徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

reminiscences ... 回顧録

旬は過ぎ、賞味期限切れ。
方式変更や改定により、内容もますます怪しさを増してしまいましたが、友人からの後押しがあり、過去記事を戻しました。

新たなエントリを追加できるか … 期待しないで下さい。可能性は神のみぞ知る?
コメントにレスポンスできるか … こちらも期待しないで下さい。風の吹くまま?

Comment ( 4 ) | Trackback ( 0 )

So long!

Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

おかし・い

 『間違っている』と言ってしまうと、『では正解は?』となりそうだから....。そもそも、“これが正解”っていう一義的な解はないのだと思います。

すくなくとも、小生は普通の感覚ではない、そりゃぁ変だ、訝しいと思います。

おかし・い
(3) 普通の状態でないものに対して、いぶかしさや奇異を感ずるさま。いぶかしい。怪しげである。変だ。妙だ。*今昔‐二五・一〇「故もなく然る事を宣ひしかば、可咲(をかし)と思て止み侍りにき」*仮・伊曾保物語‐中「獅子王おかしと思へども、さらぬ体(てい)にてともなひ行く」

Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) © Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)©小学館 1988

いぶかし・い【訝しい】
〔形口〕卆いぶかし〔形シク〕(上代は「いふかし」と清音)物事の不明で、はっきりしない状態を、明らかにしたいという気持を表わす。
1 物事が不明で気がかりだ。不明な点について知りたい、見たい、聞きたい。*源氏‐若紫「あはれなりつる有様も、いぶかしくて、おはしぬ」
2 疑わしい。よくわからない。不審に思われる。*徒然草‐二一九「横笛の五の穴は、聊かいぶかしき所の侍るかと」

Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) © Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)©小学館 1988
Comment ( 2 ) | Trackback ( 0 )

日はまた昇る

大晦日です。明朝、初日の出は拝めるでしょうか。

さて、「日は東から昇る」は常識に囚われた、やや柔軟性に欠ける発想でして、一度暮れた日が西からまた昇ることもあるのです。

勿論、最近の小生のように、地上に根を生やし、ますます出不精となりつつある輩は、日が東から昇るのを待つだけであります。

西からの日の出を拝むには;

1)日没直後、離陸して高度を稼ぐ(出来れば西に向かいつつ)
  羽田から関西・九州方面への国内線でも、日没時刻と離陸時刻とが絶妙の関係だと、チャンスがあります。

2)太陽を追い越す(その1)
  いささか科学的ではない表現ですが、要は、地球の自転速度よりも速い移動手段を用いるということです。
  コンコルドが退役した今となっては叶わなくなりましたが、倫・巴里からニューヨークへ大西洋を西進したコンコルドは、それぞれの現地時刻で、出発時刻よりも到着時刻のほうが前になり、つまりは日の動きを追い越す速度で移動していた訳です。

3)太陽を追い越す(その2)
  地球は丸い。さらに、自転軸が太陽の周りの公転面に対して約23度傾いている。この事実を利用する。
  現在商用に供されている航空機の速度は絶対的に太陽の移動速度には敵いませんが、地の利?を利用すると追い越すことも可能です。
それは、高緯度を飛行する、ということ。赤道付近での経度1度分の距離と極地近くでの経度1度分の距離とには差がありますので、高緯度を飛行すれば、日の動きを追い越すことが可能になります。

3)の実例をご紹介しましょう。

本邦を正午頃に出発して欧州に向かう便、米国を正午頃に出発して本邦に向かう便、いずれも日を追いかけて西進するので十数時間の飛行にも関わらず、日暮れを迎えることなく目的地に到着します。

それらの便は、所謂「大圏ルート」を飛行しますので、飛行ルートをプロットすると、途中かなりの高緯度まで北上します。

一方で、この季節、冬至は過ぎましたが(北)高緯度の日中は短い。日の出は遅く日の入りは早い。つまり、大圏ルートに沿って、ぐっと北上すると、(そのローカル時刻の)午後でも日が暮れてしまいます。が、目的地に到着したとき目的地は日没前………ということは、一旦沈んだ日が、西からまた昇っている訳ですね。

下のスクリーンショット(クリックで拡大)は、ニューヨーク12月22日発の赤社5便がアラスカ州付近飛行中をトラックしたときのものですが、フェアバンクスよりも北を飛んでいる当該便は、現地時刻が午後3時前にも関わらず、日没後の夕暮れの中を飛行しています。
 ※薄い網掛けは日没後の明かりがある領域、濃い網掛けは夜の領域です

CLICK TO ENLARGE


この後、しばらくすると、夕暮れ領域から脱し、つまりは『日の動きを追い越して』、“日はまた昇り”、夕方の成田へ到着しました(成田着陸時刻は午後3時37分、ブロック・インは午後3時49分でした)。

下のスクリーンショット(クリックで拡大)は、同日に同じくニューヨークから成田に向かっているデルタさんが、まさしく“日がまた昇る”瞬間であろう頃のトラックです。
※この頃、赤社5便は既に西からの日の出を向かえ、西日の中を飛行中です。

CLICK TO ENLARGE


2010年の初日の出は間もなくが、昨今の世の中に陽が射すのはいつになるのでしょうか。一度夕暮れになっても“陽はまた昇る”よろしく、来年は良い年になって欲しいものです。

皆様、本年もお世話になりました。怠惰なボロ愚にも関わらずお立ち寄りいただき感謝・感謝です。

来る2010年が皆様にとりまして佳き年となりますことを! どうぞ良いお年をお迎えください。
Comment ( 2 ) | Trackback ( 0 )

Magnetic Variation

 はやいものできょうから師走、2009 年も残すところあと一か月になりました。

ここ数年は、毎年のように一年経つのがあっという間と感じています。歳なのでしょうか...。
が、変化(進化か退化かはあえて気にしない)を感じながら、時間と共に老いるのもこれまた楽し、であります。

時間と共に変化すると言えば、スパンは比べものになりませんが、地球の磁場もその仲間です。

同じ経度の点を結んでできる経線は、北極・南極を通る大円であります。ここでの北極・南極とは、地球の自転軸が貫いている地点のことであり、北極・南極と言った場合、ここをイメージするのが普通でしょう。

方角を知る道具、方位磁石。これは地球の磁場を利用して方角を知る道具でして、N ▲ が指し示すのは、地球磁石の北極、磁北であり、経線が示す所謂地形図の北、真北ではありません。

地球上のかなりの地点で真北と磁北とは一致しておらず、真北と磁北とのなす角度を“磁気偏角”といいます。

本邦付近のそれは、2000年1月1日の値で、4 ~ 10度程度磁北が真北よりも西に偏向してます。

出典:国土地理院技術資料 B・1-No.35 磁気図(偏角図) 2000.0年値

CLICK TO ENLARGE

毎度のことですが、本邦付近とか2000年1月1日で、とことわったのは、磁気偏角は地球上の場所によって異なり、また、同一地点でも、時間と共に変化しているからです。

航空機に搭載されている“コンパス”も方位磁石なので、真北ではなく、磁北基準です。

ここで、地球上のどこへでも飛んでいく飛行機ならではの悩ましいことがあります。

自機の場所の磁気偏角を常に考慮しなければならない…(駄洒落にあらず)。

航空地図には、この磁気偏角の情報が記されてますし、航空路方角等の方位は、極地帯を除き“磁北”基準です。

(空き地:適当な Enroute Chart 画像を紹介予定場所)

JEPPESEN ENROUTE CHART より ©JEPPESEN, 1999, 2009
CLICK TO ENLARGE

↓極地付近の航空路では真方位が用いられる
(数字°の後ろのTは真方位であることを示している)
CLICK TO ENLARGE


今日のハイテク機には、IRU: Inertial Reference Unit、ADIRU: Air Data Inertial Reference Unit といった自律航法装置が搭載されており、たとえ、地上航法支援施設や GPS からの情報が無くても、自機の位置を正確に割り出し、FMC: Flight Management Computer とカップリングして、プログラムしたルートに沿って飛ぶことが可能です。

ルートに沿って飛ぶためには、方位情報は欠かすことができません。また、磁方位を用いた方位計測では、その計測地点における“磁気偏角”を考慮することも欠かすことができません。

という訳で、ハイテク機は“磁気偏角”の情報も持っています。“磁気偏角”のことは、Magnetic Variation と言いますので、航空機が持っている“磁気偏角”情報のことを MagVar Table なんて言います。

この MagVar Table なるもの、つねにその時点での最新のものを使用しないとなりません。前述したように、“磁気偏角”は、同一地点でも時間と共に変化しているからです。

ちなみに、1980年から2005年までの25年間(四半世紀ですね)でどれだけ変わったか、世界地図上に色分けして示した図があります。

CLICK TO ENLARGE
[出典: Boeing AERO Magazine 2009 Q4]


本邦付近ではほとんど変化が無いのですが、南米や北米では、10度近く変化しています。10度を大きいとみるか小さいとみるかはそれぞれでしょうが、安全運航への脅威として考えた場合、決して無視できる変化量ではありません。

航空機の整備というと、エンジンや翼など、“飛行”の最前線をイメージしがちですが、中には「MagVar Table を最新に保つ」といった目立たなくても、日々の安全運航に重要な役割を果たし、欠かせないものもあるのです。


【おまけ】
Boeing747-400 のグレアシールドには、真方位を用いるか TRUE、磁方位を用いるか NORM の切り替えスイッチがあります。
このスイッチを切り替えると、PFD 下部のコンパス・ローズや ND の表示が変わります(厳密には Auto Pilot の Mode にも影響する)。

極地付近では、磁気偏角がちょっと飛んだだけで大きく変わってしまうので、磁方位を用いる NORM モードでも、北緯82度以北(場所によっては北緯70度以北)および南緯82度以南(場所によっては南緯60度以南)飛行時には、真方位が用いられるようになっています [値は Boeing747-400 の場合]。

  
Comment ( 6 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ