンの東の
北緯17度50分、東経123度00分において、
熱帯低気圧が台風第18号になりました。
台風は1時間におよそ10キロの速さで北西へ進んでいます。
中心の気圧は996ヘクトパスカル
最大風速は18メートルで
中心の北側370キロ以内と南側330キロ以内では
風速15メートル以上の強い風が吹いています。
この18号は日本への直接の影響は無さそうです。

一方で、今朝発生した台風17号(アジア名:SAOLA (サオラー):命名-ベトナム〔意味-最近見つかった動物の名前〕)の動きが気になります。

SAOLA_forcast_as_of_21SEP05_18I
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台風17号 Saola (サオラー)発生

 台風17号(アジア名:SAOLA (サオラー):命名-ベトナム〔意味-最近見つかった動物の名前〕)が発生しました。

気象庁の発表によると
 21日3時、南鳥島の南西約340キロの
北緯22度20分、東経151度30分において、
熱帯低気圧が台風第17号になりました。
台風は1時間におよそ15キロの速さで西北西へ進んでいます。
中心の気圧は998ヘクトパスカル
最大風速は18メートルで
中心から半径130キロ以内では
風速15メートル以上の強い風が吹いています。
とのことです。
※注:21日3時は日本時間です。

この SAOLA (サオラー)は140個用意した台風のアジア名の140番目、次に発生する台風は、2000年(平成12年)に開始された現在の命名方式による名前が一巡して、アジア名通番1のカンボジアが命名した Damrey (ダムレイ)〔“象”の意味〕に戻ることになります。

8月28日に投稿した「今年発生した台風のアジア名 +これからのアジア名」も参考にどうぞ。
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その男、油断も隙もあったものではない

 被害者の方々にはお気の毒でした。が、しかし平和ボケというか危機管理意識の欠如を露呈してしまいましたね。

確かにユナイテッド航空はそりゃぁ経営難でございますが、整備を個人を介して委託することなどあり得ませんでしょう。素人の方でもちと冷静に考えれば“怪しい”と思うはずですが、そこは相手もプロ(回転翼操縦士でなくて詐欺士のですよ)、巧妙にはぐらかしたのでしょう。

今の世の中、ネット内を探せばロゴ等の素材入手に苦労することはありませんし、そこそこのプリンタを使えば名刺なんぞは簡単に偽造できるに違いありません。

そもそも経営難に陥っている会社が、各社員に Business Card を提供しているかは甚だ疑問です。

『自分はユナイテッド航空のヘリコプターのパイロットだ』なんて言い寄ってくる輩がいたら、『わ~っ、チョー凄~い』と単純に騙されることがないようにお気を付け下さい。お金払う(振込む)前に『ねぇねぇ、FAAのライセンスってカッコいいんでしょう、マジで見た~い』っておねだりすることですね。それで『ハイハイ』ってすぐ見せる奴も怪しいもんです。

偽造した航空会社の名刺を使って言い寄ってくる輩には、『マジで~?ねぇIDも見せて欲しいなぁ』と切返すくらいの自己防衛(危機管理)意識を備えてほしいものです。
それで簡単にIDカード見せる奴は、まず偽者と思ってよいでしょう。
あるいは、AOMを盗み出してネットオークションに出すようなエアマン・シップの無い奴ですから、お近づきにならない方がよろしいと思いますが....。

--- (追記:9月21日 04:50) ---
ブログ「Cassiopeia Sweet Days」にも“名刺だけでよく騙せるものだ…”という本件を扱った記事が投稿されております。ご参照下さい。
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航空会社員かたり現金詐取 容疑の男を逮捕 (共同通信) - goo ニュース
 米ユナイテッド航空の社員をかたり、別の会社との取引資金名目で、インターネットを通じて知り合った女性から現金約330万円をだまし取ったなどとして警視庁北沢署は20日までに、詐欺容疑で住所不定、無職冨里俊輔容疑者(30)を逮捕した。

北沢署は、同様の手口で約20人の女性から計約4000万円をだまし取ったとみて追及。冨里容疑者は、330万円の詐取事件では処分保留となり、別の女性から約100万円を詐取した事件で再逮捕され、起訴された。

調べでは、冨里被告は「自分はユナイテッド航空のヘリコプターのパイロットだ」とかたり女性と交際。2002年から04年にかけ「ヘリの整備で日本の企業と取引があるが、米国の会社なので決算方法が異なり、3カ月後にしか金が振り込まれない。当面の取引資金を貸してほしい」とうそを言い、8回にわたって計約330万円をだまし取った疑い。

2005年 9月20日 (火) 14:23
ユナイテッド航空社員かたり詐取 容疑の男を逮捕 (朝日新聞) - goo ニュース
 米航空会社「ユナイテッド航空」の社員を装い女性から金をだまし取ったとして、警視庁が、住所不定の無職冨里俊輔容疑者(30)を詐欺容疑で逮捕していたことが分かった。同容疑者はすでに同罪で起訴されており、同様の手口でほかに女性約20人から4千万円を詐取したと供述しているという。

 北沢署の調べでは、冨里容疑者はインターネットで知り合った会社員の女性(26)に対し、偽の名刺を使って実際は存在しない同社の「旅客運航課長」を名乗り、「アメリカ本社からの入金が遅れ、日本の整備工場への支払代金を立て替えなければならない」と説明。04年9月~05年7月にかけて、女性から計104万円を詐取した疑い。

2005年 9月20日 (火) 14:21
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