徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

PW4090 潤滑油漏れ

 全日空の Boeing777-381 (ANA243/28SEP HNDFUK)が、No.1 エンジンから潤滑油漏れを起こし羽田に戻ったようです。

潤滑油、いわゆるエンジン・オイルはジェットエンジンにとって生命線の一つであり、それが失われた状態でエンジンを回し続けることは、エンジンの破損につながります。
当該便の PIC: Pilot In Command (機長)がとった No.1 Engine Shutdown は至極当然の処置であり、1 Engine Operation となったので、Land Nearest Suitable Airport である羽田に戻ったのも適切な対応です。「日頃から訓練している当然のことをしたまでだよ」とおっしゃることかと思いますが、流石プロフェッショナルです。
“緊急着陸”とありますから、Declare Emergency だったと思われますが、羽田が着陸機で混雑する時間帯でもあり、輻輳した空域を航空管制のハンドリングを受けて戻る訳ですから、自機の安全運航を考え、管制の優先権を得たことも良い判断だったと思います。
※これが、仮に四発機の Boeing747-481D (テクノジャンボ)だったなら、羽田に戻るにしても、Emergency は宣言しなかったと思われます。

さて当該機のエンジンは、米国 Pratt & Whitney 社の PW4090 というエンジンです。潤滑油漏れの原因が何であったか未だ解かりませんから何とも言えませんが、全日空さんでは同じタイプのエンジンを搭載した Boeing777-281ER を国際線(太平洋越えの米州線や東南アジア線、中国線)にも使っていますので、原因には少々神経質になるかもしれません。もし、Oil Leak の原因がエンジンの構造や金属疲労による crack だったとすると穏やかではありません。太平洋のど真ん中で Shutdown せざるを得ないようものなら、2~3時間エンジン一発で飛行しなければならない事態も想定される訳ですから....。(勿論、それでも太平洋線に就航している -281ER は ETOPS207 を取得していますから問題は無いのですがね。あまり気持ちの良いものではありません。)

急速に秋が深まり、Cockpit Crew の皆さんは Winter Operation の review をしなければなりませんね。つい先日まで、ブレーキ Temp に気を付けていたのが、もうそろそろ、Engine Oil Temp に気を付けなければならない季節となりました。



全日空B777機がエンジントラブル、羽田に緊急着陸 (読売新聞) - goo ニュース
 28日午前10時30分ごろ、羽田発福岡行き全日空243便(ボーイング777―300型機、乗客369人)が離陸直後、二つあるエンジンのうち左主翼の第1エンジンの潤滑油が失われたことを示す警告が、操縦席で示された。
 同便はただちに第1エンジンを止めて引き返し、同11時ごろ、羽田空港に緊急着陸した。乗客にケガはなかった。

 全日空でトラブルの原因を調べている。

2005年 9月28日 (水) 12:04
全日空機が羽田に緊急着陸 エンジンオイル漏れで (朝日新聞) - goo ニュース
 28日午前10時半ごろ、羽田空港を離陸した福岡行き全日空243便(ボーイング777―300型、乗客乗員計380人)で、左主翼の第1エンジンのエンジンオイル量が低下しているとの計器表示が出た。同便は左右にエンジンが一つずつあり、機長は第1エンジンを停止した上で、同59分に羽田空港に緊急着陸した。

 エンジンオイルがエンジン外部に漏れだしており、全日空が原因を調べている。乗客にけがはなく、別の航空機で目的地に向かった。

2005年 9月28日 (水) 13:28
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