徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

Airbus A321 与圧トラブル

 2系統とも「ほぼ同時に」あるいは「相次いで」トラブルが発生し、INOP となるのは珍しいですね。

7月23日には、JAL1439 便(羽田~徳島)の Airbus A300-600R (JA8559) で与圧系統のトラブルが発生し、そのときは同様に Oxygen Mask を Deploy し 緊急降下を行なって徳島空港に緊急着陸しています。
JAL1439 便の場合、離陸時点において2系統ある与圧システムのうちの1系統は Down していたのですが MEL は満たしているとのことで飛んだうえでのトラブルでした。

が、今回の場合、報道を見る限りでは大分出発時点では異常がみられなかった与圧システムが、1系統だけではなく2系統ともにトラブルに陥ったようです。

JAL1439/23JUL 同様に急減圧ではなくて、Cabin Altitude が徐々に高くなったため、 Oxygen Mask を Deploy し、FL370 から 10000feet まで降下して Emergency を宣言したようです。共同通信のみが“緊急降下”というフレーズを使っていますが、他のニュース・ソースをみると、それが Cabin 急減圧のときに行なわれるかなり大きな降下率で降りたかどうかは不明です。が、当該便の Cockpit Crew の対応は適切であったと考えられます。

2系統ともに不具合となったことから「重大インシデント」として事故調がのりだすようです。

A321 は A320 の胴体をストレッチしたタイプで、全日空では1998年から7機導入されました。全日空の A321 のデータはこちらで紹介されています。
A320 が166席なのに対し、A321 は195席とストレッチされた胴体を活かし、29席の座席が増えています。
(A321 導入当初は8席のスーパーシートが設定されていましたが、2000年に廃止、今はモノクラスとして運航されています)

また、全日空の A320 と A321 とでは搭載されているエンジンが異なります。A320 には CFM インターナショナル(米ジェネラル・エレクトリック社と仏スネクマ社の共同)の CFM56 というエンジンを搭載していますが、A321 は IAE: International Aero Engin 社(国際共同で設立:日本のメーカーも開発・生産に参加している)の最初のエンジンである V2500 を搭載しています。

与圧システムは、エンジンから取り込まれた圧縮空気を機内に供給する仕組みとなっていますので、このエンジンの違いが起因していたりして....。下種な推測はやめましょう。

事故調にはしっかりと原因調査を行なってもらいたいものです。


機内気圧低下で緊急着陸 全日空、けが人なし (共同通信) - goo ニュース
 29日午後6時50分ごろ、伊勢湾上空約1万1000メートルを飛行中の大分発羽田行き全日空198便エアバスA321(乗客乗員172人)で、機内の気圧を保つ装置(与圧装置)の異常を示す表示が出て、実際に気圧が低下した。機長は客室内に酸素マスクを出し、高度約2500メートルまで緊急降下させた。

その後、同機は徐々に高度を下げ、午後7時33分に羽田空港に緊急着陸した。全日空によると、けが人はいなかった。1人が胸の痛みを訴え病院で診察を受けたが、異常はなく帰宅した。

同機は午後6時すぎに大分空港を出発後、2系統ある与圧装置の両方で異常を示す表示が出たため、管制機関に緊急着陸を要請した。酸素マスクが自動的に出るような急激な減圧はなく、耳の痛みなどを訴える乗客はいなかったという。

2005年 9月29日 (木) 22:10
機内の気圧低下、全日空機が羽田に緊急着陸 (読売新聞) - goo ニュース
 29日午後7時ごろ、伊勢湾上空を飛行中だった大分発羽田行き全日空198便(エアバス321型機、乗客166人)が、高度約1万メートルで機内の気圧が低下していることを示す計器表示が出た。
 機長は管制官に対して緊急事態を宣言し、手動で客室内の酸素マスクを作動させて約2500メートルまで降下、同7時30分すぎに羽田空港に着陸した。

 2つある空調装置がほぼ同時に壊れ、機内の気圧が保てなくなったらしい。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は事故につながりかねない「重大インシデント」に該当するとして、調査に乗り出した。

 旅行で同便に乗っていた横浜市の大学生、池田綾子さん(22)は、「酸素マスクがいきなり降りてきて怖かったが、着陸した時はホッとした」と話していた。

2005年 9月29日 (木) 23:23
大分発の全日空機が羽田に緊急着陸 客室内の減圧表示 (朝日新聞) - goo ニュース
 29日午後6時50分ごろ、伊勢湾上空を飛行していた大分発羽田行きの全日空198便(エアバスA321型、乗客乗員計172人)で、客室内の空調システムの故障を示す計器表示が出た。その後、客室内の気圧低下を示す表示が出たため、同便は同7時半すぎに緊急事態を宣言し、管制上の優先権を得て羽田空港に着陸した。到着後、乗客1人が「胸が痛い」などと訴えて診察を受けたが異常はなかった。

 国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は同日、航空事故に準じる航空重大インシデントに該当するとして、調査官を派遣して調査することを決めた。

 全日空によると、同便には2系統の空調システムがあり、相次いで故障表示が出た。その後すぐに客室内の減圧表示があったという。当時、上空約1万メートルを飛行中だったため、機長が乗客用の酸素マスクを落下させ、安全高度の約3000メートルまで降下した上で緊急事態を宣言したという。

 全日空は、空調システムの故障で客室内に送り込む空気が足りなくなり、気圧が下がった可能性が高いとみて機体の調査を進めている。

2005年 9月29日 (木) 23:41
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« RVSM: Reduced...細かいことか... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。