|
||||||
(since 17 AUG 2005) |
飛行場利用料金の仕組み
引用記事はちょっと旬を逸してしまいましたが、来る10月1日より飛行場利用料金が改訂になりますので、国土交通大臣が設置および管理している空港の飛行場利用料金(つまり着陸料や停留料、保安料など)の算出方法を簡単にご紹介します。
※どの空港が国土交通大臣が設置管理に相当するかは、
国土交通省航空局の全国空港配置図
東京航空局の管内空港のプロフィール
大阪航空局の管轄飛行場 各管轄空港
などのページが参考になります。
例えば、東京国際(羽田)、大阪国際(伊丹)、新千歳、福岡、沖縄那覇などは国土交通大臣が設置管理者となっている空港です。
ちなみに、成田空港の設置管理者は成田国際空港(株)、中部国際空港セントレアのそれは中部国際空港株式会社、関西国際空港のそれは関西国際空港(株)ですので、ここで紹介する料金とは異なります。
1.着陸料(ターボジェット機の場合)
着陸料は(a)重量比例部分と(b)騒音比例部分の合計となります。
(a)重量比例部分の算出
※重量は最大離陸重量を適用する
(b)騒音比例部分の算出
¥3400 × (騒音値-83)EPNdB
ここで騒音値とは、ICAO: International Civil Aviation Organization の Annex 16 (国際民間航空条約第16付随書)に定めるところにより測定された離陸測定点と進入測定点における航空機の騒音値(当該騒音値のない航空機にあっては、当該航空機について、その製造国の政府機関の公表しているこれに準ずる騒音値)を相加平均して得られた値を用います。
算出式からも解るように、83 EPNdB を超える場合、1 EPNdB あたり¥3400が加算されます。
全日空さんのフリート・ギャラリーからのデータと、FAA: Federal Aviation Administration (米国連邦航空局)が公表している EPNdb を基に試算してみましょう。
*** Boeing747-400D ***
最大離陸重量:272トン---> 1650 × 272 =¥448800
EPNdB (参考):97 EPNdB (CF6-80C2B1F) ---> 3400 × 14 =¥47600
合計:¥496400
*** Boeing777-300 ***
最大離陸重量:234トン---> 1650 × 234 =¥386100
EPNdB (参考):94 EPNdB (PW4090) ---> 3400 × 11 =¥37400
合計:¥423500
*** Boeing767-300 ***
最大離陸重量:131トン---> 1550 × 131 =¥203050
EPNdB (参考):92 EPNdB (CF6-80C2B2) ---> 3400 × 9 =¥30600
合計:¥233650
*** Airbus A320 ***
最大離陸重量:67トン---> 1400 × 67 =¥93800
EPNdB (参考):93 EPNdB (CFM56-5A1) ---> 3400 × 10 =¥34000
合計:¥127800
となります。重量比例部分が大きいですね。
2.停留料
停留24時間ごとに航空機の重量を各級に区分して、順次に各料金率を適用して得た金額の合計額となります。6時間未満の停留は無料です。
(a)23トン以下の航空機
省略
(b)24トン以上の航空機
3.保安料
(1)他人の需要に応じ、旅客の運送を行なう航空機(ジェット機に限る)
離陸1回につき出発空港から運送された有償旅客数あたり¥100(消費税を含む)
(2)以下の場合は免除されます
-外交の航空機および公用の航空機
-緊急着陸直後の離陸
-行政当局に命令された着陸直後の離陸
-東京国際空港(羽田)から離陸する国際線
一例として、569席の Boeing747-400D が満席で離陸した場合には¥56900となります。
4.大阪国際空港(伊丹)の特別料金
(1)他人の需要に応じ、旅客の運送を行なう航空機(ジェット機に限る)
離陸および着陸1回につき運送された有償旅客数あたり¥300(消費税を含む)
(2)以下の場合は免除されます
-外交の航空機および公用の航空機
-緊急着陸直後の離陸
-行政当局に命令された着陸直後の離陸
一例として、524席の Boeing777-300 が満席で着陸し、折り返し満席で離陸した場合は、524 × 300 × 2 =¥314400となります。
5.消費税
5%
6.支払い
使用料は1ヶ月毎に納入告知書に示された支払期限までに支払わなければならない。ただし、空港事務所長の指示を受けた者は、次の方法により現金で支払わなければならない。
(1)着陸料は、着陸直後
(2)停留料は、停留を終わったとき
Boeing747-400D が一回着陸すると、航空会社は約50万円の着陸料を支払う必用がある訳ですね。
成田使用料65億円値下げへ 空港会社とIATA協議 (共同通信) - goo ニュース
※どの空港が国土交通大臣が設置管理に相当するかは、
国土交通省航空局の全国空港配置図
東京航空局の管内空港のプロフィール
大阪航空局の管轄飛行場 各管轄空港
などのページが参考になります。
例えば、東京国際(羽田)、大阪国際(伊丹)、新千歳、福岡、沖縄那覇などは国土交通大臣が設置管理者となっている空港です。
ちなみに、成田空港の設置管理者は成田国際空港(株)、中部国際空港セントレアのそれは中部国際空港株式会社、関西国際空港のそれは関西国際空港(株)ですので、ここで紹介する料金とは異なります。
1.着陸料(ターボジェット機の場合)
着陸料は(a)重量比例部分と(b)騒音比例部分の合計となります。
(a)重量比例部分の算出
航空機重量(トン) | 1トンあたりの料金 |
---|---|
25以下 | ¥1000 |
26~100 | ¥1400 |
101~200 | ¥1550 |
201以上 | ¥1650 |
(b)騒音比例部分の算出
¥3400 × (騒音値-83)EPNdB
ここで騒音値とは、ICAO: International Civil Aviation Organization の Annex 16 (国際民間航空条約第16付随書)に定めるところにより測定された離陸測定点と進入測定点における航空機の騒音値(当該騒音値のない航空機にあっては、当該航空機について、その製造国の政府機関の公表しているこれに準ずる騒音値)を相加平均して得られた値を用います。
算出式からも解るように、83 EPNdB を超える場合、1 EPNdB あたり¥3400が加算されます。
全日空さんのフリート・ギャラリーからのデータと、FAA: Federal Aviation Administration (米国連邦航空局)が公表している EPNdb を基に試算してみましょう。
*** Boeing747-400D ***
最大離陸重量:272トン---> 1650 × 272 =¥448800
EPNdB (参考):97 EPNdB (CF6-80C2B1F) ---> 3400 × 14 =¥47600
合計:¥496400
*** Boeing777-300 ***
最大離陸重量:234トン---> 1650 × 234 =¥386100
EPNdB (参考):94 EPNdB (PW4090) ---> 3400 × 11 =¥37400
合計:¥423500
*** Boeing767-300 ***
最大離陸重量:131トン---> 1550 × 131 =¥203050
EPNdB (参考):92 EPNdB (CF6-80C2B2) ---> 3400 × 9 =¥30600
合計:¥233650
*** Airbus A320 ***
最大離陸重量:67トン---> 1400 × 67 =¥93800
EPNdB (参考):93 EPNdB (CFM56-5A1) ---> 3400 × 10 =¥34000
合計:¥127800
となります。重量比例部分が大きいですね。
2.停留料
停留24時間ごとに航空機の重量を各級に区分して、順次に各料金率を適用して得た金額の合計額となります。6時間未満の停留は無料です。
(a)23トン以下の航空機
(b)24トン以上の航空機
航空機重量(トン) | 1トンあたりの料金 |
---|---|
25以下 | ¥90 |
26~100 | ¥80 |
101以上 | ¥70 |
3.保安料
(1)他人の需要に応じ、旅客の運送を行なう航空機(ジェット機に限る)
離陸1回につき出発空港から運送された有償旅客数あたり¥100(消費税を含む)
(2)以下の場合は免除されます
-外交の航空機および公用の航空機
-緊急着陸直後の離陸
-行政当局に命令された着陸直後の離陸
-東京国際空港(羽田)から離陸する国際線
一例として、569席の Boeing747-400D が満席で離陸した場合には¥56900となります。
4.大阪国際空港(伊丹)の特別料金
(1)他人の需要に応じ、旅客の運送を行なう航空機(ジェット機に限る)
離陸および着陸1回につき運送された有償旅客数あたり¥300(消費税を含む)
(2)以下の場合は免除されます
-外交の航空機および公用の航空機
-緊急着陸直後の離陸
-行政当局に命令された着陸直後の離陸
一例として、524席の Boeing777-300 が満席で着陸し、折り返し満席で離陸した場合は、524 × 300 × 2 =¥314400となります。
5.消費税
5%
6.支払い
使用料は1ヶ月毎に納入告知書に示された支払期限までに支払わなければならない。ただし、空港事務所長の指示を受けた者は、次の方法により現金で支払わなければならない。
(1)着陸料は、着陸直後
(2)停留料は、停留を終わったとき
Boeing747-400D が一回着陸すると、航空会社は約50万円の着陸料を支払う必用がある訳ですね。
成田使用料65億円値下げへ 空港会社とIATA協議 (共同通信) - goo ニュース
成田国際空港会社と国際航空運送協会(IATA)は16日、成田空港への着陸料など航空会社が空港に支払う「空港使用料」を年約65億円、約11%引き下げることで合意した。国土交通相に届け出た上で、10月から2008年度末まで新料金を適用する。
同社は昨年の民営化以来の経営努力で生じた利益を利用者に還元するとともに、「世界一高い」とされる着陸料値下げをアピールし空港の企業価値上昇を狙う。黒野匡彦社長は「IATAとの友好関係を維持しつつ合意に達したことは大変意義がある」と強調。空港使用料の大幅値下げは世界的にも珍しいという。
成田空港に乗り入れする航空会社の団体「成田国際空港航空会社運営協議会」は「成田が競争力を確保すべく、さらにコストを削減できるよう空港会社と緊密に協力したい」と将来のさらなる値下げを望むコメントを発表した。
2005年 9月16日 (金) 18:57
Comment ( 4 ) | Trackback ( 0 )
« またまた便乗... | 台風19号 LO... » |
ようやくパソコンが直って、パソコンに貼り付け状態のたまちゃんです(^^)この記事は私も新聞で読んだのですが、具体的な金額がいまいち想像できずにいました。PAXさんの今回の説明がとってもわかりやすく、ようやく理解できました。一日にものすごい金額が動いていますよね~。
こちらの説明だと、わざわざジャンボでSR型というものが設定されている理由もよく分かりますね。私の記事はそのあたりの突っ込みが足りなかったかな^^;。
ちなみに、最近思ったのは、飛行機の利用者のみならず、航空会社も空港にとっては「お客さん」であるということが、意外に見逃されているのかもしれない…ということですね。
パソコン、なおって良かったですね。あまり張付きすぎて、S/Uに間に合わなくならないように....。
本当に結構のお金が動いていますね。
一度、その「納入告知書」とやらを見てみたいものです。お役所に払うお金なので、上顧客割引?なんて無いのでしょうね。
トラバありがとうございました。
またまたネタが重なってしまいましたね^^;。
航空局発行のAIP JAPANの差替えを眺めていたら、たまたま着陸料の改定が入っていたので記事にしてみました。
おっしゃるように、空港管理者からすると、空港を利用する航空機・航空会社がお客様と言えますね。航空管制や航法支援設備などでサービスを提供しているわけですね。
ちなみに、飛行場利用料金、免除事項が結構あります。大体お察しはつくと思いますが....。機会があれば補足記事を書いてみますね(AIP JAPANはでかくて重いから嫌い)。