福岡空港へ進入、ビールの道？

きょうも昨日と同じタイトル画像です。

九州は博多、福岡空港（FUK：RJFF）へ東から進入着陸する飛行機（例えば、羽田－福岡線、大阪－福岡線、等など）は、主として“SANDY EAST ARRIVAL [SANDYE]”という標準到着経路（STAR：Standard Terminal Arrival Route）で空港へ向け降下していきます。


--- 以下、ＡＩＰ－Ｊの解説から ---
【標準到着経路】STANDARD TERMINAL ARRIVAL ROUTE／STAR：
ＩＦＲで飛行する到着機が、航空路から着陸飛行場の進入フィックスまで秩序よく降下するために設定された飛行経路をいう。
--- （ここまで） ---

※計器飛行方式で飛行している航空機はレーダー管制下にありますので、必ずしもＳＴＡＲを正確にトレースするとは限りません。そのときの空域の混雑状況や気象状況（雷雲等）などを考慮し、レーダー誘導される（近道させてもらったり、悪天域を回避したり、混雑のため遠回りさせられたり）ことも多いのですが、その際も、概ねＳＴＡＲに準じたレーダー誘導が行われるようです。

SANDY EAST ARRIVAL に加え、“NAKASU EAST RNAV (DME/DME) ARRIVAL”という標準到着経路も公示されていますが、こちらは、空域の有効利用と円滑な航空交通の流れを目的として評価運用されている方式であり、全ての航空機に適用される方式ではありません。
※ＲＮＡＶ（Area Navigation：広域航法）ついては、
--- ＡＩＰ－Ｊの解説では ---
地上無線施設の間を結ぶ経路ではなく、自蔵航法装置（ＩＮＳやＩＲＳ）と位置のアップデート機能による航法概念である。施設の新設なしに、直行ルート、平行ルートまたは迂回路等の設定が可能なために空域の有効利用と円滑な航空交通の流れの確保に効果があり、管制の運用の柔軟性、運航費用の節約等が期待できる。………
----------------------------------
と記されています。機会があれば、理解を深めるネタを紹介しようと思います。

---

昨日、ウェイポイントについて紹介しました。
この２つの標準到着経路のチャートを見ると、そこにはウェイポイントが記載されています。そのウェイポイントの名前が、洒落っ気があってユニークなのです。

先ず、“NAKASU EAST RNAV (DME/DME) ARRIVAL [RNAV STAR]”のチャートを見てみましょう。


KIRIN、MALTS というウェイポイントがありますね。

---

続いて、“SANDY EAST ARRIVAL [SANDYE] [STAR]”のチャートです。



こちらには、EBISU、LAGAR というウェイポイントがあります。

EBISU は YEBISU であるべきなのでしょうが、「ウェイポイントは原則として５文字」という CODEC の規則あるので、泣く泣く「Ｙ」の文字を削除したのでしょう。昔は、ウェイポイントやフィックスの文字数規制は無かったように記憶しているのですが、忘れました。


おまけに、福岡付近の AREA チャートを載せます。ビール銘柄の位置関係をご確認下さいませ。



ASAHI はどうした？
ご心配なく。羽田のＢ滑走路に目視進入する際の（同様の）ウェイポイントとしてちゃんとありますので。

---

【ある福岡行のコックピット内での会話】
ベテラン機長：　じゃぁ、そろそろ“モルツ”もらって。
新人副操縦士：　…えっ？キャプテン、未だ乗務中ですよ。 ホテルまで我慢しましょうよ。
（この日は、この便の乗務で終了。福岡ステイのパターンであった）
ベテラン機長：　ＡＴＣに"Direct MALTS"をrequestして、ってことだよ！

お粗末でした。