徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

えらい(立派)

先の投稿の続報です。

朝日新聞( asahi.com )の記事によると、当該便の PIC (正確には PNF でしょうが)は Tower に確認していたようです。さらに、Dispatch Briefing 時に NOTAM check で情報を正しく把握していたように記されています。
Cockpit side からするとプロとして「当たり前」のことなのでしょうが、やるべきことをちゃんとやっていた、と言うことです。

このところマスコミで叩かれまくって、某局の局長までが踏み込んできて Dispatch Briefing で滑稽なこと言われて、歯車が狂わないければ良いのだが、と懸念していたのですが、 as PAX の贔屓を許していただけるなら、「現場はえらい(立派)」と思わず言いたくなってしまいます。


ATC には付き物なのでしょうが、何とかお互いの先入観・都合良い解釈を払拭することは出来なかったのでしょうか。
その時点での Traffic がどの程度の混み具合だったかは不明なので、PAXの勝手な言い分になってしまいますが、「日本語で申し上げます」の前置をして、「 NOTAM の Runway Close はキャンセルされたのでしょうか?」などと言って、 Cockpit side は何を懸念しているかを伝えていれば、 Tower も「あれっ?」となっていたかも知れません。このような“…たら、…れば”は無意味であるのですが...。


羽田で管制ミス、閉鎖滑走路着陸 担当者全員が「失念」 - 朝日新聞 (asahi.com)
 羽田空港で29日夜、2機に対し、管制官が過って工事のため閉鎖中のA滑走路への着陸を許可した。1機はそのまま着陸し、もう1機は機長が着陸をやり直した。当時、管制塔などで業務にあたっていた管制官18人全員が滑走路閉鎖を忘れており、2人の機長が計3度、確認のための問い合わせをしたがミスに気づかなかった。責任者も当日の確認を怠っていたという。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は30日、調査官3人を派遣して原因調査を始めた。

 当時、滑走路では工事の準備作業などは始まっておらず、2便の乗客らにけがはなかったという。

 国交省は、航空機や鉄道の相次ぐトラブルを受け、各社に緊急の安全総点検を指示している。北側国交相はそのさなかに起きた省内のミスを問題視し、急きょ5月2日に、羽田空港の管制機関を査察することを決めた。また国交省は18人を業務から外し、詳しく事情を聴くとともに、再発防止のために再教育をする。同省東京空港事務所は日航に対し、事実関係を伝え、謝罪した。

 同省の説明によると、A滑走路では29日午後11時ごろから滑走路灯の工事を予定しており、同9時半に閉鎖された。ところが、帯広発の日航1158便(乗客・乗員計51人)に管制官が着陸許可を出し、同便は同39分にA滑走路に着陸した。さらに41分ごろ、新千歳発の日航1036便(同161人)も着陸許可を得て高度300メートルまで降下した。しかし、午後10時から業務につく別の管制官が閉鎖に気づいて指摘。管制官はそのまま降下を続けるよう指示したため、機長は自らの判断で再度上昇し、改めてC滑走路に着陸した。

 帯広発の便の機長は2度、新千歳発の便の機長は1度、それぞれ管制官にA滑走路への着陸でいいのか問い合わせたが、いずれも「間違いない」などの答えだった。両便の機長はいずれも出発前に滑走路閉鎖をしらされていたという。

 工事による閉鎖は管制官全員に対し、1カ月以上前に通知されていた。29日にも、責任者に当たる次席管制官が再度、滑走路閉鎖を周知するはずだったが、忘れていたという。閉鎖中の滑走路への着陸は事故につながりかねず、国交省は航空法が定める「重大インシデント」にあたるとしている。

 30日に、記者会見した古川義則・管制課長と古川一義・東京空港事務所次長は「重大なトラブルであり、心からおわびしたい」と陳謝した。

2005年04月30日20時04分 - 朝日新聞( asahi.com )
機長の3度の問い合わせにもミス気づかず 羽田管制官 - 朝日新聞 (asahi.com)
 羽田空港の管制官が29日夜、日航機2機に、工事のため閉鎖中のA滑走路への着陸を指示した問題で、閉鎖を認識していた2人の機長が計3度にわたって確認のため問い合わせたにもかかわらず、管制官はミスに気づかず、指示を変えなかったことがわかった。管制官は閉鎖を知らされた後も、1便にそのまま降下するよう指示したが、機長は自らの判断で着陸をやり直していた。

 国土交通省は、重大な管制ミスとして再発防止に乗り出した。北側国交相は事態を重く見て急きょ、5月2日に羽田空港の管制機関を査察することを決めた。

 同省によると、A滑走路は滑走路灯の工事のために29日午後9時半に閉鎖された。

 着陸態勢に入っていた帯広発1158便の機長は、同36分と38分、A滑走路への着陸でいいのかを確認したが、管制官は2度とも「間違いない」などと回答した。このため同39分に指示通り、A滑走路に着陸した。

 一方、新千歳発の日航1036便は、閉鎖直前の同26分に上空でA滑走路への誘導の指示を受けた。同便の機長も「A滑走路でいいのか」と問い合わせたが、別の管制官が「その通り」などと回答していた。

 この管制官は同42分、夜勤のために待機していた管制官から滑走路閉鎖を指摘された。その後、1036便の機長が着陸やり直しを求めたものの、そのまま降下するよう指示。同便の機長は自らの判断で着陸やり直しを決め、左旋回したという。

 機長は航空法で原則として管制官の指示に従うよう定められており、拒否するのは極めて異例。

 1036便に降下を続けるよう指示した理由について、管制官は「旋回の指示をためらってしまった」と説明した。

 両便の機長はいずれも、国交省の調査に対し、「出発前の航空情報でA滑走路の閉鎖を確認していた」と話した。

 同省によると、管制官18人は業務開始15分前の同日午後2時半に打ち合わせをしたが、航空情報を担当する管制官は「特になし」としただけで、ほかのメンバーからも滑走路閉鎖の指摘はなかった。調査に対し責任者の次席管制官は「閉鎖というと深夜のイメージが強く、自分の勤務時間帯だという意識がなかった」などと話しているという。

2005年04月30日20時27分 - 朝日新聞( asahi.com )

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何を学ぶべきか?

毎度のことですが、事故やイレギュラーがあると、当該担当者の責任追及が先にたって、その背景にあるものを考えようとしない、この国の悪い癖が相変わらず直っていません。

殊に昨日など大型連休の初日であり、かつ週末とも重なっているので、“曜日感覚”が鈍ってもおかしくありません。私も、昨日昼間に出掛けたときには“土曜日”と勘違いすることが何度かありました。

チーム編成で交代勤務をしている管制官の皆さんは、Crew 同様に曜日よりも日付で考える傾向が強いことでしょう。

工事などの運用制限には“曜日指定”で発行されるものが少なくありません。そのような AIP SUPPLEMENT (航空路誌補足)を発行しているのは、国土交通省航空局であり、管制官も国土交通省の航空保安職員(国家公務員)である訳です。
航空局内で再発防止のために、責任追及ではなく、前向きな議論をしてほしいものです。

参考までに、JEPPESEN Airway Manual から該当する部分を抜き出してみました。

OPERATIONAL RESTRICTIONS AT (HANEDA) TOKYO INTL AIRPORT
Operational restrictions at (HANEDA) Tokyo INTL Airport will be placed as follow due to constructions.

5. From 1230 UTC 6 APR TO 2200 UTC SEP 2005, during hours between 1230 UTC and 2200 UTC on WED, THU and FRI, Rwy 16R/34L and Twy A1, A2, A3S, A3, A4S, A4, A5, A5N, A6, A6N, A7, A8, A9, L2, L3, L4 AND L7. (Diagram 4, 5)
Note: It will be available to taxi via cross Rwy 16R/34L other than closed Twy.

7. Remarks:
(1) Works by vehicles etc. will be conducted at the construction area as shown in the following diagrams.

Cockpit Crew 側は着陸準備で忙しいときであり、また、当局が「業務改善命令」とか査察とか、碌なことをしていないので、管制からの指示を「そのまま的確に read back する」という意識がいつもより強く働いてしまったのでしょうね。
精神的にゆとりがある状況で Operation していたならば、Approach 時点から幾度となく read back している Runway 34 left のフレーズに、『あれっ』と思い、(夜間の Cockpit 内では億劫かもしれませんが)10-8 や NOTAM RJTT を見直して、"Japan Air 1158, Runway 34L, cleared to land. Wind ..." との交信に、"Confirm, Runway 34L ?" の一言でもかけられたかもしれません。

権力的に上に立つものからの叱責や指示でミスを無くそうとしても、そのようなやり方では絶対にミスや事故は無くなりません。危険要因は、隙間を狙って潜り込んできますので。

羽田で管制ミス、閉鎖滑走路着陸 担当者全員が「失念」 - 朝日新聞 (asahi.com)
 羽田空港で29日夜、2機に対し、管制官が過って工事で閉鎖中のA滑走路への着陸を許可した。1機はそのまま着陸し、もう1機は着陸寸前に別の管制官が気づき、着陸やり直しを指示した。当時、管制塔などで業務にあたっていた管制官18人全員が滑走路閉鎖を忘れており、責任者も当日の確認を怠っていたという。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は事故につながるおそれのある「重大インシデント」に当たるとして30日、調査官3人を派遣して原因調査を始めた。

 国交省は、航空機や鉄道の相次ぐトラブルを受け、各社に緊急の安全総点検を指示している。北側国交相はそのさなかに起きた省内のミスを問題視し、急きょ5月2日に、羽田空港の管制機関を査察することを決めた。また国交省は18人を業務から外し、詳しく事情を聴くとともに、再発防止のために再教育をする。同省東京空港事務所は日航に対し、事実関係を伝え、謝罪した。

 同省の説明によると、A滑走路では29日午後11時ごろから滑走路灯の工事を予定しており、同9時半に閉鎖された。ところが、帯広発の日航機(乗客・乗員計51人)に管制官が着陸許可を出し、同機は同39分にA滑走路に着陸した。さらに41分ごろ、新千歳発の日航機(同161人)も着陸許可を得て高度300メートルまで降下した。しかし、午後10時から業務につく別の管制官が閉鎖に気づいて同機に着陸やり直しを指示し、C滑走路に着陸した。

 当時、滑走路では工事の準備作業などは始まっておらず、2便の乗客らにけがはなかったという。

 閉鎖中の滑走路への着陸は事故につながる恐れがあり、工事による閉鎖は管制官全員に対し、1カ月以上前に通知されていた。29日にも、責任者に当たる次席管制官が再度、滑走路閉鎖を周知するはずだったが、忘れていたという。

 30日午前、記者会見した古川義則・管制課長と古川一義・東京空港事務所次長は「重大なトラブルであり、心からおわびしたい」と陳謝した。

2005年04月30日12時23分

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朝早くから明るくなってきました

大型連休が始まりました。が、どこにも出掛ける予定は(現時点では)ありません。


さて、5月を間近に朝も随分と早い時間から明るくなってきました。

冬場、始発便でスタートするときには、家を出るときは真っ暗で、空港に着いてもまだ真っ暗、ボーディングの頃、やっと明るくなり始めるのですが、この時期は、始発便でのスタートするときでも、家を出る時刻には空が明るくなり始めています。

写真は、約1週間前、羽田空港で朝6時頃撮影したものです。ボーイング 747-400D (JA8903) の後ろには、遠くに朝陽を浴びている富士山が見えます。
この解像度でははっきりしませんが、A滑走路( Runway 16R/34L )上に航空局の黄色い車が見えます。これから始まる数多くの離着陸に備えて最終点検で走っているのでしょうか。



ラジオのニュースで耳にしたのですが、“夏時間: Daylight Saving Time”の導入を検討し始めたとか始めるとか。
体内時計を1時間進めて、自分だけの“夏時間”を自分だけで実践してみると快適な季節です。
朝から夕方まで、陽の光りの下で長い一日を心地よく過ごせます。
ときどき、腹時計だけが進んでしまうことがありますが....。

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台風3号消滅 + 明日から連休

2005年台風第3号(ソンカー (SONCA) : [ベトナム語で]さえずる鳥 [を意味する言葉])は、小笠原諸島・父島の南を通過しましたが、勢力が弱まり、温帯低気圧になりました。

ソンカーは4月23日に発生し、25日には中心気圧940hp・中心付近の最大風力85kt(約44m/s)まで発達しましたが、その後急速に勢力を弱め、温帯低気圧に変わりました。108時間(4.5日)の寿命でした。

明日から大型連休(*1)ですが、北太平洋( ICAO AREA I )の悪天予報でも日本列島上空に晴天乱気流(CAT)の予報は見当たりません。でも、揺れは神様でも予測不可能ですから、ベルト着用サインが消灯していても、着席中はシートベルトを腰の低い位置で締めておきましょう。



*1
世間一般で用いている“ゴールデン・ウィーク”という名称は、映画業界が使い始めた言葉であるため、公共放送の使命をもつ某放送局は、「ゴールデン・ウィーク」という言い方をしません(特定業界に特化した言葉とみなしているようです)。
よって、「大型連休」という言い方をします。
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雲の表情

機上から眺める雲は、時としてとても美しい表情を見せてくれます。

写真は、日暮れが迫り来る中を富山に飛んだときに撮影したものです。

飛行高度は FL240 (約7300メートル)、 Between Cloud (上層の雲と下層の雲の間)を飛行しています。

上には 巻雲 Ci(Cirrus)、 下には 層積雲 Sc(Stratocumulus) が見えます。西に傾いた太陽から降注ぐ光線が、日中とは一味異なる光景を作り出しています。

層積雲の下には、頂に雪をかぶった北アルプスの山々が見えています。
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歯医者さん(14)

きょうは朝から歯科治療でした。
途中、ブログに書かないときもあったので、今回が回を重ねて14回目になります。

左上奥歯4本中2本は完了し、きょうから上前歯の治療にとりかかりました。
右上2番は高校生時分に治療したさし歯なので、かれこれ云十年経過しています。
右上1番もさし歯にしてから十年以上経過しており、共に不具合を抱えています。

今回からその2本の重整備にとりかかりまして、まずはかぶっている古い歯を取り除き、歯ぐき近くの虫歯の治療。

その後、仮の歯をかぶせて、きょうは終了。2時間近くの格闘でした。
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南アルプスにも春が...

4月23日朝、福岡へのフライトで撮影した南アルプスの山々です。

雪がまだ残っていますが、麓から春が登ってきていることを感じさせられる光景です。

この日は日本上空をジェット(偏西風)のコアが FL350 付近で 150kt もの強さがあったこと、FL330 ~ FL390 にかけて、CAT(Clear Air Turbulence:晴天乱気流=雲がないのに大気擾乱で揺れること)の悪天予想が出ていたために、FL280 (約8500メートル)と低めの高度を選択しました。燃料を多少多めに消費しても、快適性・安全性のために低く這って行ったフライトでした。


それ故に、いつもよりは少し近くに山々を眺めることができた訳です。
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台風3号 + 台風の命名則 + DC10

昨日、フィリピンの東海上で台風3号(ソンカー: SONCA )が発生しました。

各台風には名前が付けられるのですが、今回の名前は「 SONCA ソンカー」です。
これは、ベトナム語で“さえずる鳥”の意味だそうです。
ちなみに、今年発生した台風の名前は、
1号: Kulap -- クラー “ばら”(タイ)
2号: Roke -- ロウキー “男性の名前”(米国)
です。
台風に付けられる名前は、従来は英語の人名だったのですが、2000年から、北西太平洋領域で発生する台風には同領域内で用いられている固有の名前(加盟国の言葉で動植物や自然現象に関係する名前)が用いられています。
この固有の名前ですが、あらかじめ140個が決められており、今回の台風3号の名前は126番目のものです。127番目、つまり台風4号に付けられる名前は、
カンボジア語で“漁師”を意味する「 Nesat ネサット」です。
興味のある方は、
気象庁|気象等の知識|天気予報・台風|台風について|台風のアジア名
に詳しく説明されています。

昨日は Flight で千歳に飛んだのですが、北風が強く、到着時の天気現象は -SHRASN でした。
METAR RJCC 230430Z 32024KT 9999 -SHRASN FEW010 BKN020 FEW020CB
           06/01 Q1010 RMK 2ST010 7CU020 2CB020 A2983 CB OHD MOV SE=
そのような状況下の新千歳空港で、台風3号が発生した旨の情報を(携帯メールで)知ったのでした。


写真は、時折みぞれが降る新千歳空港から Push back を開始する DC-10 (JA8541) です。
空は低い雲で覆われています。
この DC-10 も、かつては台風を避けながら東南アジア路線で大活躍していたことでしょう。胴体下から、センター・ギアが出ていることで、国際線仕様機材であることが解ります。
(最大離陸重量が軽い国内線仕様の DC-10 は、このセンター・ギアを装備していません)

DC-10 も退役が迫り来る中で、国内線、羽田~ソウルの国際線、近距離国際線、ホノルル線等で頑張っています。
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気象通報式における補足

昨日の羽田空港の気象通報式で、これまで解説していない表記がありましたので、それについて補足します。

*一つ目
SPECI RJTT 220810Z 14006KT 9999 TS FEW030CB FEW035 BKN080 16/05
           Q1005 RMK 1CB030 2CU035 5AC080 A2970 MOD TURB 16000FT
           10NM W ORGAN BY B734 AT 0803 FBL TS 7KM SW MOV UNKN=
FBL TS
これは、国内記事 (RMK) で報じられる内容ですが、

観測時刻において、雷電 (TS) が観測された場合には、雷電の強度を TS に前置して通報することになっており、
-FBL(弱) Feeble (Light)
-MOD(並) Moderate
-HVY(強) Heavy
の3種類の強度を示す前置詞があります。
上の通報式ではFBL TS ですから、“弱い雷電を観測した”となります。


*二つ目
METAR RJTT 220800Z 13006KT 9999 FEW030TCU FEW035 BKN080 16/04 Q1005
           RMK 1TCU030 2CU035 5AC080 A2969 TCU 15KM SW CB MOV UNKN
           VIRGA SW=
VIRGA
これはそのまま、virga = 尾流雲です。
国内記事 (RMK) においては、
-----
視界内に存在する飛行に影響を及ぼす現象が観測された場合に、現象と共にその位置・移動方向・飛行場からみた存在方向を8方位+真上( OHD: over head )で示される。
-----
に基いて報じられたもので、
上の通報式では VIRGA SW ですから、“空港から見て南西方向に尾流雲を視認した”となります。

“尾流雲”って何?
virga = "Wisps of precipitation streaming from a cloud but evaporating before reaching the ground."
なのですが、そろそろ雲の話もしなければなりませんね。

雲博士、助けてください

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きょうも雷様

羽田の気象通報を見ると、雷様が出現しているようです。午後5時~の10分間で雷電(thunderstorm)を観測し、午後5時30分の定時通報では、弱い雷雨(light thunderstorm rain)を観測しています。

METAR RJTT 220830Z 14008KT 9999 -TSRA FEW030CB FEW035 BKN080 16/06
           Q1005 RMK 1CB030 2CU035 5AC080 A2970 FBL TS 8KM S MOV E=

SPECI RJTT 220810Z 14006KT 9999 TS FEW030CB FEW035 BKN080 16/05
           Q1005 RMK 1CB030 2CU035 5AC080 A2970 MOD TURB 16000FT
           10NM W ORGAN BY B734 AT 0803 FBL TS 7KM SW MOV UNKN=

METAR RJTT 220800Z 13006KT 9999 FEW030TCU FEW035 BKN080 16/04 Q1005
           RMK 1TCU030 2CU035 5AC080 A2969 TCU 15KM SW CB MOV UNKN
           VIRGA SW=
風向・風速・視程からみて、VOR DME-C (Rwy 16L) だと思われますが、西からの到着機が中程度の揺れを報告しています。
「MOD TURB 16000FT 10NM W ORGAN BY B734 AT 0803」の件(くだり)
-------
午後5時3分、ボーイング737-400機が、ORGAN(オーガン:航空路上のウェイポイントで、房総半島の御宿無線標識から磁方位 195 度で 27 海里[約 50km ])の西、10海里[約 19km ]の上空 16000feet [約 4900m ]で中程度の乱気流を報告している
-------
となります。
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バックアップ

最近は ThinkPad X31 (model 2672-BBJ) をメインマシンとして使っています。
ベースモデルを自分でアップグレードし、搭載メモリは 1GB、HDD は 80GB です。

昨日は、定期点検?ならぬハードディスクの全バックアップをとりました。

予想以上に時間がかかってしまい、約12時間もかかってしまいました(こりゃぁ、1便と同じだ)。

今回はハードディスクのクラッシュに備えてのフル・バックアップなので、IBM が提供する Rescue and Recovery プログラムを利用して CD-R メディアに書き出したのが、時間がかかった主要因です。
Disc to Disc バックアップなら、三分の一程度で済んだのでしょうが....。

と言うことで、一昨日・昨日と更新をさぼってしまいました。



きょうの昼間は久々に吉祥寺に行きました。変わりましたねぇ。びっくりしました。
吉祥寺で降りて街を歩いたのは、▲十年ぶりですから、変わって当り前ですね。

「西武バス」が妙に懐かしかったです。
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記録を確認

一昨日に( as PAX )として飛んだ分の実績およびマイルが本日には反映されていました。

今年は出張が激減したため、飛行回数の伸びが非常に鈍くなっています。

第一四半期も過ぎたというのに、未だに16レグでは、昨年までの半分にも届かないペースです。

スケジューラに頼んで、もっと飛ぶようにしないと、飛行感覚が鈍るし、現場のオブザーブ回数も減るし、空の上での実践的な航空気象の学習も進みません。

が、飛べば飛ぶほど出費がかさむ逆鞘現象がPAXの悩みでもあります。
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早く出れば早く着く

某社の■子さんは、「定時性!定時性!」「定時性で○N○に負けるな」と現場の乗員他にタイムプレッシャーを与えていたようですが、結局は『早く出れば、早く着く』のですよ。

で、『早く出る』ためには予約を持っている旅客が早めにチェックインし、早めに搭乗口に行って、デカイ荷物は持たないで(チェックイン時に受託手荷物扱いにする)スムーズに搭乗すれば良いだけのことです。

営業サイド(空港支店)も、チェックイン締め切りを厳守し、Waiting(空席待ち)をテキパキと捌く、[昔のKDの中には、delay を少しでも縮めようと、誇りを持った職人的なプロが居ましたねぇ....]ただそれだけで良いのです。

きょう乗せていただいた便は、何れも定刻前に Door Close 、そして BLOCK OUT してましたよ。これが、どこかのセクションが無理をして、でなければ良いのですが....。

タイトルの『早く出れば、早く着く』は、少々意味合いが違って、

朝早く、始発便で始めれば、飛び回っても早めに帰着できる

と言うことです。

きょうの◎レグは、何れも Operation Normal でした。HND Spot 15 から出て Spot 16 に着きました。最終レグの前に入手したHNDのS-TAFは、
S-TAF RJTT 160600Z 160615 07015KT 9999 SCT030
TEMPO 0811 TSRA FEW030CB BECMG 1113 04015KT=


だったので、FINAL が荒れるかな、と少々警戒していたのですが、早く着いたお陰で大丈夫でした。
METAR RJTT 160800Z 05016KT 9999 SCT050 BKN070 14/07 Q1017 WS RWY34L
           RMK 4SC050 7AC070 A3005=
METAR RJTT 160730Z 05017KT 9999 FEW035 SCT060 15/08 Q1017 RMK
           2CU035 4SC060 A3004=


その後、AERODROME L.L.WS INFO が出て、今も有効中ですね。
WOJP RJTT AERODROME L.L.WS INFO NO.159
     ISSUED AT 160850UTC APR 2005
     VALID     161200UTC
     TOKYO AVIATION WEATHER SERVICE CENTER

AERODROME WARNING AVAILABLE
 NO AERODROME WARNING AVAILABLE

OTHER AERODROME INFO AVAILABLE
 NO OTHER AERODROME INFO AVAILABLE

((TEXT))

(NOTICE)<L.L.WS >

(SFC WIND)
NE-LY WIND MAX 15KT
EXP 160850/161200UTC

(WIND SHEAR)
L.L.WS OBS AT 0838UTC 500FT ON FNA RWY34L BY B767
L.L.WS GENERATE ON RWY34L 160850/161200UTC=

WOJP RJTT AERODROME INFO CNL NO.158
     ISSUED AT 160850UTC APR 2005
     TOKYO AVIATION WEATHER SERVICE CENTER

FOLLOWING INFO CLEARED UP
 NO.157 AERODROME L.L.WS INFO ISSUED AT 160550UTC

AERODROME WARNING AVAILABLE
 NO AERODROME WARNING AVAILABLE

AERODROME INFO AVAILABLE
 NO OTHER AERODROME INFO AVAILABLE=


写真は、昼過ぎに西に向けて飛んだときの富士山です。周りに Cu 系の雲
がもくもくと出てきており、「こりゃぁ、帰りは大変かな」と思いながらシャッターをきったときのものです。
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飛びます

明日は久々に飛びます(as PAX)。

こちらはいつもと変わらず平常心で運航を見させていただきます。

テレビの天気予報によると、明日の関東地方は大気の状態が不安定で、雷雨の可能性もあるとか。


ZAMA SIX で climb するレグが組み込まれていますが、横浜ベイブリッジやみなとみらい地区は雲の下でしょうね。

最初のレグは朝早いので、今夜は早めにご就寝です。

すでに  は飲めない時刻になってしまいました。
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現場の声を聞かずしての防止策は絵に描いた餅

経営者が深々と頭を下げ陳謝しなければならない相手をひとつお忘れではありませんか?

記者会見でプレスに報告して陳謝するのは大いに結構なことです。公共交通機関に参画している企業のトップなのですから。

でも、安全を最終的に支えているのは、日々頑張っている現場の皆さんなのです。

そこから上がってくる声には耳を傾けず、「○N○に負けるな」「効率優先」「売上向上」を頭ごなしに言いつけたり、影でこそこそと組合分裂工作をはかったりしていては、現場は信用しませんよ。

安全に関する認識が不足していたのは、あなた方経営陣と一部の職制。
情報の的確、迅速な共有ができていなかったのは、現場と経営間。経営陣が真っ先に CRM Training をしっかり受けてくださいよ。
定時性の確保などから来るプレッシャーがあったって、そのタイムプレッシャーを作っているのは経営と企画でしょうが。
タイム・プレッシャーの問題は、ずっと昔から現場が指摘し続けてきています。労働基準の改悪に加え、運航ダイヤと乗務ダイヤの二種類あることがおかしいと思いませんか>■子さん。1便をシングルなんて発想、常人では考えられんでしょう(注:今は通年マルチです;だったら2便もマルチにしたら....)。

経営陣の方々には、PAXとして日航に乗っていて恥ずかしくないようにしていただきたいです。

日航トラブル:「安全に対する認識が不足」社長ら頭下げ - 毎日新聞
 「安全に対する認識が不足していた」。日本航空の新町敏行CEO(最高経営責任者)兼社長ら経営陣は14日、国土交通省に改善策を提出後、記者会見し、深々と頭を下げた。

 新町社長は会見に先立ち、北側一雄国交相に面会。北側国交相は「国民が日航に向けている目は大変厳しいと認識してほしい」と注文をつけた。

 会見の冒頭で新町社長は「乗客、世間の皆様に多大なるご迷惑、ご心配をおかけし、社員一同、心からおわびを申し上げます」と陳謝した。その上で、一連のトラブルが起きた原因について「まず、安全に対する認識が不足していた。さらに、情報の的確、迅速な共有ができていなかった。また、定時性の確保などから来るプレッシャーがあった」の3点を挙げた。また、背景として「安全が何よりも優先されなければならないとの強い意識を全社員に浸透させる取り組みが役員に不足していた」と述べた。

 さらに、「(JASとの)経営統合の中で、経営と現場との距離感が生まれ、(日航とJASの)組織間の意思疎通が不足していた」と話し、昨年4月の経営統合が現場に悪影響をもたらしたとの認識を示した。しかし、「統合と安全は違うもの。統合自体が失敗だったとは思っておらず、経営統合をさらに完全なものにしていく所存です」とも語った。

毎日新聞 2005年4月14日 12時52分

日航トラブル:集客合戦激しく 現場、余裕を失う - 毎日新聞
  発着遅れを減らすための合理化が要因になったのではないか--。国土交通省に14日提出した報告書の中で、日本航空は「時間制約のプレッシャーがあったとみられる」とトラブルの背景の一つを指摘。会見した新町敏行・CEO(最高経営責任者)兼社長は「時間厳守よりも安全を優先すべきだった」と唇をかんだ。業界内だけでなく、新幹線と激しい集客合戦を繰り広げる航空業界。定刻通りの運航を優先するあまり、安全にほころびが生じていた。
【川辺康広、大石雅康】

 航空業界には、国土交通省が定時運航とする「定刻から15分以内」で運航した便数の割合を示す「定時出発率」という言葉がある。日航は国内線で「9割以上」との目標を掲げ、特に新幹線と競合する路線では「5分以内」と定めている。

 航空業界は、新幹線「のぞみ」が登場した90年代から、ビジネス客を中心とした乗客争いを展開。国内線の搭乗手続きの締め切り時間を、出発前20分から15分に短縮するなど利便性を向上させてきた。さらに03年10月には東海道新幹線「品川駅」開業に伴い、航空各社は運賃値下げに踏み切っている。

 「旅客へのサービス業務、時間厳守に追われる中で、責務に対する意識が希薄になった」

 日航は3月16日の「非常ドアモードの切り替え忘れ」の原因をこう推定する。従来、モード切り替えは機体がゲートを離れる前に行われていた。しかし、出発を数分でも早めるため、2月から、機体がゲートを離れてからでも可能なように手順が変更されていたのだ。このため客室乗務員は、手荷物の収納や旅客対応に追われるうち、切り替えを忘れていたという。手順は3月28日に従来のものに戻された。

 北海道・新千歳空港で1月22日、管制官の許可を得ないまま離陸しようとした旅客機は、滑走路の除雪作業で35分遅れていた。このケースでも「時間的ストレスが機長らの意識に影響を与えた可能性がある」としている。

 国交省などによると、東京-大阪間の旅客利用割合は、93年度が新幹線約85%、航空機約15%だったのに対し、01年度は約70%と約30%と差が縮まった。東京-広島間では、98年度に新幹線が航空機に逆転され、01年度は41%対59%。03年10月の「のぞみ」増発で、新幹線はシェアを数%伸ばすなど、反転攻勢を強めている。

毎日新聞 2005年4月14日 15時00分

「安全認識不十分」と総括 日航、連続トラブルで再発防止策 - Sankei Web
 運航上のトラブルが相次ぎ事業改善命令を受けた日航は14日、安全への認識が不足し、経営と現場間の情報共有が不十分だったとして、全社で意識改善に取り組むとの再発防止策を北側一雄国土交通相に提出した。

 提出した書面の中で日航は「安全への認識不足のほか、持ち株会社と2つの事業会社が存在する(旧日本エアシステムとの)経営統合の過程で、経営と現場、職場間の情報共有が不十分だった」と社内態勢を総括。「時間通りの運航(定時性運航)を目指すあまり、安全を優先できない面もあった」とした。

 日航の新町敏行社長は記者会見し「お客さまや世間の皆さまに多大のご迷惑、ご心配をおかけし、心からおわび申し上げる」と謝罪した。

 国交省は、防止策が確実に行われ、有効に機能しているかどうかを調べるため、航空法に基づく立ち入り検査を4月から5月にかけて実施。その後も2、3カ月ごとに検査し厳しくチェックする方針。

 新千歳空港で管制許可を受けず離陸滑走した機長に業務停止30日、同機の副操縦士と、韓国・仁川空港で管制指示を誤認した機長に文書警告などの行政処分を14日付で行った。

 日航の改善策は(1)経営陣が積極的に運航や整備の現場に足を運び、風通しのよい職場を目指す(2)全社員の意識徹底のため、管理職クラスに重点を置き安全を啓発する(3)年末までに運航、整備などの手順やマニュアルをすべて見直す-を挙げた。

 さらに管制指示誤認や部品脱落など、昨年12月から今年4月上旬までに起こった20件のトラブルについて、個別に発生した経緯や原因、再発防止策をまとめた。

 組織面では、運航にかかわる安全情報を社長に直接報告し、助言する安全補佐のポストを1日付で新設。社長や担当役員が対策を話し合う安全対策本部会も発足させた。(共同)


 日航が14日、国土交通相に提出した運航上のトラブルやミスの再発防止策の要旨は次の通り。


 【要因・背景分析】
 一、連続したトラブルには共通して(1)安全性に対する認識不足(2)情報共有の不足(3)定時性確保、時間制約からのプレッシャー-の要因があった。

 一、要因の背景には(1)安全が最優先であることを強調する経営の取り組みが不十分(2)安全と定時性を安易に両立させようとする風潮(3)経営統合の過程として持ち株会社と2つの事業会社という枠組みの中で、経営と現場、部門間の意思疎通不足4現場と経営トップのコミュニケーション不十分-があった。

 【経営上の改善点】
 一、安全を定時性より優先すべきであり、安全を前提としたサービス向上に努めるべきであることを、グループ全体に徹底させる。

 一、すべての社員が、いかなる状況においても安全意識にのっとって自律的に行動できるようにする。

 一、経営陣が現場に積極的に出向き、双方向のコミュニケーションに努め、風通しの良い職場風土の醸成に努力する。

 【改善への取り組み】
 一、4-5月を「緊急安全意識向上運動」期間と定め、社長と全役員が本社、運航本部、整備本部、客室本部、空港、貨物部門、国内外全支店などの現場に出掛け、100回以上の緊急安全ミーティングを開催。経営トップが常に現場の声を吸い上げる体制を構築する。

 一、安全への危機感や情報処理の重要性を再認識させるため、管理職クラスの意識啓発に重点を置く。

 一、全社員に安全意識の再徹底と法令、規定類の再教育を実施する。

 【マニュアル見直し】
 一、運航、整備など安全にかかわるすべての部門の手順、マニュアルを見直す。

 一、安全上のトラブルに対応する緊急の手順、マニュアルを見直す。

 【組織体制見直し】
 一、社長直属の「安全補佐」を新設。日常運航にかかわる安全情報を入手し社長に報告、必要な助言をする。

 一、社長、副社長、運航、整備、客室、空港、貨物の各担当役員らをメンバーとする「安全対策本部会」を新設。定例のほか緊急の開催で、安全にかかわる重要な諸情報を共有化し、機動的に対応策を決定する。(共同)


 日航が再発防止策を提出した20件のトラブルは次の通り。
 2004年12月13日判明 貨物機主脚に強度の弱い旅客機用部品を使用

 05・1・22 新千歳空港で管制官の離陸許可を受けずに滑走開始

 3・11 韓国・仁川空港で管制官の指示を誤認し滑走路に進入

 3・16 客室乗務員が緊急脱出用スライドのスイッチを切り替えず運航

 3・20 帯広空港で着陸機が使用禁止の誘導路に誤進入

 3・22 福島空港で着陸機のテールスキッドが滑走路に接触▽操縦室で異臭を感じ羽田空港に緊急着陸▽徳島空港で高所作業車が接触し翼端損傷▽成田空港の到着機でエンジン取り付け部のパネルとボルト2本が脱落

 3・27 成田の到着機でゴム製シールが欠落▽フラップ作動の異常表示で成田へ引き返し

 3・31 ホノルル空港の到着機で主脚タイヤのボルト破断、ナットなどが脱落

 4・3 羽田-広島便でエンジン燃料表示の電気配線が断線

 4・5 宮崎空港の部品交換で大幅な遅れ▽岡山空港で水平尾翼付け根の部品が欠損

 4・7 高松空港でエンジン後部の排気口付近のボルト脱落

 4・10 自動推力調整システムの異常表示で鹿児島空港に引き返し

 4・11 速度計のトラブルで那覇空港に臨時着陸

 4・12 副操縦士が社内規定に違反し離着陸時に操縦

 4・13 操縦席の緊急時用酸素圧力が低下しアンカレジに臨時着陸(共同)

(04/14 12:46)

う~ん、最後の「日航が再発防止策を提出した~」のパラグラフは、まるで「月間トラブル速報:簡易版」を見ているようです
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