徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

路面電車か…、富山へ飛びますか

 富山市でLRT: Light Rail Transit (軽量軌道交通)が開業したそうです。富山、1年過ぎてしまったからまた飛びたいなぁ....。

広島電鉄のLRV運転席からタイトル画像は数年前に広島を訪れた際に広電宮島口(※宮島厳島神社観光が目的でありましたよ)で撮影した「広島電鉄」の超低床電車(LRV: Light Rail Vehicle )です。

路面電車と言って侮ることなかれ、速度計に刻まれた最高速度は時速80kmです。
広島電鉄LRV速度計
勿論、専用軌道区間でなければそんなに速度は出しません。路面電車区間で爆走された日には、事故は必至ですからね。

このLRT、殊にバリア・フリーに配慮したLRVはヨーロッパでは随分と前から普及しており、町の景色に溶け込んでいます。

昔のことですが(何せ20世紀でしたから)、ヘルシンキを訪れたときには、街外れのホテルから街中散策にでかけるのに路面電車(トラム)には随分とお世話になったものです。

さて、鶴社は撤退してしまいましたが、羽田-富山はお天気が良ければ絶好の観光フライト路線と言えるでしょう。

羽田を離陸した機は、ZAMA SEVEN DEPARTURE をトレース、東京湾内で高度をかせぎながら右旋回、鶴見つばさ橋上空付近では既に 13000ft (約4000m)以上まで上昇しなければなりません。

この ZAMA SEVEN DEPARTURE は、管制サイドではこれから夏場にかけて機体の上昇率が気になるところですし、PF: Pilot Flying には、長い時間右旋回が求められるので Manual Control で飛ばしているときには、一定したバンク角維持(Boeing 777の場合は25度)の技量が問われるところであります(むしろ胃が痛いのは PNF: Pilot Not Flying のライン教官の方かな)。

客席の窓からエルロンの動きを見ていると、大体だれが操縦しているのかが解ります(Autopilotくんも含めて)。

FD: Flight Director をフォローしようと懸命に舵をバタバタ動かすのはいただけませんな。エルロンと一緒にお客様の首も振れてイヤイヤしてしまうというものです。

Fly by Wire 機であることとも関連があるのでしょうが、Boeing 777 では "Rate Command/Attitude Hold" という制御則( Control Law )があって、FD Command Bar を中央にもって来ようと操縦桿をいじるより、いっそ手を離してしまった方が良いのです。そうすれば Rate Command/Attitude Hold に則って、Pitch と Bank が維持されますよ。

随分と脱線してしまいました。引用記事は路面電車だと言うのに....。

そうそう、羽田を離陸して ZAMA SEVEN DEPATURE で上昇し続ける機は、座間無線標識( DF NDB :相模原市)上空で進路を北西にとり、一路松本( MBE VORDME )へ向かいます。
※九州や西日本(2月に開港した神戸空港もこのルート)へ向かう便は、DF NDB で西に変進し、富士山のちょっと北側を通って名古屋( KCC VORTAC )へ向かいます。
諏訪湖
羽田から富山までの飛行時間は50分足らずなので、それほど高高度までは上がりません(大体は FL240, FL260 )。[高高度の方が巡航時の燃費効率は良いのですが、フライトの殆どが上昇と降下ではねぇ]
(羽田から富山のフライトでは FL240 がこのルートの下限高度となります[ ZAMA SEVEN DEPARTURE / MATSUMOTO TRANSITION では、松本無線標識 MBE VORDME の手前約65kmを FL240 約7300m以上で飛行する旨の制限があるため])
それに加え、座間から北西に向かうこのルートでは、南アルプスや諏訪湖、松本盆地、北アルプスの山々など変化に富んだ絶景を楽しむことができるのです。

松本空港を眼下に

※二つの写真は、右上が「東側から見下ろした諏訪湖の風景」で湖畔に広がる諏訪の街並みも写っています。
左上は、「松本空港の北側上空からの松本盆地の風景」で、ちょうど真ん中に松本空港の滑走路が見えます。

北アルプスの山々

そうこうしているうちに、機は高度を下げはじめ、富山湾の上空でほぼ180度旋回するとともに高度を下げ、富山市市街地上空を通過して、神通川沿いの富山空港へ着陸します。

富山空港に並ぶ青社と鶴社の767


今年は雪解けが例年よりも遅いらしいですね。残雪のアルプスの山々を左手に羽田-富山、お勧め路線の一つです。

で、富山に着いたら是非“富山ライトレール”で路面電車の旅も...。


次世代路面電車、そろり出発進行…富山市 (読売新聞) - goo ニュース
 大型連休初日の29日、富山市では、既存のJRの線路を活用した次世代型路面電車(LRT)が運行を開始した。Photo from goo News
立山連峰をイメージした白を基調とした新車両が残雪の山並みを背に市内を走行し、観光客らを楽しませた。

 路面電車は2月末に営業を終了したJR富山港線の6・5キロのほか、道路上に新設した1・1キロのレールを使用。低床、低騒音が特徴で、市の第3セクター「富山ライトレール」が運営する。

 午前5時57分発の始発電車には徹夜組も含めた約150人が並んだ。挙式予定のカップルが運転士に記念の花束を贈った後、電車は静かに出発した。


次世代路面電車が発車式 富山、JR路線引き継ぎ初 (共同通信) - Yahoo! ニュース
 全国で初めて、JR路線を引き継ぐライトレール(次世代型路面電車、LRT)として再出発する第3セクター「富山ライトレール」(社長・森雅志富山市長)が29日の本格開業を前に28日、富山市の始発停留所で発車式をした。
 公募で「ポートラム」と愛称が付いた車両はすべてがバリアフリーに配慮した低床型。立山の新雪をモチーフにした白い車両が滑るように走りだすと、沿道の子供たちから歓声が上がった。
 JR富山駅と富山港近くを結ぶ路線は全長7・6キロで、2月末に営業を終了したJR富山港線の線路を譲り受け、さらに1・1キロの軌道を新設した。将来は同駅南側を走る路面電車と接続する。
 LRTは低床型車両を導入し、乗り降りが簡単になるよう停留所を改良するなど人に優しい設計で、大量輸送も可能。国内では「広島電鉄」などが導入している。

(共同通信) - 4月28日20時10分更新
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世間は正直ですな - 数字は語るよ

 世の中、数字が全てではないとは言うものの、やはり業界・公私・老若男女を問わず“数字”は気になるものです。

航空会社経営としては、「搭乗率」は経営計画上重要な数字であるのは今更言うまでもありません。

掟破りの「たら・れば」ですが、ずさんな整備体制が叩かれたあの一連のことが無ければ、あるいは明るみにならず闇に葬り去られていたならば、この初便は相応の「搭乗率」になったことでしょう。
少なくとも一般的な採算ラインと言われる60%は上回ったのではないかと思われます。

やはり一万円ポッキリでも、国交省の専属チームが集中監査を実施中での条件付認可されたキャリアは敬遠された、と言うことですな。

(不適切発言)
「一万円ポッキリ」は結構ですが、その結果、大事なところ(機体構造部とかパイロンとか脚とか)がポッキリいってしまったらとんだ災難ですからね。


流石は道産子、同じ Boeing767 でもエア・ドゥの方が好いってことでしょう。

余計なお世話ですが、某社長さんのコメントも少しばかり動揺している様でなかなかユニークです。
凝縮されたコメントですから、少しばかり補っておきましょう。

『夏季の利用者は[「羽田~新千歳」全体のパイで見れば]多く、搭乗率は心配していない[し、それどころか今はとても搭乗率など気にはしておられない。会社の体制立て直しが急務であり、下手をすると夏季には撤退する可能性もゼロではない]。(エア・ドゥより座席数が多いため)[満席になれば]搭乗者は多い[し、その分お客様には窮屈を強いることになるが、結果として安全性には問題ない]』


スカイマーク新千歳―羽田が就航 安いのにガラガラ (朝日新聞) - goo ニュース
 年間900万人余りが利用する国内一の基幹路線・羽田―新千歳線に28日、スカイマークエアラインズ(東京)が就航し、第1便が午前8時22分に新千歳空港に到着した。普通運賃は大手の約3万円に対し格安の1万円(6月3日から1万6000円)。しかし、他社の値下げや既存路線の運航トラブルが響き、第1便は空席が6割を占めた。

 同路線は全日空(ANA)、日本航空(JAL)、北海道国際航空(エア・ドゥ、ANAと共同運航)の3社が分け合ってきたが、スカイ社参入で座席供給量が2割増え、各社は猛烈な値下げを始めた。大手2社が前日購入割引を最安値1万4500円(3月までは2万4700円)、エア・ドゥは当日も買える道民割引を9500円(同1万9400円)にするなどしている。

 修理期限を過ぎた機体を運航させるなどした不祥事も影響してスカイ社の連休中の予約率が54.6%にとどまる一方、エア・ドゥは同期間中の予約が前年を1万人上回って、予約率は92%(前年同期比23.4ポイント増)で過去最高。

2006年 4月28日 (金) 14:35
寂しいスカイマーク第1便、新千歳発の客は46% (読売新聞) - Yahoo! ニュース
 スカイマークエアラインズ(東京)の新千歳―羽田線が28日、就航した。1日10往復20便を運航する。

 片道1万円の破格の運賃で顧客確保を狙ったが、他路線での整備ミスが相次いだこともあり、新千歳空港からの第1便の搭乗率は46・0%にとどまった。

 道内在住者などを対象に9500円の価格を設定した北海道国際航空(エア・ドゥ、札幌市)の新千歳発の第1便はほぼ満席で、明暗を分けた格好。

 大型連休期間(4月28日~5月7日)の予約率(21日時点)も54・6%と、エア・ドゥの92・0%、全日空(71・2%)、日本航空(67・2%)と比べると、一番低い。

 スカイマークエアラインズの西久保慎一社長は、低い予約率について「夏季の利用者は多く、搭乗率は心配していない。(エア・ドゥより座席数が多いため)搭乗者は多い」と話した。

(読売新聞) - 4月28日13時56分更新
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ATC TRANSPONDER を備える実験重気球

 高層気象観測用の気球、所謂ラジオゾンデは毎日二回、0000Z と 1200Z (日本時間の午前9時と午後9時)に全国18箇所からリリースされており、約1時間半かけて成層圏にまで上昇し、大気断面図作成等に必用な高層気象観測データを地上に送信しています。

(ラジオゾンデがどのようなものかは、鹿児島地方気象台高層課のこちらをご参照下さい)

飛行中の航空機が、この観測気球にぶつかる可能性はほぼゼロでしょうし、仮に高空を高速で飛んでいる航空機が万が一ぶつかったとしても、航空機側には殆どダメージがなく、お釈迦になるのはバルーンとゾンデの方でしょう。

ところが、この気球も巨大化してくると NOTAM: NOtice To AirMen で事前に注意喚起がなされます。
当該 NOTAM では、気球の形状やリリース・ポイントとリリース時刻、上昇予想領域、落下予想領域とそれらの時間帯が報じられます。

と、ここまでは日常茶飯事であり、特に吃驚することではありません。

が、先日配達された
 『情報の有効期間中、AIP第1分冊の巻末にファイルのこと。』
と記された黄色い紙切れ、AIP SUPPLEMENT 航空路誌補足版を眺めていて、「おっ」と驚いたことがありました。

【重気球放球実験について】と題した Nr ???/06 がそれです。

※実験目的でありますし、残念ながらこのようなご時世ですから、詳細はセキュリティの観点から現時点ではお預けです。

今回放球される気球は“重気球”というだけあって、総重量が何と800kg、気球直径が79mに達するものも含まれているのです。

直径79mというと、Boeing 777-300 の全長 242 feet 4 inch (73.9m)をも上回る大きさですし、総重量が800kgにもなると、軽々と舞い上がることも難しいでしょう。

流石にここまでくると、飛行中の航空機にぶつかったりしたらダメージ・ゼロでは済まされません。

当然実験する側(“重気球”を放球する側)もそのことを認識しており、パラシュート(実験観測計器を地上・海上に激突させることなくゆっくり降下させるための必需品です)は赤白に、実験観測計器は橙色と白に着色し視認性を向上させているだけではなく、閃光灯( FLASHING LIGHT )も装着しています。

今回吃驚したのは、実験観測計器が航空管制レーダ二次識別用の「 ATC TRANSPONDER 」を積んでいることです。
Boeing777 ND with TCAS Symbol
言われてみれば、放球時にトランスポンダー・コードをセットすれば、気球の高度は勿論のこと、上昇率や速度も観測機器から得られる訳で、TRANSPONDER を備えていれば、管制レーダからの質問信号に応答する十分な情報は得られるのですね。

これで、航空管制レーダにも「未確認ターゲット」ではなく『我輩は重気球である』としっかり映りますから、万一航空機が気球に接近する危険性があるときには、航空機に Traffic?? Information を送信するすることも可能になります。

公示された情報には、“ with ATC TRANSPONDER ”とだけ記されているので、正確には解りませんが、仮に当該トランスポンダーが Mode C であれば、Cockpit の TCAS: Traffic alert and Collision System (航空機衝突防止装置)にも◇マークが表示され、当該重気球に接近し衝突のおそれがある範囲内に入ると TA: Traffic Advisory, RA: Resolution Advisory が発せられる訳です。

気球にも ATC TRANSPONDER、時代は変わりましたね。
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グ~ッ

 いささか時期を逸してしまいましたが、先週19日の夜はブログ編集画面にログインすることが出来ず、大変な不自由を強いられました。

偶然にも当該日午後に例によって大雑把な投稿をしたため、それを修正しようと思ったのですが、ログインできないのではどうすることも出来ません。

仕方なく、いつにもまして酷い文章をさらけ出す羽目になってしまいました。

goo ブログに関しては、これまでにも何度となく辛酸をなめさせられてきたのですが、今回に至っては“怒りを通り越してあきらめの境地”でありました。

いましばらくお待ちください

これでも、「goo アドバンスパッケージ」という有償サービスを利用しており、月々に幾許かのサービス対価を徴収されている訳なのですが、所詮、タダ+アルファの額ですから、“天下の電電公社”の血を受け継ぐ「NTTリゾナント」にしてみれば、『タダ同然で使わせてやっているのだからギャーギャー騒ぐな』というところなのでしょう。

ご報告画面 でもまだログインできない

正しく、「只ほど高いものはない」です。
ただ【只】

それをすることによって、相手から当然△要求されるはずの代価(受けるはずの報酬)が無いことを表わす。

Shin Meikai Kokugo Dictionary, 5th edition © Sanseido Co., Ltd. 1972,1974,1981,1989,1997


少なくとも「NTTリゾナント」に関しては、航空関係の基幹システムに乗り出してくることはないでしょうから、危機意識を馬鹿にしているレベルの要員が航空の安全を脅かすことは無いと願いたいです。

が、彼らのご本尊様である“電電公社”は、その昔から本邦の通信回線を牛耳ってきた訳で、今でもかなりの部分がそのインフラに乗っかっているのだ、ということを考えるとハラハラものです。

災害時の回線確保など基幹部分での危機管理体制がちゃんとできているのでしょうか。

プライドに加え、区別ではなく差別意識が強い連中ですから、今回の goo ブログのトラブルなど、『100% 子会社の「NTTレゾナント」、知らんなそんな会社。そんなとこと同じにしてもらっては困るよ』と一笑にふされそうですが、DNAではどこか共通する部分もあるように思えるのであります。

きっと、危機管理を発揮しなければならない状態に陥ったときにその正体が明らかになることでしょう。
....それでは遅いのですが....。

 【今後このような不具合を発生させないよう対策を徹底してまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。】

と言われましても。「よろしくお願い」された方は、何をどうすれば良いのでしょう。


gooIDサービスにおいて発生していた障害について
4月19日20時ごろより、gooIDを使用するサービスにログインしづらい状態になっておりました。現在も一部で障害が発生しており、状況はこちらのページでアナウンスを継続しております。

また、この不具合にともない、gooブログアドバンス(月額200円 税込み)の販売開始を誠に勝手ながら延期させていただくこととなりました。再開のめどが立ち次第、速やかに告知致します。

ユーザーの皆様には大変ご迷惑をおかけ致しますことを、心よりお詫び申し上げます。

gooブログスタッフ 渡邊
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風防にはひびも入りますよね - 頑張れSNA

 高度1万メートルもの上空を対気速度800km/h前後で頻繁に飛んでいて、風圧をもろに受け、雨・あられ・雹にもさらされ、火山灰や黄砂などの細かい粒子により傷だって付くのですから、そりゃぁ経年で“ひび”だって入りますよ。

登録記号が不明なので何とも言えませんが、SNA:スカイネットアジア航空の初便の就航は平成14年8月1日です。今でこそ Boeing737-400 6機体勢で運用していますが、就航当初は JA737A, JA737B [登録は同年2月]2機のリース機で運航を開始しました。
※今の機体も全てリース(機体製造年は1992~8年)です。

SNAは就航路線も限られてますし、機体間で飛行サイクルもばらつきが少ないでしょうから、時期同じくして“ひび”がはいる事だって有り得るでしょう。

それに、Cockpit の窓(前面のそれは Windshield:風防って言います)は記事にもあるように5重構造で、厚さ1cmを超えるガラスを2枚、間にビニール層を挟み積層し、一番外側には厚さ数ミリの強化ガラス、強化ガラスと2枚の積層との間にもビニール層が挟まり計5層となっているので、一番外側の強化ガラスに“ひび”がはいっても、それで風防がすぐに壊れることはありません。
(むしろ、ひびが雲の巣状に全面に広がり、視界を妨げる事の方が安全性上は厄介でしょう)

それを、さも危機感を煽るように また なんて修飾語つけちゃって。
無知(+最近老眼進行気味)な小生は、記事の見出しだけ見たときは「またひび」っていう生き物がいて【「猫に木天蓼」の木天蓼という植物があるのだから「またひび」だってあるかもしれないと思った】、それが Bird Strike よろしく窓にぶつかったのか、と思ってしまいました。

このところ、国交省が他所様に出入りしているから気が引き締まっているのかもしれませんが、以下の プレスリリース などを見ると、「おぉ、Proactive に動いてるねぇ」と感心した次第です。
欠航便について(4月4日~5日)

スカイネットアジア航空株式会社(本社:宮崎県宮崎市 代表取締役社長:藤原 民雄)は、下記の対象便に関しまして、機材のエンジン不具合、および機材繰りのため欠航といたしましたので、ご報告申し上げます。

当該機(ボーイング社製737-400型機)は、4月3日(月)17便として熊本空港へ降下中、左エンジンの不具合を示す警告灯が点灯しました。点検した結果、詳細な検査が必要と判断し、当該エンジンを交換することとしました。

ご予約をいただいておりますお客様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解いただきますよう何卒よろしくお願いいたします。
この4月からは羽田の第2ターミナルへお引越しをして、“引越し貧乏”(大変失礼)のところに出費がかさんで大変でしょうが、頑張って下さい。


SNA機、コックピットの窓にまたひび (朝日新聞) - goo ニュース
 18日午後5時半ごろ、四国上空を飛行中の長崎発羽田行きスカイネットアジア航空(SNA)40便のコックピットの窓ガラスにひびが入った。機長が運航に支障がないと判断して飛行を続け、午後6時55分に羽田空港に到着した。

 SNAによると、機体はボーイング737―400型機で、副操縦士側のフロントガラスに約20センチのひびが入った。窓は5重構造で、ひびは外側の1枚だけという。

 SNAでは11日にも宮崎発羽田行きの同型機のフロントガラスにひびが入るトラブルがあった。運航統制室は「原因はいろいろ考えられ、解明には時間がかかりそうだ」と話している。

 ガラスの交換作業で、18日の羽田発宮崎行き1便が欠航した。

2006年 4月18日 (火) 21:32
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酒気帯び操縦

 と言っても、今回はエアライン・パイロットではありません。そうそうライン・パイロットが酒気帯び操縦するような世の中になったら、それこそ世も末でありましょう。

事故にならずに幸いでしたが、この酒気帯び操縦はジェネアビのパイロットです。

ドイツで(多分ビールでしょうね;それともワインかな)酒に酔って気分は上々のオッサンが軽飛行機に乗り込み離陸。
離陸したのはフランクフルト郊外の飛行場とのことですから、近くには FRANKFURT/MAIN (EDDF) 国際空港があり、空域としては少々古いチャートを見ても、CLASS C が広範囲に広がっています。
※目的地と記されている HAHN (EDFH) 空港は、FRANKFURT/MAIN の CLASS C の外側にあります。MAIN 国際空港との直線距離は約 50 NM (約90km)です。

CLASS C 空域を飛行する航空機は "Continuous two-way" RADIO COMMUNICATION が要求されていますから、当然、管制サイドは当該軽飛行機に呼びかけたのでしょうが、まさか管制官は相手のオッサンが酔っぱらいとは思っても見なかったでしょう。
管制官が Separation を確保するために、飛行方位や高度などを指示してもそれに従った動きをしていないのはレーダー画面見ていれば一発で解りますからねぇ。
こりゃおかしい、となった頃には上機嫌のオッサン、悪天候の中 lost position となり、警察当局のヘリが出動。ヘリに誘導されて何とも羨ましいことに、天下の MAIN 国際空港に誘導され着陸したとのこと。

欧米では、定期民間航空機とジェネアビとを原則として同等に扱いますから、ジェネアビが肩身の狭い思いをすることはあまりありません(勿論、空域によっては多少の制限はありますが、それに従って飛行すればジェネアビだから云々、と言うことはまずありません)。
それ故、ライセンス保有者が空を飛ぶ機会も少なくありません。

ジェネアビの飛行機とエアラインの飛行機が上手く共存しているのですが、このようなルール違反はいけません。

流石に、このオッサン、御用となってしまったようです。

不謹慎ではありますが、酔っぱらっていたのによく着陸できましたね。総飛行時間を知る由もありませんが、御年も考えると、相当に操縦経験が豊富だったのかも知れません。


【こぼれ話】酒酔いパイロットのせいで数十便が遅延=独フランクフルト空港 (時事通信) - goo ニュース
【フランクフルト14日】ドイツのフランクフルト近郊で66歳のパイロットが酒に酔ったまま軽飛行機を離陸させて騒ぎになり、欧州最大の空港の1つであるフランクフルト国際空港で旅客機数十便の運航が遅延するなど大混乱になった。

このパイロットは13日、フランフルト近郊の飛行場から軽飛行機で飛び立ったが、間もなく、パイロットが管制官の指示に従っていないことが判明。軽飛行機は近くのハーンの飛行場に着陸する予定だったが、悪天候の中で方向を見失い、警察のヘリコプターの誘導でフランクフルト国際空港に無事着陸した。

このパイロットの血液からは1リットル当たり1.74グラムのアルコールが検出され、逮捕された。

この騒ぎでフランクフルト空港ではルフトハンザ航空機だけで30便に遅延が生じた。〔AFP=時事〕

2006年 4月15日 (土) 17:45
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どうしたもか…

 もうこうなるとボロボロですな。

マスメディアには極力『SKYがまた』などと書かないで頂きたいのですが。なぜなら某社のS氏が『矛先がそれた』と自分に都合よく解釈して、『自分の力で再生への道を歩んでいる。やはり続投だ!』などと勘違いして、とんでもない副作用を生む可能性がありますから。

昨日投稿した「エア・デカン」の酒気帯び乗務と類似した部分があります。
国交省の特別監査が実施されなければ、この一件は闇に葬られたであろう、ということです。

全く情けない限りです。

そもそも、国交省の特別監査はスカイマークの現状を把握し、それに応じた適切な建議・指導をするのが筋だと思うのですが、経緯が経緯だけにどうしても“粗捜し”になってしまうのでしょうね。

引用記事に一部には、
 「同省は規定違反にあたるものの、安全に支障をきたすほど重大な内容ではないと判断している」
と書いてありますが、NTSB: National Transportation Safety Board (米国国家運輸安全委員会)の委員が聞いたら、その能天気さに気絶してしまうかもしれません。

「安全に支障をきたすほど重大な内容ではないと」判断した論拠はどこにあるのですかね。
Boeing 社の Recommendation の50飛行サイクルというのは、充分に安全が担保された値であるということを多面的に検討した結果での判断なのでしょうか。

そもそも、50飛行サイクルという値は、最大許容値であり、理想的なのは Carry Over せずに、その場で可及的速やかに修理することであります。

ただ、オフライン・ステーションである場合や、パーツ手配の都合などで、当該要修理箇所が発覚してから、一度も飛行しないことは困難なことでしょう。

そのようなことを考慮して、Boeing では最大許容飛行サイクルを定めている訳であり、必ずしも50飛行サイクルを安全担保しているのでは無いと考えるのが整備本部や運航本部のトップに立つ者の危機管理意識と言えるでしょう。

被雷して損傷を発見したのが福岡であり、当該箇所を修理できるのが羽田であるのだとしたら、羽田までは Ferry (お客様を乗せずに乗員のみでの運航)して、そこで即座にライン稼動から外し、修理するのが整備や運航サイドの取るべき姿勢であり、そのトップに立つ者は、営業や経営に「安全が担保されない機体にお客様をお乗せして運航することは出来ない」と確固たる信念を貫き通すべきだと思います。

高高度を飛行する現代の旅客機は、飛行サイクルの度に、外気圧と機内与圧との関係から機体構造部には大きな力がかかります。
未修理期間中に当該リベットが直接的原因となる機体破損は発生しなくとも、未修理で飛行サイクルを繰り返すことにより、副作用として他の部位で金属疲労が進んだりすることもあり得る訳で、それが引き金となる機体破損が起こらないとも限りません。

 「さらに、昨年12月、同社の一部コンピューターシステムでハードディスクが壊れ」
って、バックアップはとってなかったのでしょうか。

 「完全復旧には約2カ月かかる見通し」
って、復旧するまでのその二ヶ月間は、整備期限を超過してのライン稼動もあり得るということなのでしょうか。

“壊れない機械は無い”という危機意識が欠如しているから、まさかハードディスクがぶっ壊れることなどは想定していなかったのでしょうね。

スカイマーク、正念場ですね。


SKYがまた修理期限超過 落雷で部品損傷の機体運航 (共同通信) - goo ニュース
 スカイマークエアラインズ(SKY)が2月、落雷で損傷した部品の修理期限を超過したまま、機体を運航させていたことが、国土交通省の14日までの特別監査で分かった。

SKYによる修理期限超過が発覚したのは2回目。国交省は超過の理由や経緯を詳しく調べている。

国交省によると、福岡空港に着陸する直前のボーイング767で2月7日、落雷を受け機体前方右側のリベットが損傷。点検の結果、飛行50回までに修理が必要だったが、同機は2月14日までに55回飛行していたという。

また同社の整備部門で昨年12月、部品管理システムのデータベースが故障しデータが一時消えていたことも判明。代替システムを使用し運航に支障はなかったが、国交省が約2週間後に立ち入り検査するまで報告していなかったという。

2006年 4月14日 (金) 11:44
SKY機、リベット破損したまま飛行 (朝日新聞) - goo ニュース
 スカイマークエアラインズ(SKY)が、社内規定に違反してジェット機のリベット(留め金具)が損傷したまま修理期限を超えて運航していたり、修理記録を適切につけていなかったりしていたことが分かった。国土交通省の立ち入り検査で判明したもので、同省は規定違反にあたるものの、安全に支障をきたすほど重大な内容ではないと判断している。

 国交省によると、リベットの損傷があったのは2月7日。福岡空港に向けて飛行中のボーイング767型機が落雷に遭い、機体前方右側のリベット(直径約7ミリ)1本が傷付いた。社内規定では50回飛行する前に修理することになっていたが、5回超過してから修理していた。ボーイング社のマニュアルに基づいて社内規定が作られており、規定された飛行回数を超えると安全への信頼性が保証されない、という。

 2月21日には、羽田~神戸線を運航している同737型機の後方貨物室の火災警報灯に不具合が発生。2日後に修理されたが、修理記録に完了したことを示す記載がなく、今月4日、同省の検査で発覚するまで記録上は、「未修理」となっていた。

 さらに、昨年12月、同社の一部コンピューターシステムでハードディスクが壊れ、ジェット機6機について約4カ月分の部品交換時期や部品の管理データが消えていたことも判明した。同社は整備日誌などに残っている記録を別のパソコンに入力し直して応急対応しており、運航への支障はなかった。完全復旧には約2カ月かかる見通し。

2006年 4月14日 (金) 11:59
落雷で損傷の機体、スカイマークが修理期限超え運航 (読売新聞) - goo ニュース
 スカイマークエアラインズが、今年2月に福岡空港に着陸する際に落雷を受け、機体外板のリベットの一部が損傷したボーイング767―300型機を、修理期限を超えて運航させていたことが14日、国土交通省の調べでわかった。

 同社は今年3月にも、落雷による損傷を見逃す整備ミスが発覚しており、同省ではミスが続いている原因を調べている。

 今回のミスは、国交省が先月から実施している同社への集中監査で判明。ボーイング社の規定では、落雷などでリベットが損傷した場合、50回飛行するまでに修理を終えるよう定めているが、この機体は55回飛行していた。

2006年 4月14日 (金) 12:26
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そもそもOMが存在するのか疑問

 酒気帯びで操縦することを禁じているのは、何もインドだけではありません。

本邦においても、各社(乗務ダイヤ)出発予定時刻から12時間前に遡ってそれ以降の飲酒、指定された種類の薬の服用もOM:Operation Manual により禁じられています。

よって、その規程に違反して飲酒してしまうと、昨年の大型連休中の青社のように、「すまん、飲んでしまいました。交代要員をお願いします。」ということで、羽田に出社スタンバイしていたクルーが自家用車で真夜中の高速道路を秋田までぶっ飛ばす、という 驚愕のイレギュラー対応 となってしまう訳です。

青社さんは、昔ハノイでも寝付けないからと寝酒をして、そのまま夜空港まで来たものの、ディスパッチで「ありゃ、飲んでるでしょ」となって、当該便が大幅に出発遅延したこともありましたね。

JCABのチェッカーを後ろに乗せて、舟をこいでしまったキャプテンもいらっしゃったし、青社には“武勇伝”がありますな。

閑話休題、この酒気帯び、エア・デカンにはOMが存在するのか、と疑ってしまうような事態であります。
これで、当局が抜打ち検査を実施していなかったら、ディスパッチも同乗のクルーも酒気帯びを容認し、そのまま飛んでしまったということでしょうか。
恐ろしい話です。

偶然かもしれませんが、エア・デカンの垂直尾翼のマーキングが良いですねぇ。

ブルーの円形の部分に、「STOPザ酒気帯び乗務」とでも書いたら、外部点検中に多少は抑止効果が出るのではないでしょうか。

Air Deccan A320


『1枚しかない制服を洗濯に出したためにTシャツで操縦席に着こうとした』

も笑えますね。

カジュアルな服装でコックピットに納まるとは、さながら Boeing 社のテスト・パイロットのようです。

昔、プロ野球オールスター・ゲームで(広島市民球場だったかな)、延長戦に突入し、ピッチャーが足りなくなり、その日登板予定では無かったGのM投手が練習用のTシャツでマウンドに立ったことが想い出されます....。


インドの格安航空、酒気帯びで操縦しようとしたパイロットを処分 (ロイター) - goo ニュース
 [ムンバイ 12日 ロイター] インドで、乗客約100人を乗せた旅客機を酒気帯びで操縦しようとしたパイロットが停職処分になっていたことが分かった。当局者が12日、明らかにした。

 ムンバイ空港では11日、当局が抜き打ち検査を実施。その結果、1枚しかない制服を洗濯に出したためにTシャツで操縦席に着こうとしたパイロットの例など、航空各社で数件の軽い安全基準違反が判明した。

 基準に違反した者の大半は警告を受けるにとどまったが、酒気帯びで業務に就こうとした同国の格安航空エア・デカンの外国人パイロット1人は、処分が必要とされた。

 エア・デカンの広報担当者は、ロイターに対し「酒気帯び検査の結果、アルコール濃度が規定水準を超えていたので、このパイロットを停職処分にした」と述べた。

 インドの航空規定では、パイロットは操縦前12時間の飲酒を禁じられている。

2006年 4月13日 (木) 12:46
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これでは降りられませんね

 昨年暮れには西からの横風で難儀したセントレアですが、昨日は日本海の低気圧に吹き込む東よりの強風に難儀したようです。

以下、昨日11日の正午~本日12日午前1時(日本時間)までの中部国際空港の気象通報式を抜粋しました。

RJGG 111600Z 05008KT 9999 -SHRA FEW015 BKN030 16/12 Q1004 BECMG 11020KT
RJGG 111530Z 11023KT 9999 FEW015 BKN030 15/12 Q1004 TEMPO 11025G35KT
RJGG 111500Z 11024KT 9999 FEW015 BKN030 BKN120 15/12 Q1003 TEMPO 11026G36KT
RJGG 111430Z 10029KT 9999 FEW010 BKN030 15/12 Q1003 TEMPO 11030G40KT
RJGG 111400Z 10031KT 9999 -SHRA FEW008 SCT010 BKN030 FEW030CB 14/12 Q1003 TEMPO 11030G40KT
RJGG 111330Z 11023KT 9999 -SHRA FEW008 SCT010 BKN025 FEW025CB 14/12 Q1004 RETS TEMPO 11035G45KT 4000 TSRA BR BKN005 BKN008 SCT015CB
RJGG 111300Z 11021G31KT 5000 SHRA BR FEW008 BKN010 BKN025 14/12 Q1004 TEMPO 1500 TSRA BR BKN005 BKN008 SCT015CB
RJGG 111230Z 11036G46KT 6000 -SHRA FEW008 SCT015 BKN025 14/12 Q1005 TEMPO 1500 TSRA BR BKN005 BKN008 SCT015CB
RJGG 111200Z 11038G52KT 5000 SHRA BR FEW008 SCT010 BKN015 14/13 Q1004 TEMPO 1500 TSRA BR BKN005 BKN008 SCT015CB
RJGG 111130Z 11040G53KT 5000 -SHRA BR FEW005 SCT010 BKN015 14/13 Q1004 TEMPO 3000 TSRA BR BKN005 BKN008 SCT012CB
RJGG 111100Z 11039G49KT 4800 SHRA BR FEW005 BKN010 BKN015 14/13 Q1004 TEMPO BKN005 BKN008 BKN012
RJGG 111030Z 11040KT 4800 -SHRA BR FEW005 SCT008 BKN010 14/12 Q1005 TEMPO 11040G55KT SHRA BR BKN005 BKN008 BKN012
RJGG 111000Z 11037G49KT 4000 SHRA BR FEW005 BKN008 BKN015 14/13 Q1005 TEMPO BKN005 BKN008 BKN012
RJGG 110930Z 10032G43KT 1800 SHRA BR FEW005 BKN008 BKN015 14/13 Q1006 TEMPO BKN005 BKN008 BKN012
RJGG 110900Z 11032G43KT 2200 SHRA BR FEW005 SCT008 BKN015 14/13 Q1007 TEMPO BKN005 BKN008 BKN012
RJGG 110830Z 11031G41KT 3200 SHRA BR FEW005 BKN008 BKN010 14/13 Q1007 TEMPO BKN005 BKN008 BKN012
RJGG 110800Z 11031G42KT 9000 -SHRA FEW005 BKN008 BKN015 15/13 Q1008 TEMPO 3000 SHRA BR BKN005 BKN008 BKN012
RJGG 110730Z 11029G40KT 8000 -SHRA FEW005 BKN008 BKN013 14/12 Q1008 TEMPO 12035G45KT 3000 SHRA BR
RJGG 110700Z 11030KT 4800 -SHRA BR FEW005 BKN008 BKN013 14/12 Q1008 TEMPO 12035G45KT SHRA
RJGG 110630Z 11031G42KT 6000 -SHRA FEW005 SCT008 BKN013 14/12 Q1009 TEMPO 12035G45KT 3000 SHRA BR BKN008 BKN012
RJGG 110600Z 11030KT 8000 -SHRA FEW005 BKN008 BKN013 14/12 Q1009 TEMPO 11035G45KT 4000 SHRA BR BKN008 BKN010
RJGG 110530Z 11027KT 7000 -SHRA FEW005 BKN013 BKN017 14/12 Q1010 TEMPO 11030G40KT 4000 SHRA BR BKN008 BKN010
RJGG 110500Z 11027KT 5000 -SHRA BR FEW005 BKN008 BKN012 14/12 Q1011 TEMPO 11030G40KT 4000 SHRA BR
RJGG 110430Z 11025KT 4500 -SHRA BR FEW005 BKN008 BKN012 14/12 Q1012 TEMPO SHRA
RJGG 110400Z 12023KT 4500 -SHRA BR FEW005 BKN010 BKN020 14/12 Q1012 TEMPO SHRA
RJGG 110330Z 11025KT 4500 -SHRA BR FEW005 SCT010 BKN020 14/12 Q1013 TEMPO SHRA
RJGG 110300Z 11023KT 5000 -SHRA BR FEW005 SCT015 BKN030 13/12 Q1014 BECMG 4000 BR

20時30分(日本時間)の定時観測では 11040G53KT ですから、こりゃぁ暴風です。

仮に風向がドンピシャの横風用滑走路があったとしても、ガストも伴ったこれだけの風だと着陸は難しいでしょうね。

昨日は配信を受けている空港の TAF も AMD (amended) が盛んに出て、小生の携帯もブルブルと震えていましたから、今回の Divert は仕方ないかな。

春先の成田の南西風も有名ですが、そろそろセントレアの強風も国外のオペレータの間で名物になるかもしれません。


[余談]
数年前、台風接近する関西地方からの戻り、運良くKIXからの戻り便を予約していたものの、空港連絡橋の鉄道が運休。ラピートも全面運休で、急行で「りんくうタウン」まで何とか辿り着き、代替輸送のバスで連絡橋を渡ったら、空港内はさながらゴーストタウンの様相。SPKからのトリプルは何とか着陸できたようで、shipはあるのですが、さて暴風雨の中飛べるか。風の回り方がタイミングよかったのでしょうね、06から飛んでくれました。あのときの FLT、確実に DH の人数がお客様を上回ってました。


中部国際空港、強風で17便が着陸できず (読売新聞) - goo ニュース
 発達した低気圧の影響で、中部国際空港(愛知県常滑市)では11日夕から20メートル以上の強風が吹き、午後8時20分には瞬間最大風速27・3メートルを記録した。

 この影響で、国際線5便と国内線12便が着陸できず、伊丹や関西空港に目的地を変更した。

 また、名鉄空港線の常滑―中部国際空港駅間が午後6時45分から上下線で運転を見合わせたため、空港内には代替バスを待つ旅客ら数百人が行列を作った。

2006年 4月11日 (火) 21:20
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Cabin Crew の編成に問題は無かったのか

 ある意味、ARMED Mode で内部からドアを開けると Slide が展開する、という安全装置が正しく動作することを確認したことになる訳で、いざというときに Slide が展開しませんでした、なんていう不良よりずっとマシなのですが、Operation Normal の時に抜き打ち検査するのは迷惑ですから止めましょう。

L1でなくて(国際線、それも中国線ですから、L1 Duty は相応の方が行なっていたかと思いますので心配は無用かと思いますが....)何よりでした。

どのような職業でもそうですが、最初から完璧にこなせる人はいないわけで、CAも座学やモックアップ訓練を経て、OJTへと進みプロフェッショナルへの道を歩んでゆきます。
その中でも、OJTは実機において乗務経験を積むことで、机上論を実際のオペレーションで使えるように昇華させる非常に訓練効果の高いもので、重要なトレーニング段階と言えるでしょう。

ただし、それはOJTを実施する(OJT訓練生を受け入れる)側の体制がきちんと整備されていてはじめて言えることであり、クルーの編成が(経験年数や路線乗務経験等)で著しく偏っていた場合、自分のことをこなすのが精一杯でとてもOJT訓練生のケアをまともに行なえないことにも繋がりかねません。

こうなったら、もうOJT訓練生は孤立化してしまい、それでなくても緊張して舞い上がっているのに、ミスを犯すなと言う方が酷であります。

お客様からすると客室乗務員の編成など、ほとんど関心が無いことであり、表面的に影響が出るとしたら「サービスの手際が悪い」とか「Callボタンを何度も押したのに誰も来てくれない」と言ったことでしょう。

客室乗務員はサービス要員でもありますが、本来の目的は保安要員です。

例えば、Cockpit からは、この先揺れる可能性があるとか、サービスの進捗を確かめるためなどに、先任を Cabin Interphone で呼び出したり、あるいは「この先10分すると揺れるから(10分もあれば片付ける時間がとれるだろうし、離席中のお客様も席に戻ってベルト着用可能だろう)全員に連絡し注意を徹底したい」とのことから ALL CALL かけても、先任どころか、だれも Interphone に出ない。何度も何度も ALL CALL をかける、でやっとのことで先任が息を切らしながら受話器をとる、などということも珍しくありません。
このような状況を目撃すると、すごく心配になってしまうと共に客乗本部は何を考えているんだ、と、ちょっとした怒りも覚えます。

上述したようなことや、今回のような事例が起こる場合、Cabin Crew の編成、特に経験年数、に偏りがあるという問題を抱えている場合が殆どです。
(国内線の場合、KPN所属が半数以上を占めていたり、とか。)

昔は、Cabin Crew の編成内に占める経験年数の割合をコントロールし、路線特性(客層も含む)や機材に応じて偏りが生じないようにして(ある意味で適材適所を実現していた)いました。

今回の事例では、先任となる SU, CDI を除くと AT1, AT2 が殆どで CD2, CD3 クラスは1・2名だったとか、当該OJT訓練生を充分に観てあげられないようなOJTには不適切な編成だったのではないでしょうか。

そもそもは労務が行なった分裂工作が諸悪の根源なのですが、客乗本部が上手く機能しないのですよね。特にこのような事があると、悪い部分だけが前面に出て、どこぞのお国の事故調査ではありませんが、当事者を責めて反省を促せば良いと思っている。

デブリで自分のミスを披露すると、同席しているマネージャーが「それは規定違反だ!」とレポートを提出させたり、乗務からはずなどの対応をとる。だれも自分のミスを情報共有して、再発を防止したり、問題提起をすることが目的で話しているのに....。
このような状況では「CRMとは一体何なの」となってしまうでしょう。

昨年のドアモードを変更せずに運航した事例では、先任は正直に事実を報告したにもかかわらず、1ヶ月近く乗務からはずさたそうです。

そういう体質であるから、ミス=悪=隠蔽、という図式に脳味噌がなってしまって、昨年の JAZ948/10AUG SPNNRT で飛行中に L1 Door Mode が Manual になっていたのを指摘され Automatic に戻したというセキュリティ上重要な問題ですら、その時点は勿論のこと、到着後も当該便PICに報告されない(報告されたのは三日後)、と言ったことが起こってしまうのです。

ヒューマンエラーは完全には撲滅できません。
何故そのようなミスが発生したか、多面的に考察して下さい。

客室の保安業務をあずかる最前線、しっかりお願いします。


誤操作でシューター開く 日航、訓練中の客室乗務員 (共同通信) - goo ニュース
 8日午後1時ごろ、北京発成田行き日航780便ボーイング767が成田空港の駐機場に到着した際、訓練乗務中の女性客室乗務員(22)が誤って後部の乗降用ドアを開け、脱出シューターが開いた。乗客にけがはなかった。

シューターの付け替え作業のため、この飛行機を使用するマレーシア・クアラルンプール便が約30分遅れた。

日航によると、ボーイング767には左右に3つずつ乗降用のドアがあるが、今回は前部左側のドアに搭乗橋を接続することになっていたため、後部ドアを開ける必要はなかった。

シューターはドアを開けると自動で飛び出す仕組みになっており、この客室乗務員はドアを開ける前に自動設定を解除する手順も踏んでいなかった。

2006年 4月 8日 (土) 19:29
成田到着の日航機、脱出用シューターが誤作動 (読売新聞) - goo ニュース
 8日午後1時ごろ、成田空港の駐機場で、到着したばかりの北京発成田行き日本航空780便(ボーイング767型機、乗客158人)の非常脱出用シューターが誤って作動するトラブルがあった。

 日航によると、シューターは扉を開けると自動的に作動する仕組みになっていて、緊急脱出の必要がない場合には、乗客を降ろす前に自動装置を解除しなければならないが、訓練中の女性客室乗務員(22)が、右最後部の扉の開閉レバーと解除装置のレバーを間違えたという。

 シューターの交換作業の影響で、同機を使用するマレーシア・クアラルンプール行きの出発が約30分遅れた。

2006年 4月 8日 (土) 22:51
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いよいよ本邦でも CAT IIIB

 近くの桜は一部散り始めているものの、未だお花見はできる状態であるのですが、横浜地方気象台が以下のように言っておりますので桜の観賞は明日かな。きょうの荒れる天気で花が散ってしまわなければ良いのですが....。
天気概況
平成18年4月8日05時00分 横浜地方気象台発表

神奈川県では、8日昼前から南西の風が強まり、波もやや高くなるでしょう。また、昼過ぎから雷の発生する所がある見込みです。強風、高波、落雷、突風、降ひょうに注意して下さい。
 日本海には、上空に寒気を伴った低気圧があって、南東に進んでいます。

 現在、関東甲信地方はおおむね曇で、長野県の一部で雨が降っています。
 
 神奈川県の今日は、寒気を伴った低気圧が本州付近を通過する見込みです。このため大気の状態が不安定となり、晴れで時々曇りですが、昼過ぎから雷を伴った雨の降るところがあるでしょう。

 明日は、移動性の高気圧が本州付近を覆ってくるため、晴れるでしょう。

 神奈川県の海上は、今日は、急に波がやや高くなってでしょう。船舶は、注意して下さい。明日は、初め波がやや高いですが、次第に多少波がある程度となるでしょう。
さて、となると晴耕雨読ではありませんが、きょうは Airway Manual の差替えかな。

これまで何度か紹介してきた ILS CAT III ですが(一例:「CAT IIIb - 降りた後も大変」など)、来週4月13日(木)日本時間午前零時から釧路・成田・熊本の三空港で、いよいよ RVR (滑走路視程距離)が100mまで対応した CAT IIIB (カテゴリー3B)の運用が開始されます。

これら三空港共に、これまでも RVR 200mまで対応した CAT IIIA が運用されていましたので、今回の改訂では1ランク上の CAT IIIB となり、RVR の最低気象条件が100m縮まった?ことになります。

高速道路を走行された方は経験があるかもしれませんが、所々に設置されている車間距離注意喚起を促すための距離表示看板、あの100m先は見えない状態で対地速度時速200キロ前後で進入してきて着陸するのですから、凄いものです。

航空機側の自動着陸システムと接地後それを解除して滑走路上を直進維持して減速するパイロットの技量もさることながら、誘導電波の擾乱を防ぎ、ILS Protected Area へ侵入させることなく SSP: Special Safeguard and Procedures 体制を維持する地上のご苦労もいかばかりかと想像されます。

先日の投稿にあったように、お牛様が逃げ出して徘徊するような事態が CAT IIIB の気象条件下で発生したら、即刻 Runway Close ですね。



【以下、三空港 CAT II & III Approach Chart 掲載予定スペース……掲載済】

KUMAMOTO, JAPAN
No.1 ILS Rwy 07 CAT II & III
RJFT/KMJ 11-1A 7 APR 06
TOKYO, JAPAN
ILS Rwy 16R CAT II & III
RJAA/NRT 21-2A 7 APR 06
KUSHIRO, JAPAN
VOR DME ILS Rwy 17 CAT III
RJCK/KUH 11-1A 7 APR 06
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やはり Boeing747 Freighter って凄い

 お牛様が Ramp Pass も持たず、RJAA の Cargo Area を彷徨ったことも事件ではありますが、この記事で籠機: Cargo Ship、Freighter の凄さを再認識させられました。

国内線仕様の High Density CNFG でも、ジャンボに搭乗できるお客様は約550人です。
満席便にご搭乗の経験がある方は「ジャンボがこれだけの人を飲み込むのか」とか「こんなにギッチリ詰め込むのか」とか、その人口密度に驚くと共に、多少なりとも窮屈感を味わったことと思います。

人間、十人十色、老若男女、体型も様々。
FAA AC 120-27C では大人の平均重量(持ち込み手荷物1個を含む)を175 pounds、約79kgと定めていましたが、最近は肥満化等で約9kgの増加した値を推奨しています。

日本人はそれよりは若干少ないとしても、70~80kgと言ったところでしょう。

※小型機で厳密な Weight and Balance が要求されるときは、個々人が秤にかけられます。

お相撲さんでも、日本相撲協会のホームページ を辿って検索したら、横綱朝青龍関が 146.0kg、新大関の白鵬関が 152.0kg といったオーダーです。

それを、Boeing747 Freighter は1頭約180kgのお牛さまを約500頭も運べるのですから、やはり貨物機の面目躍如たるものがありますね。

勿論、貨物を積めるだけ積むのが役目の Freighter ですから、ニュージーランドから直行ということはあり得ず、途中、何度も Technical Landing をして燃料補給しながらの来日だったのでしょう。

狭い機内?(専用の木枠の中)、長時間窮屈だったことでしょう。

逃げ出して広々としたランプを走り回ってストレス発散したい気分も解らなくありませんが、残念ながら取り押さえられちゃいましたね。

立入制限区域内ですから、勘弁して下さい、お牛様。


成田空港で子牛3頭逃走 ジャンボ機で輸入 (共同通信) - goo ニュース
 4日午前9時半ごろ、ニュージーランドから成田空港に航空貨物便で輸入した子牛3頭が、貨物地区の駐機場でトラックに移される際に逃げ出した。2頭はすぐに捕まったが、1頭は約300メートル離れた貨物の荷さばき場まで約20分間逃げ回って“御用”となった。

航空機の運航に影響はなかったが、現場の駐機場は多くの航空機が行き来する上、滑走路まで約600メートル。成田国際空港会社は「滑走路に迷い込めば大騒動になっていた」として、業者に厳重注意する。

空港会社などによると、子牛は肥育用肉牛で、体重約180キロ。ジャンボ機で約500頭が運ばれてきた。専用の木枠に入れられていたが、機体から降ろした際に、業者が誤って木枠の扉を開けてしまったという。

2006年 4月 4日 (火) 19:09
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是非、詳しく調査して下さい

 このインシデントを聞いた段階では、きっと Body Gear Door (主脚の扉)を開閉するギアが外れるとか、その類のメカニカル・トラブルが原因かな、と勘ぐっていたのですが、ハイドロ(油圧系統)だとするとちと穏やかではありませんね。

ハイドロ・ロス(油圧が失われること)は、過去の事例を出すまでも無く、大事故につながる恐れがあります。

今回の事例では鹿児島を離陸して Gear Up した時点では、Body Gear 2本と Nose Gear 1本は正常に格納され、Gear Indicator も Up and Locked を示し、Gear Door も閉じた訳ですから、1時間足らずの間にハイドロに何らかの異常が起ったことになります。

油圧系統は、安全性を確保するため複数系統装備されており、普通は3系統備えています。(多分、MD90-30 も三系統あるはず)

それらは、異なる油圧供給源、配管、主たる操作対象があるので、仮に三系統のうち2系統までアウトになっても、一系統でも残っていれば、必要最低限の操舵や装置の駆動が行えるようになっています。
ただし、一系統だけの場合、全てのエルロン、全てのラダー、全てのエレベータを動かすのでなく、エルロンの一部,ラダーの一部,エレベータの一部しか動作せず、その動作量にも制約が付きます。

フラップやギアは Alternate で(通常は電気モータやギアの場合自重)down させることが出来るようになっています。

従って、オール・ロスでなければ、過剰に不安がることはありません。
そのような観点からは、今回の事例においても、機体の損傷や滑走路閉鎖といった被害は出ましたが、お客様は全員無事であり、当該便の乗務員も適切に対応しており、大騒ぎすることもないのかもしれません。

ただ、ハイドロに関するトラブルを軽視していると(これは何もハイドロに限ったことではありませんが)、見過ごされたトラブルの原因がさらに重篤なトラブルを引き起こす可能性もあるので、“警鐘”として活かして、油圧系統に他の不安要素はないか、徹底的に調査すべきだと思います。

全く素人の推測ですが;
 配管のどこか(例えば接合部)にほんのわずかな亀裂か破損があり、
 そこからフルード内に気泡が入り込み、
 入った気泡は上空で気圧が下がると膨張しその状態で配管内に留まり、
 舵面を動かすのに通常時を上回る加圧が必要となる。

飛行サイクルが繰り返えされそれの積み重ねが加圧ポンプを傷めるとか....。

ある一定以上の圧をかけても、加圧に対応する反応(センサーで検知できると思います)が得られなければ、加圧ポンプの破損およびハイドロ・リークを防ぐ為にインターロックがかかり、当該系統を保護する機構が備えられているようにも思えます。

航空機関士が乗務していた機体は、FEが飛行中もずっと真横を向いて計器をモニターして、エンジンや油圧、与圧等の“息吹き”を感じとって、わずかなことでも、その“兆し”を見つけて、それに応じた更なるモニタリングや“疑わしい”と思われるところを調べるためのアクションをとることが出来ました。

それが、近年のハイテク機や今回インシデントを起こしたMD90などの二名乗務機では、EICAS: Engine Indication and Crew Alert System やそれと同等の計器に置き換えられています。
EICAS: Engine Indication and Crew Alert System などは、それこそFEがモニターしていた項目を上回る数の入力を監視していますが、数多ある入力を全て Raw Data で伝えるのではなく、あるプログラムされた内容に従って得られた値の一部を示すに過ぎず、それも、平常時は何も Message を出しません。
何段階かに設定された「閾値」を超えた場合、それに応じた Message や Alert が出されるわけで、そこまでの経緯は EICAS に入力されたセンサー値のみぞ知る、であります。

今回は EICAS 云々ではありませんが、一時間足らず前の離陸時には何の異常も無かったのに、いざ着陸の段階になって問題が顕在化した、という点では、何か通じるものがあるように思えます。

MD90 -ちょっと古めの機体だから-ということではなく、二名乗務が当たり前となったハイテク機の整備・モニタリング体勢にも活かせるような何かを見出す意気込みで詳細に調査、対応策を考えてほしいものです。


オイルタンクの加圧機能の不具合か 日航機トラブル (朝日新聞) - goo ニュース
 日本航空の鹿児島空港発大阪空港行き2408便(ダグラスMD90―30型機)が2日午後、車輪格納庫の扉が開いたまま大阪空港に着陸したトラブルは、油圧機のオイルタンクの中の加圧機能に不具合が生じ、扉を開閉する油圧が低下したのが原因とみられることが4日、同社の調査で分かった。

 同社は、油圧機などを取り出して羽田空港の整備本部に運び、分解して詳しく調べる。

 このトラブルで、車輪格納庫の扉を保護するバンパーが着陸時の衝撃で滑走路上に脱落した。乗客・乗員174人にけがはなかった。

2006年 4月 4日 (火) 12:50


【追記:4月5日 23:10 】

金属疲労によるピストン破損が原因だったようです。

この件、Boeing から Service Bulletin が出ていたというではないですか。

その未対応機材が事故を起こしたというのに、
 『同社では、6月までに保有全機の改修を終えたいとしている』
とは、整備本部の対応にがっかりです。

機材変更や欠航を出しても、保有16機のうち当該機を含む未対応機6機を速やかに改修すべきではないでしょうか。

まさかADではないでしょうね。FAA と Boeing で調べてみなければ。


日航機の“開扉”着陸、車輪格納庫内ピストン損傷で (読売新聞) - goo ニュース
 大阪・伊丹空港で2日午後、日本航空のMD―90型機が、車輪の格納庫の扉が閉じないまま着陸したトラブルで、同社は5日、同機の格納庫内部のピストンが金属疲労のため壊れていたことを明らかにした。

 この結果、油圧用のオイルが漏れて圧力が下がり、扉が閉まらなくなったとみられる。

 同社はこれまでに、メーカーからの指示で、保有する同型機16機のうち10機のピストンを改修しているが、今回トラブルを起こした機体は未改修だった。同社では、6月までに保有全機の改修を終えたいとしている。

2006年 4月 5日 (水) 22:32
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辞めていく奴に訓示されたくは無いわなぁ

 疵口に塩をすり込みたくはありませんが、もう辞めることが決定している今や死に体の奴が訓示するとは滑稽この上ありませんな。

確かに現時点でのポジションからすると、訓示してもおかしくはないのでしょうが、引責辞任するお方から「安全は企業存立の絶対的な基盤」と虚しく言われる(あなたが口先だけで心からそのように考えておらず、現場の声を無視してコストダウンの為に安全を切り捨ててやりたいようにやってきた結果が今日な訳でして、率先して改悪の先頭に立ってきたトップから-たとえ「おわび」を含んでいても-挨拶されるのは、そりゃぁ新人さんは初日からモラールが低下するというもんです)よりは、次期社長が決意を新たに訓示する方が新人さんにはありがたみがあると思うのですが....。

さらに、現場無視でやれコストダウンだ、賃金カットだと好き放題やってきたから感覚が麻痺しているのでしょうね。
 

安全は何より大切な最大のサービスだと


きたもんだ。

安全はサービスだと頓珍漢なことを考えているから、そこにコスト意識が入り込み、ひいては“安全”をコストパフォーマンスで考えるようになってしまうのですよ。

航空会社にとって“安全”とは絶対揺るぎがあってはいけないものであり、“サービス”とは全く次元の異なるものなのですよ。

こんなこったから、ONE World (JALが加盟を表明している航空会社のアライアンス)の OCCC: oneworld Cockpit Crew Coalition (ワンワールド運航乗務員連合)の議長から、

Mr. Toshiyuki Shinmachi
JAL Group CEO,
President.
 (中略)
Dear Mr Shinmachi,
 (中略)
 We cannot endorse JAL becoming a member of te esteemed oneworld alliance while JAL's management defiantly chooses to ignore a Court Order regarding onerous working conditions JAL has imposed on its flight crew members.
 (以下略)

などというお手紙を頂戴してしまう訳ですよ。

OCCCは、業界で尊敬されているワンワールドへJALがその一員となることを支持する事はできません、とさ。

まっ、辞めてゆく方に今更何を言っても無駄ですが....。


新町社長、相次ぐトラブル「おわび」 日本航空入社式 (朝日新聞) - goo ニュース
 整備ミスや運航規定違反、人事を巡る内紛などが相次ぎ、国土交通省から昨年事業改善命令を受けた後もトラブルが続く日本航空(JAL)でも3日午前、入社式があった。

 グループ企業のひとつである日本航空インターナショナル(東京都品川区)の入社式では、新入社員130人を前に、グループ最高経営責任者(CEO)も務める新町敏行社長が「安全上のトラブルや社内事情に関する一連の問題に不安を抱いたのではないか。みなさんに心よりおわびしたい」と切り出した。

 「安全は企業存立の絶対的な基盤。安全は何より大切な最大のサービスだと意識の中心に置いて業務に取り組んで欲しい」と危機感をにじませた。

 新入社員を代表して宣誓した丸山一樹さんは「お客さまや社会から厳しい目が向けられているが、安心と信頼を取り戻す原点の年にしないといけない。御巣鷹の悲劇を二度と繰り返さないように、全力を尽くしたい」と語った。

2006年 4月 3日 (月) 11:51
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桜満開 + 冷たい雨

 小生の住処近所では桜が満開になりました。昨日のうちにお花見をしておいたのは正解でした。

きょうは昼前から冷たい雨に桜の花が濡れ、夕方には激しいしゅう雨と共に雷も観測されました。

「春雷」とは、(冬の終りを告げる)春先の「かみなり」のことであり、満開の桜の時期の雷ではないのですが、今日の肌寒さからすると、時期外れの春雷と言っても良いでしょう。

羽田の気象通報式からも荒れ具合が見てとれます。
※P/FR: Pressure Falling Rapidly (気圧が急速に降下中)以降を抜き出してみました。前線面通過に伴う風の変化、気温の変化、気圧の変化、教科書通りですね。午後7時半前には、Boeing737 から Severe Turbulence の報告もあります(太字部分)。このような天候下での運航、ご苦労様です。

RJTT 021030Z 34014KT 7000 -SHRA FEW008 SCT020 BKN040 12/11 Q0990 RMK 1ST008 4CU020 7SC040 A2923 SEV TURB 30KT GAIN BLW 2500FT ON FNA RWY34L BY B737 AT 1021
RJTT 021020Z 33018G28KT 6000 -SHRA FEW008 BKN020 BKN040 12/11 Q0990 RMK 1ST008 5CU020 7SC040 A2925
RJTT 021011Z 33021KT 4000 SHRA BR FEW008 BKN015 BKN020 12/10 Q0991 WS RWY34L RMK 1ST008 5CU015 7CU020 A2926 P/RR
RJTT 021002Z 32021G31KT 2800 R34L/1400VP1800U R22/1800D R34R/1100VP1800D +SHRA BR FEW006 BKN007 BKN015 12/11 Q0991 RMK 1ST006 5ST007 7CU015 A2927 P/RR
RJTT 021000Z 32022KT 2800 R34L/1400VP1800D R22/1800D R34R/1100VP1800D +SHRA BR FEW006 BKN007 BKN015 12/11 Q0991 RETS
RJTT 020947Z 25015G25KT 220V300 4000 +SHRA BR FEW006 BKN008 BKN015 16/15 Q0989 RETS RMK 1ST006 5ST008 7CU015 A2923
RJTT 020941Z VRB16KT 3000 +SHRA BR FEW006 BKN008 BKN015 16/15 Q0989 RETS RMK 1ST006 5ST008 7CU015 A2922
RJTT 020936Z VRB15G25KT 3000 SHRA BR FEW005 BKN007 BKN012 16/15 Q0989 RETS RMK 1ST005 6ST007 7CU012 A2922
RJTT 020933Z VRB15KT 3000 SHRA BR FEW005 BKN007 BKN012 15/15 Q0989 RETS RMK 1ST005 6ST007 7CU012 A2922
RJTT 020930Z 22017KT 4000 TSRA BR FEW005 BKN007 BKN010 FEW015CB 16/15 Q0989 RMK 1ST005 6ST007 7CU010 1CB015 A2923 FBL TS 25KM NE MOV NE
RJTT 020918Z 21014KT 3500 +TSRA BR FEW005 BKN007 BKN010 FEW015CB 15/14 Q0989 RMK 1ST005 5ST007 7CU010 1CB015 A2923 FBL TS 20KM NE MOV NE
RJTT 020909Z 20016G26KT 2800 +TSRA BR FEW004 BKN006 BKN010 FEW015CB 15/15 Q0990 RMK 1ST004 5ST006 7CU010 1CB015 A2924 FBL TS 10KM SE MOV NE
RJTT 020900Z 19018KT 3000 TSRA BR FEW004 BKN006 BKN010 FEW015CB 15/14 Q0990 RMK 1ST004 5ST006 7CU010 1CB015 A2924 FBL TS 15KM S MOV NE
RJTT 020843Z 19021KT 2800 SHRA BR FEW004 BKN006 BKN010 15/14 Q0990 RMK 1ST004 5ST006 7CU010 A2926
RJTT 020834Z 18022G32KT 3500 SHRA BR FEW004 BKN006 BKN010 15/14 Q0991 RMK 1ST004 5ST006 7CU010 A2926
RJTT 020830Z 18023KT 4000 -SHRA BR FEW004 BKN007 BKN010 15/14 Q0991 RMK 1ST004 5ST007 7CU010 A2927
RJTT 020816Z 18023KT 4000 SHRA BR FEW005 BKN006 BKN010 14/14 Q0991 RMK 1ST005 5ST006 7CU010 A2928 P/FR
RJTT 020800Z 19022G34KT 4500 -SHRA FEW005 SCT006 BKN010 14/13 Q0992 RMK 1ST005 4ST006 7CU010 A2930 P/FR
RJTT 020734Z 19016G27KT 7000 -SHRA SCT007 BKN010 14/13 Q0993 RMK 3ST007 7CU010 A2934 P/FR

中部地方では、空の上でも落雷が相次いだようです。

被雷したのが、いずれもボンバルディアのCRJだったのは偶然でしょうか。


山形行きジェイエア機に落雷、名古屋空港に引き返す (朝日新聞) - goo ニュース
 2日午前11時25分ごろ、愛知県営名古屋空港(同県豊山町)を離陸した山形空港行き日本航空4323便(ボンバルディアCRJ200ER型機、乗客・乗員33人)が、名古屋空港の北東約20キロの高度約2300メートルを上昇中に雷を受け、同空港に引き返した。機体の一部が損傷したが、けが人はなかった。

 国土交通省中部空港事務所によると、同便は午前11時16分に名古屋空港を離陸。9分後に雷を受けて引き返し、同11時38分に着陸した。

 運航するジェイエアによると、機長が雷の音と光、振動を感じて落雷したと判断。空港に戻り、機体を点検した。

 損傷は4カ所に分かれ、機体の先端部に直径5センチの丸い焼け焦げ跡、上部後方に1ミリ以下の点状の焦げ跡、左翼先端に長さ7センチ、幅2センチ、右翼先端に長さ2.5センチと1.5センチ、幅数ミリの欠損が見つかった。

 名古屋地方気象台によると、尾張東部には当時、雷強風濃霧注意報が発令されていた。寒冷前線の影響で大気の状態が不安定だった。愛知県名古屋空港事務所によると、空港付近では小雨が降り、午前11時45分には同空港の西から北にかけて積乱雲を観測した。

 乗客30人のうち28人は約2時間後に別の飛行機に乗り換え、山形空港に向かった。

2006年 4月 2日 (日) 18:19
ボンバルディア機、右エンジン停止で緊急着陸 (読売新聞) - goo ニュース
 2日午前10時30分ごろ、三重県上空約4000メートルを飛行中の福島発大阪(伊丹)行きのアイベックスエアラインズ3074便(ボンバルディアCRJ―100型機、乗客乗員34人)の右側エンジンが停止した。

 同機は左側エンジン一基だけで航行し、約20分後に大阪空港に緊急着陸した。けが人はなかった。

 同社が原因を調べているが、「エンジンが停止した直前に、落雷があった」と乗員が話しているという。

2006年 4月 2日 (日) 12:08

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