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(since 17 AUG 2005) |
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RNAV Route って
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/f4/257682ac27748b2f0388f3a7f8ab791b.jpg)
今や、携帯電話にもGPSが搭載され、屋外の見晴らしの良いところでは、そこそこの精度で自分の居場所が地図上に表示され、屋内でも、最寄の基地局情報を使っておおよその居場所が特定できる世の中となりました。
航空機の航法システムも当然のことながら進歩し、地上の航法支援施設( NDB, VOR, TACAN, DME など)を新設することなく、衛星を利用した航法システム GNSS: Global Navigation Satellite System や、航空機に搭載された自律航法装置(いわゆる、INS: Inertial Navigation System や IRS: Inertial Reference System )+ FMS: Flight Management System を利用することによって、航空路や標準出発経路・標準到着経路を設定できるようになってきました。
GNSS とは ICAO が提唱した(航法システムの)名称で、 ICAO Annex 10 Volume I Radio Navigation Aids に定義が書かれています。
GNSS を用いるための要件としては、次の4つが満たされる必要があります。
- Accuracy ... 精度(位置情報の正確さ)
- Integrity ... 完全性(情報が確実であること)
- Continuity ... 継続性(サービスが中断しない)
- Availability ... 利便性(稼働率の高さ)
このそれぞれに、さらに細かな要件が定められていますが、ここでは割愛します。
国際標準・勧告方式 SARPs: International Standards And Recommendation Practices では、 GNSS の構成要素として、以下を挙げています。
- 全地球的衛星測位システム
・ GPS: Global Positioning System
・ GLONASS: Global Navigation Satellite System
- 補強システム
・ ABAS: Aircraft Based Augmentation System *1
・ SBAS: Satellite Based Augmentation System *2
・ GBAS: Ground Based Augmentation System *3
- GNSS受信装置
*1 ABAS:衛星航法の補強を行う航空機に搭載されたシステム ... 自律航法装置はこれに相当します。
*2 SBAS:補強情報を静止衛星を介して航空機に提供するシステム ... 本邦では、運輸多目的衛星 MTSAT を経由して補強システム信号が送信されています。 MSAS: MTSAT Satellite-based Augmentation System と呼ばれています。
*3 GBAS:地上から補強情報を航空機に提供するシステム ... 従来からの地上の航法支援施設では、VORDME, ILS がこれに相当します。
このような、新たな航法システム(インフラ、定義、運用方式)を利用した航法のことを、広義で PBN: Performance Based Navigation 、意訳すると「性能・実行力を基にした航法」とでも言えましょうか、と言います。
今では本邦の上空にも RNAV Route (Yなんちゃら、Zなんちゃら)が網の目のようにはりめぐらされています。
※Zなんちゃら(現在は4本しかないけど)は、調整経路 っても呼ばれます [一昨年、駄文を書いてました]。
RNAV: Area Navigation (広域航法)とは;
地上航法支援施設やGPSから受信した信号をもとに自機の位置と次の地点へのコースを航法機器が算出して飛行する航法概念であり、地上航法支援施設からの信号の受信装置、自律(自蔵)航法装置もしくは衛星航法装置、またはこれらを組み合わせることによって飛行可能になる。
といったことが AIM-j には書かれています。
AIM-j には、また、
RNAV 経路は、従来の経路とは異なり、地上無線施設の配置等に左右されることなく(地上無線施設の直上を結ぶように経路を設定する必要がなく)、任意の地点を結んだ経路の設定が可能である。このため、地上無線施設を新設しなくても経路の設定が可能となる他、経路中心線の間隔が接近した平行経路や円弧状の経路の設定も可能である。これは空域の有効利用と円滑な航空交通の確保に効果があり、管制運用の柔軟性や効率的な運航等が期待できる。
とのメリットも記されています。
ここで、従来の経路と RNAV 経路との違いをイメージするために、お得意の拙い画を2つ用意しました。
図1は、従来の航空路の概念図を示したもので、地上航法支援装置(図では VORDME を想定した)間を結んだり、三点測量の原理で定義される交差点、 Intersection を用いて航空路が設定されます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/0b/8cfd579773a73b5feb61f81eeb42d100.jpg)
図1 従来の航空路の概念図
「目的地の空港近くまで真っ直ぐに飛びたい」と思っても、地上航法支援装置が発する電波は有限距離までしか到達しませんし(羽田に駐機中から、千歳の VORDME は受信できない .... 当然か)、地上航法支援装置からの距離が離れるにつれて、電波強度が弱くなることや、 VOR 無線局での1度の差に伴う横方向距離が大きくなることから、地上航法支援装置から離れるにつれて、航空路中心線から左右方向へのずれによる安全を確保するための Protect Area も広く設定しなければなりません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/79/7126a44b01cb73179b9471d074c5baf4.jpg)
図2 RNAV 航空路の概念図
これに対して、 RNAV Route では、『“任意の地点” Waypoint を結んだ経路の設定が可能 』となるので、図2に示すように、従来航法に比べて、ショートカットした効率的な経路を設定でき、それによって、飛行時間の短縮、 CO2 排出を減らし地球に優しい航空機の運航が可能になります。
Waypoint はどのように決められるか一つをとっても、またさらに細かくあるのですが、説明力不足+1万字の制限を越えそうなので、別の機会に譲ることとしましょう。
ざっくりと、緯度経度+それを補強するための手段により位置決めされている、と考えておいても間違いではないと思います。
RNAV 経路は、その成り立ちからも想像できるでしょうが、どんな飛行機,パイロットでも航行OKではありません。
航行するにはお大臣様(国土交通大臣)の許可が必要です。航空法第83条の2に定められた『特別な方式による航行』にあたるので、 RNAV 経路が RNAV システムの航法要件を満たしていること(インフラ側+航空機側)に加え、パイロットが教育・訓練を履修していなければなりません。
このなかの航法要件の一つとして、航法精度が出てきます。
Waypoint を結んだ線は幅0です。その上を、ドンピシャにトレースすることは所詮無理な話なので、経路中心線から左右にどれだけの距離精度で航行できるかを、 RNAV の航法要件として規定しています。
そこで「私は、どれだけ正確に飛べる性能・実行力 ( Performance ) を持ってますよ」ということを、フライトプランに明記します。
具体的には「 RNAV 種別 」「 RNP 種別 」を記入します。
「私は、全体の飛行時間の95%は、RNAV 経路中心線から左右それぞれ1マイルを逸れることなく航行できますよ」という場合には、RNAV1 or RNP1 、とか。
※厳密には横方向だけでなく、縦方向誤差にも適用されます。
ここで、 RNP: Required Navigation Performance なる新しい言葉が出てきました。
RNAV ~, RNP ~の両者は「経路の横方向の誤差は全飛行時間中の少なくとも95%はnマイルの範囲になければならない」という点では同じなのですが、 RNAV ペケペケと RNP ペケペケとが異なる点は、 RNP ペケペケ においては、機上装置自身で、航法性能を監視して、ペケペケの要件を満足しなくなったらパイロットに対して警報を発する、監視と警報機能“ On-Board Peformance Monitoring and Alerting ”を備えていることがその一つとしてあげられます[図3に概念図を示しました] 。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/79/16de42f46b27d4c1a26d3d2d4e292c57.jpg)
図3 RNAV と RNP との違い
RNAV 経路のなかにも、機上装置による精度監視と警報機能を必要とする( RNAV 航法能力に加え、航法能力の要件をも規定する)ものがあります[図4]。![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/8d/f50bfe906bd1e2b85b11519337589c55.jpg)
図4 監視と警報機能が必要とされる RNAV 航空路( RNP )の概念図
RNP は、その精度に応じ、 RNP10 (*), RNP4, RNP2, Basic RNP1, Advanced RNP1, RNP APPROACH, RNP AR APPROACH に区別されています。
* RNP10 は監視と警報機能を必要としていないが、 ICAO では RNAV10 ではなくて RNP10 の表記を容認している。
RNP AR APPROACH ともなると、RF: Radius to Fix 旋回といって、FMS のアシストによって旋回中も経路中心線を一定誤差( ICAO PBN Manual Draft 5.1 には、その水平方向精度は 0.1 ~ 0.3 NM 、垂直方向精度も√(理解不能な数式)フィートとの要件が示されている) 未満で飛行可能との要件も規定されるので、地形やその他の理由で、現状 ILS による精密進入を設定できない滑走路へも、精密進入が可能となり、安全性の向上や就航率の向上などが期待できます。
現在、本邦の RNAV 経路は RNAV5 の基準で、原則として、レーダ覆域でレーダ管制業務が提供されている場合に限定して運用されています。
また、羽田をはじめ、いくつかの空港では RNAV1 の基準に基づく RNAV SID や RNAV STAR が整備されている他、 RNAV 進入( RNP 0.3 = RNP APPROACH 移行過渡期 )が公示されている空港・滑走路も増えてきました。
2012年度を目処に、ノンレーダ空港も含めその路線の多くは RNAV 運航が可能とすべく、 RNAV 整備が行われているそうです。
航空機の航法能力もどんどん向上し、またそのような航空機の割合が増えてくるでしょうから、そう遠くない将来には、 RNP に基づく RNAV 運航が当たり前となる日がくることでしょう。
航空機の航法システムも当然のことながら進歩し、地上の航法支援施設( NDB, VOR, TACAN, DME など)を新設することなく、衛星を利用した航法システム GNSS: Global Navigation Satellite System や、航空機に搭載された自律航法装置(いわゆる、INS: Inertial Navigation System や IRS: Inertial Reference System )+ FMS: Flight Management System を利用することによって、航空路や標準出発経路・標準到着経路を設定できるようになってきました。
GNSS とは ICAO が提唱した(航法システムの)名称で、 ICAO Annex 10 Volume I Radio Navigation Aids に定義が書かれています。
GNSS を用いるための要件としては、次の4つが満たされる必要があります。
- Accuracy ... 精度(位置情報の正確さ)
- Integrity ... 完全性(情報が確実であること)
- Continuity ... 継続性(サービスが中断しない)
- Availability ... 利便性(稼働率の高さ)
このそれぞれに、さらに細かな要件が定められていますが、ここでは割愛します。
国際標準・勧告方式 SARPs: International Standards And Recommendation Practices では、 GNSS の構成要素として、以下を挙げています。
- 全地球的衛星測位システム
・ GPS: Global Positioning System
・ GLONASS: Global Navigation Satellite System
- 補強システム
・ ABAS: Aircraft Based Augmentation System *1
・ SBAS: Satellite Based Augmentation System *2
・ GBAS: Ground Based Augmentation System *3
- GNSS受信装置
*1 ABAS:衛星航法の補強を行う航空機に搭載されたシステム ... 自律航法装置はこれに相当します。
*2 SBAS:補強情報を静止衛星を介して航空機に提供するシステム ... 本邦では、運輸多目的衛星 MTSAT を経由して補強システム信号が送信されています。 MSAS: MTSAT Satellite-based Augmentation System と呼ばれています。
*3 GBAS:地上から補強情報を航空機に提供するシステム ... 従来からの地上の航法支援施設では、VORDME, ILS がこれに相当します。
このような、新たな航法システム(インフラ、定義、運用方式)を利用した航法のことを、広義で PBN: Performance Based Navigation 、意訳すると「性能・実行力を基にした航法」とでも言えましょうか、と言います。
今では本邦の上空にも RNAV Route (Yなんちゃら、Zなんちゃら)が網の目のようにはりめぐらされています。
※Zなんちゃら(現在は4本しかないけど)は、調整経路 っても呼ばれます [一昨年、駄文を書いてました]。
RNAV: Area Navigation (広域航法)とは;
地上航法支援施設やGPSから受信した信号をもとに自機の位置と次の地点へのコースを航法機器が算出して飛行する航法概念であり、地上航法支援施設からの信号の受信装置、自律(自蔵)航法装置もしくは衛星航法装置、またはこれらを組み合わせることによって飛行可能になる。
といったことが AIM-j には書かれています。
AIM-j には、また、
RNAV 経路は、従来の経路とは異なり、地上無線施設の配置等に左右されることなく(地上無線施設の直上を結ぶように経路を設定する必要がなく)、任意の地点を結んだ経路の設定が可能である。このため、地上無線施設を新設しなくても経路の設定が可能となる他、経路中心線の間隔が接近した平行経路や円弧状の経路の設定も可能である。これは空域の有効利用と円滑な航空交通の確保に効果があり、管制運用の柔軟性や効率的な運航等が期待できる。
とのメリットも記されています。
ここで、従来の経路と RNAV 経路との違いをイメージするために、お得意の拙い画を2つ用意しました。
図1は、従来の航空路の概念図を示したもので、地上航法支援装置(図では VORDME を想定した)間を結んだり、三点測量の原理で定義される交差点、 Intersection を用いて航空路が設定されます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/0b/8cfd579773a73b5feb61f81eeb42d100.jpg)
図1 従来の航空路の概念図
「目的地の空港近くまで真っ直ぐに飛びたい」と思っても、地上航法支援装置が発する電波は有限距離までしか到達しませんし(羽田に駐機中から、千歳の VORDME は受信できない .... 当然か)、地上航法支援装置からの距離が離れるにつれて、電波強度が弱くなることや、 VOR 無線局での1度の差に伴う横方向距離が大きくなることから、地上航法支援装置から離れるにつれて、航空路中心線から左右方向へのずれによる安全を確保するための Protect Area も広く設定しなければなりません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/79/7126a44b01cb73179b9471d074c5baf4.jpg)
図2 RNAV 航空路の概念図
これに対して、 RNAV Route では、『“任意の地点” Waypoint を結んだ経路の設定が可能 』となるので、図2に示すように、従来航法に比べて、ショートカットした効率的な経路を設定でき、それによって、飛行時間の短縮、 CO2 排出を減らし地球に優しい航空機の運航が可能になります。
Waypoint はどのように決められるか一つをとっても、またさらに細かくあるのですが、説明力不足+1万字の制限を越えそうなので、別の機会に譲ることとしましょう。
ざっくりと、緯度経度+それを補強するための手段により位置決めされている、と考えておいても間違いではないと思います。
RNAV 経路は、その成り立ちからも想像できるでしょうが、どんな飛行機,パイロットでも航行OKではありません。
航行するにはお大臣様(国土交通大臣)の許可が必要です。航空法第83条の2に定められた『特別な方式による航行』にあたるので、 RNAV 経路が RNAV システムの航法要件を満たしていること(インフラ側+航空機側)に加え、パイロットが教育・訓練を履修していなければなりません。
このなかの航法要件の一つとして、航法精度が出てきます。
Waypoint を結んだ線は幅0です。その上を、ドンピシャにトレースすることは所詮無理な話なので、経路中心線から左右にどれだけの距離精度で航行できるかを、 RNAV の航法要件として規定しています。
そこで「私は、どれだけ正確に飛べる性能・実行力 ( Performance ) を持ってますよ」ということを、フライトプランに明記します。
具体的には「 RNAV 種別 」「 RNP 種別 」を記入します。
「私は、全体の飛行時間の95%は、RNAV 経路中心線から左右それぞれ1マイルを逸れることなく航行できますよ」という場合には、RNAV1 or RNP1 、とか。
※厳密には横方向だけでなく、縦方向誤差にも適用されます。
ここで、 RNP: Required Navigation Performance なる新しい言葉が出てきました。
RNAV ~, RNP ~の両者は「経路の横方向の誤差は全飛行時間中の少なくとも95%はnマイルの範囲になければならない」という点では同じなのですが、 RNAV ペケペケと RNP ペケペケとが異なる点は、 RNP ペケペケ においては、機上装置自身で、航法性能を監視して、ペケペケの要件を満足しなくなったらパイロットに対して警報を発する、監視と警報機能“ On-Board Peformance Monitoring and Alerting ”を備えていることがその一つとしてあげられます[図3に概念図を示しました] 。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/79/16de42f46b27d4c1a26d3d2d4e292c57.jpg)
図3 RNAV と RNP との違い
RNAV 経路のなかにも、機上装置による精度監視と警報機能を必要とする( RNAV 航法能力に加え、航法能力の要件をも規定する)ものがあります[図4]。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/8d/f50bfe906bd1e2b85b11519337589c55.jpg)
図4 監視と警報機能が必要とされる RNAV 航空路( RNP )の概念図
RNP は、その精度に応じ、 RNP10 (*), RNP4, RNP2, Basic RNP1, Advanced RNP1, RNP APPROACH, RNP AR APPROACH に区別されています。
* RNP10 は監視と警報機能を必要としていないが、 ICAO では RNAV10 ではなくて RNP10 の表記を容認している。
RNP AR APPROACH ともなると、RF: Radius to Fix 旋回といって、FMS のアシストによって旋回中も経路中心線を一定誤差( ICAO PBN Manual Draft 5.1 には、その水平方向精度は 0.1 ~ 0.3 NM 、垂直方向精度も√(理解不能な数式)フィートとの要件が示されている) 未満で飛行可能との要件も規定されるので、地形やその他の理由で、現状 ILS による精密進入を設定できない滑走路へも、精密進入が可能となり、安全性の向上や就航率の向上などが期待できます。
現在、本邦の RNAV 経路は RNAV5 の基準で、原則として、レーダ覆域でレーダ管制業務が提供されている場合に限定して運用されています。
また、羽田をはじめ、いくつかの空港では RNAV1 の基準に基づく RNAV SID や RNAV STAR が整備されている他、 RNAV 進入( RNP 0.3 = RNP APPROACH 移行過渡期 )が公示されている空港・滑走路も増えてきました。
2012年度を目処に、ノンレーダ空港も含めその路線の多くは RNAV 運航が可能とすべく、 RNAV 整備が行われているそうです。
航空機の航法能力もどんどん向上し、またそのような航空機の割合が増えてくるでしょうから、そう遠くない将来には、 RNP に基づく RNAV 運航が当たり前となる日がくることでしょう。
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« CJC3407/12FEB... | 休止... » |
毎回ながら、内容の濃いアカデミックなブログ。本当に勉強になります。
と、同時に自分のブログの内容のなさに落ち込んでます(涙)
その昔、とある本で
「航空機側の位置情報の精度が上がれば、滑走路のそばに数箇所、位置基準点を設けて、そこで計測されたGPSの誤差情報を元にして、他の地上支援施設なしで着陸する時代が来る。滑走路と基準点用の無線施設だけあればいい」
なんてのがあったんですが、当時は「それはないだろ~」って思ってましたが、なんだかロシアと中国(あとヨーロッパ各国も)が本腰いれてGPSの代替システムを構築しようとしている現代、GPSとサブシステムがあれば、あながち荒唐無稽な話ではないですね。
>RNAV 運航が当たり前
ですね。この時代は確実に来ますね。
自分の脳みそも時代に追いつくように"アップグレード"しないと(トホホ)。
トランスロケーション方式では精度が数メートルですが、干渉測位方式では数センチメートルだそうです。
いずれも、GPS衛星だけではなく地上の位置が固定された施設(精度向上のためには滑走路に近いほうが望ましい)で複数のGPS衛星電波を受けて、得られた補正情報を飛行機に送る必要があります。つまり、地上支援施設なしではできないということです。
ところで、中国やロシアが自前の衛星システムを構築しようとしていますが、自国内では自国のシステムを使うよう要求してくるかも知れません(有料になったら恐い)。
最後に、GNSSは他の地上支援施設なしという究極の航法援助施設にはなり得ません。電波を使う以上、妨害(テロ)ということが可能ですから。
コメントをありがとうございました。
PBN: Performance Based Navigation は今まさに現在進行形で進歩中であり、「当たり前」「主流」になるには、幾つかの壁があるのもまた事実です。
PBN は Flight の各 Phase により、求められる精度要件も差異がありますし、何を第一義に考えるかも当然異なります。
洋上管制下では( CPDLC, ADS-C と共に) Lateral / Longitudinal Separation の短縮を実現する一要素としての役割が大きいでしょうし、レーダ覆域下では、 Linear な Protection Area や経路設定における自由度の高さがウリの一つになるでしょう。
オペレータサイドからは、RPN 適合機は Track Center から Offset Track での運航ができたりと、過密した航空交通流下でも安全性・快適性の向上にも寄与します。
お二方をはじめ読者の皆様には“釈迦に説法”でありますが、今日の技術は、 object oriented を超えて aspect oriented で捉えなければなりません。
> GNSSは他の地上支援施設なしという究極の航法援助施設にはなり得ません
は、その意味でも至極当然かと思います。
> 電波を使う以上~
は、何も GNSS に限ったことではなく、地上の航法支援施設にも当てはまることですから....。
「RNAV1はレーダー覆域内に設定すること」「RNAV5は原則レーダー覆域内に設定すること」と飛行方式設定基準にかいてあるのですが、原則以外のレーダー覆域外に設定されているRNAV5ルートがどこかにあるのでしょうか?
もしご存じなら教えてください。
capsingle990@gmail.com
09054158811
このところ 全くと言っていいくらい 学んでない上に退化が激しいので、不確か前提で流して下さい。
レーダ覆域外に設定されるRNAV5はありません。
理由:
RNAVルートでは、RNPと異なり、機上の精度監視と警報機能が求められていません。
つまり、飛んでる側ではルートから逸脱しても「気付き」のきっかけがありません。となると、下から見ててあげて、逸脱に気付いたり、CONFLICT ALERTが鳴るといった万が一のときの地上からのアシストは必須です。
そもそも、RNAVが先行発進していたところに、概念の革新により、RNP、PBN が出現しました。似て非なるTermが出来あがっちゃった(それらの機能定義に使われる単語が同じであったりもする)ことが、混乱のもとなので、何とかせねば、とICAOなどが動いているようです(例えば、RNPSORSG: Required Navigation Performance Special Operations Requirements Study Group もはや追従不可能)。現状、別々の「RNAV Specification」と「RNP Specification」とを調和(Harmonize)しようという動きです。
現状、「RNAV Specification」は以下の2つの指定区分です。
1. RNAV 10:洋上、および、地上でもレーダー覆域外(所謂 Remote)
2. RNAV 5, RNAV 2, RNAV 1: En Route & Terminal navigation 向け
Flight Phase と RNAV ペケペケとの対応は、ICAO PBN Manual (Doc 9613, AN/937)3rd Edition の中に良い表がありますので、以下に引用させていただきます。(RNP ペケペケも含まれてます)
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/a6/8452ab35d945cd1da99b4c7c4bb4b47f.jpg
大雑把で不確実な返信で申し訳ありません。