徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

ボーイング社 2007年カレンダー

 今年も余すところあと三日になりました。

そろそろ来年の話をしても鬼に笑われないでしょう。

毎年、色々なところからカレンダーを頂戴するのですが、部屋数が少ない拙宅のいたる所にカレンダーをかける訳にもゆかず、ここ数年はお気に入りを絞り込んで、家と職場で使用しております。

一昔前は、鶴社の“世界の美女カレンダー”をかざって悦に入っていたものですが、いい歳をしたオヤジには不釣合いになってきたことと、財務大臣のご機嫌をうかがうようになってから、活躍の場を失いかけております。

最近では“フライト・アテンダント”のカレンダーや“フリート”のカレンダーなども登場し、悩み多き時代になってきました。

“フライト・アテンダント”カレンダーを家で使用しようものなら、若干一名と冷戦状態に突入ですし、オフィスに飾っても、小生との不釣合い感が日々増大するばかりでして....。

と言うことで、来年の職場は“硬派(ある意味ではミーハー)”で攻めます。

Boeing 社のカレンダーです。
※何故にボーイングか? Airbus 社のそれは、簡単に探し出せなかった、というだけの単純な理由です。

おもて表紙は、タイトル画像の通りです。

うら表紙には、各月に用いられている絵・写真が、サムネイルで載っています。

旅客機に限らず、月によっては軍用機や、スペースシャトルや人工衛星まで登場します。

また、旅客機内のイメージ図( Boeing 787 インテリア)も登場したりで、楽しい2007年を過ごせそうな予感がします。



年初を飾る1月の絵は、お約束の「ドリーム・ライナー」こと Boeing787 であります。

日本人の感覚だと、一月は“雪化粧の富士山”となるので、“タコマ富士”をバックのイラストにしてもらいたかった、とはボ社の方には解りますまい。

Boeing Calendar 2007 JAN - Boeing 787-9

肝心のカレンダー部分は至ってシンプルで、ちょっとした予定も書き込めそうです(汚すのがもったいない気もしますが....)。

Boeing Calendar 2007 JAN overview


一般的に、カレンダーにはその国(作成した国)の祝日や記念日などが記されているものですが、このカレンダーには一切そのような remarks がありません。

純粋に日付と曜日だけです。

さらにこのカレンダー、2008年1月もあるのでした。
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マイアミ国際空港でオーバーラン

 3期目途中での退陣を表明している首相だから、“滑った”でも関係ない、と思っているのか、退陣表明を撤回して“4期目まで突入したい”と思っているのかは定かではありません。いずれにしても「悪い冗談」、反省であります。

先日、12月26日の午後6時15分頃〔日時は米国東部時間〕、英国航空209便、ロンドン発-マイアミ行の Boeing 747-400 (登録記号:G-BNLM)が、米国フロリダ州はマイアミ国際空港で着陸後オーバーランしました。

お客様と乗務員、計368名に負傷者はおりませんでしたので、NTSB: National Transportation Safety Board (米国運輸安全委員会)はインシデント扱いです。

当該機には、イギリスのブレア首相とそのご家族が搭乗しておりました。

第一報は、CNN の Podcast で入手しました(同じときに Download した BBC の Podcast では報じられていなかったような....、単に聞き取れなかっただけかも知れません)。

NTSB から当該インシデントに関する Press Release 内容のメールが届いたので、少々説明しておきます。

当該機は、マイアミ国際空港の滑走路30(滑走路は長さ2851m×幅46m;Runway 30 Threshold からの長さは2565m( displaced threshold です); ILS Approach で On Glide Path で接地した後の長さは2266m)に着陸、taxi 速度まで減速後、そのまま「おっとっと」と滑走路エンドを通り過ぎ、Runway 12 側の進入灯(高さ約30cm)2個をなぎ倒して停止しました。

その後、誘導路までトーイング・カーで戻してもらい、そこから先は自力走行してゲートまで行きました。

航空機(殊に進入灯とぶつかった前輪)には損傷が無く、G-BNLM はブレア首相をはじめとするお客様と乗務員が降機後、シップ・パターン通りの運用でロンドンに戻ったとのことです。

一般的には、お偉いさんが搭乗している便でインシデント、というのは稀なのですがね。

そう言えば、労務畑からCEOにまで登りつめた某社のK子氏、パリのCDGで搭乗していた自社機が脱輪した際、真っ先にさっさと降機してしまったことがありましたっけねぇ。(トップとして恥ずかしく無かったんでしょうかねぇ、無神経にも程がありますな)

マイアミ国際空港の Airport Diagram は↓。

KMIA/MIA 10-9
© JEPPESEN SANDERSON, INC., 1998, 2004.



NTSB News

NTSB INVESTIGATING BRITISH AIRWAYS LANDING INCIDENT IN MIAMI
The National Transportation Safety Board is investigating an incident that occurred last night at Miami International Airport involving a British Airways Boeing 747. There were no injuries to the 368 persons aboard, including British Prime Minister Tony Blair and his family.

At approximately 6:15 p.m. EST, December 26, British Airways flight 209 from London landed on runway 30 at Miami International Airport. The aircraft was a Boeing 747-400, registration G-BNLM. After slowing to taxi speed, the aircraft taxied beyond the end of the runway and went into the paved runway overrun area. In so doing, it knocked down two approximately 12-inch-high approach lights for runway 12 (the same runway in the opposite direction).

The aircraft was towed onto a taxiway, at which time it proceeded under its own power to the gate. An inspection revealed no damage to the aircraft or its tires and it subsequently departed on its scheduled return flight to London.

Jeff Kennedy from the NTSB's Southeast Regional Office in Miami is the Investigator-in-Charge of this incident. Damage to the runway lights has been documented and the Safety Board will collect statements from the flight crew.

NTSB Advisory
December 27, 2006
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SWA1248 went over the end

 クリスマス・イブに投稿するには相応しくない内容かと思いますが....お許し下さい。

2005年12月8日19時14分〔米国中部時間〕、サウスウェスト航空1248便が、米国シカゴはミッドウェイ空港に着陸後滑走路をオーバーラン、空港外周一般道路まで飛び出し、道路を走っていた自動車と衝突。残念ながら自動車に乗っていた一人の男の子が命を落としました。

[関連投稿]
  シカゴ ミッドウェー空港でサウスウエスト航空機がオーバーラン
  シカゴ ミッドウェー空港オーバーラン事故続報

NTSB: National Transportation Safety Board (米国運輸安全委員会)が当該事故の事故調査にあたっており、事故から2ヶ月と経たない、今年1月末には、当該事故調査の過程で明らかになった事実をふまえ、FAA: Federal Aviation Administration (米国連邦航空局)に対して、緊急の安全勧告( A-06-16 )を行なっております。

[関連投稿]
  NTSBからの一通のメール

上の関連投稿をご覧いただけば、
 -OPC: On-board laptop Performance Computer による必要着陸滑走路長の計算とそれに用いた条件
 -Thrust Reverser の Deploy が接地から18秒後と大幅に遅れたこと

などについてはお解かりいただけるかと思います。

NTSB から未だ“事故調査報告書”は発表されていませんが、調査過程で得られた情報から、事故の概要はつかめるようになってきています。

※調査過程の資料を公表・閲覧できるとは流石は NTSB、航空先進国の事故調査のあり方はチト違いますね。

ここでは調査過程の資料をもとに、事故の概要をまとめてみようと思います。



悪天候下においては、滑走路の路面状態を正確に把握することが重要です。

当該便は、ミッドウェイ空港への降下・進入に際し、上空で OPC: On-board laptop Performance Computer を用いて必要着陸滑走路距離を求めました。

OPC から得られた値は、接地帯に着陸し、Auto Brake、Thrust Reverser が作動することを前提として求められたミッドウェイ空港滑走路31Cの残距離は、滑走路路面状態が、
 “Fair”では、560 feet (170m)
 “Poor”では、30 feet (9m)
でした。

事故当時、シカゴは雪が降っており、ミッドウェイ空港の滑走路31Cも事故発生の27分前に除雪が行なわれていました。

Runway Condition は、31Cの手前側約半分が“good”、滑走路エンド側半分は“poor”でした。

このことは、進入管制からもまたタワーからも1248便に伝えられています。
(が、CVR の transcript をみる限り、当該便クルーには半分が“poor”であることはあまり重要に捉えられてなかったように思われます)
19:07:05.1
APR    Southwest nineteen fifty two last report I had for runway three one center on the braking was ah braking fair except at the end it was poor.

(19:07:10.5
HOT-1   go flaps to ah five please.)
(19:07:12.9
HOT-2   flap-o de cinco.)

19:07:19.1
APR    southwest ninety fifty two you copy last?

19:07:20.8
SW1952  I'm sorry sir no.

19:07:22.3
APR    yea braking action on runway three one center is fair and then poor at the end as reported by company seven three.



19:09:53.7
RDO-2   Southwest twelve forty eight three one center.

19:09:57.6
TWR    Southwest twelve forty eight Midway tower continue for three one center the winds zero nine zero at nine brakin' action reported good for the first half, poor for the second half.

19:10:06.2
RDO-2   thank you.



(19:12:16.9
HOT-1   never autobraked here huh?)
(19:12:18.3
HOT-2   yeah. hang on tight [sound similar to laughter].)
(19:12:21.6
HOT-1   yeah.)
(19:12:25.3
HOT-2   five hundred.)

19:12:26.6
RDO-2   landing clearance for Southwest twelve forty eight.

19:12:28.4
TWR    Southwest twelve forty eight runway three one center cleared to land wind zero nine zero at nine brakin' action fair to poor.

(19:12:35.3
HOT-2   four hundred.)
(19:12:36.3
HOT-1   alright.)
(19:12:37.2
HOT-2   five green lights cleared to land.)

8~9ノットの tail wind であったこともあり、Final で若干パスが高くなりますが、1248便は許容範囲内に接地します。

19:13:01.4

19:13:07.8


接地した段階での対地速度は 129.8 kt (時速約240キロ)で、接地と同時に Auto Brake が deploy しています。

(その後、機長がブレーキペダルを思い切り踏み込んだため、Auto Brakeは解除され、マニュアルで最大圧のブレーキがかけられることになります)

が、Thrust Reverser が作動しません。

DFDR: Digital Flight Data Recorder が Thrust Reverser の作動を記録しているのは、接地から約18秒も経てからです。

19:13:23.2


このときの対地速度は 88.8 kt (時速約165キロ)であり、接地時のそれから時速80キロ程度しか減速していません。

接地からこの間、ブレーキ圧は最大を示していますが、Runway Condition が “poor”の領域で、Thrust Reverse も無しですから、止まらないのも無理はありません。

接地( 19:13:07.8 )から約23秒を経て( 19:13:31.2 )ようやく Thrust Reverser に伴うエンジン音が聞こえてきます。

19:13:31.2


が、機は既に滑走路終端にあり、対地速度もまだ 67.6 kt (時速約125キロ)もあります。

シカゴのミッドウェイ空港は、街中の歴史が古い空港で、もはや拡張しようにも拡張の余地も無く、オーバーラン・エリアもほとんどありません。


十分に減速できなかった1248便には、もはや Blast Fence を突き破り、ILS アンテナも壊して突き進むしか残された選択肢はありませんでした。


出来ることなら、外周フェンスを突き破って空港外周の一般道路に飛び出すことだけは避けたかったのですが....、叶いませんでした。



NTSB では、

 -OPC: On-board laptop Performance Computer による必要着陸滑走路距離の計算
 ※この件に関しては前述したとおり安全勧告を発行済み。

 -運航乗務員の着陸操作
  *機長がオートブレーキを解除してマニュアル・ブレーキを行なった
  *機長が接地後直ちに Thrust Reverser を作動させられなかった
  *副操縦士が Thrust Reverser を作動させたのは接地から18秒後であった
  *その7秒後に滑走路の舗装面からオーバーランした。

 -当該機の航空機システムの作動状況
  *フラップ
  *スポイラー
  *ブレーキ
  *アンチ・スキッド
  *スラスト・リバーサー

などを鑑み、以下の3点を主に問題視しています。(誤訳を防ぐため、原文で記します)

 * Accuracy of runway friction measurements and estimates
 * Adequacy of runway safety areas
 * Aircraft landing performance


Winter Operation も本番を迎えようとしています。

先日は米国の中西部や北西部がブリザードに見舞われ、空の便にも相当な影響が出たようです。

SWA1248 の教訓が活かされているのか、オーバーランなどの報は聞いていません。

事故防止に国境はなし、世界中の空が安全でありますように。



19:13:47.5
TWR    what was that? Southwest twelve forty eight are you cleared three one center?

(19:13:48.1
CAM    [sound similar to stick shaker].)
(19:13:49.1
CAM    [sound similar to chime].)
(19:13:51.0
CAM    [sound similar to clunk].)

19:13:51.4
RDO-2   Southwest twelve forty eight went over the end.
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ささやかなクリスマス飾り - 2006年版

 気が付けば明日はクリスマス・イブではありませんか。

拙宅でも猫の額ほども無い玄関が、今月始めからクリスマス・モードになっております。

昨年は、12月03日に「 ささやかなクリスマス飾り 」と題して、我が家の財務大臣様が精魂こめて飾りつけた様子をご紹介しました。

忙しさにかまけて投稿が遅れてしまいましたが、今年も例年通りの飾りつけ by 財務大臣殿が、疲労困憊で帰宅した小生を和ませてくれております。

(きちんと紹介しておかないと、来年度の予算折衝に影響を与えかねませんので…)

ちょっとしたスペースですが、こんな感じに....


小生も財務大臣も“北欧好き”ということで、昔、フィンランドかスウェーデンで(記憶が定かでない....)調達した小物も登場します。



おっ、この右側のタペストリー、今年は反対側に昇格 or 降格?


このタペストリー、何でもスウェーデン王室御用達の“エーケルンド”というブランドのものだそうです。

毎年・毎年、微妙に配置が変更になっているようです。
(新規導入品が無いかどうか密かにチェックして、折衝時の反撃材料を探しているのでした)

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Comair 5191/27AUG を受けて

 NTSB: National Transportation Safety Board (米国国家運輸安全委員会)が Federal Aviation Administration (米国連邦航空局)に対して安全勧告( Safety Reccommendation )を発表しました。

昨日(12月13日)の朝、当該内容を告げるメールが入りました〔米国では12月12日の発表となります〕。

勧告の内容としては、コックピット内の全ての運航乗務員に(離陸)滑走路進入時に自機位置の確認およびクロス・チェックを求めるもの( A-06-83 )。

並びに、航空会社は夜間離陸時の滑走路灯火(点灯要件)について、具体的な指針を提示すること( A-06-84 )、です。

現地時刻で8月27日の午前6時7分、Comair 5191/27AUG (CRJ-100 N431CA) がケンタッキー州レキシントンの Blue Grass Airport (LEX) からの離陸時、滑走路を誤認して異なる滑走路から離陸滑走を行い、滑走路長が足りずわずかに浮上後墜落炎上、乗客・乗員49名の尊い命が奪われました。

当該機は、Pushback 後、機長が地上走行を担当し、地上走行を承認された「誘導路 A1 経由で Runway 22 」への走行を開始しました。

この走行経路では、Runway 26 の端を横切らねばなりません。

当該機は、Runway 26 の手前で約45秒停止した後、クルーは離陸承認を要求し、管制塔から発出された離陸許可を受信し、機長は Runway 26 を通り過ぎることなく、Runway 26 に進入、機体を滑走路中心に align させ、その後、F/O: First Officer (副操縦士)に操縦をハンドオフしました。
※当該レグでは副操縦士が PF: Pilot Flying を担当することになっていました。

この段階で、CVR: Cockpit Voice Recorder には、正対している滑走路に関する疑問を抱いたり、自機が正対している滑走路を確認する様子は一切録音されていませんでした。

Check Thrust 後、当該機は副操縦士のコントロールの下、離陸滑走を開始します。

機長、副操縦士共に、Runway Edge Light が点灯していないことに気付き言及しました(NTSB の原文では "both pilots noted the absence of edge lights on the runway" と記されています)が、離陸滑走は継続されました。

乗員が異常に気付いたのは、PNF duty の機長が「 V1/Rotate 」のコールアウトをした直後でした。

日本の感覚ですと、8月末の朝6時と言えば“既に明るい”と思ってしまいますが、現地は夏時間実施中でありましたし、その日の日の出は7時過ぎでしたから、周囲は未だ暗闇でした。このような背景もあって、夜間離陸時に関する安全勧告( A-06-8 )も出されたのでしょう。

事故を真摯に受け止め、二度と繰り返さないとの決意が、FAA, NTSB の双方から感じられます。

NTSB からのメールは以下の通りです。

NTSB Safety Recommendations A-06-83 and -84
************************************************************
                   NTSB SAFETY RECOMMENDATION
************************************************************

National Transportation Safety Board
Washington, DC 20594

December 12, 2006

************************************************************

Safety Recommendation A-06-83 and -84

************************************************************

The National Transportation Safety Board recommends that the
Federal Aviation Administration:

Require that all 14 Code of Federal Regulations Part 121
operators establish procedures requiring all crewmembers on
the flight deck to positively confirm and cross-check the
Airplane's location at the assigned departure runway before
crossing the hold-short line for takeoff. (A-06-83)

Require that all 14 Code of Federal Regulations Part 121
operators provide specific guidance to pilots on the runway
lighting requirements for takeoff operations at night. (A-
06-84) 


英文で9ページの PDF file ですが、当該安全勧告へのリンクは ここ です。

別ソースですが、以下は、New York Times の関連記事です。

Runway Checks Are Urged

Airline pilots should be required to follow procedures to make sure their airplanes take off on the right runway, federal investigators said. The National Transportation Safety Board recommendation results from its investigation of a plane crash on Aug. 27 at Lexington Blue Grass Airport in Kentucky. In that accident, a Comair jet tried to take off from the wrong runway, which was shorter, and crashed, killing 49 people. The board said the Federal Aviation Administration should require airlines to “establish procedures requiring all crewmembers on the flight deck to positively confirm and cross-check the airplane’s location at the assigned departure runway.”

By THE ASSOCIATED PRESS
Published: December 13, 2006
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DENPASAR 改め BALI へ

 師走になると郵便屋さんも大忙しなのでしょうね。先週末に届く予定、否、届いていなければならない Jeppesen Airway Manual のパケットが今日届いていました。(封筒にも“ CRITICAL TO FLYING SAFETY ”と印刷されていますが、出来るだけ早めのお届けをお願いします)

インドネシアのバリ島は、“神々の住む島”として、日本からも多くの観光客が訪れる地として有名です。

そのバリ島の空の玄関口は、デンパサール( DENPASAR )にある国際空港なのでありますが、これまでは、WADD/DEN DENPASAR, INDONESIA としてチャートが配布されていました。

が、今回の改訂で airport & location name が変更になり、
 WADD/DEN BALI, INDONESIA
となりました。

DのタブからBのタブへ移動です。

これで DENPASAR のチャートとはお別れです。

“廃棄 DESTROY ”と指示されているチャートですが、記念にとっておくことにします。

WADD/DEN 10-9 Airport Diagram


バリ島と言えば「デンパサール」、でしたからねぇ....「バリ」と言われても、『そのまま』ですな。

デンパサール線は、ちょっと前までジャカルタ( WIII/CGK: SOKARNO-HATTA INTL )と組み合わせて運航されていたので、クルーの間では“ジャカ・デン”の愛称で親しまれていました。

成田からですと、成田-ジャカルタ-デンパサール-ジャカルタ-成田、と航空機は運航し、成田を昼前に出て、デンパサールは現地時間の夜、復路はジャカルタが深夜で徹夜をして飛んできて翌朝8時頃成田に戻ってくるパターンだったかなぁ。

ジャカルタ、デンパサール共に赤道に近い位置にあるので、熱帯収束帯( ITCZ: Intertropical Convergence Zone )の悪天を気にかけねばならず、しかも、デンパサールもジャカルタも夜間の離陸・着陸ということで厳しい乗務パターンでした。

最悪時には、デンパサール一泊の一泊三日パターンでしたが、乗務時間は8時間半を超える上に、気象的にも容易でない地域での夜間の Landing を含む着陸回数2回ということから、運航乗務員は、成田-ジャカルタ(泊)ジャカルタ-デンパサール-ジャカルタ(泊)ジャカルタ-成田の二泊四日パターンに改められました。

キャビンは、インドネシア、ジャカルタの政情悪化の影響も手伝って、ジャカルタでの STAY は危険を伴うとのことから、成田-ジャカルタ-デンパサール(泊)デンパサール-ジャカルタ-成田の、文字通り“ジャカ・デン”を一泊三日でこなしていた筈です。

東南アジア路線と言えば往年のDC10が活躍した場でもあります。

関空からはDC10が、
 関空-デンパサール-ジャカルタ-関空
で飛んでいました。

チャートから DENPASAR の名が消えてしまうのはチトさみしいですね。

※今回のパケットには DENPASAR の AREA CHART の差替え指示が無く、新しい AREA CHART も入ってなかったので、早晩、もう一丁、となることでしょう。
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